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過去の雑記置き場


最近まで作られていたPepperくん(8/1)
怪しいコーティング(8/2)
EVは軽自動車から?(8/3)
SUB6割当周波数(8/4)
スマートフォン用CPUの性能向上(8/5)
衛星コンスタレーション(8/6)
落下テストが面白かった(1)(8/7)
落下テストが面白かった(2)(8/8)
何故相場に負けるのか(8/9)
Xperia1 IIIの次(8/10)
携帯電話(8/11)
行列の出来る店(8/12)
素人ウケは難しい(8/13)
ベンチマークテスト(8/14)
携帯電話番号と写メと顔文字(8/15)
自転車乗り氏が選んだものは(8/16)
5年後でも4割(8/17)
電話帳のバックアップ(8/18)
楽天が気になるソフトバンク(8/19)
LeitzPhone(8/20)
木こりが不足している(8/21)
プリインストールアプリ(8/22)
ドコモアプリを無効化する(8/23)
何としてでもローンを組ませたい(8/24)
BAND制限は価格の問題か?(8/25)
ドコモ位置情報(8/26)
外の階段の手すり(8/27)
日本のメーカも頑張って欲しい(8/28)
配達は早くなった(8/29)
センサの大きさ(8/30)
GaNトランジスタ(8/31)


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GaNトランジスタ(8/31)
◆ 半導体屋さんはバイポーラトランジスタでもFETでもトランジスタと呼ぶ事が多い。バイポーラトランジスタにしても(古くは)ゲルマニウムトランジスタと呼ばれるもの、シリコントランジスタ、シリコンゲルマなど色々ある。

◆ これに加えてFETもあり、ジャンクションFETやMOS-FETもあるし、化合物(GaAs)やシリコンカーバイトあり、ガリウムナイトライドありと様々だ。なので、みんなまとめてトランジスタなのかも知れない。

◆ 化合物系は高周波で良好な特性が得られるものの、プロセスが安定しない。全てがピッタリと決まって計算通りに行くシリコンと異なり、調味料のさじ加減的な難しさがある。

◆ 古くからのロジック屋さんはECLをご存じかも知れない。ECLはバイポーラトランジスタを非飽和領域で動作させる事で、高速性を得るデバイスだ。バイポーラトランジスタは飽和領域までもっていくと動作が遅くなる。

◆ しかしC-MOSデバイスの高速化によってECLはCMOSに置き換えられた。これと同じように、従来はGaAsでなければ実現が難しかった周波数帯のデバイスも、今は多くがCMOSに置き換え可能になっている。

◆ GaN FETは動作速度が速く耐圧が高い事で、パワーデバイスなどに使われる。一方でGaN HEMT(High Electron MobilityTransistor)は高周波の世界でも有用だ。15GHz帯で+53dBm(200W)の出力を得られるトランジスタもある。この周波数帯で10dBのゲインが取れる。

◆ スイッチング電源などに於けるGaNデバイスのメリットは、端子間容量が小さいのでドライブが楽である事や、ボディー(寄生)ダイオードが形成されないので、逆回復時間の呪縛がない事、ON抵抗が小さい事などがある。

◆ MOS FETでもON抵抗が小さく高速な素子はあるが、大電流デバイスはゲート・ソース間容量量が大きいのでゲートドライブが大変だ。大容量をチャージ・ディスチャージするには大きなエネルギが必要だ。MOS FET自体はゲート電流が殆ど流れないが、その容量に電化を出し入れするパワーが必要だ。

◆ スイッチング速度が高速になると、ONでもOFFでもない中間領域の時間が減少するので損失が減る。なお、この中間領域を(交流の)ゼロクロス点で行い、中間領域で電流が流れないようにしたものがZVSであり、これを応用したものがE級アンプである。

◆ 高速デバイスであれば中間領域の時間が短いので、普通にスイッチしても損失が少なくなる。損失が少なければ発熱も小さい。スイッチした後に昇圧や降圧トランスを介し、それを同デバイスで同期整流すれば、最大の効率が得られる。

◆ 整流というとダイオードを思い浮かべるが、シリコンダイオードは(自由電子になる閾値があるので)順方向電圧降下が0.7V程度ある。出力3Vの電源を作ろうとしたときに、ダイオードでブリッジ整流すると電圧ロスは1.4Vにもなり、そこだけで効率が47%も下がってしまう。


センサの大きさ(8/30)
◆ スマートフォンには様々なセンサが付けられている。その中の一つに気圧センサがあるのだが、従来は結構大きなものだった。絶対圧センサは基準圧力室(真空)と大気の間にストレインゲージが付けられているような構造だ。

◆ 圧力センサは電子血圧計などにも使われていて、結構高価なものだった。日本ではフジクラやコパルが作っていたが、フジクラが量産をはじめる前は米国製くらいしかなかった。

◆ 米国製のセンサは絶対圧を測るもので、ゲインを合わせれば良かった。フジクラのものは相対圧だったので、ゲインとゼロ点を調整する必要があった。大きさは1cm角くらいだったかな。

◆ それが今では、米粒くらいと言うのはオーバーだとしても随分小型化された。温度センサなどはデバイスに内蔵される事も多くなった。
シリコンPN接合部は2mV/℃の温度傾斜があるので、トランジスタやダイオードの集積できるデバイスであればそれが使える。

◆ ジャイロセンサは、古くは機械式のものから始まる。地球ごま的なものだ。その後ニッサンがカーナビ用に使った、リングレーザージャイロがあった。ホンダはガスレートジャイロを使ったんだったかな。いずれにしても民生用とはほど遠いものであり、量産するとは言ってもコストは高かったんだろうなと思う。

◆ ジャイロの価格を劇的に下げたのは圧電振動ジャイロだ。これは携帯電話にも使われている。センサの価格自体も下がってきていて、従来は安価なスマートフォンにはジャイロや気圧センサが搭載されていなかった。

◆ GALAXY A7をチェックしてみると、気圧センサは実装されていなかった。気圧センサを何に使うのかという問題にもなるが、山に行く方などは気圧による天候の予測だとか、GPSが受信できない場所での高度予測などに使える。

◆ XperiaXZだったか、コストダウンのためにセンサを省いたのは。その後はセンサを実装するようになった。
安価なスマートフォンでセンサを省くのは仕方ないのかも知れないが、ある程度の価格帯のものなら圧力センサは付いていて当たり前だ。

◆ 今は余り気にした事は無いのだが、おそらくは殆どのスマートフォンにジャイロセンサは実装されていると思う。ジャイロセンサの有無はポケモンGoが流行ったときに問題になった。

◆ GALAXY A7にもジャイロセンサは実装されている。ジャイロセンサやGセンサはナビゲーション用などに利用される。ゲームなどでもGセンサやジャイロセンサが利用される。

◆ 電圧や電流センサはデバイスに実装されていたりする。充電制御デバイスが電圧や電流を計測したりする。従来はスタンドアロンだったこれらのデバイスが、今はコントローラとI2Cなどでつながっている。

◆ カメラ関係だとToFセンサがある。これは出した光が被写体に反射して戻ってくるまでの時間を計っている。時間を計るというと凄く大変そうだが、変調波の干渉(ミキシングダウンされた結果)を見ているだけだ。


配達は早くなった(8/29)
◆ 当日配達便などもあり、トラック輸送の速度は随分早くなった。ドローンによる過疎地への配達なども行われようとしていて、今後はますます便利になるだろう。

◆ 郵便に関しても同様で、昔は日数のかかった普通郵便も今は翌日に配達されるエリアが広がった。近距離への郵送であれば、もはや速達は意味をなさなくなっている。

◆ そこで、と言うわけでも無いのだろうが10月からは郵便物の配達日数を遅くする。これまで翌日に届いていた郵便物は、10月以降は翌々日になるそうだ。
郵便物の配達を遅らせる事で速達の意味が生きてくる。速達にすれば翌日には配達される。木曜日に郵便物を出した場合、これまでは金曜か土曜に着いた。しかし変更後は、木曜に出した郵便物は翌週の月曜に配達される。

◆ 当初は土曜配達の中止が行われ、来年からは、地域などごとに翌日配達が中止されていく。これだけだと反感を食らいそうなので、速達料金を値下げする。250gまでの郵便物の速達料金は290円なのだが、これを260円にする。

◆ 日本の郵便料金は高く、一時期は海外からDM等を発送するなどが行われた。
海外から発送する方が安いというのもおかしな話だ。JPは日本の郵便料金は長らく値上げされていないと言うが、そもそも経済成長率がゼロ付近にあるのだから当たり前だ。米国のFirst-Class Mailは値上げがされたが55セントである。

◆ 諸外国では現在の日本の配達事情に近い所が多く、週に6日の営業と翌日配達が行われている。勿論全ての国と地域が同じではなく、土曜を休みにしている所もある。

◆ 現在でも郵送を省略する事は行われている。保険などでもネット契約の場合は証書を郵送しない場合が多い。或いは後日郵送などの場合もあり、郵送日数がかかっても問題はない。

◆ 年賀状などの挨拶状も含めて、郵便物は減少している。多くは企業間や企業からの書類或いはDMなどが多い。ただしDMに関しては、JP以外の運送企業で発送するケースも増えている。

◆ JPでは納品書を信書に位置づけるなどして抵抗を試みるも、納品書を同梱しないとか、相手の氏名を書かないなど抜け道を探る。しかし印鑑レスの流れにより、領収書や契約書のオンライン発行が増える傾向であり、郵便物のあり方は変化してくるはずだ。

◆ 新聞も同じなのだが、物理的配達が必要かどうかと言う事だ。例えばトラック便などは、買ったものを受け取らなければならないので輸送が必要だ。しかしその納品書や領収書は、オンライン発行でも事足りる。

◆ 本来であればサービスの向上によって競争力を付ける訳だが、競争の起きない独占的事業では反対の事が起きる。
これはJPだけではなくNHKにしても同じではないだろうか。第二のNHKが出来て競争環境が整うと、より良い放送を寄りやすく提供する努力が生まれる。

◆ しかし独占的事業の場合に競争は起きず、巨大な権力と利権を手にする事になる。様々なシステムは時代と共に変化する事が必要で、それは郵政民営化の流れと同様だ。


日本のメーカも頑張って欲しい(8/28)
◆ スマートフォンの夏モデルはXperia1IIIやLeitzPhoneなど高価格なものが発売された。Xperiaに関しては従来通り海外でいくつもの記事になり、分解というか破壊というかの動画も早速公開された。

◆ 日本国内だけの需要で商業的に成り立つとは思えず、各メーカ共に国際競争力が付けば良いなと思う。
日本は景気が悪いのだから、少なくとも人経費的には先進諸国よりも有利なのだが、エネルギコストとか物流コスト(道路代)などが高い。

◆ 財務省のデータによれば1997年の会社員の平均年収は467.3万円だったそうだが、以降一度もその額を超える事なく2019年には436.4万円まで減少した。2020年/2021年はコロナの影響もあり、更に低下するだろう。

◆ 平均年収が下がった以上に可処分所得は減少している。収入が増えない(下がった)のに税金は上がっているからだ。収入の減少による所得税の自然減をカバーしようと税率や課税下限を変えたり、控除を減らしたり、消費税も上げた。

◆ 平成不況は安倍総理の政策失敗である。円高是正が出来ず、消費拡大も出来ず、世界に後れを取った。2020年の主要国小売り販売増減率(OECD)で、日本は−3.2%となっている。少なくともトップ10はプラス成長を維持していて、日本は28位にまで落ちている。

◆ 欧米諸国に比較するとリーマンショックの影響を受けにくかったとされる日本なのだが、国内の政策失敗で勝手にランキングを落としていったみたいな、自滅のパターンになる。

◆ コロナ禍においても、米国などはマインドを冷やさないように資金供給を何度か行った。小売店などの救済策も積極的に行った。日本でも建前上はいくつかの制度があるのだが、申請の敷居を上げて個人事業主や小規模店舗に金が行きにくいようになっている。

◆ いわゆる庶民は庶民でいれば良く、大企業や資産家を優遇して行くみたいな方向性になっている。全世帯中流主義は昭和で終わった。そんな中で日本の企業は(一部を除くと)厳しい状態が続く。

◆ 景気が良くなれば開発に金がかけられ、それは高度成長期を見れば明らかだ。売れるか売れないか分からなくても、とりあえずは先進技術を盛り込んだものを作って売ってしまう的な、今の中国みたいなやり方だった。

◆ 今はどのメーカも保守的で、売れないものは開発できないとなってしまう。
今のところ家電製品で日本製品の国内シェアは高いが、それでも中国メーカ製と価格比較が行われるのは辛い所だろう。

◆ Panasonicなどの家電メーカも、安価なものは国内製造ではなく、安くて信頼性が高いという日本製の信頼性の部分が少々怪しい製品もある。信頼性を上げられないのではなく、原価をかけられないから仕方がないのだ。

◆ 現在生き残っているスマートフォンメーカがいつまで存在できるのか。数年後には全て中国製になってしまうのではないかと思ったりもする。日本には新しいリーダーが必要なのだが、自民党の爺さん達が居座っている限り無理なのかな。


外の階段の手すり(8/27)
◆ 1Fのベランダから下に下りる階段がある。1Fから下に下りるというのは変な感じだろうが、1Fよりも南側の斜面の方が低いからである。

◆ 階段自体はコンクリートなので壊れる事はないが、手すりは傷んでいる。手すり部分は木材で出来ていて、階段の下の方は木材が腐っていた。そのまま放っておくと腐りが進行するかも知れないので、腐った場所は切断してしまった。

◆ その後塗装を行って現在に至っている。本当は作り直した方が良いのだが、塗装をし直したらそこそこ使えてしまったというか、強度的な不安もなくなったのでそのまま使っている。

◆ 塗料は弾性高耐久のものを買ったので、ひび割れる事もない。ただ南側で紫外線が当たるので、定期的な塗り替えは必要だとは思う。ベランダの手すりにもペンキを塗ったのだが、ペンキは剥がすのが大変だ。サンダーなどで剥がすにしても、すぐ目詰まりするし大量の粉塵が出る。

◆ ダイソンの掃除機で吸いながらやったら、サイクロン分離が出来ずにフィルタがすぐ詰まってしまった。吸い込むより吹き飛ばした方が良いかと、エアを吹きながら塗装を剥がした。剥離剤を使えば一発で綺麗になるのだが、今度はコストの問題がある。剥離剤は刺激性が強く扱いも面倒だ。

◆ 木製ではなくアルミで作れば良いのだが、アルミは溶接が面倒である。鉄なら簡単な溶接機でも何とかなる。もっと鉄は錆びるので、塗装のメンテナンスは必要だけど。

◆ 駐車スペースの所にアルミのフェンスが付いていたが、壊れていたので取ってしまった。アルミのフェンスはごくごく一般的なものなのだが、はめ込み式で組み立てられているので、そこが外れるとバラバラになってしまう。通常フェンスには力は加わらないので、そっとしておけば壊れないとは思うのだが、それでも経年劣化だとか折れた枝が当たったりすれば徐々に破壊は進む。

◆ コンクリートの階段は、コンクリート塗料で塗装した。コンクリートは丈夫なので未塗装でも良いのだが、酸性化云々を考えれば何か塗っておいた方が良い。と、耐久性に問題よりもむしろ見栄えを気にした。

◆ コンクリートそのままだと(表面のざらつきもあり)汚れが付着する。高圧洗浄機で洗えば綺麗になるのだが、塗装すればもっと綺麗だし汚れが付きにくい。
高圧洗浄機で洗ってから乾かし、プライマーを塗ってから(ベランダなどに使った)茶色の木材用弾性塗料を塗った。

◆ 色が茶色と言う事もあって汚れが目立たず、ハゲた所もなく、良い感じで今に至っている。ベランダは白色塗料で塗ったのだが、これはちょっと失敗だった。白色の方が明るくて良いなと思ったのだが、汚れが目立つ。せめてグレーくらいにしておいたら良かったかも。

◆ 広い面はローラーで塗る事は出来るので、塗装自体はさほど手間ではない。門扉的な複雑な形状のものは塗るのも塗装を剥がすのも面倒だ。そのコンクリートの階段には門扉が付いているのだが、鉄製なのでメンテが必要、でも塗りにくい。今は対策をしたので雨滴が垂れないのだが、雨滴の垂れるその場所だけ塗装がはげる事で水滴のパワーを感じた。


ドコモ位置情報(8/26)
◆ ドコモは何故位置情報を欲しがるのか。と言うか事業者は皆位置情報を取得しているわけだから、何を今更という感じもする。
コロナ禍における人出情報を提供しているagoop(ソフトバンク)はYahooアプリなどで位置情報を取得している。

◆ ドコモのスマートフォンを購入し、何も設定しないと「ドコモ位置情報 ご利用には各種規約に同意する必要があります」と通知が来る。利用しないから設定もしていないのだが、利用設定をするまでこの通知は何度でも来る。

◆ 利用設定には電話帳へのアクセス許可など、位置情報とは関係の無さそうな権限も要求される。何故電話帳への権限が必要かというと、位置情報と共に電話番号を送出するからだとか。

◆ 位置情報の利用設定をいったん行い、その後ドコモ位置情報アプリの設定で位置提供をOFFにする。すると今度は「ドコモ位置情報 ご利用には位置提供設定をONにする必要があります」と通知が来始める。

◆ ドコモ系アプリの多くはAndroidOSの機能による通知の抑制が出来なくされている。従ってドコモ位置情報に関してもアプリ内で通知を止めるか、アプリを動かしておく(位置提供を行う)しかない。なおドコモ位置情報は強制停止が不可能なアプリで、常に動作している。

◆ 少なくともXperia1までは、ドコモ位置情報とドコモ位置情報SUBで構成されていた。しかしXperia1 IIIではドコモ位置情報SUBは無くなっている。何が変わったのかはよく分からないというか、既にスマートフォンから削除してしまったので分からない。

◆ ドコモ位置情報とドコモオートGPSは繰り返し通知を出してきたり、通知が消せない場合もある。アプリ内の設定で通知を消そうとすると、通知はしないけれど位置情報は送っちゃうよとダイアログが出る。ここで多くの人は位置情報の提供をOFFにするのだが、すると上に書いたように、ドコモ位置情報のご利用には位置提供設定をONにする必要がありますと通知が来る。

◆ なお画面のロック(パスワードや指紋やパターンなど)が設定されていない場合は、ドコモ位置情報の設定が出来ない場合がある。金融アプリなどでセキュリティ設定が行われていないと動作が抑制されることはあるが、ドコモ位置情報も結構面倒なことになる。

◆ ドコモ位置情報は2016年以降は、利用者に同意を得ることなく、その情報を公的機関に提供できるとなっている。ドコモの規約で利用者には同意を取っているから、そのドコモが提供すると言えば提供できる(包括的許可)のだよと言うことだ。

◆ 当初これは緊急通報時に、通報者の居場所を特定するのに使われると思われていたが、現時点においてその機能はAndroid自体に実装されている。実際にドコモ位置情報を削除した状態でも、緊急通報での位置提供が出来る。

◆ 何故ドコモがドコモ位置情報に固執するのかは謎である。何とかして設定させて使わせようとする訳だが、たぶんドコモが勝手に位置情報を取得するのはダメなのだろう。利用者に同意を得て取得しているという風を装う必要がある。


BAND制限は価格の問題か?(8/25)
◆ SIMロック論と共に問題視されるのがBAND対応と制限だ。SONYは、例えばドコモ向けのXperiaであればauやソフトバンクの800/900MHz帯には対応しない。au向けも然りでありソフトバンク向けも同様だ。

◆ MVNO事業者はドコモ回線を利用している所が多く、au向けやソフトバンク向けXperiaでは使い勝手が悪くなる。そんな事から、ソフトバンク向けXperiaの中古価格が安くなる。

◆ こちらの記事では他事業者のバンドに対応させるためにはコストが上がる可能性があるとしている。ハードウエア的に実装されていないバンドに対応させるにはコストがかかるが、少なくともドコモとauの800MHz帯、便宜上BAND18と19に分かれているが、ようするにBAND26であり両方対応可能なフィルタが実装されていると見るべきだ。

◆ BAND制限は無線機のconfigurationファイルによって、言わばソフトウエア的に制限されている。従ってこれを書き換えれば、少なくともドコモ向けとau向けは共通化できる。ソフトバンクのBAND8はGSM用として使われているので、そのまま活かせる可能性がある。

◆ 事業者によると、メーカに対して接続周波数帯の制限を設けろとは言っていないという。一方でメーカは仕様書通りに作って納入しているだけだとする。iPhoneは共通仕様なわけだから、それと同じにすればいい話なのだがAndroidは少々事情が複雑だ。

◆ これには事業者アプリの問題もある。改変の難しいiOSに対して、Androidは好き勝手にいじることが出来る。その為事業者アプリを片っ端から突っ込める。
事業者アプリは実行優先度が高くされていたりして、時にスマートフォンの性能自体に影響を与えると言われてきた。またOSアップデートの際のコストにも影響している。

◆ 例えばBAND制限を禁止するような法律が出来たとすると、次に事業者がやりそうなことは事業者アプリによる嫌がらせだ。実際ドコモ向けスマートフォンをMVNO事業者で使っていても、ドコモの○○を設定しろなどと通知が来る。通知は来るが、そもそもドコモ契約ではないので設定は出来ない。

◆ もっともドコモ販売のスマートフォンがahamo契約で使いにくいという、内部の問題も出て来てドコモは困ったようだけど。
それがあってかどうなのか、ドコモ電話帳のクラウドバックアップ機能は廃止された。クラウドバックアップ機能はドコモ契約が必要なサービスであり、ahamoでは動作しないからだ。

◆ ドコモ電話帳に関しては、従来はドコモメールアプリと関連して動作していた。しかしメールアドレスの提供されないahamoに於いては、ドコモメールアプリ自体が動作しない。ahamo向けとして販売されているドコモのスマートフォンには、従来よりドコモアプリが24個も減ったそうだ。ahamo向けiPhone11に事業者アプリはゼロである。

◆ spモード契約がなくなって使えなくなるサービスは85にもなるそうだ。しかしこれが無くなって困る人は殆ど居ないというのだから、いかに無駄なことをやっているかドコモには気づいて貰いたいものである。


何としてでもローンを組ませたい(8/24)
◆ 加入者の信用でカネを借りたソフトバンクだが、今はそれほど金には困っていないと思う。従ってローンを組ませる理由はローン縛り以外に考えられない。

◆ ローン縛りと共にソフトバンクが執着するのが残価設定ローンである。契約で縛れなくなった現在に於いて、残価設定ローンは強力な縛り効果を発揮する。その為に定価も高く設定している。

◆ では一括払いで買うことが出来ないのかと言えばそうではなく、代引きに限って一括払いが可能だ。通常ネットショッピングではクレジットカード決済が一般的だが、ソフトバンクオンラインショップでは不可能だ。

◆ もちろん代引きで買えばいい話ではあるが、一括払いで買いにくくするための嫌がらせ的なものだ。2〜3万円のスマートフォンであれば現金払いでも良いだろうが、10万円を超える品物を代引きで買う人は少ないと思う。

◆ もう一つはショップで買う方法だ。ソフトバンクオンラインショップではなく街のソフトバンクショップだ。ただし店によっては一括払いでは買えないと言われるのだとか。分割払いで買うと謎の頭金や販売手数料を取られる。

◆ この一括払い拒否の姿勢は、加入者の信用を売ってカネにしていた頃の名残だという話がある。当時からシステムが変更されていないので、一括払いを拒否するのがスタンダードになっているというのだ。

◆ 確かに加入者情報を売るにしても、ローン縛りを行うにしても、一括払いは敵でしかない。一括払いでスマートフォンを買われると、端末縛りは出来なくなってしまう。

◆ ショップは、今はコロナ禍と言うこともあって各事業者共に予約制を採っている。ドコモショップの場合は簡単な用事は予約無しでも受けてくれるが、時間のかかる手続きなどは予約が必要だ。

◆ ソフトバンクショップは完全予約制で、予約がなければショップに入れないくらい厳格だと言っても良い。ショップのあり方に関しては以前にも書いたが、元々は事業者の都合で開設されたわけだ。手続きその他ショップでなければ出来ないことがあるからショップがある。

◆ それがいつしか上から目線になってしまった。販売手数料や謎の頭金を許している時点でおかしい。サードパーティーアプリの設定の有料化は(自分たちの作ったアプリではないのだから)当然だと思うが、自分たちの商品を売るのに販売手数料を取るのはどうなのよ。

◆ 私はドコモショップには余り行かないが、Felicaの消去などはドコモショップでないと出来ない。ドコモショップに行くと消去器があるので、それを自分で操作すると消去できる。これにしたってスマートフォンに消去アプリを実装すればいい話ではないか。

◆ ドコモとauはFelicaの初期化が出来るのだが、ソフトバンクは不可能だ。ドコモでの処理はドコモ販売のスマートフォンしか対応していない。対してauは他社のスマートフォンにも対応してくれる。ソフトバンクの一部販売店では預かり対応してくれるという話もあるが、不可能であればauに持ち込んだ方が良い。


ドコモアプリを無効化する(8/23)
◆ 私はXperia(XZPremiumも、1も1IIIも)で以下のアプリは無効化している。一つはドコモ位置情報であり、建前上はケータイお探しサービスで使われるとなっている。ではケータイお探しサービスのリクエストを出すとドコモ位置情報が動作するのかというとそうではなく、常に動作している。

◆ Greenifyアプリでみるとアイドル状態で存在しているのではなく、何かの動作をしているように見える。ドコモに都度位置情報を送っているとか、そう言う事だろう。ドコモ位置情報は同意なくして動作しない筈だが、この辺りはよく分からない。

◆ 何だかよく分からないし、それがなくなると何が起こるのかも分からないので、暫くは無効化して様子を見た。しかし無効化しても特段問題はないようなのでアンインストールした。

◆ ドコモ電話帳も評判が悪い。昔ほどではないのは、様々な連携機能が無くなったのかな?以前はドコモメールを利用するのにドコモ電話帳が必要だとか、これも全く意味不明な仕組みだった。

◆ 私はこれも最初は無効化したのだが、いつの間にか動き出していた。現在はアンインストールしている。代わりの電話帳は何でも良いのだが、今はGoogleのスタンダードな電話帳を入れている。

◆ 電話帳アプリは色々な種類があり、昔富士通製ケータイなどに採用されていたシークレットモード付きなんてのもある。これはパスワードでロックするのではなく、シークレットフォルダのものをそもそも見せない。見たい場合はロックを解除すれば良く、ロックを解除しないと発着信履歴もマスクされるものだ。

◆ ドコモアプリケーションマネージャーを消すと、お勧め何とかとかマイマガジンとか、ドコモの不要なものが消えてくれる。しかしソフトウエアアップデートが出来なくなってしまうので、むやみに無効化が出来ない。

◆ ドコモのHOMEアプリであるLIVEUXも暴走してバッテリーを食うなどと言われた事がある。これはADBで消すことは可能なのだが、消してしまうとホームアプリが無い状態で立ち上がろうとして失敗する場合がある。

◆ デフォルトランチャーがドコモLIVEUXに戻ってしまった場合に、それが無いので起動しない。ファクトリーリセットで回復するが、リスクを避けるためには消さない方が良いだろう。

◆ パッケージ名はドコモ位置情報がjp.co.nttdocomo.lcsappドコモ位置情報SUBがjp.co.nttdocomo.lcsappsubドコモ電話帳がcom.android.contactsだ。
ADBからpm uninstall --user 0 jp.co.nttdocomo.lcsappとやればドコモ位置情報をアンインストールできる。

◆ 以前はシステムのLogを見ることが出来たのだが、今はパーミッションの関係で駄目になったのかな。繰り返し起動させようとしているのならば、ログにその旨が記録されるはずだ。私はXperia XZ Premiumの頃から、ドコモ位置情報は無効化して使っているので、特に問題はないと思う。

◆ ドコモ電話帳をアンインストールして謎の発熱頻度が下がるかどうかは、現在検証中である。謎の発熱&バッテリー急減が頻繁に起こるわけでもないので、様子を見るには時間がかかる。


プリインストールアプリ(8/22)
◆ SONYのスマートフォン部門の不景気がもたらしたもの、それはプリインストールアプリの激減だ。SONYのアプリはGooglePLAYを通さずにダウンロードさせるもので、ドコモなどの事業者アプリと同じである。

◆ スマートフォンのストレージ容量は年々増加し、不要なアプリが存在したとしても許容できる程度にはなっている。しかし従来のSONYアプリは、勝手に動作して勝手に通知を出して来た。あくまでもその存在を主張したがるような、まさに迷惑アプリだったのである。

◆ 使いたい人が使いたいように使うのは勝手なのだが、使いたくない人にまでそれを強要するのはやめて欲しい。しかしSONYとは独りよがりな企業体質なので、自分たちが勧めるものは全人類にとって有益だと思い込んでしまっている。

◆ そんなSONYの迷惑度を打ち砕いたのが不景気だったのだから、何とも皮肉である。迷惑アプリはドコモも同じであり、考えようによってはSONYより酷いかも知れない。消すに消せない、動作も抑制できないとなればストレージだけではなくRAMも消費する。

◆ 古くからドコモのスマートフォンを使っている方ならドコモ電話帳の酷さを覚えているかも知れないし、最近ではMyDaizがバッテリーを激しく消費していく事件もあった。

◆ ドコモのアプリもかつてのSONYのアプリも、アプリ自体を無効化しても通知は来続けるみたいな事がある。通知を抑制するには、アプリを有効化した上で通知設定をいじり、その後にアプリを無効化する必要がある。実際には無効化したアプリから通知が来るのではなく、無効化したのはアプリの表面的な部分だけで、本体は別に動作しているのだ。

◆ クラウドが流行ると、ドコモアプリはクラウド○○みたいな機能というか表示が行われた。ドコモ電話帳にもクラウドバックアップがあったと思うが、これはもうサービスは中止されたのかな。勝手にはじめて勝手にやめてしまうのもドコモである。

◆ ドコモ電話帳はSNS連携機能なども実装されていて、電話帳なのに何でSNSなの?みたいな。これはSNSが流行った頃に始まった機能である。このSNS系の設定は全解除する事は出来なかった。

◆ 要らぬ処理と要らぬ連携が要らぬ通信を行って、発熱やバッテリー消費の問題を起こした。SIMフリースマートフォンでは起こらない謎のバテリー消費が、ドコモモデルでは起きるのである。

◆ ドコモ電話帳はADBから無効化することが出来るが、いつの間にか生き返る。
ドコモ位置情報(Android10まではドコモ位置情報SUBも存在した)もADBから無効化が出来るが、再起動すると生き返る。

◆ ドコモアプリは最初の設定時にダウンロード或いは更新される。設定には「今すぐダウンロード」と「後でダウンロード」しかなく、ダウンロードを拒否する事が出来ない。

◆ OSに近い部分と言うことではGoogle系アプリの不具合もちょくちょくある。そもそも何をやっているアプリか不明な場合も多いのだが、発熱やバッテリーの異常消費で明らかになったりする。Googleの事だから位置情報の取得だとか、スマートフォンの操作履歴を持っていくとか、そんな事だろうと思う。


木こりが不足している(8/21)
◆ TVでCMも流されていたし、県と民間の林業説明会の様子もニュースになっていた。静岡県には山林があるわけだが、山林を管理する人材が不足している。

◆ 林業はキツくて危険な仕事とあって、中々人が集まらない。しかし山林は手入れをしなければならず、そこには人材が必要だ。県が山林の手入れを発注したくても、人材不足を理由に受注企業が手を上げてくれないのが現状だ。

◆ 林業従事者の報酬は高くはない。年収で300万円から700万円くらいだそうだ。民間だけではなく県でも林業従事者を募集している。現場仕事があったり事務仕事があったりで、季節によって(木を切る時期以外は事務仕事)異なるそうだ。

◆ 事務仕事と言っても書類を作るみたいなことではなく、山林計画で伐採や植林の場所やスケジュールを考えたりするらしい。他には木材の利用を考えるとか、山の紹介だとか、林業系法人との打ち合わせだとか、木を切る時期以外は意外に自由に出来るとか。

◆ 年中木を切っているわけではないところが高給につながらない理由か。そもそも天気の悪い時期は作業が出来ないわけで、実働時間としてみるとそう長くない。

◆ 木こりの事故率は高くないが、事故が起きると死亡率が高い。最近は機材や装備が良くなったことで事故は減少傾向にあるそうだが、それでも危険な職場には違いがない。たまに木を切り倒すくらいなら良いが、職業として毎日何十本もの木を切っていれば事故に遭遇する確率も上がる。

◆ 普通の人が高さ10mとか20mの木を切り倒すことは無いと思う。一度切ってみると分かるが、これは結構気持ちが良い。なんて言っていられるのはたまにしか木を切らないからだろうな。職業として木を切り倒していれば、それは快感ではなく仕事の一つになってしまう。

◆ 林業従業員が少ない原因の一つに、ある程度の期間木こりとして企業に勤めた後で、独立する人が多いのだそうだ。経験を積めば一人で木こりが出来るようになり、自分で仕事を貰って自分で切る。更には切った木の運搬や加工まで手がける人もいるそうだ。

◆ こうした個人事業的木こりの年収(年商)は1〜2千万円になるそうで、力のある人は独立を目指すという。以前にも書いたが、木こりにしろ猟師にしろ人材不足はどうにもならない。外国人労働者に頼るといっても、ある程度の経験などが必要なので(やがて母国に帰ってしまう)外国人の雇用は効率が良くない。

◆ 林業従事者の不足は静岡県に限ったことではないと思う。たまたま静岡県のローカルニュースで取り上げられていたとか、CMが流されていただけであり、他県に於いても似たような状況ではないだろうか。山は必ず手入れをする必要があり、それには木こりが必要なのだ。

◆ 更には林業従事者ばかりではなく、いわゆる職人の不足は深刻だ。電気・電子産業界でも、中高年の首を切ったらノウハウもなくなってしまったみたいな話を聞く。設計に関してはツールなどの利用でカバーできる部分は少なくはないが、現場仕事に関してはその職人さんの腕にかかっていると言っても良い。


LeitzPhone(8/20)
◆ Androidスマートフォンを使う折りたたみ式などを除くと高価格帯となるLeitzPhoneは、ソフトバンク扱いで約19万円と高額だ。もしもドコモが扱ったとしても16万円くらいにはなるだろう。

◆ ソフトバンクは販売台数が少ないことに加えて、残価設定ローンを組ませたい訳で、自ずと価格設定は高くなる。残価設定ローンを組ませたところで、2年後にはLeitsPhone2が出るのかと言われると微妙かも知れない。

◆ ライカの名を冠したと言うことでハイアマチュアの注目度は高かった。中身的にはAQUOS R6なのだが、カメラアプリの設定は微妙に異なるとか。
ただR6の方もLeitzPhone発売後にアップデートされているので、LeitzPhone同様になった(R6は当初は暗く写る傾向があった)可能性もある。

◆ カメラアプリのUI自体はいかにもシャープだそうで、もう少しライカ食が欲しかったという感想もあった。シャープ製カメラアプリの操作性は余り良くないのだとか。

◆ レビュー記事では、普段スマートフォンのカメラレビューで余り見かけないカメラマンが写真を撮っていたりした。
カメラマンによって普段撮る被写体が異なり、更にはスマートフォンで(商業)写真を撮ることなど皆無だろうなと思うような方の撮る写真も見られた。

◆ 絞りは常に解放だし、メカニカルシャッタも付いていないスマートフォンのカメラで、何がどこまで撮れるのかみたいな部分と、スマートフォンのカメラでも意外と撮れるじゃないかという部分も伝わってきた。

◆ では他のスマートフォンではどうなのかと、スマートフォンのカメラ同士の比較になると評価は変わってくるのかも知れない。まあその辺りはスマートフォンのカメラ評価に詳しいカメラマンに任せることになるわけだけど。

◆ ハイアマチュアの方の記事だと、MVNO契約のSIMを入れたりドコモのSIMで使う例がいくつかあった。シャープ製スマートフォンは、事業者ごとに周波数帯を細かく設定していない。1.5GHz帯は別として、800MHz帯はドコモやauのBANDにも対応している。SONYは各事業者のバンドにしか対応しないので、例えばドコモ向けXperiaをauで使おうとすると(auの800MHz帯が使えないので)不便に感じる。

◆ ソフトバンク契約で使っている記事が余りみつからなかった事からも、ソフトバンクのシェア低下、特にAndroidスマートフォンを使う人が少ないことが分かる。

◆ スマートフォンのハードウエアとしてはAQUOS R6と同じ(ドコモ扱いで約12万円)なので、ライカというブランド代が7万円と言うことになる。そのブランドに価値を見いだせる人にとって、ブランド代は全く気にならない支出だろう。かつて存在したオンキヨーのGRANBEATなど、4〜5年前のモデルにもかかわらず中古価格は数万円と高い。

◆ LeitzPhoneの価格でC-LUXは十分に買えるわけだし、D-LUX7にも手が届く。V-LUX5も射程距離になる訳だから、SL2等を使っている方がちょっと試してみようかな的に買ってみる、なんて事はありそうだ。


楽天が気になるソフトバンク(8/19)
◆ 楽天モバイルとソフトバンクは最下位争いに突入するのだろうか。少なくともドコモやauは楽天モバイルを気にしている風には見えない。しかしソフトバンクはそうでもなさそうだ。

◆ ソフトバンクは本体の不人気をワイモバイルが支えてきた。ワイモバイルがあったからこそ純減から脱せたと言っても良いだろう。ソフトバンク本体では価格を変えず、ワイモバイルで低廉なプランを提供した。

◆ ドコモやauと同じ金額をソフトバンクに払う気はないと思う人は多くても、ではドコモやauより安かったらどうだというのがワイモバイルである。ソフトバンクと違ってワイモバイルのイメージは汚れていない、客層が違うとソフトバンクは考えた。

◆ ヤフーイメージのワイモバイルは、加入者の平均年齢が高いのだそうだ。ヤフー検索やヤフーショップの利用者も中高年が多いという。若い人が使うメルカリに対して、おじさんおばさんのヤフオクというわけだ。

◆ 若い人を取り込むにはLINEMOということで、ソフトバンク第三のブランドとして使い始めた。しかしLINEモバイルイメージが強く、速度の遅いMVNOだと思われている。LINEモバイルが終了してLINEMOになったのだが、この辺りも分かりにくいと言われる。

◆ LINEモバイル加入者はLINEモバイル終了で、他のMVNOや楽天モバイルに移動したという。そこで既存利用者はゼロ円で契約維持が出来ますよと、楽天モバイル風の施策を行う。ただしデータ容量は500Mバイトまでと楽天モバイルの半分だ。

◆ LINEMOの方は3Gバイトで月額990円と安価なプランで攻めてきた。これはMVNO同様の価格である。nuroモバイルが3Gバイトで792円だが、nuroは遅い。LINEMOがMNO同様の速度だとすればお得である。

◆ 実はこの価格はワイモバイルより安価だ。ワイモバイルは3Gバイトで2,178円だが、ソフトバンクは競合しないと見ている。ワイモバイルの加入者年齢は高く、容易には移動しないと見ている。オンライン専用プランと言うことも、或いはeSIMでの設定という部分でも敷居を高くしているわけだ。

◆ そもそもLINEMOで安価なプランを出さなければならなくなったのは、LINEモバイルの受け皿がなかったからだ。LINEモバイル利用者を逃がしてしまうのはもったいない。
ならば儲けを削ってでも安価プランでの引き留めをやるべきではないか。

◆ ソフトバンクとしてはLINEモバイル加入者が、他のMVNOに行くのならば仕方がないと思ったかも知れない。しかし楽天モバイルに行くとなれば黙ってはいられない。

◆ マルチブランド戦略は難しいと思う。ワイモバイルにしても、安価なプランを出してきたから加入者が増えたようなもので、私も一時期契約していた。ただ当時は1Gバイトのプランしかなく、それ以上だと高額になってしまった。

◆ だがその後は、安価な1Gバイトプランの延長で料金プランが組まれることになった。MVNOよりは多少高いが、MVNO程遅くないワイモバイルだったわけだ。だがそこにLINEMOが入り込む。トヨタの双子車、三つ子車と販売系列作戦のようなものなのだが、勝算はあるのか。


電話帳のバックアップ(8/18)
◆ Androidスマートフォンを使う多くの人は、Googleに連絡先を保存していると思う。Googleの場合はGooglePhoto同様に、あくまでもGoogleがプライマリストレージであり、スマートフォンはそのバックアップに過ぎないという考え方だ。

◆ 従ってGoogleアカウントにログインが出来なくなったり、アカウントを消されてしまうとデータは全て失うことになる。そんなもの、スマートフォンに残っているから大丈夫だよとは言えない。

◆ 試しにGoogleアカウントを削除しようとしてみると良い。Googleアカウントを削除すると端末内のデータも消えるよと警告画面が出る。Googleは神なので、そこからログアウトしたら全てのデータを消すぞと言っている。

◆ これを回避するのは結構難しい。バックアップを取ると言っても、そもそもスマートフォンのデータはバックアップ扱いなので、Google的にはそこから更にコピーを作ることは許さない的な事なのだろう。Googleを捨てるならお前の情報も全て抹消するぞと、まあ人質というかデータを握られているわけだ。

◆ 唯一ドコモのクラウドを使うとバックアップが出来たはずだ。そのうち電話帳だけではなく、アプリのデータやファイルなどもGoogle側に保存しろと言い始めるかも知れない。電話帳に関してGALAXYのバックアップを使って保存できるかを試してみたのだが、これも動作がよく分からない。

◆ GALAXYのクラウドは独自にログインするのだが、これもGoogleアカウントと紐付いているのだろうか?やってみたのは、GoogleのAアカウントでログインして連絡先のバックアップをGALAXYクラウドに取り、GoogleのAアカウントからログアウトした後に、GoogleのBアカウントでログインしてGALAXYクラウドから連絡先を復元しようとした。

◆ ところが、これを行うと連絡先は空になったのである。GALAXYのクラウド同期がどのように動いているのかよく分からないのだが、Googleアカウントと紐付けられているのかも知れない。バックアップは、悪用されるとデータをそっくり持って行かれることになるからだ。

◆ ではスタンドアロンのアプリではどうか。古くから使われているJS Backupで試してみた。これを使うと連絡先のバックアップを行うことが出来た。上の例で言えばGoogleのAアカウントにログインし、連絡先をJS Backupアプリでバックアップし、Aアカウントからログアウトした後にGoogleのBアカウントでログインして復元を行えば、Aアカウントの連絡先がBアカウントで読める。

◆ PCを利用するとデータのエクスポートとインポートが出来る。PCで連絡先を開いてエクスポートし、別のアカウントにインポートする。これで電話帳は移行することが出来るのだが、電話帳に写真などを使っている場合は写真自体もコピーする必要がある。

◆ Googleのシステムは、以前はこうなっていなかったと思うのだが違っただろうか。
複数アカウントでログインすると、複数アカウントに連絡先が入ったような気がするのだが、気がするだけかなぁ。今回はGoogleアカウントを変えるという人がいて、アカウント間の連絡先の移行に困っていた。それでいくつか実験してみた次第だ。


5年後でも4割(8/17)
◆ エリクソンのレポートによれば、世界の5Gサービス加入率は2026年で全加入者の4割になるという。
伸び悩む5G利用者ではあるが、徐々に普及率は増えると言う事だ。

◆ 利用者数の少ないのは3Gで、日本では早くからサービスが行われたが諸外国ではそうでもなかった。
国によってはGSMからLTEに移行したところもあり、しかもW-CDMAとcdmaOneが混在するという、どうにも面倒なことになっていた。

◆ それに比較するとLTEは各国共通でサービスが行われた。初期の頃こそ事業者仕様の影響で接続互換性などが問題になったが、徐々に収束する。
VoLTEに関しても同様で、今は標準仕様で接続性の問題も解決されつつある。

◆ 世界的には今ひとつ流行らなかった3Gを飛ばして4Gサービスを開始した事業者もあったことから、4Gのサービス加入者数は順調に増え続けた。アナログ携帯電話の頃から考えて、世界で最も多くの人が利用しているのが4Gだと言える。

◆ 5Gの加入率が上がらないのは、5Gのメリットが活かされないからだ。日本のように5G対応スマートフォンを買ったら強制的に5G契約にすれば、表向きの5Gサービス加入者数だけは増える。しかし実際に5G接続の出来る利用者は限られ、やがては5Gって何だっけみたいなイメージになる。

◆ 5Gサービスを利用したい人が5Gサービスを申し込む諸外国では、期待を込めてサービスに加入した利用者の5G離れが起きている。事業者側にしても、加入者が中々増えない現状で基地局の電力消費量を許容は出来ず、帯域を絞ったりサービスを休止したりする例がある。

◆ 4Gとは対照的に5Gの利用者数は増えない。それは5Gでなければならない理由が今ひとつハッキリしないからだ。利用者に分かるのは通信速度くらいだが、エリアの問題もあって高速通信を安定的に利用しにくい事も、加入者数が増えない原因だ。

◆ それでも5年後には4割の人が5G契約になるという。サービス開始後7年である。ちなみに4Gの場合は、サービス開始7年後のサービス加入率は7割近かった。もしかすると3G同様に5Gは人気の出ないサービスになるかも知れない。そして、おそらく10年後にはサービスが開始されると思われる6Gが、高速通信の本命になったりして。

◆ いつの時代でもそうなのだが、新規格とは近未来を先取りするものだ。従ってサービス開始時点ではコストもかかるし無理もある。しかし難しいと思っていた事が、時間と共に難しくなくなるのがテクノロジーだ。

◆ サービス開始当初は巨大な携帯電話だったFOMA移動機だって、数年後には十分すぎるほどの小型化が果たせる事になる。スマートフォンも然りだ。LTE開始当初は今の5G同様で、接続は不安定だしバッテリーは食うしで、LTEをDisableにするアプリ(単にスマートフォンの設定を変更するだけ)などがいくつもあった。

◆ 世界では6Gの話も出て来ている。余り普及しなさそうな5Gより、その先を考えた方が投資効率が良いのではないかと事業者も考えはじめる。auやソフトバンクのエリア整備も5G/6Gと、6Gの文字が記されていたりする。ドコモは建前上?5G推進の姿勢である。


自転車乗り氏が選んだものは(8/16)
◆ スマートフォンケースの話である。最強を謳うアラミド繊維のケースは最強ではないよと言う話をしていると、自転車乗り氏が頷く。

◆ 自転車乗り氏は最強が謳われるケースを使っていたそうだ。能書きには、MIL Specに準拠したCNCマシンで削り出した超硬アルミ合金のG10素材が云々と書かれていたとか。それってたぶん訳の間違いだな。CNCマシンがMIL仕様というのはおかしいし、G10ってエポキシ系の樹脂だからアルミ合金ではない。

◆ まあそんなケースを使っていたそうだが、スマートフォンホルダーが壊れてスマートフォンは落下、最強のケースに入れていたにもかかわらず全体が歪むようになってガラスにヒビが入ったそうだ。

◆ まさかスマートフォンホルダーが壊れるとは思っていなかったという。振動でヒンジ部分のネジが折れるか外れるかして、そのままスマートフォンは吹っ飛んだという。スマートフォンは直さずに買い換えたそうだ。

◆ 今は別のホルダーに換え、スマートフォンケースはシリコン製にしたそうだ。ホルダーはアルミ製で丈夫に見えるとのこと、ネジはネジロックを塗って締め付けたという。シリコン製のケースは柔らかく、ホルダーに付けると(締め付けると)シリコンケースがぐにゃりと変形するそうだが、ペタペタした感じなので滑り落ちる心配は無いそうだ。

◆ シリコンケースには穴を開けて細いワイヤーを通し、ハンドルバーに引っかけているという。シリコンケースにしたのは、壊れたスマートフォンでテストした結果だそうだ。安価なシリコンケースにスマートフォンを入れ、落としたり投げたりしたが破壊が進まなかったからだそうだ。

◆ 厚手のシリコンケースは衝撃を吸収してくれるが、L型のUSB-Cケーブルがささらない。スマートフォンケースが厚いのでL型のUSBコネクタは奥まで挿さらない。しかしストレート型のケーブルはスマートフォンホルダーに干渉する。

◆ スマートフォンホルダーを加工するか、或いはケースを切ってしまうか。彼は加工の簡単な方、シリコンケースの一部を切ってしまった。モバイルバッテリーは申し訳程度の太陽電池板の付いた、ソーラーチャージャーと称されるものをハンドルに固定しているそうだ。大きさからすると太陽電池板の出力は2W程度、満充電までに半年はかかるねと言ったら笑っていた。

◆ バッテリー容量は公称30Ahだそうだから、18650の10本以上並列とかか。さすがに重いそうだがこればかりは仕方がない。大容量のバッテリーを持ち運べば重いし、軽いものは容量が小さい。乾電池式充電器で電池を買いながら利用する手もあるが、単三電池8本を使うタイプでもスマートフォンを満充電に出来なかったという。

◆ 最近はホテルなどで、自転車を部屋まで持って行けるところがあるそうだ。ロードバイクにしろMTBにしろ高価なものなので、ホテル側では管理しきれないというのが理由らしい。ホテルに到着してまず行うことはモバイルバッテリーの充電だそうだ。モバイルバッテリーをカラの状態から満充電にするには15時間ほどかかるらしい。


携帯電話番号と写メと顔文字(8/15)
◆ 携帯電話番号が10桁だった頃、つまりは自動車電話サービスが始まってから暫くは、プリフィクスが030か040だった。160km以内にいる相手に電話をかけるときには030になり、それ以上の距離の相手の携帯電話に電話をかける場合は040にダイヤルし直す必要があった。これは自動交換されずに、かけ直すようにとのアナウンスが流された。

◆ 030の次は10から始まる番号で、これが加入者数に合わせて増えていく数字になる。その後の5桁がサフィックスだ。なので携帯電話番号は030-10-12345のような区切りで書くのが普通だった。

◆ 1999年の携帯電話番号11桁化によって電話番号のプリフィクス部分が変わることになる。030-10の場合は、090-310に変更された。なので090-310-12345の11桁になった訳だ。それがいつの間にか4桁区切りでハイフンを入れるようになり、090-3101-2345のように表記されている。

◆ 自動車電話や携帯電話サービス初期に契約した人は090-310x-xxxxであり、次は090-311x-xxxxになる。090番号がなくなると080が使われはじめる。ちなみに私は090-3109なので030-10が終わりに近づいた頃の電話番号だ。9や4が入っているので、当時契約したときに「余り良い番号ではないですが良いですか」と聞かれたのを覚えている。

◆ 以前に書いたことがあるが、古い電話番号はステータスだという女性がいた。古くから(つまり若い頃から)携帯電話を持っていたんだぞと無言のアピールが出来るからだと言っていた。当時は電話番号の売買も盛んだった。

◆ そんな090から始まる電話番号だが、090は老人の証みたいな感じなのだとか。確かにそれはそうなのだが、電話番号は繰り返し使われるので、若い人が使っていないというわけではない。今の若い人は若い番号である070を好む傾向があるというから、考え方は色々だなと思う。

◆ 写メに関しては何度か書いているが、これはJ-PHONE(ソフトバンクの前がVodafoneで、Vodafoneの前がJ-PHONE)が写真をメールに添付できる仕組みを考えた。そのサービス名が写メール(写真付きメール)であり、いつしか携帯電話で写真を撮ることを写メと呼ぶようになった。今から20年も前の話なので、おっさんやおばさんしか使わない、言わば死語である。

◆ 顔文字も老人の象徴なのだそうだ。絵文字に関して日本の携帯電話は早くからこれを採用し、現在はEMOJIとしてUTF文字コードに組み込まれている。それ以前は互換性のないマークであり、さらに絵文字以前あるいは携帯電話以外のメールにおいてに顔文字が使われた。

◆ iモードが始まったのが1999年なので、写メと同じくらい古いものになる。今の若い人は絵文字や(LINE)のスタンプを使うわけだから、顔文字を使うのはおっさんやおばさんと言われても仕方がない。

◆ 顔文字の起源的に73や88があると書かれている。書かれているがそれ以上の説明が無い。73はーー・・・ ・・・ーーであり、88はーーー・・ーーー・・だ。73はラブ&キスの意味とされたが、その51年後には73が敬具の意、88がラブ&キスとされるようになったとか。アマチュア無線では男性相手に対しては73を、女性に対しては88を送る習慣ではあるが、性差別問題渦巻く昨今、時代と共に変化するのかも知れない。


ベンチマークテスト(8/14)
◆ 性能の比較には基準が必要で、それはCPU性能にしても自動車の燃費にしても同様である。スマートフォンの総合性能を見るのにAntutuがよく使われるが、CPU性能の比較としてはGeekbenchも使われる。

◆ iPhone12はAntutuのスコアが57万程度と低く、SnapDragon888の80万に遠く及ばない。一方でGeekbenchのスコアはiPhone12が1200前後であり、SnapDragon888の1100前後を上回る。マルチコアのテストではiPhone12が4000前後、SnapDragon888が3800程度となっている。ちなみにCore i7 8700kだとシングルコアが1200位で、マルチコアが5400位だった。

◆ Geekbanchのスコアを見る限り、PC用のCPUでもスマートフォン用のCPUでも余り違いは無いように見える。だったらPCに低消費電力のスマートフォン用CPUを使ったら良いのにとなってしまう。

◆ あくまでもGeekbenchで測っているのは演算性能というか特定処理の速度であって実際に動作させたときの云々ではない。では数値に意味が無いのかと言えばそうではなく、特定の性能を測ることも大切だ。

◆ iPhoneはAntutuのスコアでもAndroidに勝っていたと思っていたのだが、既にそれは過去の話なのか。ゲームと言えばiPhoneみたいなイメージだったのだが、今やiPhoneで思いゲームはフレーム落ちしてしまうとまで言われているそうだ。

◆ Androidだとゲーミングスマートフォンみたいなジャンルも出来ているわけだし、温度上昇に伴う動作速度の低下を防ぐクーリングシステムとか、ゲームのためなら何でもやっちゃう的な設計もある。

◆ ゲーミング云々と言えば高性能の証みたいな、極限性能を追求する証みたいな響きがある。もちろん極限性能を追求するのだからCPUはより高速で動作する必要があるし、メモリは沢山積み、GPUも最高性能のものを実装する。PCの場合は組み合わせ自由なのだがスマートフォンの場合はそうは行かない。

◆ 現状で最高性能のゲームマシンを入手しようとすれば、そのゲームが快適に動作するスマートフォン自体を選ぶことになる。2018年頃にはiPhoneの方がAntutuスコアが良くて、SnapDragonはGPUが遅いからみたいな事が言われていたと思った。2019年頃のスコアを見ると、この時点でiPhoneは後塵を拝している。ただしiPadはAndroidよりもスコアが良かった。

◆ クアルコムもGPU性能向上には積極的で、今までが遅かったから改善の余地が大きかったのかも知れない。その他にもAI性能もあるし、どこかの部分だけを高速化してもスマートフォン全体の高速化には中々つながらない。

◆ スマートフォンの場合はバッテリーコンサンプションもあるし、ピーク処理能力だけを重視するわけにも行かない。メモリ搭載量にしても10GB以上が当たり前みたいになってきている。クアルコムがASUSに作らせるというモデルは16GBだったかな、メモリだって沢山積めば電気を食う。

◆ ハイエンドはハイエンドとして、ゲーミング用途などで生き続ける。普通に使うのであればそこまでの必要は無く、いわゆるミッドレンジで十分すぎるくらいだ。
今のミッドレンジは3年前のハイエンドくらいの性能がある。


素人ウケは難しい(8/13)
◆ スマートフォン内蔵カメラが広角レンズ競争を繰り広げた初期の頃に書いた事があるが、広角レンズの特性を知らない人が余りに多い。広角や魚眼になれば画角が広くなるのだから周囲は丸くなり始める。それが普通なのだが、普通を知らない人はレンズや製品の不良だという。

◆ Xperiaは広角レンズ付きカメラの設定で、その特性を補正するかしないかの切り替えがある。補正を行うと、曲がった部分を調整(四隅を引き延ばすように)して、広角らしさを消す事が出来る。

◆ 広角らしさを消す事は出来るが、なかなか完全に補正するのは難しい。レンズの逆特性のフィルタを入れれば良いと、言葉で言ってしまえば簡単なのだが計算量が膨大だ。

◆ 計算せずに補正するには、各ポイントがどの位歪曲するかのテーブルを持つくらいか。しかしこれだと被写体の距離による補正が雑になる。なので、現状では完全な補正とは言えない部分がある。

◆ 画角にもよるのだが、超広角と言われる焦点距離よりもっと短焦点距離の魚眼だとどうか。180度の画角を四角い画面の中でどう表現するか。180度以上だったらどうかと考えてみれば、それを四角い画面の中に入れるとどう写るのかが分かる。

◆ でもそれをいくら説明しても分からない人は沢山いる。それが現状なのだ。AQUOS R6は1インチ撮像素子が話題になったが、いわゆる画作りはデジカメに近いものがある。記憶色から記録色へと言われるが、彩度やコントラストを上げて見栄えを良くするのではなく、忠実に色合いを再現しようとする。

◆ Xperia1 IIIもAQUOSR6ほどではないが、従来のSONYの味付けよりは随分地味になった。空が青すぎる事も、葉が緑過ぎることも、花が赤すぎることも減ったし、暗いところは暗く写る。

◆ そんなR6の写真を見て、色が悪い、不良品だという人がいる。センササイズが大きいのに暗い場所が暗く写るのはおかしいというのだ。暗い場所でも、人間の目の感度を上回る撮像素子で明るく写してしまうと言うのが"高性能"みたいな風潮だ。

◆ 勿論設定を変えれば明るくも写るわけだが、そもそもどこの設定をどうすると写真の何が変わるのかが分からない。ボケ味が〜と言っている人でも、深度と絞りの関係が分からなかったりする。

◆ 暗いところを暗く写すか明るく写すか、これも広角レンズの歪曲補正モードみたいに、夜景モードを付けて対処するメーカもある。
まあ、これはこれで良いのかなと思う。夜景モードを選べば、実際より明るく綺麗に写してくれる。

◆ 本物志向になればお子様受けは難しくなる。いつの時代にもこれは難しい問題で、販売量を稼ごうと思えばお子様受けを狙わなければならない。ミラーレス一眼レフカメラなどでも彩度を上げたモードを付けるとか、スマートフォンの表示設定にもいくつかのモードを付けたり、ホワイトバランス設定を付けて白を青いくらいにしてみたりする事が"良い製品"の評価になる。

◆ 写真の味付けに関してDXOMARKの評価には余り出てこないようで、記憶色設定のカメラに関してもそれなりに評価されている。


行列の出来る店(8/12)
◆ ゲームの発売日などに行列が出来る事があった。ヨドバシカメラに列が出来ていて、何事かと思ったらゲームの新作の発売日だったとか。携帯電話やiPhoneの発売日にも行列が出来た。Appleが、あるいはマクドナルドが行列のアルバイトを雇ったなんて話もあったし、そのアルバイトの募集広告が晒された事もあった。

◆ 行列が出来るのは、需給バランスが崩れているからだ。いつでも買えるものなら行列は出来にくい。ただしゲームなどに関して言うと"鮮度"という問題もある。誰よりも早くそのゲームをクリアしたいと思うなら、誰よりも先にゲームソフトを入手する必要がある。

◆ 携帯電話は予約するみたいな事が出来たのだが、予約できない時代もあったと思う。ドコモショップでの在庫数には限りがあり、その日に欲しいとなれば並ぶ必要があったと言う事だ。在庫切れとなれば次回の入荷まで待つ必要があり、それが嫌なら並ぶみたいな。

◆ ただ在庫がないのは店舗であって、倉庫には山積みされていたはずだ。事業者はメーカに台数を決めて発注する。勿論分納になるのだが、初回ロットは相当数を納入するのが普通だからだ。ソフトバンクなど、コミットした台数を納入したメーカに対して"売れないから返品する"と、無茶苦茶な事を言った。これが国内メーカのソフトバンク離れにもつながった。

◆ ソフトバンクは、メーカーが売れると言って持ってきたから契約をしたが、結果として売れなかったのだから(売れないものを作った)メーカが責任を取るのが当たり前だと言った。メーカが、でも他の事業者さまには売って頂いていますと言ったところで、じゃあその事業者に持って行けと言って話にもならなかったそうだ。

◆ その後も毎週発注みたいな事を行い、在庫が少なくなったら次の1週間分を発注するという、これも携帯電話商売にとっては異例の仕入れを行った。ソフトバンクの機種はいくつかあるが、ソフトバンクショップで在庫を持っているところはないなどと言われたのがこの頃だ。

◆ 逆にドコモやauはコミット台数をキッチリ仕入れるわけだから、売れないモデルは山積みとなる。これはスマートフォン時代に入ってもしばらく続き、一部は安売り用に回された。ただ当時のスマートフォンは、まさに日進月歩であり古いスマートフォンの価値は急速に失われていった。

◆ 甘い汁をすする許認可事業と同じく、事業者頼みの携帯電話メーカは、独自に販売する力を持たなかった。更には競争相手が世界のメーカとなるスマートフォン時代には、PanasonicもNECも事業撤退という道を選択せざるを得なくなった。

◆ 日本が独自の規格ではなく、グローバルな規格を採用していたら、携帯電話メーカの生き方も違ってきたと思う。ただし様々な機能の実装などは遅れた事だろう。PDCで独自の進化を遂げた事により、世界で最もリッチな携帯電話が出来上がったのだ。

◆ iPhoneなどは品薄商法などとも言われた。Appleは販売価格から販売法まで綿密に指示をすると言われ、世界を一つにしたAppleワールドを作るために様々な演出を行う。ただそれも時代と共に崩れてしまったのはシェアの低下と無関係とは言えまい。


携帯電話(8/11)
◆ 従来型携帯電話でいくつか印象に残っているものがある。一つは三菱製の携帯電話で、通話路が開かなくなるバグがあって困った。ドコモに言ったところでバグを認めるはずもなく、それを最後に三菱製を使うのはやめた。

◆ F209はカラー液晶を搭載したモデルで新鮮だった。と言っても今の液晶とはほど遠い表示品質のSTN液晶だった。重さは63gと、小型軽量化に力が入っていたのもこの時代だ。

◆ 2001年には同じ富士通製であるF503iを使うはじめる訳だが、たまたま通りかかったドコモショップに行列が出来ていて、何かと思ったらニューモデルの発売日だった。あの頃は新機種を求めての列が出来ていた。

◆ いわゆる着メロも和音時代に入った頃で、カタログに和音数が掲載されていた。このF503iが私が使ったストレートタイプの最後になる。折りたたみは大きく重く、その後に使用したNEC製のN503iSは105gもあった。

◆ 折りたたみの中ではN904iが印象に残っている。実はこれも発売日か発売直後に買っている。海外出張帰りに立ち寄った量販店で売られているのを見て、新規契約したような気がする。新規契約だとタダ同然で手に入ったような時代だった。その番号を後に2in1に持っていくが数年で解約、更にソフトバンク契約の番号をMNPでドコモに持ってきて2in1を再契約、2in1サービス廃止後はサブ番号として今も使っている。

◆ N904iはイタリアのデザイナが手がけたという、シンプルなものだった。それまでは曲線を使った丸っこいデザインだったのだが、N904iは弁当箱みたいな形状だった。

◆ その後NECはスライド式だとか、スライドして回転するタイプだとかを出すも重く大きくなるばかりみたいな感じだった。シンプルに戻ったのは2010年のN04Bだったが、処理速度が遅くて使いにくかった。この頃だったか、携帯電話に(バグで暴走したときの対策として)リセットボタンが必要だとauが言い始めたり、クーリングファンが必要だと言われたりした。

◆ 2012年にはスマートフォンのN07Dを買うのだが、実はスマートフォンはこれが初めてでは無い。タダ配りしていたiPhoneを使った事があったからだ。ただ当時のソフトバンクは圏外だらけで、横浜でも使えない場所が多々あった。

◆ N07Dは軽量薄型は良かったのだが、何しろバッテリーが持たなかった。発熱もあり、出来は悪かった。その後Xperia Aを買ったのだが、NEC製よりずっとまともに動作した。

◆ ここからXperiaをメインとして使う日々が続いている。SIMフリーモデルなどは色々使ったが、今も使っているGALAXY A7は安価な割に良く出来ている。さすがに処理能力は低いが、ゲームなどをやらないのであればさほど不満無く使える。

◆ 使い捨て感覚であれば事業者オリジナルなどが安いとは思うのだが、サポートや修理に不安がある。楽天モバイルの場合は修理は行っていないようで、交換になるのだとか。修理費用は1〜2万円との事で、保険(年額換算8,580円)に入っていれば6千円で済む。というか8,580円+6,000円だから14,580円であり、自費修理と変わらなかったりして。


Xperia1 IIIの次(8/10)
◆ だいたい2年ごとにスマートフォンを買い換えていて、XperiaZ4→XperiaXZ Premium→Xperia1→Xperia1 IIIとなっている。CPU性能は以前は2年で2倍くらい、今は2年で1.5倍くらいの性能になる。

◆ 画面解像度はXperiaXZPremiumが2160×3840で最大かな。Xperia1は1644×3840になった。Xperia1よりXperiaXZ Premiumの方が全体的に出来が良かった感じがする。Xperia1は指紋センサが壊れた。XperiaZ4は約4年ほど使ったが、タッチ切れが起きた。

◆ Xperia1とXperia1 IIIは細部の違いはあるのだが、処理能力を必要とするアプリを動かすわけでもなく、前モデルと変わらないと言ってしまうのは少し違うのだが、でも以前に新しいスマートフォンを入手したときに感じたような、処理能力の向上は感じなくなった。

◆ 次に買い換える頃のXperiaはVになっていると思うのだが、そのタイミングで買い換えずにVIまで待っても良いのかも知れない。"買い換えた感"を味わうには、もはや2年ではダメかも。

◆ Android自体もやっと落ち着いてきた感じだ。以前はバージョンが変わると操作性も変わるみたいな事が普通に起きていたが、最近はそれもなくなった。
OSとして優れているのかというと疑問を感じないでもないというか、改悪している面もないとは言えない。それでも落ち着いてきた事に違いは無い。

◆ 2年後にどのくらい5Gのエリアが広がっているのか。都市部では面でエリア化されているかも知れないが、ミリ波の使える場所は限られるだろう。人口密度の高い駅や商業ビル、近郊連絡線沿線などで使えるようになっている筈だ。

◆ この山の中で5Gが使えるようになるのは、4Gの停波に伴って、だったりして。
ゲームのダウンロードなどには速度も必要だろうが、それ以外では50Mbpsも出ていれば困る事はない。リッチコンテンツと言ったって、FTTHのスピードもあるわけだから無限に大きなサイズになるわけでもない。

◆ 今はXperiaを使っているが、スマートフォンとしての出来の良さと言う事で言えばGALAXYの方が上だ。日本では売れない部類ではあるが、機械としての出来は良い。まあバッテリー燃えちゃう事件など、バッテリー絡みの不安はあるし、中韓ものはセキュリティが不安だという方も少なくはない。

◆ 国内メーカには頑張って貰いたいのだが、国際競争力という点で力不足は否めない。価格の話になれば中国勢が出て来てしまうわけだし、中国メーカは開発のペースも速いので中々太刀打ちできない。

◆ しかし日本の高度成長期が終わったように、中国の経済状況が変わるかも知れない。中国の次が出てくるかも知れない。小型軽量高性能で低価格という、日本メーカのお家芸は中国に持って行かれてしまったが、その中国もいつかは守りに入る日が来る。

◆ 2年後或いは3年後に楽天モバイルがどうなっているのかも気になるところだ。加入者を増やしているのか、どこかに売られてしまっているのか。考えにくい事ではあるが、ソフトバンクを抜いて国内3位の移動体通信事業者になっているとか。


何故相場に負けるのか(8/9)
◆ 私は株式投資は余りやった事はないのだが、株で大損をして家を売らざるを得なくなった人も知っている。その人が株をやっていたわけではなく、奥様が投資していた。

◆ 相場なんて儲かるときには儲かるし、損をするときには損をする。儲けのペースに比較して損失が早いのは、人の心理によるものだと思う。

◆ 1,000円で買った株が2,000円になったとする。2倍も儲かったから良いかな、このまま放っておいたら又下がるかも知れないな、だから言ってしまおうと手じまう。しかしその株は5,000円になるかも知れない。

◆ 1,000円で買った株が800円に下がったとする。損切りすればいい話だが、明日には又持ち直すかも知れないと追い証を突っ込む。明日下がっても、更にその次の日には上がるかも知れないと思って持ち続ける。そしていよいよ証拠金が足りなくなり、しかしここでやめたら今まで突っ込んだカネが無駄になると、借金をして支える。だが結局株は上がる事無く、損失だけが現実のものとなる。

◆ こうして借金が嵩み、返済が出来ずに自宅を売る事になったのが、その知人の場合だ。それでも株で儲かっているときには良い思いが出来たのだからと、ご主人は諦めムードだった。

◆ 勿論収支がマイナスだから家を売る事になったわけだが、だからといって奥様を責めてもカネが戻るわけではない。資金を貯めて又投資の道に行くのか、それともひっそりと静かに暮らすのか、どちらも人生である。

◆ ソフトバンクグループだって、大赤字になったり空前の利益を出したり、めまぐるしい。これがまさに投資の世界と言う事で、何かの拍子に大儲けも出来るし、運が悪ければ大損になる。

◆ 在庫や設備投資の大嫌いな孫さんは、実業よりも投資が好きなのだ。投資先の企業の株が下がれば、それは不良在庫みたいなものだが、不良在庫をしまっておく倉庫が必要なわけでもない。

◆ 投資であれば設備投資やランニングコストなしに利益が手に入る可能性があるが、実業はそうは行かない。設備投資をしたところで、それが回収できるかどうか分からないのはADSL事業で十分に懲りている。

◆ 孫さんには類い希な才能があるから投資で儲かっているが、普通はそうは行かない。ジャンク買いの楽天など、買うのも遅ければ捨てるのも遅い。孫さんは調子の良い事を言って買い、それがさも価値があるかのように宣伝し、みんなが興味を持ち始めた頃には売り払ってしまう。

◆ 長期保有を約束して買った銀行も、税金を突っ込ませて少し元気にしたら売ってしまった。孫さんにとっての長期保有とは数年や十数年ではなく、数ヶ月から十数ヶ月の事を言う。その位のスピード感と冷徹さがなければ投資はうまく行かない。

◆ それでもスプリント買収では失敗しているわけで、米国の人々は日本人のように簡単には騙されてくれなかった。ネットワークは改善できた、エリア問題は解決すると言ったところで、実際がダメならダメでしょ、ソフトバンクは嘘つきだね、アジア人は言う事だけは立派だけどね、実力はゼロだねで終わりだ。


落下テストが面白かった(2)(8/8)
◆ 落下テストばかりでなく、自動車のクラッシュテストだとか油圧プレスによる破壊テストの動画なども観る。これにこの方向から力を加えるとこうなるのか、みたいな感じで、想像と異なる壊れ方をするものもあった。

◆ 残念ながらこの手のテスト動画の殆どは海外のものである。日本のYoutuberには出来ない事なのか。スマートフォンの落下テストにしても、そのメーカが行っているデモ動画的なものが多い。

◆ 個人で行っているものも、複数の比較ではなく1つのものをテストするものが多く、メーカからの協賛などがあるのかも知れない。海外の動画だとより高い所から落としてみるみたいな、ヘリコプターから落とすなんてのもあった。

◆ 高いところから落としても空気抵抗で速度は決まるので、見た目のインパクトというかタイトルのインパクト以上のものにはならない。

◆ 落下テストで意外に好成績だったのがApple純正のケースだ。シリコン製は柔らかいので他のメーカのものでも耐衝撃性は良いのだが、ポリカーボネイトのケースでも落下に耐えた。Apple純正はそれなりに考えられているのかも。

◆ 耐衝撃性を求めるならばαゲルみたいな素材がある。衝撃吸収樹脂などはスポーツ用のシューズなどにも使われている。衝撃吸収はエネルギの無駄だとばかりに、吸収ではなく反発素材を使ったシューズもある。衝撃吸収素材は(当然のことながら)振動を吸収するので、防音や防振にも使える。

◆ 水溶き片栗粉のようなダイラタンシー性とは逆のチクソトロピー性を有する合成樹脂もある。元々プラスチック類はチクソトロピー性があって、その為に成形用の型にうまく流し込める。流速を早めると粘性が減少して、型の隅々まで入っていく。

◆ 金属などはこれとは逆に、強い衝撃を受けると変形しにくくなる。この特性は自動車の衝突安全性に寄与している。衝撃を受ける速度に応じて硬さが変化すると、強い衝撃でも一気に変形してしまわなくなる。

◆ 衝撃ではなく振動の話になるが、質量則からすれば比重の大きなものは制震作用が高い事になる。防音材として鉛のシートが使われるのはその為で、他の材質と比較すると10倍以上の透過阻止作用があるそうだ。ただし音の反射の問題や鉛シートに隙間が出来るとそこから音が漏れるなど、施工に注意する必要がある。鉛で囲うのはいわゆるシールドルーム的な考え方であり、吸収材を使った電波暗室とは原理が異なる。

◆ スマートフォンのケースにしても"固いから丈夫"みたいな宣伝はよく見かける。金属の何倍も強い繊維だとか、高強度アルミ合金とか。厚さ1cmのシリコンゴムで包んだ玉子は割れなくても、厚さ1cmの鉄板で包んだ玉子は落とせば割れる。

◆ チタンは強いよと言う動画、チタンで作られたスマートフォンケースは$3000もするというのもあった。ポケットの中で折れ曲がろうとしたり、踏みつけて壊れるのを防止するなら強度の高いものがあれば良いが、何を目的とするのかがよく分からなくなってくる。


落下テストが面白かった(1)(8/7)
◆ スマートフォン用のケースの落下テストに関して以前に書いたが、破壊的なテストが面白くていくつか見ていた。面白いというか、壊してしまうのだからそれなりにコストもかかっている。

◆ 落下テストの場合は、落下の方向や衝撃を受ける部分により、テスト結果が異なって来るのは致し方ない。同じケースを何度もテストしてみれば良いのだろうが、それは余りに面倒だ。

◆ 衝撃の加わり方も運のウチと思って見るのが良いだろう。米国のテストらしく銃で撃っちゃうとか爆破しちゃうなんて動画もあった。アラミド繊維のケースも銃で撃たれたら穴が開く。

◆ 防弾チョッキに使われていますよと宣伝されているが、材質が同じと言うだけで防弾効果があるわけではない。アラミド繊維の薄型ケースは衝撃吸収効果が無いので、傷の防止効果はあったとしても落とせばスマートフォンが壊れるかも知れない。

◆ ケースの用途が何であるかを考えて選ぶ事は必要だ。落としたときの保護であればシリコンやTPUの厚めのものが良い。TPUに金属フレームを入れたものなど、かなりゴツい感じになるが丈夫で保護能力が高い。

◆ 例えば登山などを考えた場合、スマートフォンが壊れては困る。岩場に落とす事があるかも知れないし、石にぶつけるかも知れない。こう考えれば画面も保護された堅牢な構造のケースが欲しくなる。使い勝手だとか重さや大きさよりも、壊れない事が第一だからだ。

◆ ケータイwatchの記事だったか、アラミド繊維ケースにTPUのケースをかぶせて使う(持ち歩く場合)という記事があった。まあアラミド繊維製は衝撃に弱いし傷も付くし、何より高価だからそれを守る為のケースを付けないとね。

◆ と思ったらガラスフィルムを何枚も貼ったテスト動画もあった。ガラスは透明度がさほど高くないので、20枚も貼るとかなり暗くなってしまう。というか20枚って相当な厚さだ。ネタ的テストには良いが実用的でないのは当然である。

◆ ガラスフィルムだけのテストで、上から鉄球を落とすものなどもあった。ガラス板の中央に鉄球が落ちれば持ちこたえられるのに、運悪くエッジに鉄球が乗ってしまうと一瞬にして木っ端みじんだった。

◆ 落下テストには、ケースが軽い事も重要かなと思ったりした。重ければ衝撃が強くなる。大きければ風圧で落下速度が落ちる。落下テストだけを考えれば、最適な形状があるはずだ。

◆ 決められた材料を使って何かを作って強度を競うようなコンテストがあるが、目的を絞れば様々な手法が考えられる。って、スマートフォンのケースの目的は何だという話になってくるけど。

◆ 例えばSpigenのエアクッションテクノロジーは、ケースの四隅にエア溜まりを作って衝撃吸収力を高めたとある。でも実際には落下テストでiPhoneはぶっ壊れた。他のケースでは大丈夫なものが、Spigenではダメだったのである。

◆ エア溜まりを主張するSpigenだが、カッターで切ってみたらエア溜まりなどなかった。落下テストの成績も悪かったし、Spigenの言う事はどうにも信じがたい。


衛星コンスタレーション(8/6)
◆ 破綻したOneWebに再投資したソフトバンク、これは楽天モバイルを意識したものなのだろうか。OneWebは約4.8万基の低軌道衛星を打ち上げると2020年の5月にFCCに申請を行った。しかしその後7千基に縮小するとした。

◆ ソフトバンクは2019年に約5億ドルを、破綻後にも数億ドルを投資した。
OneWebは2022年末までに648基の衛星を使ったサービスを開始するとしている。OneWebの経営破綻時に打ち上げられていた衛星数は74基だった。

◆ 利用周波数帯はKuバンド/Kaバンドであり、専用の機器がなければアクセスする事が出来ない。衛星の高度は1200km程度としており、伝送遅延は50ms程度だそうだ。ダウンリンク速度は200Mbpsを予定しているという。

◆ 後発のSpaceXは既に500基以上の衛星を打ち上げている。最終的には3万基まで増やす予定だそうだ。通信速度は600Mbpsが確認されたという。SpaceXではStarship(次世代ロケット)によって一度に400基の衛星を打ち上げるのだそうだ。

◆ SpaceXの計画では異なる高度に衛星を配置する。最も低いところにある衛星は高度約340kmで60GHz帯を利用する。
その上の軌道は高度約550km、最も高いところを飛ぶ衛星の高度は約1,150kmとなる。周波数帯はKa/Kuバンドだ。

◆ 楽天が投資するASTは、既存の衛星による通信サービスとは異なり、LTEの割当周波数をそのまま使おうとしている。これによって特別な機器無しに衛星アクセスが可能だとする。

◆ ASTが2020年時点で公表しているデータだと、衛星は243基と他のサービスより圧倒的に少ない。高度は約730kmだそうだ。
アンテナは直径が約24mと巨大で、NASAは衛星やスペースデブリとの衝突の危険性があると指摘する。

◆ 高度700km前後の軌道は、中国が衛星破壊実験を行った事によって5000個以上のゴミがあるとされる。ここに直径24mもの物体を置けば、毎時数個のゴミが衝突する可能性があるという。

◆ アンテナの大型化によるマルチビームを形成し、地上に於けるセル半径を数kmまで小さくするとしているが、総務省が公表した数値によれば、セル半径は12kmとなっている。もしかするとこれは、今年打ち上げ予定のフェーズアレイ実験機の直径約10mのアンテナのものかも知れない。

◆ ASTは2023年にもサービスを開始したいとするが、その時の衛星数は20基程度となり赤道地域がその対象だそうだ。衛星数243基の中の20基でサービスインするのか?今ひとつよく分からない。楽天は総務省に対して2022年度末にサービスを開始したいと資料を提出したそうだ。ASTの計画を前倒しにした楽天の計画とはいったい何なんだろう。

◆ ASTのダウンリンクは1.7GHz帯で行われるため、それ用の移動局免許が必要になる。また周辺諸国間での干渉問題等も解決する必要がある。既存のシステムをそのまま使うには無理もある(遅延制御など)のだが、うまく行くだろうか。

◆ 遅延があるので通信速度は余り上がらないが、音声を通す事は十分に出来る。これによって見かけ上のエリアカバー率は100%と言う事も可能になる。


スマートフォン用CPUの性能向上(8/5)
◆ 5年前くらいまでは、スマートフォンのベンチマークスコアは、2年ごとに性能が2倍以上になっていた。2倍になると使って分かる程度の差と言える。これがXperiaXZ PremiumからXperia1では1.7倍程度となり、Xperia1からXperia1 IIIでは1.5倍程度になった。

◆ 性能向上の限界が近づいてきている。ベンチマークテストの数値はCPUの演算能力だけではなく、描画性能やメモリスピードなども関係する。画面解像度が上がればベンチマークスコアは下がる。

◆ Snapdragon888は前世代比で25%の演算能力アップだと言っている。CPU性能は25%上昇に過ぎないが、GPU性能は73%向上したという。CPUもそうではあるが、GPUは演算ユニット数を増やすなどで処理能力向上の余地がある。

◆ メモリアクセス速度などはPC同様で、メモリ自体の改善やバス幅、インタリーブアクセスなどでも改善できる。こうした事の積み重ねでトータル性能を上げていく事になるが、それでも性能向上は緩やかになっていくと言う事だ。

◆ 一方で通信速度は世代ごとに向上する。無線通信に於いてGbpsの処理を行うのは結構大変である。MIMOの膨大な演算処理も高速で行わなければならない。LTEの規格が制定された当時、MIMOの演算をどう行うか、どの位の処理を間引いても性能が出るかなどが検討された。

◆ 高速処理は消費電力も大きくなる。4Gの信号処理よりも5Gのそれの方が消費電力は大きい。ドコモなどは理論通信速度の1〜2割の実効速度が出れば良いと言っているが、これを5割程度まで上げられれば5Gを使うよりもお得になる。

◆ 実効通信速度は、国際的に見ても日本は余り速くはない。人口密度が云々などと言われるが、今やどこの国でも混雑地域があり、スモールセル化が進んでいる。5Gのエリア整備と共に、日本に於ける移動体通信ネットワークは後れを取っている。

◆ 2025年頃には5Gが使える場所はかなり増え、辺鄙なところ以外では5Gに接続できるようになっているだろう。ただし通信速度が速いかどうかは分からない。4G用の割り当て帯域を5Gに転用するエリアなどでは、通信速度は4Gと変わらない。

◆ 高速・大容量・低遅延として宣伝している5Gだが、実際にサービスが始まると何が違うの?との声が聞かれるようになる。
そもそもエリアが狭くて5Gを安定的に使い続ける事が難しい。5Gを使える場所はあっても、移動しながら使い続けられるエリアは限られている。

◆ 2025年頃のSoCのAntutuスコアは160万位と予想しておこう。都市部に於ける5Gの実効速度は400Mbps前後と、現在の3倍くらいは行くかな。ピークが出る場所があったとしても、平均(中央値)としてはさほど速くはならないだろう。

◆ ドコモも最近言い始めているが、5Gが低遅延だと言っても地上系が遅いから恩恵が少ないと。その為に、低遅延が必要なサーバはローカルに置いておく必要がある。こうした事もあり、低遅延だ低遅延だと余り言わなくなった気がする。

◆ 2025年より前、2023年には楽天が衛星によるサービスを開始する事になっているが、従来の固定局免許ではなく移動体免許が必要になる。それ以前に衛星数や制御や電界強度や遅延の問題があるけど。


SUB6割当周波数(8/4)
◆ 4GHz帯の5G用割当周波数は、3.6GHzから4.6GHzと広い。ここに4事業者の割り当てがある。この周波数帯は衛星通信との干渉があるため、既存の無線局に影響を与えないように対策を講じる必要がある。

◆ ドコモが獲得した3.6GHz帯は、割り当てに際してソフトバンク以外の事業者が希望した。ソフトバンクはIM(相互変調ひずみ)の関係があるとして、割り当て希望優先順位トップにはしなかった。どの周波数帯とのIMなのかは分からないが、CAで使う事を考慮すると使いにくいとあった。

◆ 3.6GHz帯は国際バンドとして欧州でも使われている事からも人気が高かった。同じく欧州で使われている3.7GHz帯はKDDIが獲得している。楽天モバイルは周波数が低い方が電波が飛びやすいと、少々アレな理由で周波数の低い方から希望した。割り当てられたのは3.8GHz帯である。

◆ ソフトバンクは第一希望から第三希望を他の事業者に取られてしまい、第四希望となる3.9GHz帯を獲得した。なおドコモは4.5GHz帯を、KDDIは4GHz帯を合わせて獲得した。ドコモの4.5GHz帯は衛星干渉が全くないわけではないが、電波高度計と公共業務用無線に限られるので、他の周波数帯よりは干渉対策が楽だと言える。

◆ 楽天モバイルは4GHz帯や4.5GHz帯を希望せず、ソフトバンクは4.5GHz帯を希望しなかった。割り当てを受ければ整備を行わなければならず、加入者数や設備投資額を考えた場合に、希望すべきではないという判断だ。

◆ ドコモは干渉の少ない4.5GHz帯でエリア化を進める。3.6GHz帯と4.5GHz帯で200MHz幅になる。ミリ波は27.4GHzから27.8GHzの400MHzを使う。5G用の周波数帯のすぐ下は4G用としての割り当てがある。帯域は40MHzしかないが、auとソフトバンクはこの周波数帯も5Gで運用するとしている。

◆ KDDIが山手線沿線で5G整備を進めるが、人口密度の高まる電車内や線路沿いなどは5Gの広帯域が活かせる場所でもある。イベント会場なども同様だが、イベントは常に行われているわけではない。イベント会場などでは従来通り、移動基地局や臨時に設置する局などで対応した方がコスト的にもメリットがある。

◆ 一方で電車の混雑は毎日の事であり、これまで通信速度が低下していたその場所でも5Gなら快適となれば、アピール度は高い。他社に先駆けて整備する事によって、他車は遅いのにauは速いねと評価される。アンテナの設置場所も先取り優先である。

◆ 集合住宅や集合住宅密集地でも速度低下が起きやすいのだが、衛星干渉を考えると5G用のアンテナの設置角度も問題となり、高層建造物ではサービスしにくくなる。

◆ 伊豆市でもオリンピック自転車競技会場のベロドローム周辺は、ドコモとソフトバンクが5Gエリアになっている。楽天モバイルもエリア化予定だったと思ったのだが、ソフトバンクとの訴訟問題からなのかエリア予定ですらなくなってしまった。

◆ そもそもエリア拡大予定のスケジュールが、来年3月までに拡大予定ですとなっている時点が楽天である。1ヶ月先のエリア化予定すら守れないのに、来年の話なんて鬼が笑うどころではない。


EVは軽自動車から?(8/3)
◆ 6月だったか、日産と三菱が軽自動車規格のEVを来春発売するとのニュースが流れた。その後は軽自動車こそEVの本命だとか、日本独自の軽自動車でEV技術を磨くとか、少し前まで軽自動車の価格レンジを見るとハイブリッドはおろかEVは無理だと書いていたのに。

◆ 軽自動車も高価格化が進み、高額なものでは200万円を超える。一方でEVは補助金を使って200万円程度で買えるようにするという。だからマーケットは十分に大きいというのが軽自動車規格EV推進メディアの言い分である。

◆ 軽自動車は長距離を乗るものではなく、それこそ近所の買い物だとか子供の送り迎えなどが主たる用途になる。従って航続距離問題も許容できる可能性が大きく、自宅での充電であれば"充電待ち"を気にする必要も無い。

◆ ホンダは2024年を目処に軽自動車規格のEVを発売するという。スズキは内燃機関動力車規制に合わせて、全車をオルタネータモータ方式のハイブリッドもどきにするとしている。

◆ 諸外国ではハイブリッド車も内燃機関動力車と見なされるのだが、日本だけは別だ。モーターを積んでいればエンジンは見なかった事にしてあげるという、トヨタの願いが通じたというかトヨタが政治を曲げたみたいな図式となる。

◆ それでも小型車や普通車は輸出の都合があるので、国内専用にハイブリッド車を用意するというわけには行かなくなる。一方で軽自動車はアジアの一部にしか輸出はしておらず、国内専用車の色が濃い。従って名ばかりのハイブリッドでも通用する。

◆ 欧州の排ガス規制に適合できずに販売中止を余儀なくされたジムニー(輸出用はシエラ)も、リアシートを外して商用車として再度販売を開始した。商用車であればエミッション規制を逃れる事が出来る。

◆ スズキはアルトを商用車として、更には2座として物品税を回避するなど、まさに規制や法律回避を得意としている。勿論コストダウンの本質は車両自体にもあり、47万円のアルトの開発にはビス1本の節約にまで拘ったという。安全性を確保できるギリギリの設計、要らないものは全て外す思想がアルトを生み出した。

◆ 原付ではスズキチョイノリがあった。汎用エンジンをフレームに直付けしたような構造で、リアサスペンションはない。カムは樹脂製で耐久性はない。ヘッドライトはロービーム専用、ミラーは片側にしか付けられていなかった。

◆ 販売価格59,800円は大きなインパクトで、10万台以上を売ったという。しかし排ガス規制の強化に対応できず、姿を消す事になる。チョイノリの軽自動車版でも無いのだが、小型2座のスズキツインもあった。2003年発売でありながら、軽自動車初のハイブリッド車の設定もあった。

◆ ハイブリッド車は価格の上昇を抑えるために、エアコンもパワステも省いた。モーターは5kWだったそうだ。バッテリーは鉛で、12V用×16個を直列にして192Vを得た。しかし販売は振るわず、1万台ほどを売って2005年には姿を消した。そんなスズキがピュアEVを作ったらどんな風になるのかなと思う。


怪しいコーティング(8/2)
◆ 以前のiPhoneはガラスが割れやすく、割れたままの状態で使っている人をよく見かけた。今は余り見かけないので、カバーガラスの強度改善効果は確かに出ている。

◆ 私は今はフィルムは使っていないのだが、化学強化ガラスの強度が上がったのか傷は殆ど付いていない。ディスプレイのカバーガラスがフラットならばフィルムも貼れるが、最近は微妙に湾曲していたりエッジにRが付いているものが増えた。

◆ コーティング剤などもあり、強度が上がると謳われているものもあるが、高々数十μmの膜厚で何が出来るのか。指滑りなどは良くなるとしても、それによって強度が云々は又違う。コート剤はAliexpressで買えば100円だそうなので、使ってみたい方は気軽に試せる。

◆ コーティングビジネスは、フランチャイズ展開で儲けたと言える。フランチャイズ本部の人の話を聞いた事があるが、どうにも非科学的で面白かった。でもフツーの人は能書きを信じてしまうわけで、数年前にはそこそこ商売になったという。

◆ カバーガラスとしては余りにも有名なゴリラガラスは、2012年頃にゴリラガラス2として使われはじめたという。その後薄くする或いは強度を上げるなどの改善が加えられる。化学強化ガラスは、化学処理によって表面強度を上げたガラスで、いわゆる熱処理による強化ガラスとは異なる。

◆ 2016年頃の開発されたゴリラガラス4は、1mの高さから固いものに落下させた場合の破損可能性が2割程度なのだそうだ。これがゴリラガラス5になると1.6mの高さからの落下で破損率が同程度、ゴリラガラス5はゴリラガラス4の1.5倍の強度だという。

◆ 更に2018年に登場したゴリラガラス6は、1mの高さから15回落下させても損傷がない強度だそうだ。比較基準が変わってしまったので今ひとつよく分からないが、ゴリラガラス6はゴリラガラス5の2倍の強度を謳う。

◆ そしてそのゴリラガラス6の2倍の強度を誇るのがGorilla Glass Victusで、2mからの落下に耐えると謳われる。この時のプレゼンでは、従来のゴリラガラス6は1.6mからの落下衝撃に耐えられる程度だったとした。1.6mってゴリラガラス5の時の能書きだったのに??
◆ Gorilla Glass Victusは通常のガラスの4倍の強度だそうだ。え?これもおかしくない?だってGorilla Glass Victusの半分の強度なのがゴリラガラス6で、その又半分の強度なのがゴリラガラス5だから、つまりゴリラガラス5は通常のガラスと同じ強度と言う事になり、だったらゴリラガラス4の立場はどうなっちゃうの?
◆ 仕様的には強度がどうとか、表面硬度がどの位だとかあるのだろう。そんな細かな仕様を持ち出しても分からないだろうから、適当に言っておくか、みたいな?
◆ 表面硬度を鉛筆硬度で表すガラスフィルムを見かける。塗膜の強度として欧州車の塗装が4H程度、モース硬度で言うと3.5位に相当する。鉛筆硬度の最高は9Hで、モース硬度の5程度だ。これはナイフの刃よりも、ガラス(モース硬度6.5)よりも柔らかい。本来は9Hまでの鉛筆硬度だが、最近では10Hとか15Hなどを勝手に作ってカタログを飾っているメーカもある。


最近まで作られていたPepperくん(8/1)
◆ ソフトバンクのPepper君は1年前まで生産されていたらしい。もうとっくに過去のものかと思ったのに、意外に寿命は長かった事になる。と言っても売れるようなものではなく、Pepper部門は人員削減などのリストラ策で忙しいとか。

◆ のべ生産台数は2万台以上とも言われるが、ソフトバンクでは非公開としている。Pepperの最大の欠点はその機能にあった。感情を理解するだかなんだとかと言われていたが、結局の所はプログラム通りに動くものでしかなかった。音声認識能力も低い。

◆ スタンドアロンで動作する事は出来ず、高額な月額費用が必要だった。回転寿司チェーンのはま寿司にもPepper君が置いてあったが、今はより高機能な1台のマシンがPepper君に代わった。その1台のマシンはPepper君にはないプリンタも内蔵され、Pepper君のように度々リセットをかける必要も無く稼働している。

◆ Pepper君は個人への販売も目論んだがうまく行かなかった。ペット型ロボットの方が余程それっぽいし、安価で置き場所にも困らないと言われた。何しろPepper君は運ぶだけでも大変、指定の業者を使わないと契約違反になるなど、何に付けてもカネがかかる。

◆ リースバックのPepper君は外装交換などがされ、次の職場に向かう。が、最近ではPepper君の就職難と言う事で、もはや商売として成り立たなくなった。ソフトバンクでは、コロナ禍における需要の低迷だとした。

◆ Pepper君がもう少し売れてくれたなら、次期モデルも開発されただろうし、機能の改善も行われたと思う。しかし悲しいかな、初代Pepper君の人気が今ひとつでは、次期モデルの開発どころではない。ソフトバンクは2012年にアルデバラン社を買収したわけだが、これは投資の失敗にカウントされるだろう。

◆ ソフトバンクは米国のボストンダイナミクス社も買収した。犬型ロボット的なものを開発していた企業だが、これは韓国企業に売り払った。買値は非公開だったと思うが、1千億円から2千億円の間ではないかとする記事があった。なお売却額は900億円程度だそうだ。

◆ そもそもボストンダイナミクス社はGoogleが持っていた。アルファベットのロボット好きが買ってみたのだが、開発方針の違いなどもあって仲良くは出来なかったとか。軍事用ロボットなどの開発計画も期限切れとなり、そこにソフトバンクが現れたので売った、みたいな話なのかな。

◆ 軍事用とは言わないけれど、産業用のロボット開発にシフトすれば道は開けたかも知れない。確かに人型ロボットなどは見た目のインパクトはあるが、余程優れた機能が無いと使い道がない。その点で軍事用にしても産業用にしても、目的の決まった機械であればターゲットを絞った開発や販売が出来る。

◆ 従来型の機械では限られた部分の限られた作業をこなす用途だったが、汎用性を持たせた処理なり作業なりが可能になれば機械の価値は向上する。ロボットと一口に言っても幅広いわけで、目的感なく開発しても中々売れないだろう。そう言う意味で軍事用はコストもかけられるし、多くの技術も投入できる。軍事産業に足を突っ込む事が企業としてどうなのかとは言われるだろうが、商売として成功すれば大きい。