VC

過去の雑記置き場


シザーズギア(12/1)
電解コンデンサ(12/2)
中国に見る合理化と技術革新(12/3)
携帯電話料金は下がるのか?(12/4)
イヤフォン論争(12/5)
トヨタ経営戦略(12/6)
全世帯課金は見送られそうだが…(12/7)
ケータイWatchは20周年だそうだ(12/8)
太陽光発電所はどうなるのか?(12/9)
リゾートマンション(12/10)
感染者数が増える訳(12/11)
2030年の東京都(12/12)
炎上したau料金プラン(12/13)
分銅(12/14)
Googleとbing(12/15)
7.5万円の家賃は高いのか?(12/16)
無人駅とワンマン運転(12/17)
ソフトバンクAirは遅い(12/18)
防ぎにくい自然災害(12/19)
何のためにものを作るのか(12/20)
スペースX(12/21)
NHKのやり方を逆手に取る(12/22)
技術は受け継がれないのか?(12/23)
実力を測るモノサシしなのか?(12/24)
配達業務は大変らしい(12/25)
電池切れで登坂が厳しいハイブリッド車(12/26)
TVの番組作りが雑になっている(12/27)
アマチュア無線の業務利用(1)(12/28)
アマチュア無線の業務利用(2)(12/29)
アマチュア無線の業務利用(3)(12/30)
今年も一年ありがとうございました(12/31)


VC
今年も一年ありがとうございました(12/31)
◆ 伊豆に引っ越してきて3年が過ぎた事になる。出歩く範囲が限られているので、いわゆる観光地チックな所を回った訳でもない。だいたい、いつでも行けるなと思うと、いつでもいいやとなってしまって中々行こうとしなくなる。

◆ 伊東だったか、この時期イルミネーションを売りにしている、伊豆ぐらんぱる公園と言うところがある。立体迷路だとか動物ふれあいコーナーなどがあるらしく、夜間はイルミネーションが綺麗らしい。

◆ この公園は入園料が必要で、昼間は1,300円で夜は1,500円となっている。アトラクションや売店などは夜間も運営しているのだろうか。案内を見ると、各アトラクションの最終受付は所要時間により異なるとなっている。と言うことは、夜間でも一応運営はしているのかも知れない。

◆ 伊豆ぐらんぱる公園は海沿いの国道に面している。何度もそこは通ったことがあるが、駐車場にはそこそこ車が止まっていた。
自然を楽しむくらいの伊豆観光に飽きたらこの公園で子供を遊ばせるみたいな楽しみ方も良いのかも知れない。

◆ この公園の近くに"怪しい少年少女博物館"なる所もある。昭和のオモチャなどが展示されているようで、入場料は1,000円だ。
レトロなオモチャだとかブリキの看板、古い映画のポスターなどに興味のある方は楽しめるのかも知れない。

◆ 私としては西側の海岸の海に行ってみたいと思っている。海の美しさでは伊豆で一番と言われるヒリゾ浜がそこだ。ここは道路がないので船で行かなければならない。行ってみたいのは山々なのだが、近年人気の場所らしく混んでいるのだとか。ここにしても、今行かなくてもいいやみたいな感じになっている。

◆ 土地柄と言うこともあるだろうが、観光シーズンはやはり夏である。冬は特に見るべき所は無いかなぁ。まあイルミネーションくらいか。温泉などは夏より冬の方が良い感じはする。ただ硫黄の香りが強いわけではないので、温泉らしさという点では余り面白くはない。

◆ 大室山とか城ヶ崎公園も観光スポットには違いないが、特別なところでもない。大室山は変な山なので、登ると言うよりもその外観を遠くから見て、変な山だねぇという程度の存在である。大室山は火山だそうで、4千年くらい前に噴火したのだとか。

◆ 桜の里の地名があるので、桜の季節には更に人出が増えそうだ。桜と言えば河津桜もある。
これは普通のソメイヨシノよりも早く咲き始めて、川沿いの桜並木は結構見栄えがする。ここも海水を採りに行くときに通るので、川の反対側から桜並木を見ることは毎年だ。人が出ていると言っても、道路が渋滞するほどではない。他府県ナンバーの車も増えるのだが、田舎の町の桜並木なので、人だらけでどうしようもないなんて風にはならない。

◆ 観光に来る方達も熱海とか、精々伊東くらいがお手軽コースなのだと思う。西側は交通の便の関係もあってさほど人は集まらないが、人が少ないので余り荒らされていない。観光客の減少と景気低迷の長期化で、熱海や伊東のホテル代は安くなっている。大江戸温泉物語の進出も結構あって、潰れそうな温泉宿を買い取っている。
大資本の支配が似合うような街でもないというか、昭和が未だ続いているよみたいな古い感じも今の伊豆っぽいところではあるが、まあ廃墟となるよりは良いか。


アマチュア無線の業務利用(3)(12/30)
◆ 建設現場などの連絡用に、大手企業では免許局無線機を使っている。これは社内での連絡には良いが、他の業者との連絡は基本的には出来ない。

◆ 一方で資材の搬入や土砂の搬出などはいわゆる個人事業主のダンプカーなどが多く出入りする。こうなると相互の連絡がうまく行かない。登録局無線機は30chが許可されているのだが、必ずしもうまく通信できるとは限らない。

◆ アマチュア無線機を不法に使う人たちも、混信がなくいつでも通信が出来るようにとオフバンド改造をしたりする。
一つの現場仕事が長期にわたると、他のトラックやダンプと交信する必要が増えてくるわけで、徐々にアマチュア無線機の不法使用が広がる。

◆ 大出力・低価格・オフバンド改造も出来るとあれば、使いたくなるのはもっともだとは思う。結局違法CBの時代から何も変わっていないのだ。TV放送跡地のVHF帯でも使って、パーソナル無線の代替通信手段でも作れば良いのにと思う。

◆ VHF跡地をナローFM/インタリーブで使えば4000チャネル以上が確保できる。ディジタル通信でも3000チャネル程度は確保できるだろう。VHF帯の場合は電離層反射で思わぬ所まで電波が飛ぶときがある(混信する)が、それはまあ仕方がない。

◆ 使い道に困っている帯域があり、一方で簡易で安易に使えるトランシーバの需要がある。役人的にはタダで帯域を使わせるなどもったいないとなりそうだが、国交省が無駄な道路を作るときによく使う経済効果というマジックワードではどうなのか。

◆ 最大出力にしても通信相手とのネゴシエーションによって100mW程度から20W程度まで可変を可能とすれば良い。QAM変調を使えば安易にリニアアンプも使えなくなる。QAM変調でノンリニア領域の多いアンプを使えば、振幅歪みによってSNが落ちてしまい通信が出来なくなる。

◆ オフバンドなどに関しても、必ず改造するヤツが出てくることを前提に対策を講じるべきだ。携帯電話同様に、購入時に本人確認を行えば登録は完了する。携帯電話基地局などにモニタ設備を併設するなど(電波利用料で)すれば違法局のチェックが出来る。

◆ そもそも電波利用料など、何に使ったら良いか分からないけど金を取っちゃったみたいな話があったのだから、有効利用して頂きたいものである。現在に於いても予算消化のための予算みたいな感じで、具体的に役立つものがどれほどあるかという事なのだ。

◆ 一部ではアマチュア無線用に割り当てられた周波数を業務転用するみたいな話もあるが、誰でも使える無線機と、免許人が自由に使える周波数とでは根本的に異なる。もっとも電波法によってアマチュア無線局にしても、正しく帯域を使う為の規定は厳しくなっている。

◆ スプリアス規定などが厳しくなるのは致し方ない所ではあるのだが、自作無線機を使う敷居が高くなるのはどうなのかなと思うところもある。違法無線局が開設される理由、その取り締まりが非常に難しいこと、いったん違法無線局が増え始めると本来の通信が脅かされる現状を踏まえて考える必要があると思う。


アマチュア無線の業務利用(2)(12/29)
◆ パーソナル無線のオフバンド通信で影響を受けたのがauだった。当時auはcdmaOneでのサービスを行っていたのだが、そのバンド内に違法パーソナル無線局が侵入する。cdmaOneはCDMA方式なので広帯域に拡散されていて、パーソナル無線による通信の邪魔にはならなかった。しかし逆に狭帯域で大出力を出すパーソナル無線機の電波は、CDMA通信の妨害になった。

◆ 1局の違法パーソナル無線機がcdmaOneのバンド内に出てくると、cdmaOneの全ての通信が遮断されてしまう。100人が通話していれば、100人の携帯電話が圏外になってしまう。auは違法通信を見つけると、そこでFM波を送信して違法通信をやめるようにアナウンスするなどしたが、何しろ相手は移動局なので時間が経てばどこかに移動してしまう。

◆ auは総務省などと連携して対策を検討するも、違法無線局の排除は非常に難しいものだった。そこで拡散通信に紛れ込んだ狭帯域通信を排除する仕組みを考えた。
当初は可変周波数・狭帯域のノッチフィルタでリジェクトする方法を、その後は全ディジタル処理によるキャンセル方式が使われた。狭帯域通信を受信してそのレプリカを作り、逆位相で妨害波を打ち消す方法だ。

◆ こうした苦労のなか、パーソナル無線が徐々に衰退する。その一つの要因がソフトバンクによる網内定額通話だった。何時間でも無料で話せるので、あえて電波の飛びにくいパーソナル無線を使う必要がなかった。
と言いたい所だが、当時のソフトバンクは圏外だらけでパーソナル無線にも及ばないと言われた。

◆ もう一つはグループ通話が出来ない事だったが、パーソナル無線時代にグループをまとめていた人などが私設交換局的なものを作って(何台もの携帯電話を並べて音声をミキシングして)対応した。こうした時代の流れとでも言うのか、一部マニアを除くとパーソナル無線利用者の数は減少した。更にはその900MHz帯の、移動体通信などへの転用と言うことでパーソナル無線自体が姿を消すことになる。

◆ CBの代替として登場したパーソナル無線が姿を消すと、簡単に通信する手段がなくなってしまう。唯一残されたのは特定小電力トランシーバなのだが、出力が小さいので100m程度の通信にしか使えない。ではどうするか、ここでも海外用の高出力トランシーバが利用されることになる。

◆ いわゆる業務用無線機(2008年以前の登録局)は存在しているのだが、無線局開設が少々面倒(法人のみ)だとか他事業者間の交信が出来ないなどの制約がある。その後300MHz帯で出力を5W迄上げ、規定の外部アンテナが利用できるディジタル無線機が登場するのだが、免許局扱いになる(異免許事業者のと交信も一応可能)ので使用の制限や申請などが少し面倒だ。登録局の場合は開設申請で使えるとか、異免許間での通信が可能でパーソナル無線に近いものだ。

◆ 免許局は150MHz帯や460MHz帯などを使い、登録局は350MHz帯が許可されている。登録局無線機は手軽に使えるのだが、パーソナル無線の最盛期同様、混信の問題が起きている。また業務用無線機になれば価格も高めと言うこともあり、だったらアマチュア無線用の無線機の方が簡単ではないかという流れになる。勿論違法は承知なわけだが、混信で使えない無線機など何の役にも立たないというのが、登録局無線機を使う人の弁なのだ。


アマチュア無線の業務利用(1)(12/28)
◆ アマチュア無線局が減少し、混信などが緩和されている。それを良いことにと言うわけでもないのかも知れないが、アマチュア無線機を業務利用したり免許外(無免許)利用したりする例が増えている。

◆ 1987年に公開された映画"私をスキーに連れてって"でアマチュア無線機が主人公達の連絡ツールとして使用されたことなどから、正規に免許を受ける若者が増えたと言われる。その一方で、無線機を買ってくればそのまま使えることなどから、免許を取らずに無線機を使う人が増えて問題にもなった。

◆ 一方で違法CBの問題もあった。遠距離まで電波が届きやすい27MHz帯を利用した正規の市民バンド無線機は500mWの出力と内蔵アンテナのみの規定だったのだが、主に輸出用(或いは輸入品)無線機を使う人が増えた。海外のCBトランシーバは多チャネルで出力も大きかった。

◆ さらにその無線機にリニアアンプを接続し、トラックなどではキロワット級の出力を出していた。これがTVやラジオ、電話や有線放送などに混入する事例も数多くあった。

◆ 違法CBの取り締まりは行われたものの、当時の郵政省は違反を確認することしか出来ず、電波法違反で捕まえるのは警察の仕事であり、取り締まりが難しかった。取り締まりではなく代替通信手段を用意すべきだとの声もあり、マルチチャネルアクセスとディジタル呼出符号送出機能を持ったパーソナル無線が誕生することになる。

◆ パーソナル無線は900MHz帯を利用し、最大出力は5Wに設定された。民生用の無線機が900MHzという高い周波数帯で、しかも5Wもの出力を出すのだから凄いなと思ったものだ。当時私は自動車電話関係の仕事もしていたのだが、初期段階のパーソナル無線機の設計にも首を突っ込むことになる。

◆ パーソナル無線機によって違法CBは確かに減少した。しかし900MHz帯では電波が飛ばない。電波が飛ばないなら出力を上げろとばかりに、トラックドライバーはブースターを使い始める。900MHz帯で大出力を出すのは大変だったが、FM変調なのでC級アンプで良い点では幾分楽だと言えた。

◆ 初期の頃はパワーモジュールを大出力のものに交換するなどの改造が主だったが、やがてパワースプリッターとコンバイナを使って複数個のパワーモジュールを並列運転したり、或いは当時まだ高額だったハイパワーのトランジスタを使ったブースターが販売された。勿論使うのは違法だしブースターは高額だったが、パワーモジュール方式で100W前後から、最大では数百ワット出力のものまで販売された。

◆ 多くの人がパーソナル無線を使えば混信が起きる。混信を起こさないためには常に電波を出していれば良い。マルチチャネルアクセス方式なので、電波が出ているとキャリアセンスに引っかかって、新たなチャネルを開設できなくなる。

◆ 全てのチャネルがいっぱいだと発呼自体が不可能になるので、発呼する時にアンテナを外すなどの工夫?が行われ始めた。更には制御ROMにパッチを当てて、許可周波数外を使うようになり始める。いわゆるオフバンドだ。
無線機自体は急峻なフィルタが入っているわけではなかったし、VCOの発信周波数にも余裕があったのでこうした改造が出来たのだ。


TVの番組作りが雑になっている(12/27)
◆ いわゆるヤラセの類いなのだが、いかにもそれっぽい映像を作るのではなく、半ば適当にやっている感の強いものがある。そういった番組はすぐにおかしな点が指摘され、広まってしまう。

◆ ずっとずっと前ならば、おかしいと思った人(その分野の専門家など)がいたとしても、それが他の人に広まることはなかった。しかし今はSNSなどで話題になり、広まってしまう。

◆ 大食い系の番組が減ったのも、リアルに大食い競争をしているのではなく、台本に基づいて演出されているものだと言うことがバレてしまったからだ。TV局は出演者の健康を害する恐れがあるのでやらないみたいな事も言っているが、一方で海外ロケなら(バレにくいから)OKみたいな。

◆ 一時期は視聴率を稼いだという盗聴器系の番組も最近は減った。盗聴器を発見するという専門家の使う受信機が適切ではないというか、そのトランシーバじゃ盗聴器の周波数は受信できないでしょ、みたいなものもある。盗聴器を発見しました!といって分解したら、それってノイズフィルタじゃないの?テーブルタップの、なんてものも。

◆ 電子部品などに詳しくない人が見れば、そうかこれが盗聴器なのかと思ってしまう。テーブルタップやノイズフィルタを売っているメーカは大迷惑だ。

◆ 盗聴器発見業者を名乗る悪質業者も暗躍する。TVで放送されていた、ほら、これと同じものが付いていますよ、これが盗聴器です。すぐに無効化の処理をしないと、コンピュータウイルスと同じように他のコンセントにも影響が広がる可能性があります。家中のコンセントの盗聴器の無効化は○万円です。

◆ 盗聴器発見業者を名乗って家の内部の様子を観察し、後日空き巣に入る輩がいるかも知れない。TV番組では盗聴器の恐怖を植え付け、専門業者が町を徘徊している風を装う。

◆ アナログコードレス電話の電波なら拾えると思うが、盗聴器など相当数は少ないはずなので街中で遭遇する可能性は低いだろう。盗聴器自体も送信出力とアンテナ効率の関係もあって、あまり電波は飛ばない。

◆ もう随分前になるが広帯域受信機に盗聴器で使われるVHF帯や一部UHF帯の周波数をセットして車に積んで実態を観察してみた。だが受信機を積んでおいた(シートの下に転がしておいただけ)事すら忘れてしまっていた。というのもスケルチさえ開かない程何の電波も入ってこなかった。

◆ 車を掃除したときに、あ、受信機積んでいたんだ、おっ、未だにスキャンしている、みたいな感じだった。横浜や都内を走ったって容易には受信できないわけで、TV番組のようにいくつもの電波が入ってくるなんて事に遭遇するは、それなりの下準備が必要だ。

◆ で、町を徘徊して盗聴器を発見するのはアパートの一室みたいな演出で、でも部屋の内部は作り(張り出した梁とか)がマンションかビルのセットじゃないの?みたいな所も雑である。

◆ ロケ番組や民間人風の人を出す番組はコストが余りかからず、外注任せで出来上がる的な気軽さがある。番組制作側も外注に無理な注文をすれば良いだけで、外注もそれを何とかこなそうとするが、無理をする分だけ雑になる。


電池切れで登坂が厳しいハイブリッド車(12/26)
◆ 日産のe-Powerはシリーズハイブリッドである。モーターの最大出力は100kWだが、バッテリー駆動ではバッテリー容量(最大放電電力)の関係もあって38kW程度の出力しか得ることが出来ない。バッテリーはLi-ionで1.8kWh(セレナ)だそうだ。

◆ 1.8kWhのバッテリーから40kWもの電力を放電させるの(約22倍)だから、結構頑張っている。ちなみにバッテリー走行可能なのは数分程度だそうだ。ダイソンの掃除機は400W以上の消費電力を、70Wh程度のバッテリから供給(約5.7倍)している訳だが、e-Powerは桁が違う。(ダイソンバッテリーパックの18650とはバッテリー構造自体が異なる)
◆ バッテリー切れになるとエンジンが作り出した電力を使うことになる。エンジンは1200ccで62kWを出力する。発電機やインバータの効率が100%だったとしても、モータの駆動電力は62kWでしかない。発電用エンジンがフルパワーで動作し、バッテリーからもフルに電力を引き出した状態で、モータは100kWを出力できるのだ。

◆ プリウスにしても同様で、エンジンは1800ccで73kW出力だ。排気量の割に出力が小さいのはミラーサイクル(的)に動作しているからである。おそらく当時は、小排気量エンジンで出力を上昇させるより、大排気量エンジンを軽く使った方が燃費性能的にお得だと考えられていたのだと思う。現在では同じ出力を得るのであればフリクションなどの点から、小排気量エンジンの方がお得みたいな流れになっている。

◆ e-Powerセレナは坂道を登れるのかという実験などが行われている。高速道路の坂道は大丈夫なようだが、箱根や富士山はダメだとか。もちろん走れなくなってしまうわけではないが、登坂速度は20km/h〜30km/hに落ちるそうだ。

◆ シリーズハイブリッドはEV+発電用エンジン的に使うのが効率的で、バッテリー容量の小さなハイブリッド車用ではちょっと無理がある。勿論発電用エンジンの出力を上げれば普通に走れるわけだが、だったらシリーズハイブリッドでなくても良いんじゃないのとなってしまう。

◆ むしろエンジン出力は小さめで、バッテリー容量を拡大した方が効率的になる。ただしバッテリーは高額であり、容易に容量を増やすことが出来ない。しかし容量を増やしていけばフルEVにも出来るわけで、この辺りが日産らしいと言えばそう思える。

◆ エンジンを取り去ってそこにバッテリーを積めば、とりあえずはEVとしての商品を作り上げることが出来る。EV化の流れの中で複雑なハイブリッド構造を採るよりも、ピュアEVへの転用が容易なシステムを途考えるのは当然である。ただ現状の性能ではe-Powerはダメだと言われかねない危険性がある。

◆ 街中では普通に走れていたのに、山道を登り始めて数分で速度が落ちてしまった、故障ではないかと思ったなどの記事も見受けられる。夏場にエアコンを付けた走行、更には多人数乗車ではかなり厳しい。まあ、軽自動車のエンジンよりはパワーがあるが、総重量2.2tの車に84馬力なのだから動力性能的にはNAの軽自動車と同じくらいだろう。

◆ 小排気量エンジンを使うことによってカタログ燃費は18km/l程度を実現している。2リッター110kWエンジン搭載車が12km/l位なので、出力が小さい分だけ燃費が良くなったと考えても良い。もちろん常に110kWの出力が得られる2リッターエンジン車と、数分に限って100kWの出力を得られるe-Power車の違いは大きい。なので、街中中心で乗る人、山や峠を走る可能性の低い人向けの車と言うことになる。


配達業務は大変らしい(12/25)
◆ ウーバージャパンの話は以前に書いた。
配達員は雇用関係にはなく、その管理も行っていないというのがウーバージャパンのスタンスである。配達員は、稼ぐ人だと月に50万円ほども売り上げたという。

◆ しかしGoToEATなどの影響や、高収入を目指して配達員に登録する人が増えた結果、エリアによっては時給換算数百円にしかならない人もいるとか。この場合もウーバージャパンと雇用関係にあるわけではないので、最低賃金が云々などという話にはならない。

◆ これは一時期流行ったバイク便も同様だったそうだ。バイク便最盛期には月収が100万円を超える配達員もいたと言うが、その後の配達業者の増加で競争は激化し、今は月収20万円くらいらしい。バイク便の場合は配達員とは雇用関係を結んでいる事がある。個人事業者でも緑ナンバーを取ればいい話ではあるが、貨物軽自動車運送事業経営届出と運賃料金設定届を提出しなければいけない。

◆ ウーバーイーツ配達員でも125ccを超える排気量のバイクで配達を行う場合には、緑ナンバーにする必要がある。今年の春先にはバイク便業者として個人事業を開始し、バイク便やウーバーイーツ配達員などを開始する人が多かったようだ。ただバイク便などの開業を代行する企業では、ウーバーイーツで儲かるのは一時的なものになるかもしれないと、当時から注意は喚起していたそうだ。

◆ コロナウイルス感染の拡大が続けば再び宅配が増える可能性がある。その一方で配達員の評判の悪さや、いわゆる無店舗営業のウーバーイーツ専門飲食店の問題も指摘される。飲食店の営業には許可が必要、宅配となると製造業の許可も要る。しかし現在多くの飲食店は製造業の許可は取っていない。食材販売には販売業の許可が必要だが、これも実際には取得されていない。

◆ 更にはにわかレストラン、名前だけの所では何の許可も得ていない所が多いそうだ。ホームページを作ればいい話なので、同じ住所のマンションの一室が焼き肉専門店だったり、フレンチレストランだったり、高級割烹だったりと、6つも7つもの看板を付けている。

◆ 注文する側から見れば、それがマンションの一室であることなど分かるわけもない。そして注文が来れば、マンションの狭いキッチンで料理が作られていく。これも多くは業務用の冷凍やレトルト食材が使われるそうなので、製造時間も短縮できて客を待たせないという。

◆ ラブホテルの厨房が一流料理店になっていたという話もあった。コメントでは旅館業法の許可があるから良いんだと書かれている。旅館業法には製造業許可も含まれているのかな、まあこのコメント者は相当な自信があるようなので、たぶん製造業も含まれているのだろう。

◆ 食べ物にしてもそれ以外でも同様なのだが、通販をどこまで信じるかの問題は常にある。
通販そのものの信頼性を確保するために様々な努力が行われ、ZOZOなどにしても衣料品はネット販売では売れないと言われた、それを覆した。

◆ こうした中での出前ビジネスなわけだが、先行している出前館は、売り上げは増えているが人件費がバカにならずに赤字転落だとか。
それに加えて架空レストランの乱立が今後どのような影響を与えるのか。


実力を測るモノサシしなのか?(12/24)
◆ Twitterにこんな投降があった。「フォロワー10万以上じゃないとイラストレータとしてはダメと企業の方に言われました。」これに対して賛否のコメントが書き込まれた。

◆ ツイッターのフォロワー数とイラストレータとしての実力は関係ないのではないかと。一方で、そのイラストレータを使う企業側としては、イラストの出来と共にフォロワーを買うような部分もあるという。

◆ ホステスさんが転職するときに「どの位の客を持ってこられますか」と聞かれるのと同じと言うことなのだ。そのイラストレータのイラストを使うことによって、どの位の宣伝効果があるのかをフォロワー数で測ると言うことなのだ。

◆ 星の数ほどいるイラストレータに付加価値を見いだすとすれば、それは宣伝効果に他ならないと言われれば、商業的にはそう言う事もあるのだろうなとは思う。

◆ 天下りにしても同じ事で、その人間やその人の実力が欲しいわけではない。天下りの付加価値とは天下る前の状態と環境そのものだからだ。役人を目指す学生にしても、天下るためのポジションを確保するために頑張っている。

◆ 以前にも書いたが、某大手電機メーカに勤めていた人が独立した。定年までいれば良いのにと周りに言われながらも、ご本人としては思うところがあったのだろう。だが独立後は苦難が待っていた。まず部品業者が取引をしてくれない。メーカにいた頃には毎週のように顔を出し、時にビール券を持ってきたりしていた電子部品の代理店が見向きもしてくれない。

◆ 独立したその人の価値はその人そのものの価値ではなく、メーカの開発セクションにいて部品選定の権限を持っていた部分にあったからだ。勿論エンジニアとして多くの知識を身につけてはいたが、そんな事は部品代理店には関係がない。

◆ 何を商売にしているかによって、人間に求める価値は違ってくる。楽天モバイルの求人を見ると博士号取得者などを求めている。もしかしたら博士は宣伝メールを書くのがうまいのかも知れないが、研究開発セクションではなく実運用で困っている状態なのだから、むしろオペレータで運用経験のある人を集めた方が良い。と言うことも余りよく分かっていなかったりして。

◆ 日本では博士号を取得する学生が少ないが、博士号を取得して楽天に就職しますかと言われれば明るい未来は見られない。研究開発が余り得意ではない日本、逆に言えば製造技術に長けた日本の企業は知識よりも経験みたいな所がある。

◆ 企業の研究所などで生まれたものが製品になりにくい(製造に要するコストなどで)事も理由だろうし、開発費や開発期間などの制限(景気が悪いという事も影響している)で、自由な研究が難しい事もある。

◆ フォロワー数の多いイラストレータを求めている企業は、イラストレータに集客力を求めていることになる。集客してくれる専門家よりも、イラストレータを集客係として併用した方が、広告宣伝費用が安くなるのかも知れない。


技術は受け継がれないのか?(12/23)
◆ こちらの記事なのだが、東芝製TVのバックライト不良である。不良の原因はバックライト用LEDコネクタの接触不良だ。何故コネクタが接触不良になるのかだが、コネクタの材質の問題と微摺動摩耗ではないかと分析されている。

◆ コンタクト部分の材質の問題もあるが、基材部分の材質も問題になる。フレキシブル基板などで柔らかい材質の場合は、コンタクトの圧力で基材がへこんでしまう。コネクタのバネ部に十分なストロークがあり、摺動による摩耗に耐えるものなら問題はなかったわけだ。

◆ 組み立て時にしか抜き差しをしないコネクタとか、出荷時にしか調整を行わない半固定抵抗器の寿命は短い。部品の仕様書にも抜き差し○回までとか、調整何回までみたいな規定があったりする。価格が安いからと、半固定抵抗器に無理矢理軸を付けて調整用として使うのは間違っている。

◆ まあ中華ものなどこの手のものが多いわけで、そこには信頼性よりコスト優先みたいな所がある。現在使っているセンサーライトの感度調整も、ベークライト基板に抵抗体をくっつけた、極めて安価な可変抵抗器に無理矢理軸をはめ込んだような構造だ。

◆ コネクタに関しては、通常は(コネクタなのだから)抜き差しをする前提で作られている。しかし故障したLED基板のコネクタはそうではないようだ。コネクタにとって摺動が害かと言えば必ずしもそうではなく、摺動によって付着した絶縁皮膜などを取り去る効果がある。しかし摺動は摩擦なので弱い電極であればそこが壊れてしまう。そして故障したコネクタは、弱い電極だったのだ。

◆ 量産品の部品選定では、その部品の信頼性テストデータなどを見たり、製造時の組み立てストレスでの故障がないか、在庫期間による劣化(半田付けものでは半田濡れ性の低下、接触ものでは金属の酸化など)の有無なども検討されるはずだ。売り込まれた部品をそのまま使うのは危険だ。

◆ 中華部品などは仕様書に書かれていることが本当なのかと言ったらおかしいが、例えばこの件に関して言えば、設計者がコネクタ部分をカッターナイフの刃などでカリカリと削ってみれば、コンタクト部分が弱いことが分かったはずである。というか、見た目が安っぽそうだなと思ったら、本当に信頼性があるのかをテストするのが普通ではないのだろうか。

◆ 量産品は不良が出ると金銭的ダメージが大きい。新しい部品を採用する前には、メーカが信頼性データを取る位の事はやるはずなのだが、コストダウンでそれも省略なのか。経験あるエンジニアであれば、こうした部品のどこをチェックすべきかがある程度分かっている。しかしそれはエンジニアの言わば常識みたいなもので、個々のメーカの個々の部品に対して、どこをチェックしろと文書化されるような、出来るようなものではない。

◆ 買ってきました、接続しました、完成しましたみたいな作り方をしていると、この東芝製のTVみたいな事になる。それでも7年持ったのだから良いとするのか、代替需要を考えればむしろ適切な部品選定だったと言えるのか?それとも、負の宣伝効果によるデメリットを否とするのか。ウチのシャープ製のTVは2010年製なのだが、特段不具合は発生していない。


NHKのやり方を逆手に取る(12/22)
◆ 放送法では受像機を所有しているものはNHKと契約しなければならないとされる。しかしこれには罰則規定がない。そこでNHKは、契約しているにもかかわらず支払いがされていないとして、契約不履行で訴える作戦に出た。なお契約はNHKが勝手に締結することが出来る。

◆ NHKを名乗る徴収員は今日も街を回っている。完全歩合制で契約を取れば2万円が手に入る。2万円のためならと不正な訪問や騙しの契約なども普通に行われる。家人が留守のすきに未成年者に判子を押させるなんて事は日常茶飯事だ。

◆ こうした悪徳行為に関してNHKに文句を言ったところで、NHKは知らないよと言うだけである。NHKとは関係のない人間だから、不満があれば警察に通報してくれと言われる。深夜や早朝に尋ねてくるなど好き勝手にやるのも、誰にも管理されていないからだ。

◆ 徴収員は大抵は「NHKです」と言ってやってくるが、NHKが関係ないと言っているのだからNHKではない。以前に書いたように、これは110番通報すれば警官が捕まえてくれる。警察に頼らず、その徴収員の身分をNHKに証明させる方法も有効だ。

◆ 契約取得代行企業に属している場合もあれば個人の場合もある。いずれにしてもNHKではない。NHKではない人間がNHKを名乗るのだから罪になる。しかしNHKを名乗らないと、話すら聞いて貰えないからNHKですといってやってくる。

◆ 最近は大手企業を名乗って詐欺行為を働く事件が増えているから、NHKだと言うのであればNHKに証明して貰って欲しいと要求する。大抵の徴収員はNHKではなく、その代理店の企業の身分証明書を見せるだろう。

◆ しかしそれはNHKではない。いくら身分証を見せて貰ったところで、それがホンモノか偽造なのかなど分からない。実際ガス会社や電気会社では、訪問員に不審を抱いたら本社に電話で確認するように言っている。

◆ だがNHKはその人間の身分を証明することを行わない。結局そこにいるその人間が一体誰なのか?少なくともNHKの関係者でないことだけは分かるが、それ以外のことは分からない。

◆ そんな見ず知らずの人が持ってきた契約書にハンコを押したら何が起きるか分からない。これ以上怪しげな契約を迫ったり、再び尋ねてくることがあれば、NHKを語った詐欺として被害届を出しますよと言えば(余程のバカでない限り)退散するしかない。

◆ N国党(ゴルフ党にするといったり、NHKから自国民を守る党(非公式略称自民党?))にしても物事を考えて行動すれば墓穴は掘らなかったと思う。携帯電話やスマートフォンのワンセグ受信機能裁判にしても、何で負けるような裁判をやるのか。もう少し考える力があれば頑張れたのではないかと思う。
今は立花孝志氏より総務大臣に期待した方が良さそうなのだが、総務大臣はスクランブル化には反対の姿勢だ。

◆ NHKはIP放送と全世帯課金を行おうとしているわけだが、全世帯課金には全世帯の情報が不可欠だ。その為にTV受像機を買った人間を教えろと迫っている。更には全世帯から全個人課金で更に収益を上げようとする。携帯電話料金よりNHKのスクランブルかが先だと、特に若い人たちは声を上げている。


スペースX(12/21)
◆ 宇宙飛行士をISSに運んだスペースX社のロケットにより、ISSへの人員輸送のコストは下がるのではないかと言われる。スペスシャトルの運用が終了して以来、有人ロケットはロシアに頼る以外になく、そのコストは年々上がっていたそうだ。

◆ スペースシャトルは機体を繰り返し使うことでコストが低減できると言われたわけだが、メンテナンスの難易度やそのコストが管理を難しくした。

◆ スペースX社は2002年に設立された。
スペースX社も凄いのだが、その凄い企業を作り上げたイーロン・マスク氏が凄いと言っても良い。スペースXの創業者と言うより、テスラの創業メンバーといった方がピンとくるかも。

◆ 純資産数兆円と言われる財力にものを言わせ、失敗すら成功に変えてしまう男なのだ。勿論カネがあれば何でも成功させられるわけではなく、経営手腕や環境・宇宙に対する興味や目標みたいなものがあったからこそだ。

◆ スペースX社が発足してから1年後、日本ではホリエモン氏率いるインターステラテクノロジズ株式会社が、枯れた技術を使った安価な小型ロケットをと言う目標の下で開発が開始された。

◆ 会社の詳細というか、運営方針だとか経営方針はよく分からないのだが(あくまでも端から見ると)みんなで一緒に何かやろうよ的な、それこそ楽天モバイルではないがサークルの延長みたいな和気藹々的感じを受ける。

◆ それはそれで良いのだが、そこに税金が2億円ほど突っ込まれているそうだ。成果物としては、今年の春先にはじめて宇宙まで飛ぶロケットが出来た。2011年の"はるいちばん"から8年、10機目の"宇宙品質にシフト MOMO3号機"の成功である。その後の11機目、"ペイターズドリームMOMO4号機"は失敗に終わっている。

◆ スペースX社とは規模も方向性も異なるのだが小規模な開発環境でロケットを成功させる難しさのようなものを感じる。ロケット開発は多くのエンジニアが関わるプロジェクトであり、小規模な企業では中々人材も集まらないだろうし、予算にも限りがある。

◆ インターステラテクノロジズの前身であるSNSは、堀江貴文氏仮釈放後第一弾プロジェクトとしてアプリ755をリリースしている。今となってはすっかり忘れ去られたアプリだが、ホリエモン氏は(当時は)力を入れていたし宣伝もした。

◆ では何故755が流行らなかったのか。流行らないアプリの方が流行るアプリより多い現状で、流行らない理由など無いのかも知れない。ようするに使う価値がないと判断された、それだけである。ホリエモン氏は有名人をこのアプリに引き込めば流行るはずだ、芸能人に使って貰えば良いと宣伝をした。

◆ しかし結果として使う人は多くはならず、失敗と烙印を押される。これに対してホリエモン氏は、リリースから2年で失敗と判断するのは早すぎるとした。しかしリリースから6年経った今、失敗と言われることも無いほど忘れ去られている。一つのサービスとしての2年は短いのかも知れないが、2年前のアプリケーションは古い。

◆ インターステラテクノロジズのロケットが商用利用されるのはいつだろう。アプリのように忘れ去られるものではなく、日本の民間ロケット会社として成功の日が来れば、それは一つの時代になる。


何のためにものを作るのか(12/20)
◆ 昔に比較すると何かを作る、自作する人は減ったと思う。何でも手に入る時代だし、出来合のものの方が安価だからだ。

◆ PCの自作というのは自作と言うより組み立てである。好きなパーツを買ってきて組み立てる。BTOなんて言葉がなかった時代には、帯に短したすきに長しなメーカ製のPCでは飽き足らず、尖った性能のPCを組み立てたものだ。

◆ そうした需要を満たしたのがショップブランドやBTOであり、そうすると大量仕入れによってパーツ価格が下がるので製品価格が安くなる。もはや自作は高く付くと言われ始めたのもこの頃だった。

◆ 本当の自作と言ったら言い方はおかしいかも知れないが、ユニットを接続するのではなく部品を並べて半田付けして何かを作り出す。それは市販のものの性能では物足りないとか、そもそも市販品が存在しない、でもそれが欲しい、必要だから作ってしまう。

◆ しかし世の中には作ること自体が好きな方もいる。買ってくれば千円で済むのに、その市販品と同じものを何万円もかけて作るみたいな感じだ。ロジックICを沢山並べて分周器を作ってみる、みたいな感じだ。それが何の役に立つのかではなく、それを作ることをしたかったのだろう。

◆ 私だったらICを並べることはせずにロジックシミュレータで検証するか、もう少しハードウエア寄りのことをやりたければFPGAを使う。でもICを並べて作る人は、その手間と実体に魅力を感じるのだと思う。

◆ PHSの制御ロジックを作った頃、FPGAは高価な部品だった。最大で9000ゲート、たったそれだけしか入っていない。価格は10万円位したのではないかと思う。設計も機能記述ではなく回路を書いた。同期ロジックなどとてもではないが入りきらず、ほぼ全てを非同期回路で実現した。
そもそも同期ロジックを組もうとしてもクロックラインが配線しきれないみたいな事が起きたのだ。

◆ 非同期回路なのでデバイスや配線の遅延が問題になる。クロックがないのだからここを1クロック分遅らせて、なんて事が出来ない。不要なゲートを挿入しようにも、意味のない回路を検出するとコンパイラがそれを最適化してしまう。

◆ 今はFPGAのゲート規模は1千万、当時の千倍の規模があるが、当時はその(当時最大規模だった)FPGAを何個も並べて回路を実現した。回路図入力による自動配置配線も数時間かかった訳で、夕方自動配置配線プログラムをセットして帰宅し、翌朝にそれが出来ているみたいな感じだった。これなどは、当時使える部品を使って、当時存在しなかった回路を作った事になる。

◆ 世の中にないから作る、買ってくるより安く出来るから作るのが本質だろうなとは思うが、試しに作ってみたというものもある。
作れば動作することは分かっている。動作するように作るのだから。だから単にこれは作ってみましたというものに過ぎない。
安価に確実に作るという点では市販ユニットの組み合わせの方が上である。中華ユニットを使った方が安いのだから、物作りの意味というか自作の必然性も変わってくるなと思う。


防ぎにくい自然災害(12/19)
◆ 関越道の立ち往生は解消に向かったが、ドライバーは長時間車の中に閉じ込められることとなった。渋滞の先頭は大型車両で、雪によって動けなくなったことで渋滞が発生した。

◆ 雪ばかりではなく、大雨時の道路冠水でも立ち往生は起きる。大雨にしても大雪にしても、短時間に多くの雨や雪が降るので排水や除雪が間に合わなくなる。関越道でも除雪作業を急いだそうだが、結果として相当な時間がかかった。

◆ 高速道路上での立ち往生を防ぐには、高速道路から車を排除すれば良いと言うことで、首都高速などでは雪が降ると早々に入り口を閉鎖する。こうすると一般道が渋滞してしまうのと、首都高速に雪が積もってしまうので雪がやんだ後の復旧作業に時間がかかる。

◆ 降雪の場合は除雪に時間がかかると雪が積もってしまうので、余計に厄介なことになる。車が通っていれば雪は踏み固められるのだが、渋滞が起きると雪で車が走れなくなる。除雪して一台車を動かして、次の車との間に積もった雪を片付けてと、大変な作業だったのだろう。

◆ ガス欠の車両も相当あったようで、今後EV化を進めるならば高速道路各所には非常用充電設備も装備しないと。ガソリンを運ぶより簡単と言えば簡単だが、相当な設備数、沢山の長いケーブルを用意しないといけない。大型の移動発電車で2MW位なので、それを派遣しても20台くらいしか一度に充電出来ない。

◆ 非常駐車帯が500mごとにあるので、そこに非常用充電設備を設置するなどの対策というか整備も必要になるだろう。
トヨタはFCEV推進だが、水素を運ぶのも何かと面倒だ。少なくとも現状では水素価格が高いので、燃費的にFCEVのメリットはないけど。

◆ 豪雨に遭遇したことがあるが、あっという間に道路が冠水する。道が空いていれば冠水しにくそうな場所に移動することが出来るが、渋滞していると何も出来ない。道路や歩道、歩道の向こう側の建物の敷地などを見渡して、どの位まで水位が上がるのだろうかと見ているしかない。

◆ 幸いにしてその時には水位は余り上がらなかったが、車室内に水が入ってくるくらいまで水位が上がってきたら脱出するしかない。しかし雨が強くなり、路面が全て水に覆われるまでは短い時間だった。

◆ 積雪時にしても、雪でスリップしてもがいている間にどんどん雪は降り積もってしまったのだろう。ジムニーにはチェーンを積んでいる。冬はスタッドレスタイヤにするのだが、ジムニーは接地性が悪いのでカーブの坂道などではスリップしてしまって走れなくなる。他の軽自動車が難なく行く道も、ジムニーにとってはキツい事になる。

◆ LSDやESCがあれば何とかなるのだろうが、一輪でもトラクションが抜けると走れなくなるのが辛いところだ。新雪などである程度柔らかい、タイヤが多少浮いても雪に接しているような道ならば普通以上に走れる。

◆ これがシャーベット状の雪となるとダメだ。4WDにすれば前後輪はロックされるが、坂になったカーブでは摩擦係数の減少した2輪がスリップしてしまうので走れない。普通の道というか平坦な道ではあまり気にすることのない状況なのだが、ここは山のなかなので難しい。


ソフトバンクAirは遅い(12/18)
◆ 固定回線の代替として宣伝されているのがソフトバンクAirだ。加入者数の集計でも移動体通信回線数にカウントするのではなく、FTTH契約者数としてカウントされている。

◆ そんなソフトバンクAirのニューモデルは最大962Mbpsなのだそうだ。ソフトバンクAirのパンフレットには、ソフトバンクの4Gでは最大110Mbps、ADSLは最大50Mbpsで、それよりずっと高速だとと書かれている。

◆ このニューモデルに無料で交換して貰える。しかしここにはソフトバンクの罠があり、自動的に3年契約が更新される。ニューモデルへの交換の説明を小さな字まで良く読めば3年契約が更新されることが分かるが、安易に申し込みをしてしまうと後で泣くことになる。

◆ ソフトバンクAirで満足な速度が出れば泣くこともないのだが、調子の良いときで20Mbps程度、夜間は1Mbps以下にもなるという。では解約するかと考えるわけだが、ここにもソフトバンクの罠はある。

◆ 例によってWi-Fiルータの分割代金や解約料などの高額請求が待っているのだ。サービス自体は2年契約、Wi-Fiルータは3年割賦なので、4.5年間は解約できないことになる。そしてその途中に新機種への無料入れ替えが案内され、それと交換して貰うと更に割賦期間が延びるわけだ。

◆ ちなみに契約後半年で解約しようとすると、違約金と割賦残の合計は5万円近くになる。
引っ越しなどの時も扱いが微妙で、ショップによると登録住所以外では使えないとなっている。いわゆるモバイルルータのように持って歩く事は禁止されていて、契約場所以外からの接続が確認されると警告が来るそうだ。

◆ 引っ越しの場合に住所変更が出来るという話もあれば、再契約(2年契約のやり直し)になったという書き込みもあってよく分からない。相当悪質な営業方針で加入者集めをやっている訳で、勧誘からサービスそして解約まで、トータルとして悪にまみれている感じだ。

◆ ソフトバンクAirの契約縛りの1年が経過すると月額料金が千円上がる。加入時にはFTTHと同じ3.8千円ですよ、工事がないから便利ですよと勧誘されるのだが、2年目以降は遅くて高いものになる。だが契約縛りや割賦残があるので解約しにくい。

◆ ソフトバンク系と契約するにはそれなりの覚悟が必要なのは当然である。まあ契約してしまった人は授業料だと思って諦めるしかない。
今後の人生に於いて怪しげ系な企業との関わり合いには十分注意しなければいけないという教訓だ。これはソフトバンクだけの問題ではなく、楽天にしても同様である。野球チームを持っているところは危険だと覚えておけば良いだろう。

◆ 空いている時間帯などで下りの速度が5Mbps以上出たとしても、上りは遅い。システム的に仕方のないことだが500kbps前後だと思えば良い。従って動画ファイルのアップロードなどは絶望的だ。ゲームなども双方向通信が必要なものは、遅延などでプレイに支障が出る。

◆ 楽天モバイル同様にソフトバンクAirを褒め称えるページも存在している。また、遅いのはソフトバンクの回線側ではなくWi-FiのSSIDの設定が悪いみたいな、訳の分からないものも。さらには1Mbpsあれば通常の使用に差し支えはないので、工事不要などの利便性を考えれば十分だという記事もあって笑えた。


無人駅とワンマン運転(12/17)
◆ 横浜市営地下鉄はワンマン運転だ。今時自動車も自動運転の開発研究が盛んなのに、鉄道に関しては今ひとつである。軌道上を走行するのだから無人運転の実現可能性は高い。まあ無人運転で事故が起きるような設計しか出来ないのも又問題だけど。

◆ 横浜市営地下鉄のワンマン運転は人件費の節約だろう。何しろ公務員の給料は高い。市営バスの運転士は、民間に比較して2倍の給料と半分の労働時間だという。労働時間が長くなると疲れるから適度に休ませなければいけないのだそうだ。

◆ 地下鉄には地下手当が出るんだっけかな。と言ったら地上勤務者には地上手当がなければ不公平だとか何とか。そんな調子なので公務員の数を減らさなければ運営費が下がらない。

◆ この辺りは田舎なので無人駅もあると思う。修善寺は終点の駅なので駅員さんもいるし自動改札機もある。しかし途中の駅は無人かも知れない。電子改札が普及すれば改札係は不要になる。コンビニの無人化が出来るのだから、改札の無人化は難しいことはない。

◆ 駅の無人化率が最も高いのは高知県で93.5%、徳島県が81.6%と四国は無人駅が多い。長崎でも79.6%が無人駅だそうで、全国で見るとこの20年間で1割ほど無人駅が増えたそうだ。平成不況の中では止む無しとも思えるのだが、今後無人駅はますます増える傾向らしい。

◆ 無人駅が少ないのは埼玉県で、東京都よりも少ないそうだ。無人駅で困るのは車椅子を利用されている方などだ。いわゆるバリアフリー駅であれば問題はないが、段差や階段のある駅の方が現状では多い。エレベータやリフト、スロープの設置などを進めていく必要がある。

◆ 改札の無人自動化やバリアフリー化、セキュリティのための防犯カメラや非常時に係員なり警備員が駆けつける体制など、総合的に無人化ありきで進めれば、必ずしも有人駅である必要はなくなる。

◆ ホームへの安全扉の設置なども進んでいる訳で、無人であるが故の安全対策も現在の技術からすれば不可能ではない。駅にコンビニなどの店舗を併設することによって、誰か人が居る状態を作れればより良い。

◆ 駅構内のスペースの無償貸し出しなど、双方にメリットのある運用は出来るはずだ。夜間は人が居なくなってしまうが、郵便局や簡易局の併設、市区町村役場の張り出し局などの用途もある。

◆ 郵政民営化に反対する人たちは、民営化によって郵便局が減ってしまい過疎地では不便になると言っていた。郵便局数は2012年前の数字しか出ていない(JPのページ)のだが、2007年と2012年で比較すると全国で28局、0.1%の減少になった。

◆ 他の資料で見ると、2007年の総郵便局数が24116で2016年が24069となっている。全国では局数が減少しているのだが、過疎地では7355局から7802局へと増加している。JPでは効率的な再配置を行ったと言っている。

◆ 郵便局同様に無人駅が増えたからと言って過疎地が不便になるとまでは言えないのではないのか。むしろ経費の節減によって電車の運行を続けられる状態を作った方が地元のためだとも言える。


7.5万円の家賃は高いのか?(12/16)
◆ 都内に勤務するOLの給料手取りが21万円、家賃が7万円、食費が5万円とTVの番組で紹介された。これに対し、手取りに対して家賃が高すぎる、食費が高すぎるとの意見がSNSなどで見られた。

◆ 都内近郊で7.5万円の家賃は特別高くはない。関西方面なら一般的に家賃は安いが、東京や神奈川ではケチったとしても1万円は安くならないかも知れない。レオパレスでも7万円前後が平均価格だ。Twitterのアカウントを見ると大阪方面の方のようなので、家賃が高いと感じるのは無理もない。大阪近辺でレオパレスを探してみると、平均価格は5万円台に下がる。

◆ 通勤時間を我慢するのであれば千葉県か埼玉の北の方に引っ越せば家賃が下がる。東京近郊の地価や家賃は西高東低と言われ、千葉に行けば安くなる。それこそ極狭住宅にでも住めば安いところはあるが、それでも5万円では厳しいだろう。

◆ 携帯電話代の1万円にも高いという声があった。固定回線を引いてWi-Fiを使えば良いみたいな意見も書かれたが、固定回線を引くイニシャルコストと回線費用を考えたら高くなってしまう。まあTwitterなんて2chと同じ様なものだから、明確な考えがあって書いている人など少ないと思う。

◆ 食費に関しても5万円が高いとは思えない。都内の職場で昼食を安く上げるには路上で売られている弁当か、コンビニと言うことになる。エリアにもよるがランチが500円以下で食べられるとは思えないし、コンビニ弁当だって飲み物まで買ったら500円では済まない。

◆ 自炊して弁当を持って行けと言っても、一人分の材料を買ってくることを考えると割高になりやすい。そう考えると弁当屋の弁当は安くて良く出来ているなと思う。
弁当を買うにしろ自炊するにしろ、飲み物なども入れて平均1日1.6千円は贅沢とは言えない気がする。

◆ それこそランチで1,500円を超えるところなどいくらでもある。勿論会社の近くに安いランチの店があれば良いが、そうでなければコンビニの弁当を買って出勤するか、自炊で弁当を持参するか、或いはランチ価格を我慢するかだ。

◆ 昔渋谷に職場があった時期があったのだが、とにかく昼食にカネがかかった。駅の売店でおにぎりを買って行くこともあったのだが、毎日おにぎりばかり食っていたら胃を壊した。

◆ このOLさん、雑費が2万円とあるので、このれが服飾費にもなるのだろうが、これも結構少ないと思う。洋服代などは結構かかるし、最近は制服のないところが多いので汚れたりもする。

◆ 光熱費の1.5万円は、一人暮らしにしては高い。普段家にいる時間が少ないので電気代などはかなり安いはずだ。毎日風呂に入ったとしても1.5万円は高く感じる。まあ季節によっても変わるだろうし、各項目共に切り上げた数字かも知れない。

◆ いやいやTV番組ネタなのだから、各費用はスタッフが考えただけである可能性も高い。全部の費用を積み重ねていって、だったら給料はこの位貰っていることにしましょうねで21万円。組合費などどうなっているかは分からないが、税込み支給額としては28万円くらいではないかと思うので、安月給と言えないばかりか、今の時代そこそこの給料である。


Googleとbing(12/15)
◆ Googleの検索のしにくさは何度も書いている。2017年時点で検索は難しさを増し、2019年頃には様々なテクニックを使ったとしても、有用なページにはたどり着きにくくなった。2017年に行われたアウルアップデートがそのトリガになっている。

◆ 一昔前に「ググれカス」という言葉が流行ったけど、今の検索は上位に出るのがNeverやアフィブログばかりの「ググったらカス」状態であり、事前にある程度の知識がないと、正しい情報に辿り着けなくなってるんだよね脱税レイヤー風呂屋さん 
◆ 私は最近はbingも積極的に使うようになった。一般語の検索などはGoogleの方が適切な検索結果を出力する場合もある。bingは専門語などの検索で強い場合もあるが、逆に一般語の検索ではGoogleに劣る。

◆ こちらにあるように、個人サイトが検索できなくなった事による影響は大きい。
Googleの好むサイトが検索上位に来る、つまりはGoogleの検索方針が世界のWebのあり方さえも決めてしまうかのように思える。そしてGoogleに従うのはアフィリエイトサイトや商業サイトとなる。

◆ 検索結果に関連企業を入れるというGoogleの宣伝手法や、独禁法関係で検索と広告の関係云々など色々な事が待ち構えている。そんな中で、いかにして収益を上げていくかをGoogleは考えているはずだ。
営利企業である以上利益を重視しなければならない。

◆ ドコモはgooか何かの検索エンジンを使った検索ページを持っている。その検索ページには多くの広告が掲載されている。以前は検索順位を販売していたが、いまはどうなのだろう。これは検索ページと言うよりも広告ページであり、有料サービスを提供しているドコモのやることではないと感じる。有料のサービスを提供しているのだから、その一環としてページを作るのであれば広告は邪魔だ。広告料を稼ぎたいのならサービスは無料にするべきではないのか。

◆ 広告という点で見ると、bingの検索結果は広告と本来の検索情報の見分けが付きにくい。誤クリックを誘うのが商売だからと言われればそれまでだが、広告のわかりやすさや広告の割合などで、各検索サイト共に考えるべき点はある。

◆ どれが広告でどれが記事だかわかりにくいと言われて評判を落としたグノシーやTwitterなど、悪い見本がいくらでもある。適切な量と品質の広告は、見る側の邪魔になりにくい。Google広告の品質が問題視された事があったが、未だに怪しげソフトのダウンロードなどの広告は野放しだ。Googleは適切に管理していると言うが、どこが適切なのかはよく分からない。

◆ Googleで検索順位が変動すると、ものすごい数の問い合わせが来るらしい。SEO屋などがアルゴリズムがどう変更されたのかを聞き出そうとしているのか。Googleは何も答えないか、現在修正中の不具合であると回答することもあるのだとか。

◆ こんな感じなので検索上位が商業サイトやアフィリエイトサイトになるのは仕方がない部分もある。だが、そのサイトの中身を適切にチェックすることで、検索結果を制御することは出来る筈だ。


分銅(12/14)
◆ 分銅というものがある。重さの基準みたいなものだ。上皿天秤でものの重さを量る時にも使うが、現在では秤の校正用としての意味が大きいのでは無いだろうか。

◆ 分銅には重さの誤差の等級があり、(一般品で)最も精度の高いものがE1級と呼ばれるものだそうだ。1gの重さに対して誤差は0.01mgとあるので1g品の誤差はマイナス5乗か。100g品の誤差は0.5mgなので1g品よりも高精度になっている。

◆ 天秤の場合は重力の影響を受けないが、バネ式の秤の場合は重力の影響も受けるし遠心力や、月の重力にも影響を受けるはずだ。10kgの分銅を秤に乗せた場合に、北海道では9g多く表示され、沖縄では6g少なく表示される。

◆ 遠心力の影響は経度1度に対して約1万分の1の差を生む。分銅の精度が10ppmくらいなのに対して、遠心力による影響は随分大きい事になる。当然ながら高度の影響も受けて、1m高度が変わると3ppmほどの違いになるのだとか。

◆ 絶対値の測定はとても難しいわけだが、分銅の精度も凄いんだなと改めて思う。
温度に関しての影響は大きくないとは思うが、体積変化があるので浮力(というのか?)が変わるはずだ。

◆ 質量1kgの分銅は絶対的に1kgな訳だが、その重量は量る場所によって異なる。
絶対重量計などの高精度計測装置では9桁くらいの精度が取れるらしい。

◆ 以前に高分解能の中華電子秤に関して書いたことがあるが、分解能をあげることと精度を上げることは全く別の話だ。例え最小単位が1mgだったとしても、誤差が100mgあるかも知れない。その誤差に関してもリニアリティの誤差もあれば校正誤差もある。

◆ リニアリティが良ければ相対値としてものの重さを正確に比較が出来るが、リニアリティが悪いとそれも出来ない。これは電子計測器でも同じで、精度や確度の保証された測定器と、桁数だけは多いけれど精度も確度も表示のない安価なものの違いである。

◆ 電子測定器にしても秤にしても、或いは長さを測るのもにしても、ある程度信頼のおけるものがないと、正確さを判断することも出来ない。ちなみにM1級の分銅の誤差は1gのもので1/1000程度、100gのもので1/2000になる。これは3千円/個くらいの価格で入手することが出来る。

◆ E1級となると数十万円にもなる。E2級で10万円くらい、これらは取り扱いにも細心の注意が必要だ。素手で持つ事は許されないし、ゴミなどが付着しないように注意しなければいけない。

◆ Amazonで売られている中華分銅は1/100位の誤差のものが多いようだ。この位の精度しかないと、分銅の誤差なのか秤の誤差なのかが分からなくなる。中華ものと言えば長さを測るメジャーの精度が悪いみたいな話もあった。目盛りを印刷する版が正確ではなかったようで、大量の不良品が販売されたのだとか。
誤差は10%以上あったようで、見たら分かりそうなものだがそのまま売っちゃったのかな。

◆ 中華ディジタルパネルメータも、桁数は多いけれど精度は悪いみたいなものが沢山ある。そもそもというか、3桁のDPMが200円くらいで売られているのだから凄い。今や4桁品とか5桁のものも相当安く出回っている。

◆ 100円ショップのノギス(プラスチック製でバーニアは無い)位の感覚で使うべき、ただし桁数はあるよ、みたいな。ディジタルノギスなどにしても桁数は多いというか、桁数だけ多いものも氾濫している。


炎上したau料金プラン(12/13)
◆ auの新料金プラン発表、ドコモのahamo発表の直後だっただけに対抗プランかと期待も大きかった。そして打ち出された料金はデータ量無制限で月額3,760円、ジャーナリストの石川氏でさえその第一報に対して「ドコモ関係者はどんな気持ちなんだろう。データ使い放題で「Amazonプライム」がついてくる料金プランを月額3,760円から提供開始 | 2020年 | KDDI株式会社 」とTweetした。

◆ だが真実が分かると「さよならau「期待ハズレ」と大炎上。」と書いている。発表会の場では定価は示されず、その道のプロであるジャーナリストも欺いたというauに批判が集中した。

◆ 確かに、割り引きありきの料金を前面に持ってくる手法は各社共に展開している。auは、対面販売時にはキッチリ説明する、発表会の場では概略を言ったに過ぎないと言い訳した。

◆ ソフトバンクの料金ページは、定価が比較的分かりやすいところに書かれている。auは最も分かりにくい。ソフトバンクは細々とした注釈を全てチェックしなければ騙されると散々言われてきたわけで、そうした時代を経た現在は文句が付かないような表示方法を採っているとも言える。

◆ auの発表会の日程の告知はドコモより早く、告知時点でahamoの存在は分かっていなかった。なのでahamo対抗プランが作れるはずもなく、しかし表向きの料金はいかにもahamo対抗だよと言う風に見せかけてきたわけだ。

◆ 苦しい説明はその後も続く。新料金プランでデータ量無制限とした理由として、若者は月間20Gバイトでは足りないからだとした。ではUQが発表した20Gバイトプランはどうなるのか?と言う事になるが、20Gバイト以上行くこともあれば2Gバイトしか行かないこともある、データ使用量が少ない時には割引をするとした。

◆ ドコモ対抗をどうするのかは興味が集中する部分だが、これに関しては「細部を調査していない」としてコメントを避けた。細部も何も発表直後に各メディアはahamoに関して書き始めたわけで、そこに目を通せば殆どの事が分かる。と言うか分からない部分の方が少なかったはずだ。

◆ ソフトバンクもドコモ対抗を行うだろうから、それを見てから決めるよみたいなコメントもあった。対抗プランを出してきたとしても、同じ価格ではもはやインパクトがない。料金競争なのだから後出し優先ではあるが、インパクトは先出しが勝る。

◆ 大容量プラン値下げのきっかけとなったソフトバンクの施策、今となってはソフトバンクが安いわけではないのだが大容量ならソフトバンクみたいなイメージがあるのも事実だ。一時期の学割ならauで若い加入者を集めた、あの頃のパワーはどこに行ったのか。

◆ 炎上したことは知名度が高まったことでもある。これをうまく使えば宣伝に結びつけることが出来る。各割引をフルに使えば安くなる事は事実なので、そうした面を誠実にアピールしていくことが大切だ。そしてこれはauの話ばかりではなく、ドコモやソフトバンクにしても同様だ。

◆ 期間限定で安くなるとか、半年或いは1年以降は値上がりする事など、ショップでは説明すると言っているが混乱しやすいのは事実だ。分かりにくくして騙す方式から、分かりやすくして安心感を売る方式に転換して貰いたいものだ。


2030年の東京都(12/12)
◆ 国は2030年代に内燃機関動力車の販売禁止の目標を立てた。すると東京都は2030年には都内でガソリン車の販売を禁止する目標を掲げた。

◆ 自動車メーカの顔色をうかがいながら高公害ディーゼル車を放置した国に代わり、厳しい規制を行ったのは石原都知事だった。この事から全国的な規制が開始され、ディーゼル煤煙に悩む多くの人が救われた。

◆ 首都高速道路近くに住む人は、ベランダに布団が干せるようになったと喜び、首都高速道路会社はトンネル内照明の清掃頻度が減り、強制排気の必要性が薄れて利益を増やした。

◆ 歩道橋など鉄部の錆が軽減され、コンクリートの耐久性も向上するのだそうだ。これはディーゼル煤煙が酸性物質を作るからだろうか。もし東京都がディーゼル規制を行わなかったら、国は一体どうしていたのだろう。

◆ そんな日本国政府も海外の動向などを見るに至り、EV化を進めなければならないと思い始める。しかし自動車メーカからの反発が強かった事も十分予想できる。EVに限定せずに水素燃料の話が出て来た所を見ると、規制に反対しているのはトヨタかなと思う。

◆ 東京都の規制は脱ガソリン車みたいな感じで報道されているが、欧州などではディーゼル車の都市部乗り入れ禁止などが先行する。増えすぎたディーゼル車はガソリン車を上回る公害物質を吐き出す。

◆ 都知事の言葉に自動車メーカも焦り始めたという。国の方針を転換させるよりも都知事の意見を変えさせる方が難しい事を、各自動車メーカは知っている。

◆ 政府の動きに合わせてドコモが新料金プランを発表したみたいな話なのだが、トヨタは新型電動SUVの発表予告をした。
ガソリン車規制スケジュールのハッキリしている欧州や中国向けのモデルを、急遽国内でも発表するみたいな事も言われている。

◆ 本来は2023年くらいに発売かと言われていたトヨタ製EVが、このSUVではないかと思う。スバルとの共通EVシャーシを使うという話だ。全固体電池の話も出て来ている。EVを作る事は出来ても、安価なバッテリーの供給確保は難しいと言われる訳で、ならばと方針転換なのかも知れない。

◆ 中国市場など向けのUX300eは台数限定で国内販売もされるらしい。トヨタが言うにはLi-ionバッテリーの供給体制を鑑みて、限定135台(135万台ではない)だそうだ。ちなみに日産リーフは50万台を販売している。

◆ バッテリーEVよりもFCEVを売りたいみたいな感じもあるのかな。FCEVも相当な開発費をつぎ込んだ訳だし、水素スタンドも作って貰った。結局の所電気をバッテリーに蓄えて使うか、水素に変換して使うかの違いだ。当然の事ながら電気で水素を作り、その水素で電気を作るのは非効率的である。
ただエネルギ密度という話だと、少し水素の方が良いかも知れない。

◆ EV(バッテリー)は製造時に多くのエネルギを必要とする。エンジンなどでも鋳造なので使用エネルギ量は多いが、どうやらバッテリーはそれ以上なのだとか。この辺りは原発と同じで、動作時に炭酸ガスは殆ど出さないが製造時にはそれなりに環境負荷があるという。FCEVでもLi-ionバッテリは必要だし、FCスタックは貴金属も使うのかな。


感染者数が増える訳(12/11)
◆ 企業内感染とか家庭内感染が増えているそうだ。新型コロナウイルス感染者自体が増えているので、それに伴って接触者も増えていく。

◆ 企業や店舗で感染者が出ると、同僚などに感染している恐れが濃厚となる。そこでPCR検査をと言う事になるのだが、ここで2〜3日は待たされるそうだ。厚労省的には検査数を増やしたくないので仕方がない。

◆ 厚労省によれば検査能力の最大は約8万件/日なのだが、これは暫定値だと書かれている。8万件はあくまでも最大であって、その数の検査を行うという意味ではない。東京都での検査数は6千件くらいだ。

◆ 保健所では濃厚接触者は自宅待機させるようにと指示される。ここで困るのは家族だ。当然家族も感染している可能性があり、さらに感染疑い濃厚の人間と空間を共にしなければいけない。

◆ PCR検査の待ち時間が過ぎて検査に行く。そこで陽性になると家族も検査を受ける訳だが、ここでも数日待たされる。
買い物に出て良いのかダメなのか、子供の学校はどうするのか、移っている事を前提に行動するのかなど、不便な生活を強いられる。

◆ PCR検査を受けても結果が出るまでに1〜2日かかるので、最初の(同僚の)発症者が確認されてから2週間くらいかかっていることになる。こんなにノロノロやっていたのでは周りに移らない(移さない)方が不思議だと、感染者とその家族は語る。

◆ 同僚が感染していたという事が分かった時点で、少なくとも従業員とその家族が検査を受けていればもっと適切な行動が出来たという。ところが保健所はそれを許さない。様子を見ろとか、安静にしろと言うばかりだったそうだ。

◆ 都内近郊だと自費での検査可能場所もあるが、住んでいる場所によっては簡単に検査が受けられない。じゃあ電車に乗って検査に行くのかと言う事になるのだが、そもそも検査を受ける目的が感染疑いなのだから、電車に乗るのは良い行動とは言えない。

◆ 以前から言われている事だが、検査前の待機期間を短くしないと感染拡大が防ぎにくい。特に感染者数が増加傾向にある時には、接触者数も増えるのだからなおさらだ。
今までは余り感染者数が多くなかった伊豆半島でも、伊豆の国市や伊東市のクラスタをはじめとし、感染者数が多くなっている。

◆ 受け入れ病棟の少ない地方で感染が広がれば、高齢者の死者数なども増加する。静岡県では既に病床使用率がかなり上がってきている。特に東部は深刻だそうだ。県内の様子に関してはBlogに書くが、秘密主義が招いた感染拡大だとの意見が殺到したとか。

◆ GoToトラベルが感染者を増やしているのではないかという問題で、国はGoToトラベルを実行するか停止する方自治体に任せると言っている。東京都はこの件に関して、国に判断を仰ぐと言っている。責任を取りたくない病にかかっているわけだ。

◆ 忘年会などは縮小傾向で店は儲からないと嘆く。一方で例年通りに忘年会をやるぞと言っているグループもある。危機意識の違いというか何というか。静岡市でもクラスタ発生店舗にいた客にPCR検査を要求したそうだが、半数以上の人が検査を拒否したらしい。理由はその店に行ったことが知れるのが嫌だからとか、俺は移らないからだそうだ。


リゾートマンション(12/10)
◆ スキーブームの時に長野県や新潟県など著名スキー場の近くに続々と建設されたリゾートマンション、豪華な施設や温泉が完備され、狭いワンルームでも2千万円以上という価格だった。
割高感は否めないそのマンションが、当時はどんどん売れていった。

◆ しかしブームが去ると、当たり前ながら人が離れていく。ローンを抱えて売るに売れない人、管理費や固定資産税を滞納する人などが出始める。施設が充実している事もあって管理費は高めだ。

◆ 時代に取り残されたかのようなリゾートマンション、価格もどんどん下がってゼロ円以下にまでなる。管理費や固定資産税負担を考えると、お金を付けても引き取って貰いたいとオーナは思い始める。

◆ そんなリゾートマンションの価格が上昇に転じたという。にわかには信じがたいのだが、不動産情報サイトなどを見ると激安物件が減っている。これには諸説あるというか、ようするに安価なリゾートマンションを買う人が増えた訳だ。

◆ 何故今リゾートマンションなのか。マスコミの言う事を全て信じる訳でもないのだが、コロナ疎開が一つの要因らしい。これは東京都の居住者人口の減少にも関係している。感染拡大が続く都市部を避けて、一時的或いは永続的にリゾートマンションに住もうと言う事だ。

◆ 物件価格は安い、スポーツジムや温泉施設付きの所もあると言う事で、中年層を中心に人気が出たという。リモートワークの拡大などで毎日の出社が不要だとか、定年を目前にしてとか、子供の手が離れたとか、理由は様々だろう。

◆ コロナによる倒産件数の拡大で、都市部の不動産価格が下がっているという話もある。
リゾートマンションでもそうだが、下がり始めたらさっさと売ってしまう事で損失は防げる。都市部のマンション価格が下がるのならばそれを売り、限界的な底値で推移しているリゾートマンションを買う。リゾートマンション価格が上がればそこを売るみたいな、投機的考えの人もいるだろう。

◆ マンションの築年数は20年〜40年と言ったところで、古いものでは大規模修繕の時期になる。不動産屋に問い合わせると、大規模修繕計画に関しては(決まっている事があれば)教えてくれる。大規模修繕の場合には一時金が必要な場合もあるし、修繕期間は住みにくくなる事もあるので要確認だ。

◆ 他に管理費や固定資産税の滞納がないかどうか、合わせて不動産サイトで確認した方が良い。地域によっては定住者向けに優遇措置を得られるところがある。これは各自治体への問い合わせになるが、人口減に悩む自治体は定住者向けに様々な優遇策を採る事がある。

◆ この別荘地でもコロナ疎開で貸別荘事業が少し儲かったとか、長い人だと1ヶ月以上滞在しているとかと聞いた。更には貸別荘に住んでみて、中古物件の購入を考える人もいるそうだ。それが理由かどうかは分からないが、中古物件価格が上がっている。私もここに引っ越してくる前には、天城や箱根のマンションは結構調べた。箱根の低層マンションは温泉付きで安かった。


太陽光発電所はどうなるのか?(12/9)
◆ 計画では12月着工となっている太陽光発電所である。事業者はブルーキャピタルマネジメントという企業で、これを検索すると秋元司元環境副大臣との関係が出てくる。秋本氏曰く「支援はありがたいが、ブルーキャピタル社が何の事業をしているか知らなかった」しかし便宜を図ったとかで再逮捕されることになる。

◆ ソーラー発電所を各地に作る上で政治家を抱き込むことは必須だとも言える。特に昨今、ソーラー発電所は各地で問題を起こしている。ブルーキャピタルマネジメントにしても伊東や函南町で住民との摩擦が起き、訴訟問題になったという話もある。

◆ ブルーキャピタルマネジメントは、不動産売買などを手がける企業のようで、太陽光発電にしても自社で運営というわけでもなさそうだ。外注や下請けなどに運用させ、ブルーキャピタルマネジメント社は資金調達や売り上げ管理などを行うスタイルか。

◆ 実際中部電力系ではトーエネックがブルーキャピタルマネジメントに外注したみたいな話もある。政治絡みで金が動くとなれば、伊豆市議が反対したところで静岡県はカネが流れてくる方を向くだろう。

◆ 箱根発電所と名付けられた、この近くに出来る予定のソーラー発電所は40MW出力である。ブルーキャピタルマネジメントが運営する中では最大規模になる予定だ。ソーラパネルは10万枚、ロスを考えるとパネル単体で500W位の出力だろうか。

◆ このパネル面積を仮に10m2×10万枚とすると、1mmの雨で1,000tの水がパネルから流れ落ちることになる。(結構な量だな、計算あっているかな)台風でも来れば1日で数百mmの雨が降ることがあるが、例えば梅雨の末期などでも1日で100mmの降雨量を超えることは多い。100mmの雨で10万トンの水が流れ落ちる。

◆ 貯水池は3ヶ所に作られる予定だ。長辺が50m位かなと思われるので、貯水量は3,000tくらい、3つで1万トン前後になるのかも知れない。パネルに降った雨の全てが池に流れ込むわけではないが、全雨量の1割の水が流れ込んで貯水池はいっぱいになる。パネル以外の部分に降った雨も当然どこかに流れていかなければならないわけで、これも貯水池の水量を増やす。

◆ これが水だけなら良いのだが、土砂も流れて池を埋めてしまう。或いは池に続く排水路を埋める。池が溢れればその土砂は下流に流れる。こうして太陽光発電所の周りでは泥流が起き、河川が泥で埋まるなどする。水が濁って魚などが減ってしまう。

◆ 県は環境影響評価は必要と考えているようだが、これに対してブルーキャピタルマネジメントはそれを不服(環境影響評価は不要)として行政不服審査会に審議を請求したそうだ。あちこちでトラブルを起こしているだけに、手慣れたものであると言える。審議会の結論を県知事が承認する(或いは非承認)流れだそうで、果たして政治とカネの流れはどういった方向になるのか。

◆ 泥流の他に風によるパネルの飛散もある。何しろ台風の通り道なので強い風が吹く。これによってパネルが飛散すると道路を塞いでしまう。
車の通れる道路は1本しか無いので、ここが通行止めになると困る。飛散したパネルを片付けるにも、いわゆる占有離脱物なので勝手にイジることが出来ない。所有者がブルーキャピタルマネジメントなのか、どこかのリース会社なのか、或いはカネを出している銀行のものなのか、こうした複雑な権利関係があればパネルをどかすことも出来ない。


ケータイWatchは20周年だそうだ(12/8)
◆ ケータイWatchが20周年という記事、それに関してのエディタの感想などが書かれていたりする。PDCやCdmaOneは2000年より前にサービスを開始している。そうした世の中の動きから見ればケータイWatchのスタートは意外に遅かったんだなと思う。

◆ 石川氏も記事を書いているが、石川氏は元々はトレンド雑誌の記者だったそうだ。まあモバイル系雑誌やメディアの編集部員の多くは、外注やフリーランスも含めて専門家が少ない。これは報酬の関係もある。専門家に高い報酬を払う余裕がないのだ。

◆ 雑誌にしてもWeb記事にしても、読者に伝えることが仕事であって、携帯電話を設計する訳ではない。そう言う意味からすれば理系の人間である必要はない。

◆ しかし携帯電話にしろ自動車にしろ、技術的な観点からものを見る為には基礎知識が必要になる。記者なり編集員を長く続けていれば自ずと知恵は付くのだが、ベースとなる部分が欠落しているので、時におかしな記事になったりする。

◆ 事業者が5Gは凄いって言っているから、5Gは凄いって書いておこうみたいな記事は薄っぺらい。だからといって技術解説書みたいな記事を書いても一般人には分からない。5Gは何が凄いのか、事業者はここが凄いぞと言っているけれど、でも本当は凄くないんじゃないのみたいな、そんな書き方が出来る程度の知識は必要だ。

◆ 石川氏などは3GPPの仕様書などは読むと思う。制御レイヤーがみたいな話が出て来ても、専門ではないのだから半分も理解は出来ないだろう。それでも読んでいる人と読んだ事のない人では、記事の濃さが全然違ってくる筈だ。

◆ 事業者にインタビューに行って、事業者の人間の言っていることがどれだけ理解できるのかも違ってくる。分かっている人間に対しては、事業者のエンジニアもそれなりの説明をするだろう。何も分からない人間には概要だけササッと言えば十分、どうせ難しい子著を言ったってコイツには理解できないだろうと思われる。

◆ そうした点から考えると、物書きが技術を勉強をするよりも、エンジニアが物の書き方を習った方が早かったりして。そうした点でも移動体通信関係の記事を書く人を含め、自動車関連でも建築関連でも、専門誌のエディタは相当勉強しなければならない訳だ。

◆ Windowsは難しいから使えません、Androidは設定が面倒なのでiPhoneでというエディタが多いのだが、それでは専門分野の記事は書けない。常に新しいものを追いかける記者は、知らない事、知ったばかりの事を記事にしなければならない。移動体通信分野では、まさに日進月歩の業界に於いて記事を書いて生き残っているのだから、エディタにしても出版側(というのかな)にしてもたゆまぬ努力があったと言える。

◆ 勿論活発な業界だから記事に困らないとも言えて、これが未だにアナログ携帯電話の時代が続いていたら、いい加減書くこともなくなってしまう。その点移動体通信分野では技術が飽和した頃には次のシステムが現れてくれる。

◆ 自動車分野ではこれからEV化が進む。日本でもようやく2030年代にはEV化みたいな話が出て来た。これまでは内燃機関の知識だけで良かったものが、今後はモータや制御方法或いはバッテリーの知識も必要になる。


全世帯課金は見送られそうだが…(12/7)
◆ NHKの暴走が止まらない。なし崩し的に開始したIP放送により、TV受像機がなくてもNHK番組の視聴が出来るとして、全世帯への課金を行いたいとする。
さらには世帯単位の課金ではなく、個人への課金が検討されている。日本の全国民から受信料を徴収出来れば、それは税金以上の課金人数となる。

◆ しかし有識者会議は、少なくとも全世帯課金は時期尚早とした。全世帯課金は全ての世帯や全ての事業所から受信料を徴収する。そこにTV受像機が設置されている必要はない。ホテルなどでは客室にTVがあろうがなかろうが、客室分の受信料が徴収されることになり、結果としてこれは宿泊者が負担することになる。

◆ NHKはその家庭や事業所にTVがあるか否かの届け出も義務づけようとしている。全世帯課金がうまく行かなかった場合は、ネットワーク接続機器の所有も届け出制になるのかも知れない。なおNHKは受信料未契約世帯や事業所に関しての、情報照会を可能にするよう法改正を求めている。

◆ NHKは職員への報酬支払額を上げているが、それでも余剰金が増えてしまった。職員の平均年収は1.2千万円以上だとか。見かけの年収を少なく見せる手法は、公務員の手当システムと同じだそうだ。それにしても素の平均年収でここまで上がるのだから凄いと言える。民間の労働者の平均年収の3倍以上になる。これだけの給料を払っても、NHKには1千億円以上の余剰金が眠る。番組製作などに無駄金を使う、関連企業にトンネルさせるなどの浪費努力は怠らないようだが、余り目立つことも出来ずにカネを使い切れない。

◆ 全個人課金が可能になると、NHKには年間約3兆円が転がり込んでくる。そこに営業努力も何も要らない。3兆円と言えば消費税の1%分以上に相当する。一方でペイパービューにしてしまうと、NHKの収入は激減が避けられない。

◆ 魅力ある番組を作っているのであれば、ペイパービューでも収益は確保出来る。しかしカネを払ってまで見たくないなと思うような番組ばかりだと収入は上がらない。これが民間であり自由競争の世界だ。

◆ 民間放送局でも有料IP放送に関しては、中々収益が上げられない。見逃した放送にカネを払って見直すのか、それとも再放送を待つのかみたいな選択になる。権利関係の複雑な映画などは、IP放送も自由には行かない。
IP放送するためには更に放送権料がかかってしまう。

◆ 通信にしても放送にしても黎明期には国営などでの運営が必要だったと言える。そもそも市場がないわけだから、巨額の投資ばかりで得られるものがない。これは高速道路建設などに関しても同様だ。しかし市場が成長すれば、そうした特殊な環境は悪となる。JR然り、JP然り、JT然りである。

◆ 全世帯課金にするのなら国営にした方が良いかも知れない。こうすると運営費は税金でまかなわれることになるので、国民や国会の目が厳しくなる。現状のNHKは反日放送が目立つわけだが、これに対して誰も文句は言えない。

◆ 日本製のスマートフォンが発売されてもNHKのニュースにはならないが、GALAXY発売時には「サムスン電子のギャラクシーが発売されました」と、メーカ名も製品名も言っていた。
ポルシェは固有の社名だからダメだと歌詞さえも変えさせられた山口百恵の立場はどうなるのか。


トヨタ経営戦略(12/6)
◆ 今も昔もトヨタは変わっていない。徹底した合理化、部品調達価格の低減、共通部品の拡大による総部品点数の削減、納入価格や納入ルールの徹底など、下請けにとっては厳しいものだが、納入数量が多いので商売になる。

◆ ユーザには環境問題を考えると言うが、規制強化には真っ先に反対する。ユーザには安全性をアピールするが、常に価格を第一に考える。多くの車種を揃えることから選択肢は広がり、身近で安心出来るトヨタを印象づける。

◆ こうしてトヨタは成長してきたし、この先も変わらぬポジションで成長し続けるだろう。ヒット商品を生み出すことは難しい。開発したものが全てよく売れるとは限らない。しかしそんな中で売れる商品が出来たとしたら、その売れる商品の類似商法で儲ける。

◆ 双子車・三つ子車もその一つだ。共通パーツを使いながらも、ほんの少しテイストを変えて別車種扱いにする。マークIIが売れれば、クレスタもチェイサーも売れる。マークXが売れれば(マークXはFRレイアウト)、全く異なるFF車にもマークXの名を冠して売ってしまう。

◆ よく言えばイメージ戦略、騙しと言えば騙しだけれど。一つの例外はプリウスだと思う。名前の付いた派生車種はプリウスバン(α)位だが、これは廃止される(された?)のかな。余り売れなかったそうだ。
レクサスブランドのCT200も売れない車だった。

◆ 何故カローラプリウスとか、プリウスフィールダーとかが出来なかったのか。トヨタの中でプリウス開発グループはある程度力を持っていたのではないだろうか。だから売り上げが分散する類似車種商法を嫌がったとか。力を持った部署だから、危険なシフトレバーやペダルレイアウトも変更しなかった。

◆ 今売れている車はヤリスだ。ヤリスとはヴィッツである。これが売れ始めたものだから、派生車種が増えてきた。ヤリスクロスとかGヤリス、ヤリスの名を冠したワンボックスが出てくるという話もある。ルーミーやシエンタのヤリス化だ。国内では殆ど売れずに姿を消す3BOXセダン、プラッツやベルタという車がかつては存在したようだが、これらがヴィッツベースだったことを考えるとヤリスベースで再登場の可能性がゼロとも言えない。

◆ ではトヨタ車の小型車は全部ヤリス化するのか。自動車評論家は「そこまでは行かないと思う」と書いていた。多車種展開でヤリスの名前露出度が上がれば、それは大きな宣伝効果にもなり相乗効果を生み出す。果たしてトヨタのヤリス戦略はどうなっていくのか。

◆ 売る車がないと言われるレクサス店にもヤリスは登場するだろうか。ワンボックスが売れていた頃に、レクサス・エースがあればと嘆いていたレクサス店。海外ではアルファードのレクサス版が登場するも、既に日本ではブームは去った。

◆ ピーク時の1割以下にまで落ち込んだワンボックス需要だが、これは通常の需要に戻っただけでありブームの時が異常だった。これはSUVブームの時も同じで、街中がSUVで溢れた。

◆ 流れに乗るという意味ではレクサスヤリスは欲しいだろうなぁ。フロントとリアの意匠を少し変更してレクサスエンブレムを付け、レクサス代を上乗せする。トヨタとしてはCT200が売れなかったことで、小型車はレクサス店では売れないと見ているのかも知れないけど。


イヤフォン論争(12/5)
◆ iPhoneがイヤフォンジャックを廃したことで、iPhoneの後を追う傾向のSONYもイヤフォンジャックをなくした。しかしその後イヤフォンジャックは復活する事になる。SONYは、高音質を求めるのであればイヤフォンジャックは必須だと言っている。

◆ じゃあ何でイヤフォンジャックを無くしてみたのと言いたくなるのだが、まあこの辺りの迷走感がSONYらしいではないか。やってみたら不評だったから元に戻しましたという所だろうが、それでも市場の声を聞くようになっただけ良いというか、その位弱ってしまったとも言える。

◆ Bluetoothイヤフォン全盛で、充電の手間と紛失に多くの人が悩む。そこで登場するのが、ワイヤレスイヤフォンにワイヤーを付けるという、何が何だか分からないアクセサリだ。ワイヤレスイヤフォンはワイヤーがないから便利なのだが、それだと落としたり無くしたりするのでワイヤーを付ける。

◆ ワイヤレスイヤフォンはバッテリーや無線部が必要なので、音を出すトランスデューサーの体積を小さく、そして軽くしなければならない。Bluetoothイヤフォンは音が悪いというのは、伝送品質だけではなくトランスデューサー自体にも問題はある。

◆ イヤフォンジャックを付けたとしてもBluetoothが無くなるわけではない。有線接続でも無線接続でも出来る。しかしイヤフォンジャックを無くすと無線接続しか出来なくなる。だからイヤフォンジャックはあった方が良いと思うのだが、iPhone利用者の考えは異なるようだ。

◆ イヤフォンはBluetooth接続がベストであって、余計な端子は邪魔だという。デザイン的にも穴が開いているのは不格好だとなる。この論に無理を感じるのは私だけではないとは思うのだが、まあ、そんなところだ。

◆ Bluetoothイヤフォンは線が絡まったりしないので便利と言えば便利だ。充電の手間は確かにあるのだが、なのでBluetoothイヤフォンは否定しない。使いたい人は使えば良いし、ワイヤードイヤフォンを使いたい人はそれが使えるスマートフォンが良い。選択肢は多い方が良い。

◆ Xperia1はUSBCコネクタにアダプタを挿せばワイヤードイヤフォンが使える。iPhoneにもアダプタがあるが、これってDACが入っているのかな。Xperia1のものは単なる変換ケーブルに見える。

◆ iPhoneが何故イヤフォンジャックを廃したのか。巷では、防水性能の向上、バッテリー容量を増加させるためにスペースが必要だったなどと書かれている。まあイヤフォンジャックといえども体積はあるので、設計上からすれば不要なら付けたくはないと思うだろう。

◆ 指紋認証やホームボタンも無くすのだから、イヤフォンジャックなど無くなって当然との見方もある。何が優先で何が不要であるのか、究極的には接続端子やハードウエアスイッチやボタンなど一切無いスマートフォンを目指しているのかも知れない。

◆ 利便性だとか性能だとかよりも、Appleにとってもっと優先すべきものがある、それがポリシーなのだよと。まあ、巷ではハードウエアパーツを減らすことによるコストダウンなどとも言われるのだが、コストダウンよりもワイヤレスイヤフォンの売り上げ?


携帯電話料金は下がるのか?(12/4)
◆ ドコモの新料金プラン、ARPUを下げずに割安感をアピールできるものだと思う。金額自体は2,980円なので特別安い訳ではない。20Gバイトのプランと言っても、平均的利用者の使用データ量は数Gバイト程度が多い訳で、トラフィックが極度に増えるという訳ではない。

◆ 5分以内の通話無料という、微妙な設定の国内通話無料も付属している。5分では魅力がないとして、最近は10分に設定している事業者も増えているが、ドコモ的には5分でもギリギリですよ、かな。

◆ 全体としてみれば必ずしもインパクトの大きいプランではないのだが、ドコモ本体によるものであること、最近UQやYMが20Gバイトプランをリニューアルした事で、月間20Gバイトの価格比較がメディアなどに取り上げられていることも多く、目立ったと言える。

◆ 元々はサブブランド方式でこの料金を出す予定だった訳だ。昨日の発表会のPVもサブブランド用として作られたものがそのまま流されていた。テロップや音声の差し替えが間に合わないほど急な話だったのか。

◆ 別ブランド扱いなので、ドコモの家族グループなどからも抜けることになり、家族内の無料通話も不可能になる。この辺りは改善の可能性もあるとのことで、メインブランドに引き戻す変更が行われるのだろう。ただそれが5月頃になるという話なので、サブブランド化の話はかなり以前から進行していたと考えられる。

◆ ギガホやギガライトが家族割りや光コラボ割りなどを前提にしていた感があるのに対して、サブブランド前提だったahamoは割引を設定していない。ギガホやギガライトの見直しも今月中に行われると言うことだが、これは従来通りの割引ありきの料金プランになるようだ。

◆ 提供時期が3月と遅いのも、この時期に結構無理矢理発表してしまったと言うことだ。本来はサブブランドとして3月に出す予定だったのか?それとも年末商戦に間に合わせたかったのか?所が急遽ドコモブランドに変更となってしまったとか。で、提供時期までの顧客引き留めに今予約すると3000ポイントあげますよ、か。

◆ ドコモポイントやdカード関連に関しては未だ検討中らしい。これもサブブランド化であれば、少なくともドコモポイントは関係がなくなる。ただdカードに関しては通信事業と別と考えれば、ahamo契約者にも利用させたいはずだ。

◆ 楽天モバイルのUN-LIMITも2,980円なのだが、同じ2,980円を出すならどちらと契約する人が多いだろうか。UN-LIMITは月間300Gバイトまで(楽天回線エリア内であれば)使うことが出来、通話無料のIP電話である楽天LINKも使える。

◆ 当初こそauローミングでさほど不便なく使えたが、楽天回線エリアの拡大によりローミング契約が終了となって圏外が増えた。楽天Linkによる通話は、電界強度が少し弱くなってくると途端に明瞭度が悪化する。帯域に応じて圧縮率を変えるなどの制御が入るのかも知れないし、局側(楽天側)で帯域をコントロールするなどしている可能性もある。先日は楽天Linkで電話をしたのだが、初期の頃のLINE通話みたいな感じで途切れと明瞭度低下が大きかった。楽天側の帯域が不足しているとか?或いは音声の圧縮率を上げた?


中国に見る合理化と技術革新(12/3)
◆ 中国では一人っ子政策の後遺症によって高齢化が早く進む。高齢化は相対的な労働人口の減少であると共に、経済の発展は人件費の高騰にもつながる。中国は人件費の安さで金を稼ぎ出していたわけだが、都市部での賃金は既に上がってしまった。

◆ 中国の奥地というのはおかしいが、まだ文化レベルが上昇していない地域に、二次産業などは労働力を求める。しかしそうした地方に大きな工場が出来れば、多くの産業がそこに集結する事になり、やがて人件費は上がる。

◆ 工場が出来て部材の大量輸送が始まると道路や鉄道を造らなければならなくなる。
こうして町は大きくなり、仕事を求めて周りから人が集まり、物価が上昇し、賃金が上昇し、地価が上昇する。地方の人口減少と高齢化が進む日本とは逆だ。

◆ 人件費の問題は人権の問題にもつながる。いわゆる労働環境などの改善が急務となり、低賃金で危険を伴う作業をさせる風な企業に人が集まらなくなる。こうした中で開発が進むのが合理化マシンやロボット、自動組立機などだ。現在の中国は日本が50年前に歩んできた道を、今の中国は急速に辿っている。

◆ 日本では街中の送電線(主に6.6kV)の補修は人間が行っている。災害などで切れた電線を補修したり、木や枝が引っかかった場所での修理などだ。中国ではこの分野でもロボット化が進んでいる。地上から技術者がロボットを操縦し、ロボットが電線を切断したり接続したりテープを巻いたりする。
人間が行う作業の殆どが遠隔操作で実現する。日本でも自動工具はあるが、それはロボットではなく工具の類いだ。

◆ レストランに於ける配膳にもロボットが活躍するし、これは日本でも使われているが、床掃除などもロボットが使われる。日本では景気停滞によって人件費が余り上がらず、景気も良くない事から自動化よりも安い人間を使う風になっている。

◆ ロボットに投資をすれば、継続的にそれを使って償却しなければいけない。しかしアルバイトを使えば、例えば売り上げが落ちた場合には首を切れば済む。好景気の時には人材確保が難しくなり、自動化技術に頼る製造業も今は全く反対だ。ロボットなどへの設備投資が起きないので、産業機器メーカが儲からない。

◆ 中国は好景気が未だ続いているので、合理化マシンが続々と開発される。技術競争や価格競争なども起きるので、製品のレベルも上がる。製品や部品の加工や組み立てなども、以前は人件費が安価だったために人間が行っていた。これらは急速に自動化が進み、一気に信頼性も上がる。

◆ 工作機械の精度も良くなり、多軸加工機などでおかしなものも登場している。おかしいというと変だが、複数箇所をまとめて自動加工するような機械だ。日本にもそうした機械はあるが、明らかに同時加工する方が無駄な動きが多いだろうみたいな、同時加工する事だけが目的で加工時間や精度は別なのかと思うようなマシンもある。

◆ 旋盤で回転する物体にネジを切りながら、別の工作機はその回転する部材と一緒に回転しながら穴を開けるみたいな。更にはそうした工作機械が多重に連結連携されていて、一度その機械に部材をセットすると必要な加工が全て施されて完成するという、見ている分には凄いけれど本当に合理的なのかと思ったりするマシンもある。


電解コンデンサ(12/2)
◆ 電解コンデンサに関しては何度か書いている。NEC製のWi-Fi→有線LANコンバータが壊れたので分解した記事はBlogに書いたが、電解コンデンサの容量抜けではなかった。コンデンサは105℃品が使われていた。この製品自体は古いものなのだが、実稼働時間はのべ2年くらいではないかと思うのでコンデンサの容量抜けもなかったのだろう。

◆ 産業用の機器などでは電解コンデンサは使わない方向になっている。積層セラミックコンデンサなどで大容量品が出来た事もあり、それらに置き換えられている。
ただ特性自体が異なる、特にセラミックコンデンサはESRが低いのでフィードバックループ系などでは再設計が必要な場合もある。

◆ またセラミックコンデンサは直流電圧を加えると容量が減少するし、交流電圧を加えると圧電効果によって音が出る場合もある。
ただこれは致命的なものとは言えず、以前に中を見た事のある三菱自動車のECUは電解コンデンサが1個も使われていなかった。

◆ ただコスト的な面で見れば大容量低価格の電解コンデンサは魅力的であり、民生機器などでは未だに多く使われる。プリウスのインバータ分解記事があったが、初期型では大量の電解コンデンサが使われている。3代目くらいになると、一部がフィルムコンデンサに代替されている。大容量の電解コンデンサが、巨大なフィルムコンデンサに置換されていた。

◆ そこそこ温度の上がるインバータ部分だけに、さすがにコスト最優先と言っても電解コンデンサには厳しい環境だったのかも知れない。最近のモデルでは、更に電解コンデンサの使用箇所が減っている。

◆ IGBTなどパワー系半導体も、従来は汎用部品が使われていたが、現在のものはパッケージレスのものがボンディングで組まれて、そこに非硬化性の樹脂が流し込まれている。
これによって小型化と低価格化が実現する訳だが、生産量が多くなければコストダウン効果は出ない。

◆ 一体型のユニットなのでIGBTが1つでも壊れれば全交換になる。ただ実際問題として、コントロールユニットを修理して使うケースは皆無と言える。修理が出来るのであればコストは抑えられるが、普通はそっくりユニット交換だ。

◆ こうした事情を考えると、特性が劣化したらそっくり交換、交換部品のコストが安い方が良いみたいな考え方もあるのかなとは思う。ハイブリッド車やEVの場合はコントロールユニットのみではなく、バッテリー自体の供給の問題もあるので20年乗り続けられるかと言えば難しいだろう。

◆ Li-ionバッテリーはそれでも未だ寿命が長いが、Ni-MHは乗らなくてもバッテリーは劣化していく。Ni-MH系はバッテリーも充電器も生産量が減っていて、割高とまでは言えないが旧製品には違いない。

◆ EV全盛になると自動車メーカは各車種用の交換用バッテリーを大量に在庫する必要が出てくる。原価が高い事や長期保管による特性劣化(Ni-MHほどではないにしても、Li-ionも経年劣化はあるし、自己放電が進めば壊れる)を考えると、在庫コストが上がる可能性がある。

◆ それでもエンジンやトランスミッションの部品点数を考えれば、補修パーツの在庫は楽になるのか、或いはコストが上がるのか。


シザーズギア(12/1)
◆ 今はVCO+PLLが当たり前であり、周波数調整にはロータリエンコーダが使われる。しかしVFOにバリコンが使われていた時代、ダイヤルの分解能を上げようとすれば減速機構が必要になる。

◆ 減速機構は歯車の組み合わせであり、バックラッシュがある。しかし周波数の調整ダイヤルにバックラッシュがあったのでは使いにくい。そこで2枚の歯車でかみ合う歯車の歯を押さえつけるような構造が採られた。

◆ 減速機構を持つダイヤルの場合に、大きく周波数を動かす時には何度も何度もダイヤルを回さなければならない。そこでクラッチ機構を設けたものもあった。ダイヤルをある程度回すと減速比が下がって祖調整モードになる。逆に少し回せば微調整モードに戻る。他にもダイヤルを二重にして、外側のダイヤルを回すと祖調整になるみたいなものもあった。

◆ もう捨ててしまったと思うのだが、そのギアボックスがウチにあった。何故そんなものがあったのか、買ったのか貰ったのかジャンクから外したのかさえも覚えていない。

◆ そうそう、バリコンには容量直線型とか周波数直線型とかがあった。軸の角度に対する容量変化が違うのだ。可変抵抗器で言うところのAカーブとかBカーブとか、そういう違いだ。周波数直線型は可変抵抗器で言うところのAカーブみたいになっている。

◆ それでも完全なリニアリティを得るのは難しく、どこかを合わせればどこかが狂うみたいな事も起こった。PLLで正確な周波数が設定出来る方式とは異なる、全くのアナログ発振器なのだ。何かの基準周波数にロックしているわけでもないので、温度が変われば周波数もずれてしまう。このずれを補償するために、あえて温度傾斜を持ったコンデンサなどを使った。

◆ 測定器などでも同様に、PLL化される前は自励の発振器が使われていた。今のエンジニアにあのような安定な自励発振器は作れるのだろうかと思うほど良く出来ていた。
周波数直線ではなかったので、目盛りに見にくいところはあったが、いわゆるPLLの位相ノイズなどは出ない発振器だった。

◆ 業務用の無線機などでは、周波数調整のバリコンをモーターで回す方式もあった。周波数に応じて他の同調回路の周波数も変える必要があり、それらを連動させるためだ。
アマチュア無線用の無線機ではバリコンではなく、コイルのコアを抜き差しして周波数を変えているものもあった。

◆ サーボモーターを使うと周波数可変が一つのダイヤルだけで行えるので、操作性という面でメリットは大きかったはずだ。ただモーターやフィードバック制御など、大きさと重さと消費電力とコストがかかったものになった。これらモーターとバリコン間のギアボックスも、バックラッシュを提言するためにダブルギア構造になっていた。ただダブルギア構造だと常にドライブギアに力を加えているので、潤滑切れはギアの摩耗に直結する。

◆ 今後バリコンというもの自体もなくなってしまうのかも知れない。殆どのラジオはPLL方式のワンチップ構成だろうし、ポリバリコンを使ったラジオもやがて姿を消すだろう。バリコンを使ったFMの受信機で、無変調信号を受信した状態で音量を過大にするとハウリングを起こす事がある。スピーカの音でバリコンの羽根が揺れてFM変調され、それが検波される。