携帯電話料金は下がるのか?(10/29)
◆ UQやYMが申し合わせたような価格でのサービスを予定しているという。大容量プランを必要としている人が多いと、某事業者は言っていた。しかし少し前には、月間5Gバイト以下しか使わない人が多く、ほんの一部の人が多くのデータを使って回線を混雑させていると。
◆ 大容量プランなら絶対的な金額を高く出来るのでARPUが下がらない。余ったら家族で使えば良いじゃないかと言うが。
親回線のデータを分けて貰うためには、更に出費が必要だ。
◆ ドコモの料金プランのページを見ると1,980円の文字が目に飛び込んでくる。
しかしこれは各種割引を最大限に使った時の月額料金であり、定価は3,150円となっている。3,150円で済ませるためには、月間データ使用量は1Gバイト以下である必要がある。
◆ UQが予定しているのは月間20Gバイトで3,980円だ。YMの場合は限定通話無料が付いて4,480円となっている。携帯電話料金の値下げに反対しているかのような意見の多い石川氏は、MNOが価格を下げればMVNOの立場が無くなり、大手の寡占状態に戻ってしまうと言っている。
◆ MNOが価格を下げると言う事は回線の卸値も下がる事であり、MVNOが価格を変えなければ利益が増えるし、価格を下げれば競争力が増す。もっとも大容量プランに関しては、MNOも薄利で売るのだからMVNOが苦しくなるのも分からないではない。
◆ MVNOがやっていけないくらいMNOの料金が下がれば、そこで寡占状態に戻るのではなくMNOの価格が限界まで下がったと見て良い。以前にも石川氏は、携帯電話料金を下げると設備投資に回せるカネがなくなるからダメだと書いていた。
◆ では実際5Gはどうなのか。分離プランによって移動体各社は利益を積み上げたわけだが、しかし日本の5Gは世界に遅れている。engadgetの記事では「菅総理の値下げプレッシャーは総務省の「公正な競争環境」とは真逆の「ゆがんだ競争環境」につながりかねないのだ。と書いている。他にもデータプランはごく小容量と大容量があれば良いみたいな意見のようで、中間は不要だそうだ。
◆ まあ色々な人がいれば色々な考えがあるわけだが、総務省は移動体通信業界やその利用者の実情をどの程度把握しているのだろうか。従来型携帯電話が無くなるからスマートフォンにした、でも使うのは電話だけだからデータ契約など要らないというご老人もいる。しかし現状では通話オンリーのプランはない。使おうが使うまいがデータ契約をしなければならない。
◆ ソフトバンクのホワイトプランは980円だった。通話オンリーならこれで良く、データを使いたければデータプランを加える。3G時代よりも無線区間の伝送効率が上がり、更にはVoLTEでコストが下がっているのだから通話部分は980円でも高すぎるくらいだろう。
◆ ドコモの〜1Gバイトまでのプランが3,150円なので、そこから980円を減じた2,170円が月間1Gバイト分のデータ使用量金になる。通話部分の980円は言わば基本料金のようなものであり、通話をすれば従量課金される。すると2,170円はそっくりデータ通信量の従量部分と考えられる。これはあまりにも高額だ。
◆ MVNOでは月間500Mバイトまでが300円というものがある。実にドコモの1/7の価格だ。これでも石川氏はMVNOにとっての脅威と言うのだろうか。ドコモがMVNO並の価格まで下げて来れば話は別だが、現状はそうではない。
|
|