MVNO利用者数減少(2/8)
◆ 一昨年、昨年とMVNO契約者数は減少している。一つの理由としてMNOの料金低廉化があるのだが、MVNOをMNOがサブブランドとして吸収或いは楽天モバイルやLINEモバイルのようにMNOサービスへの移行を促している事も大きい。
◆ しかし逆にドコモのエコノミーMVNOはドコモからMVNOへの移行を促すものであり、MVNO契約者増の要因となる。しかし他のMVNOからすれば客を奪われる要素が増えるのだから厳しい。雨後の竹の子の如く乱立したMVNOなのだが、競争が激化し生き残りが難しくなる。
◆ MVNOが増えたのは単純に儲かるからだ。莫大な設備投資をする事なく移動体通信事業が行え、多くの顧客を獲得すればスケールメリットが生まれてより効率よく儲ける事が出来る。しかしMNOの値下げによりMVNOも値下げせざるを得なくなった。
◆ それでも赤字でサービスを提供しているわけではないし、値下げしたからと言って通信速度が遅くなったわけでもない。通信速度に関しては他社との競争もあり、一時期より速くなっている。混雑時間帯にはWebアクセスも出来ないほど遅くなるとか、ブラウザがタイムアウトするなんて事はなくなった。
◆ MNOが利益を削ったのと同じくらいMVNOも利益を削ったと考えるのが良いだろう。MVNOのシェアトップはIIJで次がOCNとなっている。これもエコノミーMVNO戦略で順位が入れ替わる可能性もある。3位はオプテージで2021年前半はここに楽天モバイルが存在していたが、MNOへの移行が進んで順位が変わった。
◆ MVNO利用者の半数近くは利用者数数十万人以下の事業者を利用している。この中にはmineoなども含まれる。静岡県ローカルTVではTOKAIコニュニケーションのLIBMOというMVNOのCMを流している。料金は1GBまでが1,078円と安くはない。
◆ 安くはないからTVCMのコストが出てくるのかも知れないが、今後は解約数が増える事も考えられる。今後というのは、LIBMOには縛りがあり、1年以内の解約では10,450円を取られるからだ。MVNOの解約金の平均は3千円程度だそうなので、それに比較すると随分高い。
◆ 加入すると1万ポイントが貰えるみたいな、ポイントバック戦略も採っている。このポイントは料金支払いに充当出来るという事なので、要するに1年目の実質値引きが行われるわけだ。顧客獲得費用をどの位に見積もっていくかもMVNO次第、MNOより競争の激しい世界が出来上がっている。
◆ そのMNOの方も加入者増加率が下がったauがpovo2.0で反撃に出た感じがする。ソフトバンクはゼロ円には乗らないと言っていたが、サブブランドの方でゼロ円をチラつかせる。ドコモはahamo契約者数の増加で安心感があるようだし、エコノミーMVNOに解約者を吸収しようとしているが、他社に流してしまうという点で収益率の悪化は避けられないだろう。
◆ だからといって今更安価なプランを出せばエコノミーMVNOの立場はどうなるのかと言われそうだ。そう考えるとエコノミーMVNO戦略自体が間違っているのではないかと思えなくもない。まあOCNをそっくり吸収して加入者を買い戻す手もあるわけだけれど。
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