昔は井戸水を飲んでいた(6/30)
◆ 私が育った家には井戸があった。手動式のポンプも見た事があったが、物心ついた頃には電動ポンプになっていた。
近くまで水道配管は来ていた訳だが、敷地が比較的広かった為に工事代がバカに出来ない額であり、ずっと井戸水だった。井戸水を飲用とする為には定期的な検査が必要だった。
◆ 人口減と地方の過疎化によって水道代が上がるという記事があった。水道料金は自治体ごとに異なり、2019年時点で最も高額なのは埼玉県寄居町の7,695円(20t利用)だ。最も安価なのは兵庫県赤穂市の961円となっている。東京23区内は2,710円、静岡県伊豆市は2,865円(ただしここは自営水道なので3,740円)である。
◆ EY新日本有限責任監査法人によれば、設備の老朽化と補修コスト、過疎化による収入減によって25年後の水道料金は平均4,642円になるという。北海道の夕張では月額約2.9万円と予想されている。
◆ 月額約5千円だとすると年間で6万円、水道代としては確かに高いが井戸を掘るほどではない。夕張の月額約3万円となると、これは井戸を掘った方が良いかもしれない。井戸掘りコストが数十万円だったとしても、数年で元が取れるからだ。
◆ 子供の頃に住んでいた家と敷地続きだった都営住宅、長屋みたいな構造の住宅があったのだが、そこの水道が井戸水をくみ上げる簡易水道だった。住宅の中に井戸と水道タンクがあり、湿度の高い時にはタンクに水滴が沢山付いていた。
◆ 団地などにも簡易水道の井戸とタンクがあって、団地の上層階にも供給する為にタンクは高い塔のようなものの上に設置されていた。自治体の水道が来ていない場所では、こうした簡易水道が使われていた時代だった訳だ。
◆ しかし今後水道料金がどんどん上がるとなれば、例えば大規模集合住宅などでは独自の簡易水道を考えはじめるかも知れない。広範囲で断水の起きた千葉県など、防災面から井戸を考える人が増えたという。ただ液状化による断水(水道管損傷)が起きたような地域だと、地層的に井戸が掘りにくい事もあるらしい。
◆ 高度成長期には工業用として地下水需要が高まり、どんどん地下水をくみ上げた為に地盤沈下が起こったという。その後規制などが行われて地下水量は安定したそうだ。横浜市の一部だとは思うが、工業用水を飲用の水道とは別に売っている。
◆ 工場や商業施設など特定向けだと思うのだが、飲料水ほどの清浄度ではない水を安価に供給している。横浜市の上水道はダム代負担分があるので、余り安くはない。水道代が値上げされると市民は節水努力を行う訳だが、そうすると水道代の売り上げが減ってしまってダム代負担分が払えなくなる。
◆ 水道代の値上げ→売上減少→ダム代が払えない→更なる値上げという道筋を辿った。これは横浜市だけではなく川崎市も同様だったかな。ただダムによる恩恵があるかというと、横浜市も川崎市も直接的には余り関係が無いそうだ。神奈川県は比較的水に恵まれていて、東京都などが(小雨で)給水制限を実施したとしても、神奈川県は大丈夫だ。
では何の為のダムかとなるが、それは誰にも分からない。
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