OCNエコノミー(4/5)
◆ OCNエコノミーを検索すると、まず間違いなくドコモのエコノミーMVNOが出てくる。"OCNエコノミー"とすれば1996年の12月に開始されたインターネット常時接続サービスが出てくる。
◆ これはISDNをベースとした常時接続サービスで、最大128kbps(128Mbpsではない)の通信速度だった。
この128kbpsの線が24本まとめられ、128kbpsのフレームリレーで中継局に接続される。中継局からIXまでは100Mbpsの線で接続された。
◆ 月額料金は3.8万円と高額ではあったが、それまでのダイヤルアップに比較して利便性が良いなど、企業を中心に普及が進んだ。ちなみにテレホーダイは1995年に開始されていて、それまでは従量課金のダイアルアップが唯一の接続方法だった。
◆ テレホーダイは月額1,800円で、23時から翌朝8時までが使い放題になった。日中は満足な速度(モデム接続なので20kbpsとか30kbps)が出るISPでも、テレホーダイタイムになれば多くの人が一斉に接続してくるために、通信速度は1kbps以下にまで落ちる事もあった。
◆ OCNエコノミーで接続したとしても、最大速度は128kbpsなのだが、当時としては十分すぎるほど高速だったのだ。今でこそ画像を貼ったりインタラクティブな仕組みを実装したりで巨大容量化するホームページが当たり前だが、当時はテキストオンリーか写真サイズも小さく枚数も少なくして、軽いページの作成を心がけたものだ。
◆ そんな中で自動車メーカのホームページなどは写真が多用されるなど、低速回線からのアクセスを拒否するかのようだった。デザイン優先で、見る側の事が考えられていないというのが、何とも自動車メーカらしかったと言える。
◆ povo2.0は高速通信権を買わないと128kbpsに制限されるので、当時のOCNエコノミーと同じである。F&Fのテキスト主体のページであれば余り不都合なく見られると思うが、最近のリッチなページを見るのは辛い。povoのページすら中々開く事が出来ず、トッピングを買うにも一苦労だ。
◆ OCNエコノミーが始まったのが26年前なのだから、その間の技術革新は凄かったと言える。更にはOCNエコノミーの月額3.8万円が高額に感じられなかった時代、バブル崩壊後とはいえIT産業を中心に多少活気のあった時だった。
◆ インターネット常時接続はその後ADSLが増える事になる。ソフトバンクによるモデム配りどころかモデム押しつけ商法が問題になる。これによりソフトバンクはADSL加入者を増やすのだが、顧客獲得コストが重荷となって赤字が続く。
◆ 他社妨害の一環としてソフトバンクは実使用以上の端子確保を行う。これによってNTTは高額な設備投資を強いられる事になり、ソフトバンクに端子を取られてしまった他の事業者は接続までに長い時間がかかることになった。
◆ しかしソフトバンクは端子の用意が出来た時点でこれをキャンセルする。この時にはソフトバンク対策として、NTTは端子確保の保証金を取るようになったのだったかな。しかしソフトバンクの悪事はその後も続く。
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