MVNOの苦悩(2/12)
◆ MNOの料金低廉化にあってMVNOは成長率が鈍化している。MVNOとしての市場の飽和とも言われるところで、その一つに混雑時間帯の通信速度がある。
◆ 楽天モバイルやnuroなど、遅いときにはブラウザがタイムアウトしてしまう。mineoなどでも、起動時に通信を伴うアプリでは、起動までに何分もかかってしまう。安いけれど遅い、それが我慢できるか否かだ。
◆ この点でMNOのサブブランドは不満が少ない。特にYモバイルは比較的速度が速い。UQモバイルモバイルは速いときは良いのだが、ダメなときには他のMVNO同様の速度になってしまっていた。
◆ それでも新プランに繰り越しが付いたことで人気だそうだ。月間3GBとすると他のMVNOよりも安価だ。今後混雑時間帯の速度がどうなるかだが、最近は速度の点でも改善が進んだと聞く。果たして良好な状態は長続きするだろうか。
◆ 世の中ではMVNOは大同小異と思われているとのことで、選択の基準は料金とサービス(端末価格など)だそうだ。この点から見かけの料金を1円でも下げた方が加入者の獲得が楽になる。
◆ MVNO全体のシェア減少は、楽天モバイルの巻き取りによる影響もある。楽天モバイルはUN-LIMITの加入者を増やしたいわけで、MVNOからの移行に力を入れている。
しかしそれでも、エリアの関係や料金もあってMVNOからMNOへの契約変更は40万契約程度との事だ。
◆ MVNO利用者はコストを優先する傾向があるわけだから難しい。楽天モバイルは2019年4月以降に、スーパーホーダイとして大幅値上げをしている。これはMNOとの価格差を無くす手段だったのではないか。
◆ 2019年3月まではデータ契約で525円から、通話付きでも最低料金は1,250円だった。多くの人が使っていたと思われる3.1GBプランは通話付きで1,600円、データだけだと900円だった。
◆ これがスーパーホーダイでは月間2GBで2,980円に値上げされた。従ってスーパーホーダイからUN-LIMITに移行する人は良いのだが、従来プランからの移行はコスト的に厳しい。
無料期間の終わるUN-LIMIT契約者の引き留めと、MVNOからの移行促進がUN-LIMIT VIだったと言える。そしてこれはMVNOの脅威となる。
◆ 雨後の竹の子の如く増えたMVNO事業者と○○Payだが、自然淘汰の時が来る筈だ。既に身売りをしたり廃業する事業者もあり、いつどこが消えても不思議ではない状況でもある。UQやYMなどMNO直系のサブブランドはずるいとも言える。
KDDIなどはドコモのNTT完全子会社化に反対しているが、auとUQの関係は良いのかと言いたくもなる。
◆ 結局の所MNOがサブブランドを作って安価なサービスを繰り広げれば、独立系MVNOに勝ち目はなくなる。MNOの大容量プランの値下げも、UN-LIMIT VIもMVNOには打撃を与える。もっとも大容量を使うユーザはMVNOは選ばない(通信速度的に大容量を使いたくても使えない)傾向があったわけだが、それでもMNOの価格は脅威だ。
◆ 更に今では無制限プランがある訳だから、MVNOとしてはどのプランを売っていけば良いのかとなる。20GBまでなら2,980円なので、それ以下の所と30GBとか50GBの部分しかない。エリアが狭い事は大きなデメリットだが、価格を見ればUN-LIMIT VIに立ち向かう事は難しい。
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