偽のSMS(3/8)
◆ E-Mail全盛からSMSが使われるようになったきっかけがiPhoneだ。iPhoneはE-Mailに余り力を入れておらず、E-Mailの着信に気づきにくいなどの実装だった。一方でSMSは比較的使いやすく、これは海外ではSMSがよく使われていた事による。
◆ 日本でもショートメールなどのサービスはあったのだが、早々によりリッチなE-Mailへと移行した経緯がある。そのE-Mailも最初は電話番号がメールアドレスになっていたため、spamの標的になった。spam屋としては、連続番号でメールを送りつければ良いのだから話は早い。
◆ こうした被害が元となり、電話番号がE-Mailの初期メールアドレスにならなくなった。いわゆるケータイメールでは絵文字などが使われ、正月には新年挨拶メールでトラフィックが過大になるなどの現象も起きた。
◆ しかしソフトバンクのiPhone配りが状況を変えた。iPhoneでのE-Mailは使いにくく、更にはソフトバンクのメールシステムも使いにくいものだった。それがSMSシフトのきっかけになったと言っても良いだろう。絵文字も何もないつまらない世界に戻ったわけだが、それも仕方の無い事だった。
◆ SMSが一般化すると、認証コード受信などでもこれが使われるようになる。SMSは電話番号宛てのメッセージなので、当然のようにspamや騙しのメッセージも来始める。最近の流行?は運送会社を名乗ったSMSで、不在配達のお知らせみたいなものだ。
◆ そこをクリックするとクレジットカード番号などの入力を求められたりして情報が盗まれる。JPを語るSMSでは、認証のためにゆうちょ銀行のログイン情報が必要ですと言って情報を盗まれる。
◆ 相手は騙すためにSMSを送ってきているのだから、巧妙だ。SMSの送信者電話番号は、以前は簡単に偽装できたが今は難しくなっているはずだ。他の詐欺でも同じなのだが、発信元の電話番号があるのだから犯人を捕まえる事は出来るだろう。
◆ 他人名義のケータイの場合は、その本来の持ち主(契約者)にペナルティを科すなどの法改正をしても良いと思う。だいたいはカネのために契約済みケータイを売っているのだから。
◆ 特殊詐欺にしても同様で、携帯電話を売った人間を処罰の対象にすれば、安易に携帯電話を売る人は少なくなるだろう。現在でも譲渡などは法に抵触するわけだが、より明確な罪状と思い罰則が必要だ。そもそも自分名義の携帯電話を他人に譲渡する意味が無い。
◆ 更に言えばRCSなどでのホンモノ認証みたいな事も出来るのではないのか。信頼できる送信元と、信頼できない送信元を区別する。こういうことは日本の企業にやらせると話が面倒になるわけで、海外の電話会社なり何なりがバシッと決めてしまえば日本人もそれに従う。
◆ ホンモノの認証をどうするかなど細部は煮詰める必要があるとしても、詐欺被害を防ぐという意味は大きい。電子的に出来る事を何故やろうとしないのかが不思議だ。
◆ 中国や韓国のコピーものに対する規制は難しいと言える。しかし送信元の企業などを装う事を見破るのは簡単だ。送信元を検証して何かのマークでも表示すれば良い。それがJPなのかSMBCなのかの検出は出来なくても、銀行かそうでないかの表示は出来る。
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