iPhone投げ売りの仕組み(3/22)
◆ AppleStoreで購入すると約8.7万円が必要だったiPhone12(64GB版)が1円などで販売されている。当初は様々な割引や契約絡みの規定、更には残価設定ローンが必要だった。残価設定ローンは言わばレンタルのようなものであり、規定の日数経過後にはiPhone12を返却する必要がある。
◆ しかし競争の激化なのか何なのか、買い取り価格が1円とか10円に設定されはじめた。ただしMNP等による契約が必須になっている。契約を絡めた価格が1円だとすると、非契約時に於ける端末買い取り価格は22,001円にならなければいけない。端末値引きの上限が設定されているからだ。
◆ 実際に販売店でも契約なしの場合は22,001円である旨が小さく書かれている。では22,001円でiPhoneが買えるのかというと、これは少々難しい。だからといって絶対に買えないとなると、これは法に反することになる。そこで事業者は販売数の制限を設けて安売りを行っている。
◆ 大手量販店で1日あたり数台、規模の小さいところでは週に数台という割り当てだとの話がある。あくまでもこれは事業者モデルであり、いわゆるSIMフリー版ではない。つまり事業者はこれを売ることで数万円の赤字が出るのだ。しかし22,001円での販売実績が無いことには、MNP時の1円が掲示できない。
◆ ハードウエアとしては全く同一な1円のものと22,001円のものだが、多くの量販店では1円のものは在庫があるが22,001円のものは品切れになっている。ヤマダ電機でもiPhone12が1円で売られているが、契約なしの22,001円のものは在庫がなかった。しかも22,001円で買うにも契約が必要だという。
◆ それは話がおかしいのではないか、契約するなら1円ではないかというと、契約の手続きはするが数時間後に解約するから料金はかからないという。新規契約料なども不要だというのがどういうからくりなのかは分からないが、もしかすると即時解約か何かで初期費用のリターンを受けるのかも知れない。
◆ しかしいったん契約したことは記録されるので、何台も購入しようとしても断られることになるそうだ。また今後同じような1円販売品も買えなくなる可能性があるという話だった。これがいわゆる契約なしスマートフォン購入の審査というヤツだ。
◆ ノジマは少々複雑で、MNPの場合に現行のスマートフォンを下取りに出さないと1円では売らないような感じだが、ハッキリ言わない。店によって異なるのかも知れないが、いわゆる寝かせ番号では1円で買えないという。勿論これを回避することは出来て、要らないスマートフォンに寝かせてあるSIMを突っ込んで店舗に持ち込めば良い。
◆ ノジマでも22,001円のものは在庫なしで入荷未定、予約不可能、入荷連絡も不可能、電話での在庫確認にも対応しないとの事だった。契約の話はしていなかったが、端末のみを買う場合も身分証明書が必要だとは言われた。ノジマの店員は(少し分かった客には)ウルトラ無愛想になる。
◆ いずれにしても法の隙を突いたような販売方法であり、今後規制される可能性がある。日本でシェアを落としたくないAppleが事業者に無理を強いているのは明らかなわけで、再び契約者はApple税を払わされることになりそうだ。
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