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過去の雑記置き場


PHSと中国(2/1)
トヨタMIRAIの中古はお得なのか?(2/2)
CDMAの混信除去(2/3)
地方転勤にめげる若者(2/4)
レジ袋問題(2/5)
Facebookアカウント停止問題(2/6)
はま寿司実質値上げ(2/7)
子供用オモチャの使い方(2/8)
電気柵を延長した(2/9)
地下鉄サリン事件(2/10)
二段階認証(2/11)
MVNOの苦悩(2/12)
MVNOの苦悩(2)(2/13)
マツダとホンダの違い(2/14)
停電と地震の関係(2/15)
春商戦(2/16)
ソフトバンクの歩み(2/17)
ソフトバンクと楽天モバイル(2/18)
カメラが売れない時代(2/19)
MSXは失敗だったのか?(2/20)
原発は増えるのか?(2/21)
水素はお得なのか?(2/22)
楽天spam対策(2/23)
ブレーキアシストは必要か?(2/24)
ETC2.0とは何だ?(2/25)
二人称は何であるべきなのか(2/26)
流動性は増加するのか?(2/27)
28GHz帯とその上の帯域(2/28)


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28GHz帯とその上の帯域(2/28)
◆ ミリ波帯に対応したスマートフォンは未だ少ない。そもそも5Gのサービスエリア自体が狭いわけで、その中でミリ波帯の使えるエリアは更に少ない。

◆ 28GHz帯より上の周波数としていくつかのバンドが想定されていて、今のところ最も高い周波数帯は70GHzあたりだ。5Gで20Gbps超の通信速度を実現したいとする。

◆ FTTHは既に10Gbps時代になっている。実効速度が2Gbps〜5Gbps程度と、現状では速度を測定するにも(精度確保に)苦労しそうな速度が実現できている。

◆ 5Gはドコモが4.2Gbpsの理論最大速度を謳い、通信状態が良い場合での実効速度が2Gbps前後だ。ミリ波帯はレーダーにも使われる帯域だ。レーダーは電波の反射などを見て物体の存在を検知するものであり、アンテナの指向性や分解能を考えると高い周波数帯を使う事が望ましい。

◆ 戦時中にもレーダーは使われているが、当時の技術ではVHF帯が限界であり、日本で発明された八木アンテナの多段スタックを使ったレーダーを米軍が使ったそうだ。波長が長いと小さな物体の検出が出来なくなる事から、その後レーダーは短波長波を使うようになる。

◆ こうした特性を持つ周波数帯を移動体通信に使うのは大変だ。衛星通信など空気や水蒸気など以外に障害物がなければ良いのだが、移動体通信ではそうは行かない。樹木や建物、人間でさえも伝搬の障害になる。

◆ こうした、移動体通信にとっては扱いにくい周波数帯ではあるが、広い帯域を使おうとすれば高い周波数帯を使うしかない。2GHz帯ではどう頑張ったって1GHzの帯域など取れないが、70GHz帯であれば10GHz幅を確保する事が出来る。

◆ 電波の減衰を避けるためにはスマートフォンのプリント基板や筐体も考えなければいけない。メーカはこうした苦労をするわけだが、そんな事は全く考えないケースメーカーは、金属製のスマートフォンケースなんかを作り出すんだろうな。ちなみに厚さ10mmのABS板でも70GHz帯に於いては1dB近くの減衰量がある。

◆ 金属粉入りの熱線吸収ガラスやアクリル板、メタリック塗料なども電波減衰量が大きい。アンテナの指向性などにもよるが、スマートフォンをテーブルに置くとすればそのテーブルの材質にも影響を受ける。

◆ ミリ波帯を使ったサービスエリアの構築が今後どのようになっていくのか。安定した高速通信が出来るのか、利用者が5Gを明確に認識できるサービスとはいったい何なのか、単にスマートフォンのアンテナピクトの横に5Gと表示されるだけになってしまうのか。

◆ 基地局の消費電力問題もある。超高周波帯の無線機は未だ電力利用効率が悪く、更に高速信号処理にも電力を要する。多大な電力を消費しても実効速度がさほど上がらないとすれば、単に電力利用効率の悪い通信にしかならない。

◆ 見えるところに設置されるであろうアンテナの美観問題、ビルや商業施設、駅構内に於けるアンテナをどうするかなども問題になる。無線区間の通信速度が上がるわけだから地上系や基地局接続の速度も必要になる。システムとしての5Gや更にはその先の6Gには様々な問題が立ちはだかるわけだ。


流動性は増加するのか?(2/27)
◆ 総務省はMNP手続きのあり方やメールアドレスの移行・転送も含め、流動性をあげたいとする。しかし実際にはキャリアを移動する人は減っている。従来はスマートフォン欲しさに事業者を替える人が多かったが、分離プランになればそれも無くなる。

◆ 価格競争が起きれば良いが、横並びだ。例えばドコモが20GB/2,980円のプランを発表したら、auは10GB/1,480円みたいなプランのあり方ならば違いが出る。しかし現在は3事業者共に同じなので、通信速度やエリアくらいでしか選びようがない。
エリアにしても都市部では違いがないし、通信速度だって不満が出るほど遅くはない。

◆ 事業者を替わる事でメリットがなければ面倒な移動はしない。事業者を替えればスマートフォンも買い換えなければならない場合もあり、カネがかかる。インセンティブプランでは、その事業者に留まって機種変更する方がカネがかかった。

◆ 流動性という点ではMVNOの方が移動する人が多い感じもする。料金プランやサービス内容が多種であり、自分に合った事業者に乗り換えるメリットがある。SIMフリースマートフォンを使っている人であれば、原則的にはどのMVNOでも同じように使える。現状でeSIM対応事業者は少ないが、今後増えてくるだろう。

◆ SIMロックは原則禁止になるようだが、対応バンドの相違によってスマートフォンの買い換えが必要になる場合がある。シャープ製は制限をかけていないようだが、SONYは各事業者ごとに無線部テーブルを書いているので、例えばドコモ向けのXperiaはauの800MHz帯には対応しない。

◆ 消せない事業者アプリも問題だ。これもSIMロック同様に対策をした方が良い。他事業者に移行して無害であれば良いが、ドコモのアプリなどはドコモIDでログインしろとか、spモードで接続しろとかと言ってくるものがある。そもそも他事業者に移ってドコモ契約がないのだから、spモードは無理なのだ。

◆ 国内で使われている全てのバンドに対応すべきだと主張するのが楽天モバイルだが、楽天miniから2GHz帯を外すなど、どの口が言うのかと突っ込みたい。eSIM論もあるが、国際的にはeSIM化が進んでいる事もあり、いつまでもあると思うな物理SIM、と言う事で日本も対応すべきだ。

◆ 流動性をあげるという点で、電力供給会社の変更同様のワンストップ方式も検討されている。技術的に難しいところはあるが、出来ない話ではない。ただ最終的には料金とサービスになるわけだから、料金競争が起きなければどうしようもない。

◆ 通信速度競争は実効速度でカタが付いた。エリアマップの正確性も、同じように何らかの検証が必要だ。楽天モバイルもソフトバンクも色を塗ったもの勝ち的な、バレなければ何でもいいやとマップに色を付けてしまう。全国各地を走り回っているトラック便の配送車やタクシーにエリア確認装置を付けさせて貰えば、半年くらいで相当なデータが集まるはずだ。

◆ 今後は5Gのエリアも増えてくると思うのだが、本当にそこで使えるのかどうかは重要になる。価格に違いが出ないのであれば、エリアやサービスを比較するしかない。速い速い速いと言いまくっていたソフトバンクも、実効速度の話になったら通信速度の事は言わなくなってしまった。こうした部分は共通の何かがなければ比較できない。


二人称は何であるべきなのか(2/26)
◆ 甘糟りり子氏が書いていた。甘糟氏は独身であり、子供もいない。しかし現在の年齢は56歳であるから、度々「奥さん」とか「お母さん」と呼ばれるのだそうだ。そのたびに、奥さんではなく甘糟ですと訂正するようなのだが、人によってはその訂正すら耳に入らないかの如く、奥さん奥さんと呼ぶのだとか。

◆ 訂正して呼び方を変えてくれるなら良いが、そうでない場合はあえて再訂正は試みないのだとか。話が通じれば呼び名は何でも良いと言う事か。三毛猫にポチと声をかけてニャーと言えば、三毛猫はポチになり得る。

◆ 甘糟氏は婚姻と出産に関しても書いている。何故子供を産まなければいけないのか、埋めない人の気持ちは?産まない人の気持ちは?など、女性の生き方を描いたものだ。書籍の第一弾は子供を産む事が良い事だ風な流れで書いたそうだが、後にそれは違うのかなと思い始める。そして第二弾が『産まなくても、産めなくても』のタイトルで発行された。

◆ そんな甘糟氏は未婚であるから奥さんではない。しかし年齢からすれば奥さんか、或いは元奥さんである可能性が高い。だから甘糟氏に会う人の多くは奥さんに違いないと思う。もっとも婚姻率の減少によって、あと50年もしたら奥さんという呼び方自体がなくなってしまうかも知れない。

◆ 警察官が中年風の人を呼び止めるときに、男性であれば旦那さんとかご主人とかになる。女性の場合はお母さんや奥さんだろう。
その呼ばれ方が気にくわないと言っても仕方が無い事だ。自分の名前を名乗れば、相手は名前で呼んでくれるに違いない。

◆ 女性に関しては、それが中年だろうと高齢だろうと、お嬢さんと言っておけば間違いはないのかも知れない。お姉さんだと、アンタの姉さんじゃないわよと凄まれると面倒な事になる。

◆ ある旅館があった。地名が屋号になっているのだが、地名は意外に読みにくい。漢字列は簡単でも読み方が分からない場合がある。その旅館に電話がかかってきて、○○旅館さんですかと問われたら、それが間違っていようが正しかろうが「はいそうです」と答えるのだそうだ。

◆ 一々正しい屋号を説明するまでもないし、要件は他にある。無駄な電話代を使わせないというご主人の考え方だ。正しい屋号は、その旅館に泊まったときに分かるというわけだ。
と言う話を宿泊客に旅館の主人が聞かせる。そこで旅館の正しい呼び名が分かるわけだ。なるほどなと思ってその話を聞き、話は覚えているのだが旅館の名前は記憶にない。

◆ 電話代を気にする旅館、電話代など気にもしないサポートセンター。大手事業者はフリーダイヤルなどがあるので良いが、楽天は有料だ。ナビダイヤルで課金するのに、前置きが長い。ナビダイヤルを使うなら、問い合わせ項目を番号でセレクトするのではなく、予め別の電話番号を設けて欲しい。なんて事を楽天に言っても無駄だ。何しろ楽天ショップの電話番号すら非公開だというのだから。

◆ 楽天モバイルの場合はメールによる問い合わせも出来ない。つながらないサポート、何日か後に返事が来るチャット、そしてメールアドレスも無いとすれば、安心してサービスを受けられない。コミュニケーションの中での呼び方が云々以前の問題、コミュニケーション自体が成立しない。


ETC2.0とは何だ?(2/25)
◆ 2015年頃からサービスが開始されたETC2.0とは、従来のETCにいくつかの機能を加えたものだ。道路に設置されたビーコンとの通信によって、渋滞情報や工事情報、災害情報などを伝達できる。ん?これってVICSじゃダメなの?
◆ ETC2.0を普及させるためにパンフレットを刷ったり、認知度を知るためとしてアンケート調査を行うなどカネを使っている。しかしETC2.0は思ったように普及していない。その一つの要因が価格だそうだ。2.0ではない車載器に比較すると1万円前後高額となるため、装備を躊躇う人が多いのだとか。

◆ ETC車載器自体もだいぶ普及してきたが、それにETC割引などを散々やった結果と言える。そこそこ通行料金というカネを払うためにETC車載器を付けるというカネを払わなければならないのだから面白くない。ETC車載器台が割引などでペイできれば付けても良いよと言う人が殆どだろう。

◆ ETC2.0割引を行っている有料道路もあるのだが、これはほんの一部だ。料金の割引でどの程度の収入減になるのか分からないが、そのコストでETC車載器プレゼントが出来たりして。そもそもETC車載器の価格が下がらないのは、セキュリティデバイスの価格を天下り団体が握っているからだ。
国交省の利権構造だから仕方が無いが、思えばVICSもそうだったよなぁ。

◆ ITSだ車車間通信だと会議は開かれているのだが、結局はどこが儲けるのか、どこに権限を渡すのかみたいな話になってくる。まずはそこが決まってから通信規格だとかシステムだとかの構想が始まる。

◆ ETCにしたって180km/hで走行中でも通信が出来るようにと規格が作られた。しかし実際にはゲートは20km/hで通過しましょうとなっている。だったら新規開発する事もなく、超高周波帯を使う事も無く、既存の技術でコストは1/100みたいな感じだった。だがそれでは儲からない。ここは一つETCデバイスを一括管理して不正が起きないようにしましょうねと、本来の交通とは関係のない部分に話が膨らんだ。

◆ 確かにETC車載器のクローンは作られなかったが、ではクローンが出来たら何が問題なのか。クローンが作られなかったのは、作る必要も無ければ作るメリットもなかったからではないのか。不正通行という点では、使用できないETCカードでもゲートは通過できたのではなかったっけ。正確には使用できなくなったばかりのETCカードか。

◆ 都度照会するには時間がかかるので、ローカルのデータベースと照合してゲートを開けているからだとか。不正通行よりも電波障害などでゲートが開かないトラブルの方が多かった。ゲートなどに電波吸収体を貼ったり、色々苦労していた。ETC2.0割引車載器メーカも事故が起きた元だとして訴えられたりした。

◆ 私は直接は開発には関わっていなかったが、某メーカではそうしたクレーム処理が大変だった。
真っ先にETC車載器を付けるのはETC車載器の価格など関係ないよと言う、フェラーリだランボルギーニだのオーナーだったわけで、それがETCのあの棒に激突しちゃうんだから、いや、笑っちゃいけないんだけどね。

◆ 棒に激突したオーナは当たり前ながら怒るわけだ。損害もさることながら、何故棒が開かないのか何が起きたのか、それは防げないのかなど説明を求めてくる人もいたという。


ブレーキアシストは必要か?(2/24)
◆ 最近の車にはブレーキアシストシステム(BAS)が付いている筈だ。CLSにも付いていたのだが、CLSには不要ではないかと思った。ブレーキが重いわけでもなく、いやむしろ国産車並みに軽かった。なのでBASが効くとABSの作動レベルまですぐに達してしまった。BASの作動レベルが適切でなかったとも言える。

◆ ジムニーにはBASは付いていないのだが、これは逆に付いていた方が良いかもしれないと思う。国産車一般に言える事だが、ブレーキやステアリングレスポンスが甘めに設定されている。

◆ ブレーキに関しては、ブレーキホースをステンレスメッシュに変えたり、マスターバックが動かないように補強する(マスターバッグは車種にもよるけれど結構動く)と、カチッとしたフィールになる。

◆ カチッとしたフィールにすると乗りにくいと言われる事もあるそうで、クレームが来ない程度のふんわりさに設定していると、トヨタの方が言っていた。サスペンションやステアリングフィールも同様で、余りダイレクト感を出すと乗り心地が悪いと言われるそうだ。

◆ ジムニーはエンジン出力に対して補機類の負荷も重いので、負圧が余り上がらない。勿論エンジンが古くてヘタっている事も要因だ。なのでブレーキペダル踏力に対する減速Gが一定しない。バキュームタンクでも付いていれば良いのだろうが、たぶん付いていないと思う。なのでブレーキペダルを踏んでも思うように減速Gが立ち上がらない場合がある。

◆ デコボコ道ではタイヤの接地性の問題があるので強くブレーキペダルを踏むとすぐにABSが働いてしまうが、フラットな舗装路であればブレーキは利きやすい。
急ブレーキと言うほどでもないが、強めにブレーキペダルを踏んだ時に(BASの作動条件はペダル踏力ではなく踏み込み速度だと思う)、過剰ブーストされると安全性が高まるのではないかと思った。

◆ この辺りは車の設計にもよるので全ての車がBASを必要としているわけではないはずだ。そもそも日本車は全般的に操作系を軽く作るので、BASなど要らないくらい操作の軽い軽自動車もあるだろう。

◆ 軽自動車にBAS装備が義務づけられたのは2018年からだそうだ。登録車は2014年から付けられている。BASと同じくESCも装備が義務づけられた。ESCはパワーのある車には有効だが、アンダーパワーの軽自動車などだと余り役には立たない。制御が雑だと摩擦係数の低い雪道などで走れなくなってしまう。

◆ トヨタがアリストを発売した頃なので随分昔だが、雪道で発進できなくなるアリストやクラウンが続出した。スリップを防ぐためにエンジン出力を下げてしまうので、発進できなくなるのだ。SLはスリップしながら発進できた。

◆ トヨタの制御はスリップ率の低いところまでエンジン出力を下げるもので、勿論この制御の方が安全だ。そもそも摩擦係数がそんなに低い状態で走ってはいけないし、走れない。BENZの場合はABSもそうなのだが、ブレーキの場合はロックギリギリ(直線路の場合)まで許すし、発進の場合はスリップ率が一定の所までを許す。現在はトヨタの制御も変わっているかも知れないのは、部分的に摩擦係数の低い路面で発進が出来なくなるからだ。


楽天spam対策(2/23)
◆ POSTFIXの設定による楽天spam対策は有効に機能している。ここで言う楽天spamとは、配信停止の出来ない宣伝メールだ。マイナポイントを設定しろとか、○○キャンペーンに応募しろとか、リボ払いに設定しろとか、そんな類いのメールで文末には「弊社からのメールを希望されない会員様へも重要なお知らせとして配信しております。誠に勝手ながらこのお知らせメールの配信停止はいたしかねますので、何とぞ、ご了承ください。 」となっている。

◆ この一文を付ければ何でもありだと考えているのが楽天で、マイナポイントのメールなど毎月配信されてきていた。停止可能なメルマガを装ったspamは全て停止しているが、それ以外の楽天が重要だとする宣伝メールが何通も来て、重要なメールを埋めてしまう。

◆ 自前のメールサーバがあれば細かな設定が可能だ。今のところ最も効果を発揮しているのがメール発送業者であるemberpointからのメールを阻止する方法だ。楽天は重要なメールは楽天のメールサーバから送るが、spamはメール発送屋に任せている。ただ普通に見るとFrom:欄は楽天のメールアドレスになっているので見分けが付かない。しかしサーバ名は違うのでReceived:欄を見れば判定できる。最初はIPアドレスで拒否しようと思ったのだが、emberpointは毎回異なるIPアドレスのメールサーバを使ってspamを送信してくる。
emberpointの自慢は、阻止しにくいメールの発送だそうだ。

◆ もう一つはReturn-Path:を見る事でこれはメールによって異なっている。ただし全てが同じではないので、設定自体は面倒だ。
楽天の場合はspamの阻止がしにくいようなメール送信方法を採っている。簡単に阻止されてしまったのでspam発送の意味が薄れるからだ。

◆ メールサーバ自体をイジる事が出来ない場合は、件名で判断するしかない。重要なメールは件名の最初に【楽天株式会社】【楽天カード株式会社】があり、spamは文末にこれがある。ここを判定して阻止するだけで邪魔なメールの多くを墓場に直行させる事が出来る。

◆ 本文での判定は「弊社からのメールを希望されない会員様へも重要なお知らせとして配信しております。誠に勝手ながらこのお知らせメールの配信停止はいたしかねますので、何とぞ、ご了承ください。」を検出する事だ。本当に重要なお知らせには、このような言い訳文は書かれていない場合が多い。不要なメールを正当化するための文言をspam判定に利用する。

◆ 本当に必要なメールでも、必要な事項が書かれているのは数行だ。他の部分は全て宣伝になっているのが楽天spmaの特徴でもある。何しろこのspam syatem、三木谷氏の唯一最大の発明だというのだから何とも。

◆ 楽天を見習ったのか、ヤフーのspam攻勢も激しくなっている。現在の所楽天のような重要なお知らせspamは無い。その代わり新しいメルマガが発行されると、それは無条件に配信されてくる。停止は勿論可能だが、パスワード再認証など面倒な仕掛けがある。ヤフーの場合は通常のメールと宣伝メールをヘッダーで判定できたような気がする。なおGmailで楽天spamをspam報告しても無駄なようだ。楽天とGoogleの契約により、楽天spamはspam認定されない設定になっていると書いた記事があった。


水素はお得なのか?(2/22)
◆ トヨタはFCEVを作っている。バッテリー性能が今ほど高くなかった20年前、EV用の電力源はバッテリーではなく燃料電池が良いとされた。しかしバッテリー性能の向上とコストの低下で、燃料電池の話は徐々に消えた。

◆ 20年前にLi-ionバッテリーは存在していたが価格が高かった。大電流放電用途のLi-ionバッテリーも有ったが、電動工具に気軽に使われるほどの普及はしていなかった。トヨタのハイブリッド車もNi-MHバッテリーで動いていた。

◆ FCEVにおける問題点は水素の価格だと思う。輸送コストや貯蔵コストも勿論あるが、水素そのものが高いのではどうしようもない。FCは量産すれば安くなる可能性もあるし、それがバッテリーコストと戦えるならばFCでも良い。ただしFCEVにもバッテリーは必要だ。いや、だったらFCスタックと水素タンクなど積まないで、バッテリー搭載量を増やした方が良いんじゃないのとみんなが思っている。

◆ 水素の価格は高い。結局の所電力を使って水を電気分解するのだから、電力代と水代が必要だ。EVならば電力をそのまま使えるので、どう考えてもFCEVは不利である。電力はケーブルで運べるが水素はそうは行かない。送電損失より大きいかどうかは分からないが、水素は放っておけば気化して無くなってしまう。

◆ 原発でも水素は作れるがコストが高い。
原発でLNGを分解して水素を取り出す事が出来るが、LNGを燃やすようなものなので炭酸ガスが排出される。ただ水素需要が高まれば、原発による熱化学分解法のコストが下がる可能性はある。

◆ 日本のFCEV推進が原発推進と関係しているのかどうかは不明だが、原発推進派にとってFCEVに未来を感じていることだろう。余剰電力を水素に変えて貯蔵し、必要なときには燃料電池で発電するなんて案もある。大規模な貯蔵ならば液化水素が使えるので密度が上がる。

◆ そもそも水素は液体にしないと運ぶにしても何にしても不便だ。製造時に液体で出てくる水素をそのまま断熱タンクで保存する。電力が必要な日中は燃料電池で発電する。いや、もしかしたら太陽光発電所が増えて、日中の電力が余りはじめるかも知れない。そもそも太陽光による発電のピークと電力需要のピークにはずれがある。そこを埋めるバッファとして水素が使えるのかも知れないが、大型の燃料電池は高いだろうなぁ。

◆ そう考えると、やはり水素に未来はないと思えてくる。余剰電力を蓄えるにしても、バッテリーを使った方が簡単だ。トヨタMIRAIのFCスタックは40%前後の効率しかないと思われる。水素を作る部分での効率も70%前後なので、電力を使って水素を作り、その水素でMIRAIを動かす電力を作るところまでの効率が28%だ。
これではガソリンを動力として使うよりも効率が悪い。

◆ 水素バリューチェーン推進協議会なるものも作られたそうだが、経産省がカネの流れを作るよみたいな団体だろうか。水素を何に使うか考えているようではダメで、水素でなければ出来ない産業に使わなければいけない。

◆ 国際的に見ると、砂漠の太陽光発電所で作った電力で水を電気分解し、それをアンモニアにして日本に輸出、日本ではアンモニアから水素を取り出してFCの燃料にするという、そんなプランもあるそうだ。


原発は増えるのか?(2/21)
◆ 来たるべくEV時代には電力消費量が多くなる。今まで炭化水素燃料に頼っていた分を電力でまかなう必要がある。政府は原発を増やすとも言っている。原発は電気を生み出すだけではなく、巨大な利権を生み続ける。

◆ 原発の熱効率は3割くらいなのだとか。100万kWの電力を生み出す原発では200万kW以上の熱を発生する。日本の原発は水冷なので海岸近くに建設される。付近の海水温の上昇が問題視された事もあったわけだが、まあ海は広いので気にする事はないよと推進派は言っていた。

◆ 200万kWの熱量は、4000トンの水の温度を1分間で7℃ほど上昇させる。50mプールの水量が1000t位なので、50mプールの水温を1分間で28℃上げられる。
元々の水の温度が15℃だったとしても、13分ほどでプールの水は沸騰する。原発の冷却がいかに大切か分かるはずだ。

◆ 自然エネルギ発電ではなく原発を増やすと、排熱量が多いために環境を温めてしまう。炭酸ガス排出量は少ない(建設時の炭酸ガス排出量が多い)が、熱という問題は避けては通れない。勿論これは火力発電所でも同じ事で、原発より熱効率が良いとは言っても代わりに炭酸ガスを排出する。

◆ 発電だけが熱を発しているわけではなく、最終的に全てが熱になると考えれば、電力を使う事そのものが地球を温めている。欧州などのように自然エネルギの理容を考える以外に、環境負荷を下げる事は難しい。

◆ 太陽光発電所と反対運動の話も書いているのだが、ではどうやったら安定で安全なソーラー発電所が出来るのか。と言う話はここにお住まいの方とも話した事がある。何が何でも反対、反対のために反対する人も中には居るかも知れないが、多くの人は環境負荷が低い建設をすれば良いのではないかと言っている。

◆ 例えばソーラーパネルを並べるエリアに対して、ソーラー発電所の敷地面積を十分に広くする。こうする事で周囲への影響が少なくなり、泥流対策などもやりやすくなる。
強風でパネルが破壊されても敷地外への影響を食い止めやすい。放熱問題や騒音問題も軽減が可能だ。しかし余計な土地を取得するにはコストがかかる。

◆ 国が自然エネルギ利用を促進するというのであれば、例えばソーラー発電所の固定資産税を低減する措置なども可能なはずだ。パネルの総面積に対して敷地面積が一定以上の場合はお得ですよとやれば良い。風力発電も同様で、十分な敷地面積がないと事故が起きた時の被害が大きくなってしまう。

◆ 伊豆半島には風力発電所もいくつかあるのだが、山の上に風車を設置しているので工事コストが大変なんだろうなと思う。しかしそうした場所に併せてソーラー発電所を設置すると、土地の有効利用も出来る。環境対策などもまとめて出来るわけだが、ソーラー系と風力系は事業者が違ったりする。

◆ 家庭用太陽光発電も普及しているし、その電力でEVを充電するのは良い事だ。送電損失がないので効率的でもある。ただ熱やインバータの騒音やパネルの反射など、問題が無いわけでもない。屋根一体型のソーラーパネルを使うと外観が綺麗に仕上がるが、屋根と見なされるので固定資産税額が増える。

◆ 原発の建設費は実質1兆円位だそうだ。原発の場合は作って終わりというわけではなく、メンテナンスや最終的解体費用など、莫大なカネがかかる。金だけで解決できれば良いが、放射性廃棄物問題もある。


MSXは失敗だったのか?(2/20)
◆ MSXが出来たのが1983年頃だそうだ。当時のアスキー社がパソコンの統一規格を作ると言って各社に呼びかけたのが始まりだ。アスキーはマイクロソフトの日本代理店であり、マイクロソフトBASICを乗せたのではなかったかと思う。

◆ 当時各社はパソコンを発売していたが、いずれもオリジナリティを名目にBASIC自体も大幅なカスタマイズを行い、互換性が乏しかった。そこで統一規格を作り、市場を大きくする必要があると考えた。

◆ しかしこれに反対する人物がいた。統一規格に反対したのではなく、アスキーに主導権を渡すのが気に入らない、アスキーが規格を作るならウチも別の規格を作って戦争に持ち込むと言ったのがソフトバンクの孫さんだった。

◆ もし孫さんが統一規格を仕掛けていたら、その後の日本のPCは変わっていたのだろうか。だが当時、孫さんは松下電器の前田氏に説得されて引き下がる事になる。

◆ MSXは中途半端なものだった。ゲーム機としては高価格だったし、ビジネス機としては機能が足りない。APPLE][やPETのような魅力もなかった。それでも多くの企業がMSX機を発売した事で、総計200万台以上を売ったという。

◆ 市場が大きくなれば価格競争も激しくなる。当時のMSX機は5万円くらいが相場だったそうだが、CASIOは3万円以下にまで値を下げてきた。この頃からハードウエア商売は儲からないみたいな風潮になり、やがてMSX自体が廃れていく事になる。

◆ MSXはパーソナルコンピュータをベースにしたゲームマシンで、ファミコンはゲーム機を拡張してオンライントレードマシンにもなった。それこそパソコンを何に使うのか、パソコンがあれば何でも出来ると言われながらも使い道が分からない、何に使ったら良いのか考えるのがパソコン所有者の悩みみたいな時期だった。

◆ これは、例えばPC8800にしてもPC9800にしても同じだった。パソコンパソコンと言われてそれらを購入したものの、家計簿ならノートで十分だし、年賀状を作るには高価なプリンターが必要だった。ワープロ専用機ならプリンタ機能も内蔵され、使い方も簡単だ。

◆ アスキーは通信が必要だと考えたものの、その頃にはMSXは人気を失いつつあった。メーカや代理店には大量の不良在庫があり、末期には1台千円くらいで投げ売りされた。
MSXが廃れた頃、日本のPCのスタンダードはPC9800になっていた。各社が統一規格で参入したMSXよりも、NECが独自に作ったPC9800の方がずっと売れたというのが面白い。

◆ MSXの企画段階でAPPLE][に学ぶところがあれば、魅力は増していたのだろうと思う。買って終わりではダメで、様々な拡張性を活かしながらMSXメーカだけではなくサードパーティも巻き込んだ商品展開が必要だった。MSXは拡張性に乏しく、PC9800はバスを開放して多くの拡張ユニットが発売された。

◆ 西氏は16ビット機よりも処理速度が遅く、ゲーム機より高額だった事が失敗の要因だと分析している。MSXの失敗によって一家に一台のパソコン作戦は実現しなかったというのだ。
私はそうは思わない。処理速度の問題でも価格の問題でもなく、企画の問題だったと思う。
MSXのハードウエアの魅力が乏しかったのではなく、西氏の企画から生み出された統一規格そのものに魅力がなかったのだ。


カメラが売れない時代(2/19)
◆ ディジタル一眼レフカメラブームで息を吹き返したカメラメーカだが、それが一段落すると再び売るものがなくなってしまう。ディジタル一眼レフが売れた頃には、それに引っ張られるように中古レンズの価格も上がった。しかし今はブームの時の半額以下が相場なのだとか。

◆ ディジタルカメラが高額だから売りにくいという話もあるのだが、一眼レフやレンズはそもそも安くはない。それでも設定自由度や画質を求めて一眼レフを買う人が居る。そうしたマニアの需要はそう大きなものではなく、必然的に価格も上がる。

◆ ディジタル一眼レフブーム、ミラーレスブームは、そんなマニアの世界にアマチュアが進出してきたわけだ。しかしそれらの人がレンズ交換式カメラに飽きてしまうと、需要は又元通りに戻る。

◆ しかしその元通りの需要ではカメラメーカーは食っていけない。逆に言えば食っていけなくなっていたカメラメーカを助けるかたちになったのが、ディジタル一眼レフカメラブームだったわけだ。

◆ レンズ交換式カメラの需要が無くなるわけではないのだが、ハイアマチュアやプロユースのイメージになってくる。ディジタル一眼レフから、より小型軽量なコンパクトカメラに戻るのかと言えばそうでもなくて、普通に写真を撮るだけならばスマートフォン内蔵カメラで良いでしょうとなる。

◆ こうしてコンパクトデジカメ市場自体も縮小している訳で、こうした流れはカーオーディオやカーナビでも同じだ。ホームオーディオにしても、チューナやアンプやCDプレーヤなどを並べたものがミニコンポになり、それがメモリオーディオプレーヤやスマートフォンに変わっていく。

◆ 日本では携帯電話やスマートフォンにTV受像機能を付けたが、これは流行らなかった。だから、何でもかんでもスマートフォンに付ければ人気になるかと言えばそうではない。SIMフリーのスマートフォン需要が伸びつつある現状に於いて、グローバルモデルの機能がスマートフォンのスタンダードみたいな感じもする。ただ日本ではFelica需要があるので、SIMフリースマートフォンでもFelica機能が搭載される。

◆ キヤノンの業績低下は一時的なものなのだろうか。コロナウイルス感染拡大による外出や旅行の減少はカメラ需要を低下させ、更には在宅勤務で事業所用のコピー機などの需要が減少した。ペーパーレスと言われながらも事業所では複合機が活躍していたわけだが、在宅勤務などではペーパーレスにせざるを得ない。そして在宅勤務が例え減ったとしても、再びペーパードの時代には戻らないのではないかとも見られる。

◆ 医療機器やネットワークカメラなどの売り上げも減少したそうだ。コロナ感染拡大による営業の活動低下が響いたそうだ。一方で家庭用プリンタ需要は伸びたという。これも在宅勤務などの影響ではないかとキヤノンは見ている。

◆ ニコンも赤字となる。ミラーレス分野での出遅れを指摘する声もあり、一眼レフの売れない分をミラーレスでカバーすべきだと言われる。しかし実際には市場全体が小さくなっているので、ミラーレスがあれば黒字化できたのかというと、それは難しいだろう。オリンピックも無観客或いは中止という事になれば、それに期待するカメラ需要もなくなってしまう。


ソフトバンクと楽天モバイル(2/18)
◆ ソフトバンクは孫さんの思惑通りの成長はしなかったが、スプリントのような失敗にも陥らなかった。スプリントはソフトバンク同様の騙し作戦で加入者を集めようとしたが、米国人は日本人ほど甘くはなく騙されてくれなかった。

◆ ネットワークは強化した強化した強化したと、ソフトバンクの時と同様の事を言い続けた。だが米国人は騙されてくれない。ダメなものはダメとして買収時には業界3位だったスプリントが、その後4位に転落する事になる。

◆ 国内事業が大きな失敗に陥らなかったのは資金調達に長けていたからだとも言える。当時のソフトバンク自体には信用がなく、低金利での資金調達が出来なくなっていた。そこで加入者の信用を売るという荒技に出る。これがソフトバンクが開始した割賦販売とそのローン肩代わり作戦だ。孫さんはBM特許を取りたいくらいだと語っていた。

◆ 楽天モバイルは人口カバー率96%を得るための基地局数を2.7万局から4.4万局に訂正した。ソフトバンクから盗み取った基地局ロケーションデータが活かされたのか、ソフトバンクに隣接する楽天基地局が目立つ。つながらないソフトバンクのネットワークを改善すると、ソフトバンクが掲げた基地局目標数が4.6万だった。(現在の2GHz帯基地局数は4.4万)
◆ 当時のソフトバンクも大型基地局はコストの関係もあって余り建てられなかったようだが、楽天モバイルは更にローコストに抑えている。基材のコストも大幅に下がっているので設備投資額自体は低くなるが、それでも楽天は1兆円近い投資額を想定している。

◆ ソフトバンクは資金調達力があった。倒産する倒産すると言われながらも頑張れたのは、孫さん自身のカリスマ性もあったと思う。では三木谷さんに同じ事が出来るのかというとそれは難しそうだ。イーロン・マスク氏のように、失敗を金の力で成功に変えてしまえるほどの財力があるとは思えない。

◆ 三木谷氏自慢の30億円の豪邸と言ったって、設備投資額の1兆円に比較したらたいした額ではないし、個人資産(大半は現金ではない)を担保にしたって限界がある。孫さんなら個人資産の一部を引っ張り出せば1兆円は難しい額ではないだろうけど。
個人の資産と事業資金とはまさに桁が違う。

◆ 孫さんが見え透いた事を言いながらも株主ウケを考えるのは、投資家を大切にしなければならないからだ。孫さんは移動体通信事業は全く素人だったと思うのだが、決算や株主総会対策に相当勉強したと思う。ある程度分かる人が聞けば突っ込み所は満載なのだが、それでも株主を納得させる事が出来るから凄い。孫さんは株価を上げる事に重点を置く事で、色々な場面を有利に進めてきた。

◆ 楽天モバイルは0円攻勢という、他社に真似の出来ない作戦に出た。ただネットワークが空いている場合は、その空いている帯域をタダで使わせても損失は少ない。旧WILLCOMが2回線目から5回線目までを無料(無料になるのは基本料金のみ)で配った例があり、加入者数を増やした。

◆ 楽天モバイルの場合は1Gバイトまでのデータ使用量と通話が無料なので、この分の損失は出る。しかし今は損失よりも加入者が必要な訳で、加入者増でなければ借金がより厳しくなる。


ソフトバンクの歩み(2/17)
◆ 携帯電話事業への独自参入を諦め、Vodafoneを高値買いしたソフトバンクだが、料金プランなども含めて迷走状態にあった。他社に追従して他社料金より安いプランを提供する、必ず安くすると宣言するもプランのコピーが上手く出来ない。ネットワークやサービスが異なるのだから劣化コピーにしかならなかった。

◆ 苦肉の策も失敗でしかなく、しかしその後のホワイトプランで息を吹き返す事になる。秘策は網内準定額、空いている回線をタダで使わせる作戦だ。これによって家族や恋人同士など、通話頻度の高い人を取り込む事が出来た。そしてiPhoneの取り扱い開始となる。しかし移動体通信事業がうまく行くとは思われずに株価は低迷、ホワイト株価などと言われた。

◆ iPhoneは売れなかった。孫さんは倉庫に積まれた在庫の山を蹴飛ばして怒りを露わにしたという。どうせ売れない在庫の山ならタダで配ってしまえ。それが更なる加入者増のきっかけとなり、(ソフトバンク広報によると)20ヶ月純増ナンバーワンの道を歩み始める事になる。資金調達に苦労した末に、加入者の信用情報を金に換えるというスペシャルテクニックを駆使したのもこの頃だ。

◆ 分離プランの推進に反対する孫さんは後に、「iPhoneが何万円もしたら誰も買わない。」と言っている。最初はタダ配りでも純増が期待できたが、競争激化によりキャッシュバックも行いはじめる。従来型携帯電話の新規加入者獲得競争の時並の消耗戦に突入する。Androidは高いがiPhoneならタダ以下で手に入ると言われた地代だった。

◆ こうして加入者を集め、ピーク時にはauに迫る勢いとなった。しかし販売の適正化などが行われると加入者減に追い込まれてしまう。スプリントの投資失敗も明確になり、孫さんは移動体通信事業に興味を失う。そんな中で加入者減を補ったのがYモバイルだった。評判の悪化していたソフトバンクより、ヤフーのブランド力が高かった。

◆ 10年でドコモを超えると言ってスタートを切ったソフトバンクだったが、残念ながらドコモはおろかauすら超える事は出来なかった。移動体通信事業には膨大な額の投資が必要なのだが、孫さんは設備投資が大嫌いだ。これは、もしかするとADSLの損失が頭にあったのではないのか。成長期には利益を上げられず、設備投資が不用となったADSL末期に、少しの利益が出始めた。

◆ 移動体通信事情に参入した当時、エリアの狭さが嫌気された。これに対して孫さんは、2006年当時に2.5万だった基地局数を2008年までに4.6万局に増やすと宣言した。孫さんは決算発表の度に画期的方法を考案した、もの凄い速度で建設を進めているといったものの、一向に基地局は増やせなかった。そして数合わせに中継局のばらまきを開始する。(2020年度の基地局数は2GHz帯局で約4.4万)
◆ 中継局の乱立は干渉問題を引き起こし、汚いネットワークが生まれてしまった。その後に中継局を減らす必要があるとソフトバンク自身も言っている。ドコモやauがマイクロセル化に力を入れはじめた頃、ソフトバンクはマクロセルこそ真だと言った。

◆ 手に入れた900MHz帯を3Gで整備したためにLTE化が遅れた。LTEの基材は未だ価格が高い、今は3Gの地代だと言った。3Gを拡張して伝送速度の向上を図ったDC-HSDPAを4Gと呼んだ。この為その後のLTEが4G LTEの名称になったり、ハイブリッド4Gなど様々な呼び名が生まれた。


春商戦(2/16)
◆ 移動体通信事業者にとって春商戦は重要だ。クリスマスや正月が終わって、いったん落ちた販売台数が回復するきっかけになる。学割などに力を入れて、新規加入者も取り込もうとする。

◆ 従来であればiPhoneのゼロ円配りと多額のキャッシュバック競争となったわけだが、分離プランの導入によって派手な値引きが出来なくなった。
そんな中でもソフトバンクは加入者への端末1円販売を行う。

◆ MNPで加入した人に限って2万円引きにするのだが、廉価端末は1円で販売できる。2万円までの値引きは禁止されていないので、低下が2万円以下の端末を調達すれば1円での販売が可能になる。なおゼロ円販売は禁止されている。

◆ ソフトバンクが1円で売るのはRedmiNote 9Tだ。他社利用者が買っていかないように、周波数帯をソフトバンクが使うバンドに特化する。今やSIMロックではなくBANDロックが主流なのだ。ソフトバンク専用モデルなので、いわゆる定価がいくらなのかは実際には分からない。

◆ 総務省などでは流動性確保のためにSIMロック禁止論が出ているわけだが、ソフトバンクや楽天モバイルは、自社バンドしか使えないようにしてSIMロック以上の囲い込み効果を狙う。なお楽天モバイルは(自分の事は棚に上げて)、国内全てのバンドに対応した製品を販売すべきだと主張する。

◆ RedmiNote9TはAntutuスコアが20万を超えるそうで、SoCはMediaTekのDimensity 800Uを採用する。OCNモバイルが1円で売るRedmi Note 9SはSnapdragon720Gを搭載するが5Gには対応しない。

◆ 安物系として私は楽天モバイル用にGALAXYA7を使っている。処理速度は遅いのだが、非実用的という程鈍重ではない。2万円以下で買えるスマートフォンとしては悪くないと思っている。画面焼けの問題が心配な有機ELではあるが、発色が綺麗で明るく見やすい。

◆ GALAXY A32は5G対応で3万円くらいだ。まだまだ使える場所の少ない5Gではあるが、SoCの5G対応によってミッドレンジの端末にも5G化が押し寄せている。それと同時にFelica対応も進む。従来のSIMフリースマートフォンはFelica対応が難しかったわけだが、今や日本の市場を見据えた実装がなされる時代になった。

◆ SIMフリースマートフォンの売れ筋が3〜5万円と言われているが、値引き制限の2万円を考えるともう少し定価の安いスマートフォンが欲しいと言う事になる。事業者の乗り換えではスマートフォンの新たな購入が必要になると考えた方が良く、それには1円端末が必要だ。

◆ 5Gのサービス開始からほぼ1年が経つが、使おうと思わなければ使えない程度のエリア展開でしかない。ソフトバンクとauは4G用の周波数転用によってエリアを拡大しはじめるが、これはスマートフォンに5Gの表示が出るだけで4Gと余り変わらない。

◆ ドコモは"なんちゃって5G"には反対の姿勢を見せていて、5Gの割り当て帯域を使ったエリア整備を進めると言っている。果たしてこれがどの位の整備スピードで、どの位の人口カバー率を実現するのかは興味あるところだ。5Gになっても一般利用者が体感できるのは通信速度くらいしかない。その通信速度も利用者増加によっては低下する。


停電と地震の関係(2/15)
◆ 福島県沖を震源とする大きな地震が起きた。その後東北や関東地方などで大規模な停電が起きた。地震によって東北地方太平洋側の発電所が停止し、電力供給能力が下がったためだ。

◆ 各地の火力発電所が自動停止すると、稼働中の発電所の負荷が上昇する。これによって発電機の回転速度が低下して周波数が下がりはじめる。負荷が限界を超えると変電所は負荷を遮断する。北海道大停電時には周波数が46Hz(2秒継続)まで下がったところで負荷が遮断された。

◆ 詳細は不明だが遮断する場所には優先度があるようで、東京都での停電は非常に少なかった。電力需要の大きな東京都には複数の発電所から複数の経路で送電が行われており、安定度が高かったからかも知れない。東京都での電源周波数は49Hz前後まで下がったところで上昇したそうだ。

◆ 静岡県の東京電力管内でも停電は発生したのだが、伊豆半島はほぼ停電しなかった。人口が少なく大きな産業もない伊豆半島向けの送電スイッチを切っても、余り節電にならなかったからかも知れない。

◆ 送電経路の事故や故障による停電とは異なり、発電所に損傷がなければ発電が開始されて送電は復帰する。地震によって発電所が機能回復できない場合は、復帰が遅れる事になる。電力需要に帯する発電能力が不足する限り、停電のエリアは減少しない。

◆ これで思い出すのが3.11の時の計画停電だ。各自治体などでは街灯を消すなどしたし、高速道路でも街灯を消した。
だが実際には夜間の電力量に余裕があったと言われる。自治体が街灯を消したのも高速道路の照明を落としたのも、節電のポーズと便乗による経費節減だったのか。計画停電自体にしても、それが本当に必要だったのかどうかが疑問視された。

◆ 地震での停電はなかった伊豆半島だが、台風や積雪による停電は起きる。事故による停電の場合は、原因を取り除かなければいけないので復旧に時間がかかる。
送電経路の故障と発電所故障が重なればより長い時間停電が続くが続く事になる。

◆ こんにゃくの上に乗っているような地盤と言われる東京や横浜に対して、伊豆半島は余り揺れない。震度自体は3だったのだが、余り揺れなかった。ただ3.11の時と同様に揺れは長く続いた。

◆ 横浜だと地震による揺れが多いので慣れてしまうのだが、伊豆は余り揺れないので地震に敏感になる。静岡県は東海地震の震源近くという事で防災意識が高く、各所で避難訓練が行われたりしている。地震による揺れに慣れている横浜と、余り揺れないけれど防災意識の高い伊豆。

◆ モバイルバッテリーが安価になった今、どこの家庭にもモバイルバッテリーの一つや二つはあるだろう。長時間の停電時などはこれが活躍する。殆ど使われない機能である、スマートフォンのワンセグ受信機能も役に立つかも知れない。

◆ 今回の地震では動画配信チャネルを使ってニュースが流されたりもしたので、TV放送が絶対というわけでもなかった。今後はこうしたライブ配信チャネルを使った情報伝達が増える事だろう。TV局に於けるCM収入の減少も、IP放送が主体になりつつある事を表しているかのようだ。


マツダとホンダの違い(2/14)
◆ 話題になったホンダeとほぼ同様のバッテリー容量や価格で登場上したのがマツダのMX-30EVだ。実走行距離よりも価格低減に力を入れるような設計なのだが、日産リーフは62kW/hのバッテリーを積んでも441万円である。ホンダeとMX-30EVは35.5kWhのバッテリー容量で451万円だ。

◆ マツダはバッテリークーラーやバッテリーヒーターを装備した。テスラ同様に停車中でもこれらを稼働させる。バッテリーマネジメントによってバッテリーの寿命を延ばし、交換サイクルを延長する。

◆ ホンダeの残価設定ローンの場合、5年後の価値が定価の13%まで減少するのに対して、MX-30EVは35%もある。これはガソリンエンジン車と同等だそうだ。バッテリーは8年又は16万kmの保証を行う。

◆ ホンダeはバッテリー寿命が短くなる恐れがあるとして、屋根付き駐車場を推奨している。炎天下に駐車するとバッテリー温度が上昇して寿命が短くなる。マツダはバッテリーの電力がある限り、停車中でもバッテリーを適温に制御する。勿論電気を使うのだから残電力は減少する。

◆ リーフはバッテリーの温度管理を行っていないが、バッテリー自体の改良により(環境温度によって)寿命が短くなる事はないと言っている。

◆ ホンダeは想定年間販売台数1,000台、MX-30EVはその半分の、たった500台だ。これでは量産車と言うよりも試作車である。両メーカ共にEVの販売実績がない状態であり、様々なトラブルを想定しなければいけない事から、販売台数を増やせない(売れる価格帯に設定しにくい)という事だろうか。

◆ 日産リーフ並みに売っていこうとすれば、リーフのバッテリー容量が40kWhのモデル価格である332万円を下回る定価設定に出来るはずだ。設計が新しい事などでコストダウンが進むとすれば、ベーシックモデルを200万円台に設定する事も不可能ではないだろう。

◆ MX-30が242万円なので、それと同じというわけには行かないのかも知れないが、これに近づける設定は不可能ではないはずだ。
リーフの場合はEV専用車なのでEVの販売台数が全てだが、マツダの場合はそうではない。
ボディーなどの開発費が償却できるだけ価格的には有利になる。

◆ ホンダeにしてもMX-30EVにしても、航続距離の短さを利用者がどう見るかだ。シティーコミュータとして使う分には問題が無いとは言え、都市部に於ける車の使い方は様々だ。田舎であれば複数台の車があるのが普通だが、地価の高い都市部に於いては車を置いておくコストがバカに出来ない。

◆ ジムニーは満タンで300km位走る事が出来るのだが、横浜まで往復するとガソリン残量は心許なくなる。eやMX-30EVだと片道走行で電池残量はかなり減ってしまう。往復は無理だろう。充電ステーションか各地にあるので、予め場所を知っていれば余計な遠回りという事はないにしても、充電時間が必要だ。

◆ EVが増えれば当然充電ステーションは混雑し、充電に時間がかかるのだからガソリンスタンドの行列のように早くは進まない。充電時間分だけその場所を占有する訳だから、地価の高い都市部では地代がバカに出来なくなる。


MVNOの苦悩(2)(2/13)
◆ ahamoやpovoによってMVNOは競争力を失ったと言われる。石川温氏も、このままではMVNO市場の縮小が起きると危機感を書いていた。石川氏はMNOの料金値下げには反対のようだが、MVNOに対する卸価格の低廉化には賛成しているように見える。

◆ 何故小売価格を下げる事に反対なのに卸価格を下げる事に賛成なのか。たぶん大人の事情があるのだろう。小売価格を下げると設備投資が減って5Gのエリア拡大に影響が出るみたいな話を書くが、卸価格論に於いて設備投資の話は書かない。

◆ そもそも卸価格とは何なのか。電力などでも同じだが、移動体通信事業者にすれば顧客管理などのコストを除いたものが卸価格になる。ahamoなどではその顧客管理コストを低減させるためにオンライン販売のみとしている。その意味では卸価格に近い一般価格設定であると言える。

◆ しかし顧客管理コストがゼロになったわけではない。MVNOがMNOと同様の顧客管理コストと利潤であるとすれば、MNOと同様のパフォーマンス(通信速度)が得られるはずだ。だが実際にはMVNOは通信速度が遅い。つまり、ここで利益を出している事になる。

◆ 何故MVNO事業者がこれほどまでに増えたのか。答えは簡単、儲かるからである。
MNOの1/10の通信速度を提供するサービスであればMNOの10倍儲かる、というのは乱暴にしても、利益が出る。

◆ MNOは理論最大速度の10%〜15%(ドコモ)が実現できるように設備投資をする。MVNOの場合は理論最大速度の0.1%〜1%位の速度が出る。同じ帯域の線に10倍の加入者を詰め込んでいるのだから、それなりの利益になる。勿論スケールメリットの話にもなるので事業者の規模によっても利益は異なるし、最大のスケールメリットを受けるMNOとこの点で同様とは行かない。

◆ MVNOは最小のイニシャルコストで参入する事が出来る。楽天モバイルを見て分かるようにMNOは莫大な初期投資が必要になる。
その投資額を何年、何十年とかけて回収するわけだが、やがて通信方式の世代が変わって又投資が必要になる。

◆ MVNOの場合は(やり方にもよるが)初期投資を圧縮できる。しかも帯域あたりの加入者数という点で大きな利益が見込めるのだから、参入企業が増えるのも当然と言えば当然だ。

◆ MVNOシェアの減少は、価格に対する品質の不満でもある。MVNO各社は少々儲け過ぎていたのではないのか。ocnにしても楽天モバイルにしても、その儲けをスマートフォン値引きに使って加入者を集める。そこにはMNOと同様の図式が見える。

◆ MNOからの卸価格の見直しは今後行われるだろうが、MVNO自身もパフォーマンスの向上策を考えなければMNO、或いはMNOのサブブランドに負ける。日本通信は合理的20GBプランとして70分間の無料通話を付け、月額1,980円で提供している。混雑時間帯の通信速度は5Mbps〜30Mbps程度だそうで、これは他のMVNOよりも高速だ。

◆ 現状の卸売価格でも月額1,980円で月間16Gバイトのデータ使用量と70分間の無料通話が実現できている。日本通信のこのプランはMVNOとは思えない速度が出る、今までのMVNO都は違うと言われる。日本通信に出来て他の事業者に出来ない理由はない。


MVNOの苦悩(2/12)
◆ MNOの料金低廉化にあってMVNOは成長率が鈍化している。MVNOとしての市場の飽和とも言われるところで、その一つに混雑時間帯の通信速度がある。

◆ 楽天モバイルやnuroなど、遅いときにはブラウザがタイムアウトしてしまう。mineoなどでも、起動時に通信を伴うアプリでは、起動までに何分もかかってしまう。安いけれど遅い、それが我慢できるか否かだ。

◆ この点でMNOのサブブランドは不満が少ない。特にYモバイルは比較的速度が速い。UQモバイルモバイルは速いときは良いのだが、ダメなときには他のMVNO同様の速度になってしまっていた。

◆ それでも新プランに繰り越しが付いたことで人気だそうだ。月間3GBとすると他のMVNOよりも安価だ。今後混雑時間帯の速度がどうなるかだが、最近は速度の点でも改善が進んだと聞く。果たして良好な状態は長続きするだろうか。

◆ 世の中ではMVNOは大同小異と思われているとのことで、選択の基準は料金とサービス(端末価格など)だそうだ。この点から見かけの料金を1円でも下げた方が加入者の獲得が楽になる。

◆ MVNO全体のシェア減少は、楽天モバイルの巻き取りによる影響もある。楽天モバイルはUN-LIMITの加入者を増やしたいわけで、MVNOからの移行に力を入れている。
しかしそれでも、エリアの関係や料金もあってMVNOからMNOへの契約変更は40万契約程度との事だ。

◆ MVNO利用者はコストを優先する傾向があるわけだから難しい。楽天モバイルは2019年4月以降に、スーパーホーダイとして大幅値上げをしている。これはMNOとの価格差を無くす手段だったのではないか。

◆ 2019年3月まではデータ契約で525円から、通話付きでも最低料金は1,250円だった。多くの人が使っていたと思われる3.1GBプランは通話付きで1,600円、データだけだと900円だった。

◆ これがスーパーホーダイでは月間2GBで2,980円に値上げされた。従ってスーパーホーダイからUN-LIMITに移行する人は良いのだが、従来プランからの移行はコスト的に厳しい。
無料期間の終わるUN-LIMIT契約者の引き留めと、MVNOからの移行促進がUN-LIMIT VIだったと言える。そしてこれはMVNOの脅威となる。

◆ 雨後の竹の子の如く増えたMVNO事業者と○○Payだが、自然淘汰の時が来る筈だ。既に身売りをしたり廃業する事業者もあり、いつどこが消えても不思議ではない状況でもある。UQやYMなどMNO直系のサブブランドはずるいとも言える。
KDDIなどはドコモのNTT完全子会社化に反対しているが、auとUQの関係は良いのかと言いたくもなる。

◆ 結局の所MNOがサブブランドを作って安価なサービスを繰り広げれば、独立系MVNOに勝ち目はなくなる。MNOの大容量プランの値下げも、UN-LIMIT VIもMVNOには打撃を与える。もっとも大容量を使うユーザはMVNOは選ばない(通信速度的に大容量を使いたくても使えない)傾向があったわけだが、それでもMNOの価格は脅威だ。

◆ 更に今では無制限プランがある訳だから、MVNOとしてはどのプランを売っていけば良いのかとなる。20GBまでなら2,980円なので、それ以下の所と30GBとか50GBの部分しかない。エリアが狭い事は大きなデメリットだが、価格を見ればUN-LIMIT VIに立ち向かう事は難しい。


二段階認証(2/11)
◆ パスワードなどに関しては何度か書いている。最近では二段階認証を使う企業やサービスが増えた。一時期はアプリによる認証が多くなったのだが、今は又下火になっている。

◆ アプリによる認証は手軽でコストもかからないが、いくつかの問題がある。アプリで認証するためには、そのアプリを有効なものとして最初に登録しなければならない。

◆ ここで大きく2つの方法がある。1つはSMSや電話認証などで、認証を行う企業や団体が送ってきたコードをアプリに入力する方法だ。銀行などはこの方法を採っていることが多く、この場合はアプリを誤って消してしまったり初期化してしまっても、再度SMSや電話認証することで回復させられる。SMSや電話での認証というプリミティブな手段が基本にあるからだ。

◆ もう一つはこれと反対に、アプリで生成されたコードを認証を行う企業や団体の認証ページに入力する方法だ。これによって認証アプリと、認証を行う企業や団体の認証システムとの同期を確立する。この場合にアプリを消してしまったり初期化すると同期が外れて認証が出来なくなる。認証が出来ないのでログインが不可能となり、再設定が出来ない。

◆ この場合でも電話やSMSによる回復が可能であれば良いのだが、そもそも電話やSMS認証が取り入れられていないので、その電話番号が正規であるかどうかの判断が出来ない。この場合は郵送によって解除コードを送るなどになり、時間がかかる。認証アプリではないのだが、ドコモのiDアプリを初期化するとこれと同じ事が起きて、郵送による回復になってしまう。

◆ 誤って初期化してしまったり、バックアップや機種変更処理を行わずに初期化してしまう人は一定数居るはずだ。これに対するサポートコストを考えると、認証アプリは簡単ではあるが付帯コストが大きくなる傾向だと分かる。導入が容易な他社製、Google認証アプリなどを使うのは簡単だが、非正常時の処理が面倒になる。Google認証アプリはマイクロソフトの認証アプリのように、認証データのバックアップが出来ない。従って、アプリを初期化してしまうと認証が出来なくなる。

◆ こうしたことを考えると、最初からSMSなり電話認証で良いのではないかという話になる。
確かに認証に要するランニングコストは必要なのだが、トラブルが少ない。電話番号が変更された場合にのみ回復手段が必要になるが、これはアプリを初期化してしまうケースよりも少ない。

◆ 銀行系の認証システムはそこそこ良く出来ている。MUFJ、みずほ、SONY、銀行の認証システムは回復が容易だ。セブン銀行は機種変更やアプリ初期化の前に、アプリ認証をOFFにしないと少し面倒になる。ゆうちょ銀行は考え方自体が(以前から)おかしい。以前はキャリアメールこそ信頼出来ると言っていたし、今はスマートフォンは絶対だと言っている。

◆ 認証を複雑化すればセキュリティレベルが上がると思っているようで、オンラインシステムは使いにくい。PCでの操作では実行できないサービスがあり、スマートフォンが必要になる。このアプリは認証用だけで、アプリでログインするとゆうちょ銀行のオンラインページがブラウザで開くだけだ。アプリの出来は非常に悪く、PLAYでの★は2.1しかない。オンライン系では色々問題を起こしている、ゆうちょらしいアプリだ。


地下鉄サリン事件(2/10)
◆ 地下鉄サリン事件が起きたのは1995年のことだ。午前8時頃の混雑する地下鉄内にサリンがまかれた。後に言われる事なのだが、警察はオウム真理教がサリンをまくことを知っていたのではないかと言われている。サリン散布を想定した訓練が行われたそうだ。

◆ 事件の2日後にオウム真理教の家宅捜索が行われる。しかし決定的証拠が見つからず、後に林郁夫を放置自転車窃盗の容疑で(別件)逮捕し、サリン散布の自白を得ることになる。これによってオウム真理教による組織的犯行と断定され、信者の一斉逮捕となっていく。

◆ 麻原 彰晃こと松本智津夫も隠れていたところを逮捕される。松本は東大を目指して受験をするも失敗している。将来は弁護士や宗教家になりたい夢があったという。受験には失敗したが、宗教家になる夢は叶えられる事になる。

◆ 松本は鍼灸院を開き治療に当たるわけだが、おそらく誰もが抱くであろう壁にぶつかる。つまり、人の健康を完全に回復させることの難しさや、全ての人に健康を与えることなど出来ないという、自分の力の限界を感じる。おそらくはこうしたことがきっかけで、より強い力、宗教に傾倒していくのではないのか。

◆ こうした強い意思を持って宗教の道に入るのだが、1986年頃には国歌を敵に回す事を想定した発言などもみられたという。
強大なパワーを得たと思うその力は、もはや人類のためではなく自己のためになってしまうのか。

◆ 1987年のオウム真理教結成で、信者が集まりはじめる。これも宗教に傾倒し勉強した結果、信者を勧誘するための十分な知識を身につけたからだと言える。誰でもが信者になれるわけでもなく、ましてやテロ行為を実行させるだけの力は難しい。そうした意味に於いて麻原は偉大だったと言える。

◆ 詐欺師が老人を騙してカネを巻き上げるのとは訳が違う。組織をまとめ、運営し、殺人さえも正当化してしまう、麻原が黒と言えば全てのものが黒に見えるほどの絶大な力を身につけていた。

◆ 私は宗教に全く興味が無いので理解が出来ないのだが、殺人まで主正当化するその理屈、それを信じ込ませるのだから凄いんだろうなと思う。いくつかの事件を起こし、信者が自らの思い通りに動くことで麻原は、もしかしたら自分の力を過信したのかも知れない。

◆ 第39回衆議院議員総選挙では真理棟として立候補している。教団の中で絶大な力を誇る麻原は、世間にもその力が及ぶと勘違いしはじめていた。しかし立候補者は全員落選、麻原は陰謀だと言い始める。いや、そう言わなければ信者にも示しが付かなかった訳だ。

◆ 選挙期間中には他の立候補者のポスターを剥がすなどの違法行為も行っている。こうした行為すら肯定してしまう信者は、いったい何を考えていたのだろう。洗脳などとも言われたが、これも私にとっては理解できないことだ。

◆ 逮捕された麻原は死刑が確定し、2018年に執行される。麻原の生きた63年間を本人はどう思ったのだろう。一時ではあるがオウム真理教の尊師として絶大な力を発揮した、その瞬間を幸せだと感じただろうか。おそらく後悔などはしていないと思う。勿論日本政府の陰謀などとも思わず、もっと普通の考え方をしていたのではないか。


電気柵を延長した(2/9)
◆ おおいに役立っている電気柵である。
その電気柵を少しだけ延長した。これまでは鹿除けネットで囲っていた所があるのだが、その部分を電気柵にした。鹿除けネットにしていたのは、電気柵を張りにくい場所だった事もあるし、守っている木がちゃんと育つかどうかも分からなかったからである。

◆ ただ電気柵を張りにくい場所であるのは変わらず、直線的に線を延ばすだけでは他の木に引っかかってしまう。そこで支柱となる木からナイロンワイヤーを伸ばし、そこに柵線を引っかけるようにして変形させた。これで何とか柵線を張ることは出来たのだが完全ではない。

◆ 柵線は4本なのだが、その部分だけは今のところは2本しか張れていない。鹿が飛び越えるかも知れないので、後々何か考えなくては。ポールを立てれば問題ないのだが、ちょうど良いポールがないし立てる場所もない。最も良い場所には太い木の切り株がある。切り株に穴でも開けられればポールが立てられるが、そんなに長いキリは持っていない。

◆ 立木からナイロンロープを張るとか、何か考えないと今以上に柵線を増やすことが出来ない。かなり斜めに張る、今張られている柵線とは違う向きに張れば何とかなるのだけれど… その斜めの線と普通に張った線を結んでしまうかなぁ。

◆ 従来使っていたノップ碍子が余っていたのだが、少し割れている。放電しちゃうかなと思いながら使うと、放電は割れた部分ではなく小さなヒビの部分で起こった。放電が起きるまでヒビが入っている事に気づいていなかったほど小さなヒビなのだが、パチッ・パチッと音を立てて放電した。

◆ この碍子を使うのは諦め、ナイロンワイヤーを絶縁体として使った。立木にナイロンワイヤーを固定し、スプリングを介して柵線を固定する。スプリングの威力は絶大で、これがあるお陰で鹿が柵線を押すような事があっても、柵線が切れることがない。柵線よりスプリングの方が弱いので、スプリングが伸びきってしまうような力が加わっても柵線は切れない。

◆ ナイロンワイヤーは雨に濡れれば絶縁抵抗は減少するが、水がしみこむ材質ではないので乾けば元通りになる。イグニションコイルを開磁路型に変え、放電用コンデンサ容量も大きくしたので、今は高圧パワーが強い。放電電流も放電時間も閉磁路コイルの時より大きくなっている。

◆ 従ってので少々のリークは大丈夫なのだ。従来の閉磁路コイルの場合はリークに敏感で、電圧の変動も大きかった。平時路コイルのまま放電用コンデンサ容量を大きくしても効果が薄かったが、インダクタンスの大きな開磁路コイルならばコンデンサ容量の増大がパワーアップにつながる。

◆ これから暖かくなって草木が新芽を吹けば、鹿達の食べ物も豊富になる。まあ鹿にとっても美味しい食べ物もあればそうでないものもあるわけで、庭で栽培している植物は"美味しい食べ物"に違いない。

◆ 木々が鹿の害を受けにくくなるのは、鹿が届かないあたりまで生長するしかない。電気柵を付けてから、それまで余り育たなかった木々が随分大きくなった。この木は下の方に葉がないんだなと思ったら、そうではなくて下の方の葉は鹿に食われていたのだ。


子供用オモチャの使い方(2/8)
◆ ドン・キホーテでマジョカアイリスが安売りされていた。これはタカラトミーが2018年の10月に発売したもので、売価は約1万円だった。単三乾電池3本で動作して、2つのカラー液晶に様々なグラフィックが表示される。液晶には定電流制御のバックライトも付いている。操作によって音も音声も出力され、Gセンサか何かにより、本体を振り回すと別の動作になる。

◆ 中々凝った仕掛けなのだが2019年には5千円くらいまで売価が下がってくる。オモチャの寿命は短く、売れ残りは価格を下げるしかない。更に2020年には2千円台に、同年末には500円程度まで下がって投げ売り状態になる。

◆ ここまで価格が下がると、部品取り用としての需要が生まれる。640×48dot(だったかな)の細長い液晶は色々使い道がある。液晶のインタフェースも解析されると一時的に売り上げが回復する。するとAmazonで500円で売られていたものが徐々に値を上げて2千円くらいになる。転売屋としては500円で仕入れたものが2千円で売れるなら美味しいと読んだのだろう。

◆ しかしドン・キホーテや秋葉原のジャンク屋にも流通するようになり、市場価格は450円前後で落ち着いた。果たしてAmazonに出していた人は儲かったのだろうか。子供のオモチャ需要とは異なり、部品取りとなると数万台が売れるような市場ではない。

◆ 内部基板は2種類あるそうで、一つは2GBあるいは4GBのmicroSDメモリにグラフィックパターンなどが入っている模様だ。コストダウン版はシリアルフラッシュメモリになっているとか。

◆ 液晶を外して何に使うかと言うよりも、みんなで解析して何かを表示させてみようみたいな感じで解析が進んだり、回路図が公開されたり、サンプルプログラムが公開されたりした。
カラーグラフィック液晶なので、ちょっとした自作ものの表示器として使う事は出来る。モノクロのキャラクタ液晶表示器を買う価格で、大型(細長い)のバックライト付きカラー液晶が買えるのだから、確かにお得感はある。

◆ このオモチャのファンの心境は複雑らしい。液晶を外すためにオモチャを買うとは何事だと怒る。そうは言っても売れ残って産廃になるよりは余程マシだ。粉砕されて廃棄されるよりも、どこかの何かの一部として電源が入っていた方が良いのではないだろうか。

◆ この液晶のコントローラインタフェースがI2Cだったら配線も楽だったのだが、パラレルインタフェースなのでGPIOを沢山使ってしまう。DIP型のPICなど、ただでさえ足が足りないのに8ビットパラレルか、みたいな感じを受けるだろう。PICを1個使ってI2Cとパラレルインタフェースの変換を作ってしまう手もあるけれど。

◆ 内部のコントローラ(CPU)のプログラムは書き換え可能なようで、スイッチ入力・スピーカ出力・液晶付きのマイクロコントローラとしても使えない事はない。CPUはSNC73121かSNC73127だそうだ。これにGセンサや他の機器と連動させるための赤外線リモコン機能などが付いている。

◆ 不要になったスマートフォンを何に使うかみたいな工夫もあれば、オモチャの中身を取り出して解析する楽しみもあって面白い。スマートフォンに関してはカメラの代用という使い方はあるのだが、Webカメラ自体が安価なので今ひとつ面白くない。Webカメラは音声インタフェースもあって、暗闇でも映る赤外線LEDも付いていて、パンもチルトも出来て、Wi-Fiインタフェースで3千円みたいな世界だ。


はま寿司実質値上げ(2/7)
◆ 回転寿司チェーンの一つ浜寿司は昨年夏頃から実質値上げに踏み切った。はま寿司は100円回転寿司チェーンだが、平日はその価格を90円に下げていた。
何と10%引きである。しかし昨年の夏頃から平日90円を取りやめる店舗を増やし、おそらく現在は全ての店舗で平日割引を無くしたと思う。

◆ 従来は会員登録をすると味噌汁が無料になったのだが、これが無料ではなくなった。味噌汁の価格は100円なのだが、それが100円引きではなく50円引きに圧縮された。たった50円ではあるが、経営の苦しさを見たような気がする。

◆ スシローなどに比較するとネタの味が悪いと私は思っている。味が薄いのだ。
まあスシローにしても褒められたものではないが、はま寿司は更に味が薄い。
仕入れ値を下げる為には品質を落とさなければならないのは当然なのだが、今や価格はスシローと同じである。

◆ 値上げせざるを得なくなったのはコロナの影響も大きいはずだ。はま寿司だけではなく他のチェーン店もファミレスも売り上げ減に苦しんでいる。特に回転寿司などは、寿司がレーンを回っているわけだからコロナウイルス感染者がいれば、寿司がウイルスを集めてくるような感じさえする。

◆ この辺りは感染者が少なかったので、都内の店舗などに比較すれば影響は少なかったのかも知れない。しかし田舎の店舗は元々収益が少ない。主要都市の主要店舗での売り上げ減はいかんともしがたかったと容易に想像が出来る。

◆ 感染を拡大させた原因の全てがGoToだったとは思わないが、人の動きを急激に増やしすぎた感もある。北半球諸国で気温の低下と共に感染者が増え始めた事を深刻に捉えれば、或いは違ったかも知れない。
いずれにしても観光業や飲食業の厳しい状態は今後も続くだろう。

◆ 値上げをしなければ売り上げを確保できない。しかし値上げをすれば競争力が失われる。はま寿司に関しては100円寿司が100円になるだけなので、他のチェーン店との競争力が著しく低下するとは考えにくい。

◆ むしろこの先100円の維持が出来なくなった場合で、不採算店舗の閉店などが行われるはずだ。実際個人商店などは明確に減っているわけだし、それに伴い地方都市ではビルに空き室が増えている。家賃を下げようとも、新たに開店しようとする人が居ない。銀行なども飲食店はハイリスクだとして資金を融資しない。

◆ 日銀静岡は、最悪期は脱した。自動車工場などが再開して物流が回復した。業況判断指数のマイナス33は低い数字だが、前回調査に比較して11ポイント改善している。売り上げの回復、事業の再構築に向けた取り組みが進められることを期待したい。と言っている。まあ他人事だからこんなものだろう。

◆ 一方で、飲食や観光以外にも不景気感が広がっているとも言われる。賞与の減少などで飲食や観光と言った直接的な不景気業種以外でも、実質収入が減り始めている。これによって多くの業種で売り上げの低下がみられるという。

◆ 外食産業の衰退は生産者も物流の収益も減少する訳だ。銀座の街の不景気は今に始まった事ではないが、企業の交際費カットがバーやクラブを不景気にし、更には酒屋や花屋や美容室まで不景気にした。そこを生き残った店もコロナによって息の根を止められようとしている。


Facebookアカウント停止問題(2/6)
◆ 私はFacebookは使っていないが、閲覧用にアカウントは持っている。作ったのはかなり前で、現在とは登録内容なども異なっていたかも知れない。Facebookと言えば、過去には勝手にメールを送りつけて来た。○○さんがFacebookを使い始めましたというようなメールだ。

◆ PCのメーラーからメールアドレスを抽出し、片っ端からメールを送信した。本人がメール送信に気づいていない場合も多く、連絡しても中々理解して貰えなかったりした。やがてそんなメールが大量に届くようになり、一々連絡する事もやめた。そしてfacebook.comからの全てのメールを遮断したのである。近年では盗聴疑惑などが渦巻く。

◆ 日本人のFacebook登録率は低いようだが、海外ではそこそこ使われている。
日本人でも海外と交流のある人などはFacebookを積極的に使っている人も居る。

◆ そんなある方がFacebookのアカウントを凍結されたという。思い当たる事はなく、何日かアクセスしなかった程度だという。凍結の解除には写真を送る必要があると表示されたそうだ。そもそも本人の写真など載せていないわけで、そこに写真を要求して何の意味があるのか、フィッシング詐欺的偽のページに飛ばされたのでは無いかと思ったそうだ。

◆ Facebookが信頼できる企業ならともかく、疑惑渦巻く所に写真を渡して良いのかと思ったという。検索してみると写真だけではなく、本人証明を要求される例もある。記事によれば身分証明書を送ったところで凍結は解除されないそうだ。

◆ アカウント停止理由は色々予想されている。PCとスマートフォンの両方でログインしたからだとか、PCでログアウトしないまま電源を切ってしまったのがいけないとかだが、結局の所何が理由かハッキリしていないという事だ。

◆ Facebookを使わなければならない方は写真なり免許証なりを送ってアカウント再開に向けた努力をするしかない。或いは別のアカウントを作る事なのだが、IPアドレスか何かで見ているのか?作ったアカウントがすぐ凍結される事もある。

◆ スマートフォンだと、アカウントロックと言うよりスマートフォンそのものに対してロックがかけられてしまうので、再登録も出来なくなる。PCであればCookieやIPアドレスでの判断なので、ロックされても安全かも知れない。スマートフォンでアプリを使わず、ブラウザで使ったらどうなのだろう。
こちらの方は、新たなアカウントを取得しようとすると写真を求められたと書いている。

◆ 私のFacebookアカウントは本人確認など行っていない。メールアドレスも今は存在していないサービスそのままだし、本名すら公開していない。ちなみに本名でない事はFacebookの規約に抵触する。本名ではないが、ハンドルネーム的なものではない。姓名共に日本人に良くあるものを使っている。記事は一つも公開しておらず、何ヶ月かに一度アクセスする程度の利用頻度だ。

◆ スマートフォンのFacebookアプリはバッテリー消費が多いとかと言われていた時期があったが今はどうなのだろう。SEO屋などはFacebookアカウントを作る事が要みたいに言っている時期もあった。こうした流れでアカウントを作った人や企業も多かったのではないかと思う。


レジ袋問題(2/5)
◆ 伊豆市は以前からレジ袋の有料化を行っているところが多く、完全有料化でも混乱は少なかったと言える。それでも不便を感じるのはコンビニだ。とりあえず手に持てる分しか買わないとか、レジ袋を買うなどしないといけない。

◆ レジ袋の有料化に伴い、店舗側はレジ袋が要るかどうか客に確認する作業が手間だという。客側にしてもレジ袋代そのものよりも、どの大きさのレジ袋を何枚みたいに"注文"するのが面倒だったりする。この大きさではいるかな?これだと大きすぎるかな?みたいな。

◆ 京都の亀岡市ではレジ袋の有料販売も禁止している。袋を持たずに買い物に出た場合は、コンビニなどでビニル袋を買った方が良い。最近では持ち手付きのレジ袋同等品が売られているし、1枚ごとにバラで買うよりも安価だ。

◆ コンビニやスーパーでも持ち手付きの袋がよく売れていて、一時は品薄になったそうだ。レジ袋の有料販売も禁止される亀岡市では、とりあえず袋が無いと困るからと持ち手付きの袋を買い、しかし使うのは1枚だけなので残りはそのまま捨てる人が一定数居るという。特に他県から来た人に多いそうだ。

◆ 亀岡市では紙袋も有料でなければならず、バイオプラスチックの袋も禁止だ。つまりプラスチックゴミ云々の話ではなく、店舗が渡す袋そのものを敵と捉えている。
その為店舗では袋と見なされない、風呂敷状のものを独自に開発するなど対応に追われたとの記事があった。

◆ 伊豆市ではスーパーなどに段ボール箱が置かれていて、それに買ったものを入れて持ち帰る人が多い。紙袋も有料でなければいけないという亀岡市は、廃ダンボールもダメなのだろうか。亀岡市では全国初の試みだとアピールしていた。

◆ 亀岡市が何を目的に紙袋まで有料化を義務づけるのか。亀岡市ではプラスチックゴミゼロ(「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」)を目指しているのだそうだ。しかしプラスチックではない紙袋まで規制する事に対して、思いつきやパフォーマンスで混乱させてもらっては困るとの反対意見が続出したという。

◆ 亀岡市では「世界に誇れる環境先進都市かめおか協議会」を中心に、プラスチック廃棄物ゼロを目指すのか。その主張の中に、レジ袋は使い捨てだからいけないというものがある。これに対して市民は、生ゴミなどを密閉するゴミ袋として活用しているのだから使い捨てではないとする。だが市側は、ゴミ袋としてゴミに出すのだから使い捨てだと反発したとか。ちなみに亀岡市ではゴミ収集は有料で、指定のビニール袋に入れてゴミ出しする事になっている。

◆ マイバッグを持つ人も増えているが、これによる万引き被害に店舗は悩む。店内放送でマイバッグはレジの外でみたいに注意を促している。店内にマイバッグを持ち込むときには小さく畳めと言っているのだが、別の店舗で買い物をした後だとマイバッグにはその商品が入っている。

◆ こうした店内放送などを聞くと、マイバッグが悪であるかのようにも聞こえてしまう。
マイバッグを持っている人は万引き犯ですよ、みたいな。車で買い物に来る人は、買ったものは車の中に置いてマイバッグを空にし、新たな店に行くようにしないといけない。


地方転勤にめげる若者(2/4)
◆ 地方転勤を命ぜられ、安易に承諾したのは失敗だったという記事があった。仕事自体は東京と変わらず、住まいも東京と変わらず、しかし地方でしばらく暮らして嫌なことが増えてきたそうだ。

◆ 会社帰りにふらりと飲みに行く、コンビニに立ち寄る、終電を逃してもタクシーがあるからいいやとか、帰るのが面倒だからビジネスホテルに泊まるなど、気軽に行動できない事がストレスだという。

◆ その町の田舎度合いにもよるのだが、工場勤務らしいので町からは離れている可能性がある。田舎など駅前にだって余り店がない訳で、それが一面見渡す限りの田んぼの中に出来た工場となると本当に何もない。

◆ 都市部にいれば何となく外に出て、何となく店に入ったり食事をしたりすることが出来る。しかし田舎では、何となく外に出たって何もない。何かをしたければ、その何かが満たされるべき場所に意思を持って移動する必要がある。

◆ 田舎への転勤に苦痛を感じているこの方は、田舎手当が必要だとも言っている。不便な生活を強いられる、そんな場所に工場を作った責任は重く、そこで働かされるのだから手当が必要だという。

◆ この方はどうして地方転勤を受け入れてしまったのだろう。転勤を受け入れるか会社を辞めるかの選択みたいな事だったのかも知れない。会社として、本社に不要な人材と思われたのか。都会で楽しく暮らし、みんなで集まって飲みに行ったり食事をしたりする生活から切り離され、狭いアパートで孤独を実感している現実は地獄だそうだ。

◆ 私は地方出張なども多く経験したが、地方は渋滞はないし飯は美味いしで、特別ストレスは感じなかった。唯一仕事が遅くなると店が全部閉まってしまい、食べ物がなくなってしまうのが不便ではあった。そこにはコンビニすらなかったので。

◆ 都会の暮らしというか、都市部の利便性に大きなメリットを感じる人は田舎には住みにくい。特に飲み歩きや食べ歩きが好きな方だとか、新しいファッションなりをすぐに体感したい方に田舎暮らしは厳しい。せっかく田舎にいるから何かを始めようみたいな、その環境を活かす生活を見いだせる人なら良いけれど。

◆ お酒を飲まれる方は、町まで車で行くことが出来ないので辛いと思う。家で飲んで満足できる人なら良いが、店で飲みたい向きは困る。
勿論タクシーや運転代行を使う事は出来るが、それが毎日となればコスト負担が重くなる。

◆ 例えばこの辺りだと、夜まで店が開いているというと三島とか沼津だろうか。三島だったら電車はあるが、終電は23時少し前だ。これを過ぎるとタクシーを使うしかなくなる。メーカーの工場だと電車の駅に近いとは思えないので、もしかすると交通手段がないかも知れない。自動車通勤だと、そもそも外で酒を飲むこと自体が難しい。

◆ 転勤に嫌気が差したこの方は何故会社を辞めないのか。文句を言いながら、我慢をしながらでも会社を離れない方が良いと思っているからだ。一方で、こんな会社は潰れてしまえとも書いている。自ら去る勇気はないが、会社が潰れてしまえばそれは自分の意思ではないと諦められる。


CDMAの混信除去(2/3)
◆ CDMA方式は、携帯電話の世界では既に過去のものとなってしまった。
COMA方式は異なる拡散コードを使用し、同一の物理チャネルの中に異なる論理チャネルを作るものだ。

◆ つまり、例えば100.0MHzという周波数で通信を行う。FDMA(OFDMA)のLTEでは100.0MHzで1つの通信波しか生成できない。他の通信が紛れ込めば混信してしまう。しかしCDMAでは複数の通信を同じ周波数で行うことが出来る。

◆ 異なる通信を同じ周波数で行うと、その周波数には目的通信以外の情報が存在することになるので、目的通信からするとノイズレベルが上がったように見える。
目的外通信は復調が出来ないので内容を知ることは出来ないが、そこに何かしらのパワーがあるのでノイズに見える。
これが移動機側の状態だ。

◆ 基地局側は少々異なった処理が行える。基地局側は全ての通信を把握している。全ての通信をデコードすることが出来る。つまり、それは雑音ではなく有意な信号だ。同じ周波数で通信する沢山の信号を全て復調できるので、その中の一つの通信に限って考えれば、一見ノイズに見えている他の信号を減算することが出来る。ここが移動機側と異なる点だ。

◆ 移動機では目的通信外の信号は全てノイズだが、基地局側は目的通信外信号そのものを除去できる。従って基地局側の受信感度は移動機よりも高く出来る。これはCDMA方式だから出来ることであって、FDMAではそもそも混信が存在してはいけないのだから混信除去は難しくなる。

◆ 難しくはなるが出来ない話ではない。FDMAでの混信は同一基地局での通信ではなく、他の基地局宛ての通信だ。他の基地局宛の通信なので当該基地局で復調することは難しいが、通信をしている他の基地局なら情報を持っている。その情報を元に混信を打ち消すことは可能なのだが、遅延が増える。

◆ 混信状況を他の基地局から送って貰うまで、混信状態にある目的通信波の復調を待つ必要があるからだ。どんなに速く処理をしても、電波にしろ電気にしろ速度は有限なので遅延が起きる。

◆ MIMOは混信じゃないかと言われれば確かにそうだ。MIMOの場合は意図して混信させているので、信号情報の中からその分離が行いやすくなっている。これにも膨大な演算が必要で、MIMOが出始めた頃にはいかに演算を間引きながらも性能を出すかみたいな研究が盛んだった。そもそもどうやって信号を分離するのかという話はこちらに譲る。

◆ 電波の有効利用は混信の排除である。地球は丸いので無限に電波が飛んでいくことはないのだが、もしも電波が無限に飛んでいくとしたら世界中混信だらけになってしまう。それこそIPアドレスのように唯一無二の周波数を割り当てるしかなくなる。しかし現実にはそうなっていない。

◆ 地球は丸く、電波は直進しかしないし、伝達距離も有限だ。更にはその伝達距離を的確にコントロールすることで、同じ周波数を繰り返し使うことが出来る。5G用のミリ波帯などは電波が届きにくいことからスモールセル構成になり、それはセル内利用者が少なくなることを意味するので高速通信が可能になる。
でもどうするんだろうなぁ、地上系は。1Gbpsで通信する人が日本中に100万人いたら、どうするんだろうなぁ、地上系は。


トヨタMIRAIの中古はお得なのか?(2/2)
◆ MIRAIはFCEVとして2014年に発売された。価格やインフラの問題もあって個人で所有する人は少ない。販売台数自体も5年で1万台前後と少なかった。
新車販売台数が少ないので中古車も少ないが、法人では償却期間終了と共に車両の入れ替えを行う場合も多く、今後中古車が多少増えてくるのかも知れない。

◆ FCEVのメリットは何か。2014年以前はLi-ionバッテリーの価格が高く、その高価なバッテリーを沢山積むよりも燃料電池の方が現実的だと考えられた。水素は貯蔵が難しく燃料電池セルは高額だ。しかし、それでもバッテリーEVよりも現実的であると考えられた。

◆ MIRAIにしてもプリウスにしても、トヨタはNi-MHバッテリーを使った。コストを考えるとLi-ionバッテリーは使えなかったのだろう。Ni-MHバッテリーはメモリ効果があるので使いにくいわけだが、満充電に対して最小20%〜最大80%までしか使わない事で、メモリ効果低減を狙った。

◆ トヨタはハイブリッド車こそ最も効率が良いと主張してEV開発を中止した。しかしFCEVは(政治絡みもあったのだろうが)市販に至ったというわけだ。エネルギ供給という点で見るとバッテリーEVは電気そのものを溜めるが、FCEVの場合は電力を水素に変えて貯蔵し、その水素を再び電気に変えて車両を走らせる。従ってバッテリーEVよりも効率は悪い。

◆ 今や充電ステーションは様々なところにあるが、水素ステーションの数は限られている。水素の価格も高いので、現時点に於いてFCEVを選択する理由はない。実航続距離もバッテリーEVとさほど変わらず、350km前後だと言われる。水素充填が数分で終わるのに対して、バッテリーの充電には時間がかかるとは言え、水素ステーションを探して走行しなければならない時間が長い。

◆ FCEVの排気はほぼ水である。有害排出物質は少ないが、バッテリーEVよりは多い。FCEVが沢山使われると湿度が上がるという話もある。
現時点でバッテリーEVに対するアドバンテージのないFCEVなので、中古価格は100万円台からあるそうだ。年式に対して走行距離の少ないものが多いそうで、水素ステーション事情を考えると、遠くまで出かけるには不安という事か。

◆ MIRAIにはバッテリーも搭載されている。回生制御や立ち上がり時間の早くないFCの補助用として使われる。初代MIRAIはNi-MHバッテリーなので、中古の場合は劣化の心配がある。新型MIRAIはLi-ionになったそうで、バッテリー容量も少なくなった。Li-ionの場合は充放電特性の関係で同一性能を出すのならばバッテリー容量を少なく出来る。

◆ 諸元によるとバッテリーは34直列で電流容量は6.5Ah(Ni-MH)となっている。34直列は34セルの直列ではなく、9直列になったユニットが34個付いているという事か。自動車関連誌の記事によれば総電圧は370Vだそうなので、総電力は2.4kWhになる。

◆ MIRAIの中古が安いとは言っても、インフラの事を考えると簡単に手は出せない。EVに乗りたいのであればリーフの方が良いだろう。リーフの方が中古価格も安い。トヨタはMIRAIをモデルチェンジしたわけだが、今後FCEVの時代が来るとは思っていないはずだ。政府の意向だから、みたいな事だと思うが無駄が多い。水素インフラにしても同様で、現状ではFCEVにチャージするよりも蒸発して捨てている方が多かったりして。


PHSと中国(2/1)
◆ 昨年夏に停波の予定だったPHSだが、コロナ禍における病院での利用などを鑑みて延命された。延長された期限は1月末であり、個人向けサービスは既に使えなくなっている。

◆ 中国でのPHSブームがなければ、もしかしたら10年くらい前には消えていたかも知れない。何しろ中国でのPHS利用者は1億人にもなったのだ。PHSはシステムが簡単なので、インフラ構築が楽だった。携帯電話にようなセル設計をせずとも、基地局を設置すればその周囲がエリア化された。

◆ 中国ではマーケットの拡大でPHS用のデバイスも開発された。それが日本に輸入される形で日本のPHS端末が製造された。
やがて中国のPHSはLTE化のために停波となる。中国マーケットがなくなる事で、中国製デバイスの供給に不安が出始めた。

◆ 中国でのPHS普及より前だったと思うのだが、日本ではソフトバンクがPHSを敵視して加入者を奪っていた。PHSはやがて停波になるからソフトバンクに移った方が良いと営業していた。勿論停波の予定などなかった頃であり、ソフトバンク系代理店の口から出任せだった。

◆ しかしこれによってPHS加入者が減少した事も事実であり、加入者減から経営不振となったWILLCOMは、最終的にはソフトバンク傘下となる。ソフトバンクは基地局ロケーションが欲しかったわけで、PHS基地局を間引いていった。その結果としてPHSは圏外が増えて使いづらくなった。

◆ PDCとほぼ同じ時期に始まったPHSは、PDCよりも広帯域を使った通信だった事が幸いして、25年の長期にわたって使われてきた。携帯電話の基本規格サイクルが10年程度である中で、PHSは随分と長寿命だった事になる。

◆ システム自体も規格の中で様々な変更を受けた。複数スロットをまとめて使い通信速度を稼ぐ事は、実は送信出力規定に反するのではないかとも言われた。PHSのスロット内平均出力は80mWであり、それがデューティ1/8で10mWになる。しかし4スロットを使うとデューティーは1/2になり、時間平均電力は40mW出るのだ。

◆ ローパワーシステムで良好な通信を行うために、スロットダイバシティやアンテナダイバシティも使われた。スロットダイバシティは異なるスロットで同じ信号を送受信し、エラー率の少ない方を取るというもの。
スロットが異なるので時間ダイバシティになっていたわけだ。

◆ 多値変調にもいち早く対応する事になる。今でこそ256QAMが使われているが、この辺りもPHSでの研究が早かった。そしてこれらの技術を支えたというか、無線部トランシーバーチップは中国製が使われた。位相雑音などを低減したトランシーバーデバイスなくして、多値変調は実現しなかったのだ。

◆ XGPは当初は独自規格だったが、満足なシステムにはなっていなかった。サービスインの日程が近づくも、中々上手く動作しない。そんな中でTD-LTEの話が出て、一気にTD-LTE化となった。時をほぼ同じくしてWiMAXもTD-LTEとなり、オリジナル規格のWiMAXは消滅していく事になる。

◆ PHSは構内用として多く使われている。無線LANの普及で2.4GHz帯は混雑しており、2.4GHz帯を使ったディジタルコードレス電話の通信品質が悪化したためだ。もっとも現在はPHSではなくDECTだけれど。