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過去の雑記置き場


日本のEVの未来は明るくはない(10/1)
サーキットテスター(10/2)
検索順位の闇(10/3)
クラウンはクラウンで良い(10/4)
空き端子の処理(10/5)
マルチバイブレータ(10/6)
メッキパーツ(10/7)
楽天モバイルと800MHz帯(10/8)
米作農家(10/9)
理論は分かっているべきなのか?(10/10)
McAfeeはGoogleがお嫌い?(10/11)
ミリ波の使い道は?(10/12)
ジムニーロングの噂(10/13)
Starlink(10/14)
ブレーキのフェード(10/15)
iPhoneシェアの高い年齢層(10/16)
車の作り方(10/17)
Felicaは滅びるのか(10/18)
eSIM(10/19)
IoT家電?(10/20)
時代と周波数(1)(10/21)
時代と周波数(2)(10/22)
リニア問題(10/23)
停電の問題?(10/24)
iPhoneシェア(10/25)
JASRAC裁判(10/26)
間違い電話(10/27)
再生検波・超再生受信機(10/28)
Lightningはどうなる?(10/29)
セルフレジ(10/30)
中国EVの安さ(10/31)


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中国EVの安さ(10/31)
◆ 中国製のEVが数十万円で買えるのだそうだ。中国のEVメーカは日本企業への売り込みも行っていて、自動車販売店や修理工場向けに説明会も開いている。

◆ 中国製のEVでも数百万円クラスの車はそれなりの販売網を構築するらしいが、数百万円出して(日本人が)中国製EVを買うかというと疑問がある。

◆ しかしそのEVが50万円だったら、あるいは30万円だったらどうか。こうしたレンジを売り込もうとする動きが活発になっている。日本の経済低迷に目を付けたではないが、安ければ多少難があっても売れていくという、中国製品の日本に於ける売れ行き傾向みたいな所を狙ったわけだ。

◆ ラジオもエアコンもないけれど、普通に走って普通に使えるよというのが中国メーカの弁である。勿論エアコンなどを付けようと思えばオプションがあるのだが、航続距離が短くなるので(取り付けを)推奨しないのだとか。

◆ 安い車に色々付けて高い車にしてしまうのではなく、安い車だと諦めて乗る方がお得ですよと言われると、なんとなく納得出来てしまったりする。

◆ 確かに安ければ売れると思うのだが、問題は安全性である。韓国製ほどではないとしても、中国製EVの販売台数辺りの火災事故率は小さくはない。最近ではLi-PO系や鉄系を使うなど、容量よりも安全性を狙ってきてはいる。特にバッテリ容量の小さな小型車はLi-Feなどが使いやすい。中国の電動バイクが鉛蓄電池を載せているようなものだ。

◆ 一方で韓国製や中国の大型車では、バッテリ容量を稼ぎたいことからLi-ion系を使う。大容量のLi-ionバッテリーなので、火を噴けば大変なことになる。燃焼が爆発的に起きるので、乗員が避難する間もなく車内に煙が充満し、そして発火する。

◆ 日本や欧米のEVの発火事故率は、内燃機関エンジン車より少ないらしいが、内燃機関エンジン車の火災はゆっくり起き始める、燃える速度が比較的遅いので死亡事故になりにくい。

◆ 自動車の発火事故はその自動車だけでは済まない。充電中に火が出れば付近の車や建物まで燃やしてしまう。内燃機関エンジン車は停車中にはまず火が出ないが、EVは充電中に燃える可能性がある。

◆ 消火設備のない屋外の大規模駐車場でEVが火を噴けば、周辺の相当数の車も被害を受ける。中華電動バイクなどは充電していない状態で、駐輪場に置いていた状態で発火したものもある。

◆ こういう発火事故で、自動車保険はどうなるのだろう。火災だから周りのものは保証しないよと保険会社は言いそうだ。対物が適用されたにしても、限度額はすぐに超えてしまいそうだし、(保険屋は)燃えるものの近くに車を止めたアンタが悪いとか、平気で言いそうだ。

◆ 中華EVの発火事故が相次いだと仮定して、現実的に何かが出来るかと言えば難しいだろう。ミサイル化しやすいプリウスだって販売は続けられている。改善要求などは出来たとしても、品質にまで口出しが出来るかどうか。この辺りは法整備を行う必要があるが、品質だとか信頼性は判断が難しい。


セルフレジ(10/30)
◆ ホームセンターなどでも導入が進んでいるセルフレジだが、仕組みとしては商品の重さを量っているだけだ。自分でバーコードをスキャンしてその品物を秤に乗せると、スキャンされた商品と重さの整合性を確認するような仕組みである。

◆ セルフレジによる万引きが多いという話で、一体どうやるのかと記事を読むと似たような別の商品をスキャンする。例えば1,000円で100gの商品の代わりに、別の(家から持ってきた)100円で100g相当の品物をスキャンすることで、金額は900円下がると言う事だ。

◆ 仕組みを騙すという点で考え方は正しいが、家から持ってきた商品のバーコードが、システムに登録されていないものだったりすると簡単にばれてしまう。また他の安い商品のバーコードを貼り付けるという手を使った人もいるようだが、これは重さが違うのでバレる。

◆ 同じ重さで価格の違う商品を複数買い、最も安い商品をスキャンして高い商品を秤の乗せていく方法もある。例えば980円のフライパンと1万円のフライパンを買い、980円のフライパンをスキャンして1万円のフライパンを秤に乗せる。その後980円のフライパンも正しくスキャンして秤に乗せる。

◆ 多少重さの違いがあったとしても、秤の分解能や判断基準があるので、上手く行ってしまう。食品などでは重さが書かれているものが多いので、この手が使われる。スキャンはミカンの缶詰で、秤の乗せるのはキャビアの缶詰、みたいなものだ。プロの万引き犯は手品師のごとくの手さばきで商品入れ替えを行うと言われるが、素人は大抵捕まる。

◆ セルフレジで人件費節約と言うが、セルフレジの導入コストと万引きによる損失を考えると、現状のシステムでは雑すぎると言う事らしい。秤に乗せる商品をカメラで画像確認するシステムなどもあるそうだが、品物が重なったり傾いたりすると認識率が悪くなる。

◆ システムとして良く出来ているのはユニクロなどの使う、RF IDを使ったものだ。これは所定の場所に商品を放り込めば、システムがIDをスキャンして合計金額を出す。人間が介在しないので不正が行えないのだが、RF IDを付けなければいけない。

◆ 海外では紙にCOB的にRDIDデバイスを挟み込んだものも使われている。コストを抑える事と、従来のバーコードラベルに近い貼り付けが出来る。日本の場合は人件費が安いので、あえてセルフレジを導入しなくても良いと考える所が増えたそうだ。少し前まではセルフレジ屋は儲かっていたのに。

◆ コンビニなどの無人化もあるのだが、設備コストと人件費を考えると割に合わないのだとか。現状では機械による処理よりも、混雑時には人員を増やすなどした方が平均売り上げが上がるのだそうだ。無人化の場合は処理の限界以上は客を店内に入れられないことになり、昼休み時間帯など混雑時の売り上げが減る。

◆ 電子化で不正防止効果を上げたのはSuicaやETCではないだろうか。Suica定期券は中抜き(乗車駅1区間と、下車駅1区間の2枚の定期券を使う方法)を不可能にし、ETCは通行券の計画的交換を不可能にした。


Lightningはどうなる?(10/29)
◆ 欧州の規制によってLightningはなくなるのだろうか。来年のiPhoneは未だ大丈夫だが、その次のモデルはUSB Type-Cにせざるを得ないだろう。法律からすればギリギリで猶予期間内に入っているが、Appleもそこまではやらないと思う。

◆ 欧州向けだけはUSBType-Cね、なんて事はもっとやらないとは思うが、そんなことが起きたら(対応BANDにもよるが)欧州向けの並行品が人気になったりして。Lightningは規格的にも古いものなので、そろそろ終わりにしても良いだろう。

◆ Appleも全ての機械でUSBコネクタを使わないというわけではなく、利権に応じて切り替えを考えてきているようだ。Lightningケーブルも昔に比較すればずいぶん切れにくくなったと思うし、安価にもなった。しかしUSBケーブルはそれ以上の進化を見せている訳で、世の中の流れとしてはUSB Type-Cにならざるを得ない。

◆ USB Type-Cを使えば大電力を供給出来ることになり、設計によっては充電時間の短縮が可能になる。Lightningコネクタは給電側の端子が露出していて、少なくともウチにあるケーブルはそこに電圧が出ている。それを金属板に接触させれば火花が飛ぶ。

◆ 純正のコネクタにはスイッチが入っているのかも知れないが、非純正ケーブルを使っている場合は露出端子に電圧が加わっているのだから、上品とは言えない。USB Type-Cだってコネクタの中に金属棒を突っ込めば短絡はするが、端子が露出しているか隠れているかの差は小さくない。

◆ iPhoneがUSB Type-Cを使うようになると周辺機器もそれに応じたものが必要になる。USB Type-Cを(各種制御信号レベルで)Lightningに変換するにはロジック回路なども必要ではないだろうか。周辺機器がどの程度使われているのかにもよるが、場合によっては買い換えを強いられるのかも知れない。

◆ Apple製品以外では、今はmicroUSBコネクタが使われているものが多い。ドライブレコーダなども、ウチにあるものはmicroUSBコネクタが付いている。DCプラグジャックは様々な規格や形状があってややこしいものなのだが、これが将来全てUSB Type-CになればACアダプタのあり方も変わってくる。

◆ 欧州の狙いもそこにあるに違いはないのだが、現時点で決まっているのはスマートフォン/タブレット/eリーダー/デジタルカメラ/ゲーム機/ワイヤレスキーボード/ワイヤレスマウス/イヤフォン/ヘッドフォンに限られる。キーボードやマウスなど、PC関連デバイスのUSB Type-C化はスムーズに行くだろう。

◆ ディジタルカメラはメーカによっては独自規格のコネクタを使っていて、そのインタフェースケーブルが結構高額だというのは、Apple的商売を感じるものがある。この辺りもUSB Type-Cに統一されれば無駄(出費も含めて)がなくなる。

◆ iPhoneは販売台数が多いので話に出てくることが多いのだが、デジタルカメラなどにしたって各社・各モデルでコネクタが違うものもあり面倒なのだ。外形はminiUSBだけれど、付属のケーブル以外で接続しても使えないなんてものもあった。OLYMPUS製はminiUSBっぽい見た目だが、微妙にサイズの違うコネクタが使われている。


再生検波・超再生受信機(10/28)
◆ 超再生受信機は今も使われているというか、IC化しやすいこともあってテレメータ用の受信機などに使われている。超再生受信機は再生受信機の発展型なのだが、超再生ノイズ(クエンチングノイズ)がアンテナから輻射されてしまうので、高周波増幅回路を取り付けるなどしてアイソレートしている。

◆ その再生型受信機なのだが、真空管の価格が高かった1930年頃にはよく使われていたそうだ。これは増幅回路に正帰還をかけて発振ギリギリの所に持っていく。この状態が最もゲインが高くなり、受信感度が上がる。しかし調整を誤ると発振してしまうので受信機として機能しなくなる。

◆ だったら発振した状態と発振していない状態を作り出してしまえと言うのが超再生受信機だ。発振しっぱなしではダメだけれど、発振にはほど遠い程度の帰還量では感度が悪い。で、その双方を行ったり来たりさせてみよう、みたいなものだ。

◆ そんなことをせずにアンプを2段にすれば良いではないかと考案されたのがスーパヘテロダイン受信機になるわけで、再生型受信機とは比較にならないほどの性能になる。ただし部品も多いし真空管やトランジスタも多数必要になる。

◆ 再生型受信機は高周波増幅回路のゲインを上げようとする試みだが、レフレックス回路は1つの真空管やトランジスタを、高周波増幅用と低周波増幅用それぞれに使おうとするものだ。

◆ ハイパスフィルタを通して高周波増幅回路として使い、ローパスフィルタを通して低周波増幅回路として使う。IMだとか色々なことを考えれば通信型受信機には使いにくい回路だが、部品を1つでも減らしながら最大の性能を発揮させたいとする工夫だ。

◆ 超再生の欠点はクエンチングノイズが盛大に聞こえることで、信号受信中はクエンチングノイズがブロックされるが、無信号時はAM受信機でありながらFM受信機並のノイズが発生した。

◆ 1本の真空管や1個のトランジスタの性能を極限まで絞り出すのは、真空管やトランジスタの価格が高かったからである。トランジスタが安価になると6石スーパー(トランジスタ6個を使ったスーパヘテロダイン方式)みたいな感じのラジオになる。

◆ 真空管だと高1中2(高周波増幅1段、中間周波増幅2段)などと呼ばれていた。スーパヘテロダイン方式全盛となって再生式受信機は姿を消したと言える。より安定に高性能が得られる回路が安く作れるようになったからだ。

◆ そして今はダイレクトコンバージョンだろうか。今はIC化しやすい回路が使われる。コンデンサやコイルを使う同調回路はIC化が難しく、よって出来るだけアナログ同調回路を使わない方式が使われる。

◆ フィルタは演算で実現出来るのだが、アナログフロントエンドの歪みはどうしようもない。ADCのダイナミックレンジを大きくするか、あるいはフロントエンドのみSAWやBAW、L/Cのフィルタを入れるなどする必要がある。


間違い電話(10/27)
◆ 間違い電話はたまにかかってくるが、まあ仕方ないことだ。携帯電話だろうが加入電話だろうが、番号を間違えれば違ったところにかかってしまう。個人からの間違い電話は、間違いであることを伝えればそれで済むのだが、相手が法人だと少々面倒なことがある。

◆ 3年くらい前にかかってきたのは名古屋の建築設計会社からだった。その企業の客の電話番号が間違えて登録されているらしく、何度か電話がかかってきた。その都度違うよと説明するのだが、ボタン電話か何かに私の番号が登録されたままになっていたようで、その企業の色々な人から繰り返しかかってきて参った。

◆ 2年くらい前に初めてかかってきたのだが、それは賃貸住宅の保証会社だった。電話番号は確かに私の番号なのだが、登録者名が違う。番号を登録する時点で間違えたのか、あるいは契約者が嘘の番号を書いたのか。

◆ 契約者そのものの連絡先が私の番号にされていたわけではなく、緊急連絡先の実家の番号に私の番号が書かれていたそうだ。で、本当に実家ではないのかとか色々聞かれた。その時点では間違い電話と認識したのか、しばらく電話はかかってこなかった。

◆ しかし半年くらいすると又電話がかかって来た。どうやらその保証会社、間違い電話であるとは思っていなかったらしい。契約者から連絡がなかったかなどと聞かれたが、そもそも間違い電話なのだから説明のしようがない。半年前にもそう言いましたよと言っても、決まりだから定期的に連絡をするという。いや、決まりも何も間違いだから。こうなると間違い電話であることを証明することなど出来ない訳で、面倒だから着信拒否した。

◆ 最近かかってくるのがマンションの管理会社を名乗る電話だ。電話だけではなくSMSも来た。荷物を預かっているから連絡を寄こせというもの。放っておいたら電話もかかってきていて、留守番電話には連絡を寄こせとだけ入っていた。

◆ これが本当の管理会社からの電話なのか否かは不明だ。電話やSMSは携帯電話番号からなので、検索しても何も見つからなかった。マンションの管理会社が携帯電話から電話をして来るだろうか。

◆ カニカニ詐欺などは、携帯電話番号の方が電話に出て貰える可能性が高く、番号の変更も容易なことから携帯電話を使う。ある程度その番号が広まり、着信拒否率が上がって来たら違う電話番号に変えて迷惑営業行為を行う。しかしマンションの管理組合など、公にしている番号であれば携帯電話から電話をしてくるよりも、電話に出て貰える可能性は高くなるはずだ。

◆ 以前の私であれば、その電話番号宛てに折り返し電話をし、間違いであることを知らせた。しかし上に書いた保証会社のような面倒さが頭をよぎり、あえてこちらからは電話をしていない。

◆ 実際にマンションに住んでいる人宛ての連絡であれば、電話ではなくドアにメモを挟むなどしてもいい。もしも夜逃げ的にどこかに行ってしまった人だとすると、下手に電話に出ると又面倒なことになる。という事でこれはACR Phone(電話アプリ)のブラックリストに登録した。


JASRAC裁判(10/26)
◆ 音楽教室で楽曲を使用した場合に、著作権料を払う必要があるのか否か。この件に関しては過去にも触れている。事の始まりは5年前になる。JASRACが音楽教室に対して著作権料を払えと言ってきた。これに対して音楽教室側は払う必要がないことを確認するための裁判を起こした。

◆ 権利は主張されるべきものではあるのだが、その扱いは難しい。最近の映像や音楽の有料配信では、観る権利や聴く権利を売っているのであって、データを保存したりコピーしたりする権利は与えていないとする。

◆ ではCDやDVDを買ってきた場合はどうなのか。この辺りはコピー問題に於ける理屈・屁理屈が入り交じった。自分で聴くためのコピーは良いとか、n回までのコピーは許されるとか、コピー権を別途販売するとか、CDに独自のコピープロテクトを入れたのはSONYだったかな。

◆ 音楽用のCDを買うとコピー権料が入っているとか、だから普通のデータ用CDに音楽をコピーしちゃいけないんだぞとか、HDD録画機でもDVDへのコピー回数をカウントしてみたり、何だかんだと複雑で訳の分からない状態を生んだ。

◆ こうした面倒でややこしい問題が、結局の所CDやDVDの販売数低迷にもつながったのではないのか。一方でディジタル配信は価格も安く、ダウンロードも可能とあって需要を増やした。ディジタル配信など三流音楽家のやることだと言っていた連中も、やがてはその波にのまれていく。

◆ 20年くらい前は大型店舗で売り出し中の歌手のCDが流されていたり、ヒット曲が聞こえてきたりしていた。こうして音楽に触れ、ヒット曲を知り、それがCDの売り上げを支えることにもなった。しかしJASRACが権利だ権利だ権利だ権利だと言い始めると、音楽を流すこと自体が躊躇われるようになった。

◆ TVの音楽番組も少なくなり、そして姿を消した。CDが売れない時代だ、ヒット曲が出ない時代だなどと言われ始めるのだが、締め付けすぎることによって人々が逃げていっただけだ。同じ事はTV視聴者数にも言えることで、面白くもない番組を観るだけで、いや観なくてもNHKにお金を取られるなら、TVなんか要らないよと言うことだ。

◆ こうした流れの中で、おそらくJASRACの取り分も減少したかも知れない。取り分が減ったらもっと取ってやろう、広く浅く残さず取りまくってやると言うのもNHK的思想だ。そして上記の裁判となった。

◆ 最高裁は生徒の演奏に著作権料は不要だが、教師の演奏には著作権料の支払い義務があるとした。判決に対してJJASRACの伊澤一雅理事長は、音楽教室における演奏利用について著作権が及ぶことが確定したとする。これは教師の演奏に著作権が及ぶことを言ったわけだ。教師の演奏については、ライセンスを取って使いましょうということが確定した。とコメントした。JASRACは音楽教室に対して次なる課金方法を考えているだろう。

◆ ある音楽教室は、教師の演奏に費用がかかるのであれば、教師は著作権料のかかる曲は演奏しないみたいなコメントも出していた。
JASRACの伊澤理事長は早稲田法学部を出ているので、著作権料は必ず取ってやるくらいの自信があったのではないだろうか。


iPhoneシェア(10/25)
◆ 日本では0円売りやキャッシュバックの影響があり、世界でも異例にiPhoneシェアが高かった。しかしiPhone優遇が減少した現在に於いて、iPhoneのシェアは50%を切る程度に下がっている。インチキ1円販売も釘を刺された現状で、次なる安売りの手は何なのか?
◆ 米国ではiPhoneシェアがAndroidより低かったのだが、徐々にシェアを拡大して50%を超えている。iPhoneのシェアが50%を超えたのは2020年頃という調査もあるのだが、別の調査に於いては2022年6月に"初めて"iPhoneシェアがAndroidを超えたとある。iPhoneシェアの拡大によりGoogleがPixelに力を入れ始めたのも分かろうというものだ。

◆ 米国でのAndroidシェアの低下は、使用方法が変わるなど使いにくい面が嫌気されているとも言われる。iPhone利用者の多くがiPhoneを使い続けたいとするのに対して、Android利用者の継続利用率は(iPhoneより)10ポイントも低いとの調査もある。これによってiPhone利用者は増え、Android利用者が減っている。

◆ 日本の場合は携帯電話時代から高機能・ハイエンドが好まれる傾向にある。iPhoneはアプリからシステム系が操作出来ない(特別な権限があれば出来る)事から、アプリでスマートフォン本体の機能にアクセスすることが難しい。Androidの場合は、年々制限が付いてきてはいるが、比較的自由にアクセスが出来るので便利なアプリを作ることが出来る。

◆ 従来型携帯電話の時代でも、日本製は様々な機能を盛り込んでいたのに対して、海外製はSMSが使える程度のものが多かった。米国などはPC普及率が高いので、携帯電話に全てを求める訳ではなかったとも言え、スマートフォンに全てを求める訳ではない可能性もある。

◆ スマートフォンの平均利用年数が4年近くになったと言われるが、こうなるとOSバージョンアップの問題も出てくる。企業信頼性みたいな話もあって、ようするにGoogleよりもAppleの方が(米国政府に)信用されていると言う事だ。その為セキュリティにうるさい部門などでは、Androidスマートフォンの利用が制限されたりするという。

◆ 米国に於いてiPhoneのシェアが爆発的に上昇することは考えにくいし、日本でのiPhoneシェアが激しく低下することも無いとは思う。iOSはAndroidの機能を取り込む傾向にあり、徐々に便利にはなっている。高機能になれば電力消費は増え、今やモバイルバッテリーを買う人の多くがiPhone利用者だとか。Androidは一時期のバッテリーの持ちの悪さのために、バッテリー容量競争みたいなことが起きて、今はどのAndroidスマートフォンも大容量のバッテリーを搭載するようになった。

◆ Android4の頃、今から10年前のスマートフォンのバッテリー容量は2Ahに満たないものが多く、モバイルバッテリー無しでは安心して使えないような時代だった。こうした事もあり、メーカ側も改善の努力をした。そしてバッテリ容量の大きさや充電時間の早さが競われるようになった。

◆ Androidスマートフォンの種類は多く、性能的にも価格的にも好きなものを選ぶことが出来る。逆にiPhoneはOSも含めて統一感が重視されていて、どれを買っても(ほぼ)同じように使うことが出来る。iPhoneに指紋認証とUSB-Cが使われると、日本で少しシェアが上がるかも知れない。


停電の問題?(10/24)
◆ いつかの環境大臣と同じくらいヘッポコな事を言い出したのが立憲民主党の枝野氏だ。まずは「保険証って、子供も乳幼児も持っている。認知症の高齢者から寝たきりの障害をお持ちの方だってみんな1枚持っているでしょ。子どもが(注:マイナンバーカードを)持ち歩くんですか?」と、ここまでは未だ良い。

◆ 未だというのは、例えばカードを持ち歩くことが出来ない子供は一人で医者には行けないだろうし、認知症の高齢者も然りだ。従ってこの点で問題はあまりないと思う。マイナンバー登録の出来ない人の場合、マイナンバーのパスワードや写真非登録を示すビットを立てて、使用用途を限定すれば済む。これは今後議論されるだろうが、枝野氏には議論に加わらないことを強くお勧めしたい。

◆ 次に語ったのは「大停電起こった時どうするんですか。マイナンバーカードのシステムが壊れたらどこの医療機関でも保険証を確認できない。」これはシステムの作り方によっても状況が異なる。保険証機能をサーバ側に置いて、マイナンバーカード番号からそれを照会するシステムの場合、センターが壊れると保険証としてのデータが得られなくなる。

◆ 免許証も一元化される予定だが、これも同様にシステムが壊れれば免許照会が出来なくなる。現状においても市区町村役場のシステムが壊れれば、印鑑証明も住民票も発行できなくなる。紙で管理していたとしても、年金データを消してしまったアホがいる。

◆ 無停止システムでも障害がないとは言えない。機能障害が起きた場合でもマイナンバーは分かるので、支払いを保留すればいい話だ。ローカルシステムにその情報があれば、システム復旧後にそれを書き出せば良い。システム障害の責任が政府にあるのなら、医療費の取りっぱぐれは関係官庁が補償する。言い訳を並べて責任逃れしようとする役人を許してはいけない。

◆ 停電の場合も同様だが、そもそも大規模停電時には医療機関自体が機能しなくなる。むしろ停電よりも通信障害の可能性の方が大きい。事故や災害で光ファイバーが切れてしまったなどが起きる可能性がある。まあこれに関してはクレジットカードだろうがコード決済だろうが同じだ。緊急用に無線回線でも契約しておけば済む話で、ちょっとしたルータならばメイン回線の故障で自動的にバックアップ回線に切り替わる。

◆ えーと、枝野さん、これでいいでしょうか。私としては、国民背番号が良いのかと言われると疑問もある。確かに政府による個人の管理という意味では必要なのだろうが、よってたかって利権を貪るみたいな事は目に見えているし、番号の取り扱いその他に関しての法整備も厳格であるべきだと思うからだ。

◆ マイナンバーカードに成績を入れるんでしょ。ウチにも利権を寄こせと文科省が言ったからでしょ。文科省は「全データをひも付けるというより、全関係者がWin-Winになる仕組みを考えていく」と言っているので、関係者が皆儲かれば良いと言う事なのだろう。そのうち法務省はパスポートを、国交省は車検情報を入れたいと言い出すかも。


リニア問題(10/23)
◆ 静岡県とリニア新幹線問題は何度か書いている。本質は大井川の水の問題で、トンネル掘削により大井川の水が減少することを問題視している。

◆ JRは当初全量を川に戻すと言っていたが、後にそれは不可能だと言い直す。その後山梨県側から水をくみ上げて大井川に戻すと言うも、山梨県側は、そもそも山梨側に水はないよとなる。では静岡県側から山梨県側のダムに送っている水を減らしたらどうかとJRは言うも、水を減らすと水路の維持が出来なくなるからダメだよと東京電力に言われた。

◆ こうした議論は水に関してのものであり、様々な可能性を探りながら妥協点を見つけていこうとするものだ。しかし川崎知事は、水は一滴たりとも山梨には渡さない的な強硬発言を繰り返す。

◆ 水を守る、守らなければいけない事は理解できるが、川勝静岡県知事の発言には納得しがたいものがあるのも事実だ。例えば工期の遅れに関してJRは、静岡県内のトンネル工事が出来ない故に2027年の開業は難しいと言っている。これに対して川勝知事は、神奈川県内の車両基地の建設はどうなのか、土地の買収が8割しか出来ていないのなら2027年の開業は出来ないではないか、静岡県が悪いのではなく神奈川県にも責任があると言い始めた。

◆ 川勝知事がリニア新幹線を作る立場ならともかく、JRと神奈川県の問題に何故川勝知事が口を挟むのか。俺は悪くないよ、神奈川県が悪いよと言いたいのか。自分が批判されれば汚い言葉で相手を攻撃するのに、関係のない人を批判するのは得意だ。これには神奈川県知事も怒りをあらわにした。当たり前である。

◆ 最近では山梨県工区に口を出した。トンネルは山梨県側から掘られているが、それによって水が山梨に流れてしまうとして文句を言った。山梨工区の一部(約1.1km)は静岡県内にまで入っているので、それを言ったのかも知れない。しかし山梨県側としてはまさに寝耳に水だった。

◆ 何故静岡県が山梨工区に口を挟むのか、理由があるのならまずは山梨県側に説明を行うべきではないか、物事の順序が間違っている、勝手なことをして貰っては困ると、言葉を選びつつも怒り心頭という感じの会見を、長崎山梨県知事が行った。

◆ 山梨県がらみでは東海道新幹線の新駅問題もある。この新駅問題をリニアの話しに絡めるから又おかしくなるのだが、川勝県知事は、新駅は山梨県側も欲しいと言っている、静岡だけの問題ではないという。

◆ 東海道新幹線は静岡空港の真下を通っていて、駅が出来れば静岡空港が多少は賑わうと考えられる。現状では名古屋や羽田空港に行く人が圧倒的で、静岡空港は人気がない。だから駅が欲しいというのが川勝知事のエゴであり、山梨県を絡めたのは他人を巻き込む戦法なのだが、実は山梨県までは直線で60km、甲府までは100km以上離れている。

◆ JRにしてみれば、静岡駅と掛川駅の間に新駅を作ると、駅間距離が短すぎて高速鉄道として成立しなくなり、現状では不可能と言わざるを得ないとしている。静岡や焼津に停車せずに新駅にだけ止まる列車を走らせれば良いわけだが、それでは乗員数が限られる。


時代と周波数(2)(10/22)
◆ アナログ自動車電話車載器はモデルごとに小型化はされたものの、それでも4リットルくらいの体積があった。これと鉛バッテリーをバッグに入れて持ち歩くという、携帯?電話が海外で流行始めた。

◆ 周波数帯は800MHz〜900MHz位が使われていたが、各国で異なっていた。海外で共通していたのは基地局の送信周波数が、移動機の送信周波数より高いことだった。しかし日本だけは逆になっていて、鎖国を意識したものだと言われた。

◆ 車から降りる時は自動車電話ユニットを、鉛バッテリとアンテナの付いたケースに収め、それを持ち歩くスタイルの後で、ショルダー型やアタッシュケース型の可搬電話が発売され始めた。

◆ 2GHz帯が使われ始めたのは、日本ではFOMAの開始からだった。800MHz帯に比較すると、建物内などは更に電波が入りにくく、圏外だらけだった。2GHz帯を移動体通信に使うのも凄いと思ったが、CDMA方式を移動体通信に使う(使える)事も意外な感じがした。

◆ 現在の技術を以てすれば3Gの頃よりずっと効率的な通信が出来るのだが、クアルコムに特許料を払いたくないと世界中が思っていた訳だから、この先使われることはないだろう。これも個人的には煮詰めていけばまだまだ可能性のある移動体通信方式だと思っている。

◆ 4Gの時代になると高速通信のための様々な技術が使われ始める。MIMOなど複雑な演算処理が必要なものも、高速ロジックやCPUの処理能力で何とでもなるようになった。そして5Gへのシフトと共により高い周波数帯が使われ始める。

◆ ただし以前にも書いたように、現時点の技術ではミリ波帯を移動体通信用に上手く活用出来ているとは言えない。800MHz帯から2GHz帯にシフトして使いにくさだけが目立ったようにだ。

◆ 5G用としては60GHz帯が規格化されているが、今後はより高い周波数帯も使われるはずだ。1920年代にはHF帯など何の役にも立たないと言われていたのと同じで、今は(例えば)100GHz帯など移動体通信に使えるのだろうかと思われている。

◆ 高周波数帯の開発には測定器が必要だ。車車間レーダの60GHz帯にしたって、開発がスタートした頃にはあまり測定器がなかった。予備免許を貰うにも高調波の測定が出来ないという理由で、測定無しで免許が下りた例もある。

◆ 現状でスペアナは200GHz位まで測れるものがあるのではないかと思う。これは50GHz位のスペアナにダウンコンバータを付けるという方式だ。SHF帯の測定器がなかった時代にも、内蔵あるいは外付けでダウンコンバータ/プリセレクタを使用した。

◆ 150GHzとか200GHz用のダウンコンバータには、それ以上の周波数の局発が必要になる。これは電気的というか、電気信号としてその周波数を発信させる方式もあるが、レーザダイオードを使ったコヒーレント干渉方式の局発信号生成回路もある。300GHzだと波長が1mmなので遠赤外線(波長1mm〜4μm)のレンジに入ってくる。


時代と周波数(1)(10/21)
◆ AMラジオは数百kHzの中波帯(MF)が使われている。AMラジオの歴史は古く、比較的簡単な往診設備で高出力が出せ、受信側も簡単な回路で構成出来た。高周波数帯は遠くまで電波が届かず、実用的ではないとみられていた。  
◆ 1930年代後半の米国のVHFレーダ(200MHz帯)はダイポールアレイや、後に日本で発明された八木アンテナの多段スタックが使われた。周波数を上げればレーダとしての性能は高められるが、高出力を出すことが難しくなる。CXAM VHFレーダは15kWの出力で5μsのパルスを発射し、90km離れた航空機を探知出来たとされる。

◆ ドイツでは600MHz帯を使ったレーダの実験が行われていた。米軍のレーダも周波数を下げて(100MHz帯)出力を上げた(75kW)ものも使われた。V・UHF帯はレーダ用などが主であり、通信用として使われるのはずっと後である。

◆ 無線通信が発見(発明)された当時はLFやMFなど以外の高い周波数では遠距離通信が出来ないと考えられていたが、その後電離層反射による見通し外通信によってHF帯が使われるようになる。

◆ 日本では1957年にNHKがVHF帯によるFM実験放送を開始した。TV放送が1953年、いよいよVHF帯が使われる時代になった。TVのUHF放送は1968年に開始された。なお電波法は1950年に制定されている。警察無線は自動車などのイグニションノイズに強いという理由もあり、1948年に30MHz帯のFMで利用が開始された。

◆ 業務用としては150MHz帯とUHFの400MHz帯がタクシー無線として利用された。タクシー無線自体は1953年に開始されているが、周波数は不明だ。当時400MHz帯を増幅出来るトランジスタは少なく、150MHz帯の送信機にバラクタダイオードによる逓倍器を付けて車載用無線機が作られていた。なおPAを真空管とした無線機もあった。

◆ 高度成長期で民生用無線機需要が高まる中、遠くまで届かないが広い周波数帯が使えると言う事で、UHF帯も使われ始めた。当時は違法CB全盛期でもあり、より簡単に無線を利用して貰うという目的などから、ディジタルID送出方式の900MHz帯MCA方式の無線機が作られた。

◆ パーソナル無線最盛期にはチャネル数が不足し、後にインタリーブ方式を採るも違法改造無線機によるオフバンドやハイパワー、ID ROM無し送信など無法地帯と化したのは違法CBの流れと同じだった。900MHz帯という当時としては高い周波数の民生用無線機、更には100W級のブースタが登場するなど、凄いなと思ったものだった。

◆ 自動車電話はアナログ時代であり、音声帯域に重畳させた(低速信号と呼んでいた)ディジタル信号と、チャネル切り替えに使用した2.4kbps(だったかな)の信号を使った。高速信号送受信時には通話路は閉じるのだが、その制御が旨く行かずにディジタル信号が聞こえてしまうこともあった。

◆ 今でこそ800MHz帯は重宝されているが、VHF帯に比較すると伝搬距離が短く(なのでスモールセル構成が採れた)、使いにくいものだった。山間部やビル影などでは圏外になり、高層ビルでは混信が起きた。

◆ 米国では450MHz帯の自動車電話もあったが、帯域が狭かったために混信で実用的ではないとされていた。自動車電話が(車に)付いているのは当たり前、でも使えるのは運が良い時だけなどと言われた。


IoT家電?(10/20)
◆ シャープのインターネット接続電子レンジRE-M210は1999年に発売された。当時の記事を読むと、インターネット接続とは謳われているものの単独では動作しないようだ。

◆ 接続はPC経由で行われて、インターネット接続されたPCとRS-232C接続されるインタフェースボックスを経由し、電子レンジに接続するというもの。何故インタフェースを電子レンジに内蔵しなかったのかは疑問だが、本体価格が9.8万円と高いため、インタフェースボックス機能を内蔵すると10万円を超えて購買層が更に限られてしまうことを恐れたのだろうか。

◆ PCが必要と言うことで、電子レンジのそばにPCを置く必要がある。インターネット接続で何が出来るかだが、各種レシピが最大5つまでダウンロード出来たという。対応レシピは65種類、インターネット経由では400種類ほどのレシピがダウンロード可能になる予定だと報道された。これを使うと下ごしらえから加熱まで行えたのだそうだ。

◆ 当時シャープは、今後家電製品のインターネット接続化を進めると言っていてインターネット接続可能冷蔵庫などを発売している。冷蔵庫がインターネット接続出来ると何か良いことがあるのかだが、シャープによれば買い物リストを登録することによって冷蔵庫内にあるであろう食材を推定し、メニューの提案などが行えるという。

◆ カメラを内蔵すれば、それこそセルフレジの物品判定くらいの精度で、冷蔵庫への食品の出し入れをチェック出来る。また卵置き場所や牛乳を入れておくポケットに重量センサを付ければ、それらの残量が推定出来る。そこまで出来て初めて便利さが実感出来るのではないだろうか。

◆ と思ったら、シャープは近接センサを使って缶入り飲料や卵の数を推定する仕組みを作ったのだとか。ただこれ、冷蔵庫用というわけではない機器で、一般市販されたかどうかは定かではない。

◆ 冷蔵庫に入れるものをリストアップし、使ったものをチェックしてなんて、手動でやっていたら3日もしないうちに嫌になりそうだ。技術とは生活を便利にするものであって、面倒なことをさせるのは間違っている。で、他に何が便利かと言えば冷蔵庫のドアの開閉通知だとか。

◆ 子供が家に帰ってきて冷蔵庫の扉を開ければ通知が届く。一人暮らしの老人が冷蔵庫を開ければ通知が届く。これぞインターネット接続家電だ!と書かれている記事もあったのだが…
◆ ウチの炊飯器はスマートフォンと接続が出来るが、スタンドアロンで使った方が余程手っ取り早いので、スマートフォンと接続することはなくなった。ネスカフェのアプリのひどさは以前に書いたとおりで、ネスレにしてもシャープやパナソニックにしても、P2Pで通信するわけではないので、メーカのサーバの都合によっては通信出来なくなる。

◆ 洗濯機もインターネット接続可能なものがあるが、今ひとつメリットがよく分からない。冷暖房機器は外部から制御出来るメリットはあるのだが、誤動作などが安全性に関わることもあり、メーカはあまり積極的ではないという。


eSIM(10/19)
◆ eSIMとは何か。eSIMはEmbeddedSIMの略で、埋め込み(機器に内蔵された)SIMを示す。日本では対応が遅れたが、それにはSIMロックなどの関係もあると思う。

◆ ソフトバンクに多くの種類のSIMが存在しているのは周知の事実で、定価で買ったiPhoneとゼロ円配りされたiPhoneではSIMが異なっていたり、iPhoneとAndroidもSIMが違う。更にはソフトバンク販売のスマートフォンとSIMフリースマートフォンのSIMも違うなどややこしい。

◆ ソフトバンクはSIMの統一化を行うと言っていたが、口から出任せである。SIMの種類を減らすどころか、今度はiPhone14用に新たなSIMを発行した。ソフトバンクは他事業者にスマートフォンを使わせないためのSIMロックではなく、他社製のスマートフォンをソフトバンク網で使わせないためのSIMロックをかけるというわけだ。

◆ ドコモはソフトバンクとは違う理由で何種類かのSIMがある。その時々で少しずつ仕様が異なる。サービスの種類によってはSIMカードそのものを変更する必要があり、これは無料で交換して貰える。

◆ eSIMそのものと遠隔(通信による)書き込みが出来るものは多少違うというか、要するにSIMカードのチップ部分をスマートフォンに組み込んだものがeSIMで、遠隔書き込みに関してだけを言うのであれば通常のSIMカードだって遠隔書き込みは(そういう仕組みになっていれば)出来る。

◆ 遠隔書き込みに関してはドコモが2015年頃にポータブルSIMとして開発している。またAppleは従来型のSIMカードに遠隔書き込みを行う仕組みを2014年には実現していた。auは2016年頃に同じく遠隔書き込みをIoT機器向けに利用している。

◆ eSIM専用機であればSIMを内蔵して従来のSIMスロットを廃する事が出来る。し かし現状ではeSIMのみでは使いにくい事もあり、多くのスマートフォンはeSIMと従来型SIMの両方に対応している。従ってデュアルSIMになる訳で、あえてデュアルSIMでの利用を制限しない限りはデュアルSIMスマートフォンとして機能する。なお特定地域向けのiPhone14は物理SIMスロットがない。

◆ 国内事業者はセキュリティ面を挙げてeSIMへの対応を渋ったわけだが、総務省の推進姿勢などもあって渋々とeSIM対応を開始した。これによって日本の事業者も、諸外国同様のeSIMサービスが可能になった。eSIM対応事業者は契約者にeUICCプロファイルをダウンロードする仕組みを提供する。

◆ 日本の事業者はクローン携帯が作れてしまうなどと言ったのだが、事業者のeUICC発行ミスなどでクローン携帯が例え作れたとしても、事業者の加入者情報DBが接続を拒否するだろうから問題はない。ドコモは他社と違ったeSIM書き込みの仕組みでオリジナリティを強調したいのかも知れないが、設定(手続き)が面倒なだけだ。

◆ 物理SIMが無くなるのかどうかは分からないが、現状で全ての事業者がeSIMに対応しているわけではないのと、eUICCのダウンロードに通信が必要な事から、物理SIM非搭載のスマートフォンが主流になるのはもう少し先になりそうだ。


Felicaは滅びるのか(10/18)
◆ 日本ではスタンダードとなっているFelicaだが、日本以外では殆ど使われていない。FelicaはSONYが開発してドコモが興味を示した。しかしSONYは高額なライセンス料をふっかけたため、ドコモは導入に踏み切れなかった。

◆ そこでSONYとドコモはフェリカネットワークスを設立、自分たちで払ったライセンス料を自分たちが回収出来るようにした。これによって非接触モバイル決済が広まる事になる。

◆ 非接触決済で当時のドコモが力を入れたのはEdyだった。ドコモはEdyの使えるネットワークの拡大に力を入れたが、Edyはカードのばらまきにのみ注力した。結果として赤字を脱する事は出来ず、ドコモは離れる事になる。どうにもならなくなったEdyは、その後ジャンク買いの楽天傘下になる。

◆ Felicaによる非接触決済は世界に先駆けたものではあったのだが、SONYのライセンス料商売が普及を妨げた。それでも国内MNOはFelica搭載の携帯電話を発売したが、スマートフォン時代になって様相が変わってくる。SONYはFelicaは優れたものだから世界中がライセンス料を払ってくれるはずだと考えた(かな?)
◆ しかし高額ライセンス料は鎖国商売のようになってしまい、結果として世界に取り残される事になってしまった。こうした事情もあり、またiPhoneのFecica対応が遅れに遅れた事もあり、コード決済が普及し始める。しかし世界を見るとコード決済はセキュリティ不安があるとして非接触決済に動こうとしている風に見える。

◆ 結局はクレジットカードに戻るというか、クレジットカードに非接触決済機能があればそれで良いじゃないかという理屈である。クレジットカードは磁気カードから半導体デバイス埋め込み方式に変わっている事もあり、NFC化の敷居は低かった。

◆ クレジットカードに全てを集約する方向、キャッシュレス決済も交通系カードも集約する方向も見えてくる。こうなると日本だけFelicaというのは効率が悪い。実際スマートフォンにしてもそうで、日本仕様にFelicaを搭載しなければいけない現状はメーカにも荷が重い。

◆ プラスメッセージの話でも書いたが、今時日本独自仕様など流行るはずがない。下手なオリジナリティを主張し、独自仕様を主張しながら消えていった規格がどれほどあったか。今は世界のメーカや事業者と協議をし、みんなで一緒にやりましょうでなければ普及が望めない。

◆ コード決済にしても同様で、国内でシェアトップのPayPayにしても、所詮は国内仕様に過ぎない。Felica(Type-C規格)も撤退する国が多いので、以前ほどは使えなくなっているという。結局はMasterCardコンタクトレスやvisaタッチなどの国際規格にならざるを得ない。

◆ そもそもクレジットカード取扱店舗がそれら規格のリーダを設置する訳だから、自然に普及していく。○○Payが金をばらまいてシェアを増やそうとして、どこまで太刀打ち出来るのだろうか。


車の作り方(10/17)
◆ ガソリンエンジンが使えなくなり、EV全盛になると参入自動車メーカも増えるだろう。エンジンの設計や製造には多くの技術やノウハウ、大規模な工場が必要になる。これに対してモータは部品点数も少ないため、エンジンに比較すると製造が楽になる。

◆ エンジンを自動車に積むにも多くのノウハウが必要だ。余裕を持ってエンジンルームにエンジンを入れるのならば良いが、小型車やワンボックスカーでは狭いエンジンルームギリギリにエンジンを入れる。エンジンが振動したりしてもボディにぶつかってはいけないし、配線やホースにこすれる事も許されない。

◆ これもモータになれば搭載スペースに余裕を作りやすいとか、高温部分が少ないなどで搭載自由度が上がる。なお狭いエンジンルームにエンジンを突っ込む技術は、日本メーカが優れていると言われる。

◆ 小型車やワンボックス、ADバンなどの実用車は新興メーカにも作りやすいと言える。しかし動力性能や運動性能などを追求した車は難しい。

◆ ホンダは2代目NSXを今年でカタログから落とす。発売開始は2016年だった。3.5リッターターボの507馬力のエンジンだけを積んで軽くすれば良かったと様々な人が言っているが、実際にはモータやバッテリーを積んで581馬力、車重は1.7tを超えてしまった。

◆ 運動性能は高いのだが、ESCを切る事が出来ない。スイッチとしては切る事が出来るが、ESCの介入を完全には切る事が出来ない。その為グリップ走法に徹すれば良いのだが、少しでもタイヤを滑らせてしまうとパワーを絞られてしまう。ダブルレーンチェンジでは(鹿避けに熱心な)欧州車並みの性能を見せるものの、サーキットでは常識的速さでしかなかった。

◆ フェラーリ296は3リッター663馬力のエンジンにモータを付けて、トータル830馬力を誇る。それでいて車重は1.5tちょっとに抑えられている。勿論時代が違うと言ってしまえばそれまでだけれど。

◆ スペシャルなスタイルと言えばLFAがある。2010年に発売され2012年までに500台を生産して生涯を終えた。8700回転で560馬力を発生するV10エンジンはLFA唯一のパワートレーンである。最高速度はトヨタが325km/h以上としているが、メディアの行ったテストでは300km/hを超えられなかった。加速でも最高速度でも日産GT-Rに軽く引き離されてしまう事で、LFAは過去のものになってしまった感じがする。スタイルだとか音を売りにしたトヨタに対して、日産は質実剛健だった。

◆ 時代と共に運動性能が向上するのは当たり前であり、例えばポルシェの高速安定性は素晴らしく良くなっている。それこそ空冷時代のポルシェは、高速走行する時には満タンにと言われたくらいだ。フェラーリにしても高速時にはステアリングが軽くなった。そもそもフェラーリは横剛性は高いのだが、ピッチングは少し感じる。

◆ フェラーリは空気抵抗を減らして最高速を延ばす方向で、ポルシェはダウンフォースを増やして最高速よりも安定性を増やす方向に感じないでもない。この辺りは単にメーカの違いとは言い切れず、車種による違いがあるかも知れない。


iPhoneシェアの高い年齢層(10/16)
◆ 少し前の記事でiPhoneは10代女性に人気があるというものがあった。調査がMMD研究所なので、何らかのバイアスがかかっているかも知れない。

◆ 10代女性でシェアが高いと言っても最新モデルではなく、2年ほど前のモデルが多く使われているようだ。アルバイトなどをして自ら買うとしても、最新モデルは(今は)高額だ。

◆ 従来であればゼロ円配り+キャッシュバックもあり、子供に持たせるには丁度良かった。使い方も簡単だったので初心者に丁度良い。その点でも今は機能の拡張などが多くなり、以前よりは色々な設定が増えた。それでもAndroidよりはずっと分かりやすい。

◆ iPhoneのシェアは30代くらいでぐっと下がってくる。自分のお金で買うとなるとコストパフォーマンスなどを考え始める。アプリの量や価格なども選択の条件になるかも知れない。

◆ MACを持ってスタバでたむろするのが流行った頃を生きた年代では、そうした行為へのアンチテーゼ的にiPhoneはやめておく、みたいな流れもあるとか。意識高い系を気取るだけの格好悪さみたいな、今となってはそれは古いよね、中高生がルイヴィトンのバッグを持ち歩いていた頃と変わらない、みたいな。

◆ iPhoneは機能としての自由度は少ないが、Androidと違ってメールもちゃんと届く。Google自慢のDozeモードはバッテリー節約効果が皆無なのに、通知の遅れは数時間にもなる。

◆ iPhoneはAndroidスマートフォンに比較するとバッテリー容量に不安があるのは事実で、モバイルバッテリー購入者の多くがiPhone利用者だそうだ。こうした不満などもあるのだが、全体的に見れば悪くないと思う。

◆ 私の場合は(iPhoneも多少は使うけれど)Androidに慣れているので、メインのスマートフォンをiPhoneにする気は、今のところはない。アプリにしても同じものがiPhone用には存在しなかったり、存在したとしても結構なお値段だったりする。

◆ スマートフォンが出始めの頃はiPhone用のアプリの数が圧倒的だったが、今はAndroid用の方が種類なども多く、無料のものが多いので気軽に試す事が出来る。試してみて良ければ有料版を買ったりするが、全体的に安価だ。iPhone用のアプリで千円くらいだと安いかなと思うが、Android用のアプリで千円だと高い方だ。

◆ アプリの価格に関してはApple税の関係もあるだろうし、今月からは平均3割の値上げがされた。シェアを考えればAndroidスマートフォンの方がずっと多い(日米では例外的に拮抗している)ので、アプリの販売量も多く、価格を下げやすい事情がある。

◆ アプリの安全性というか不正なアプリ云々となればiPhoneの方が安全性が高いと言える。iPhoneは野良アプリが(普通は)ダウンロード出来ないことや、アプリからシステム系を操作出来ないので、悪事を働きにくい事もある。こうした点でも子供に持たせて不安が少ないかも知れない。


ブレーキのフェード(10/15)
◆ バスの横転事故があった。静岡県のローカルニュースでも取り上げられているが、全国ニュースに比較するとどうにも取材が甘い。この辺りは仕方が無いのかな、予算の都合もあるだろうし、取材にさける人員も少ない。

◆ 事故を起こしたバスのドライバーは、ブレーキが利かなかったとした。これによりフェードの可能性を含めた事故原因が推定されることになる。しかし実況見分ではタイヤ痕が明らかになり、ブレーキは(程度は不明ながら)利いていたとする意見も出される。写真を見るとタイヤ痕は前輪のもの(後輪はダブルタイヤ)で、横転時ハンドルが切られた状態だったので、スクラブ抵抗によるタイヤ痕の可能性もある。

◆ フェードを経験した人がどのくらい居るか分からないが、どんな感じになるかは摩擦材によって大きく異なる。ソアラ(80)の場合は車重に対してブレーキキャパシティが絶対的に不足していて、高速からのブレーキングで簡単にフェードする。

◆ 徐々に効かなくなるのであれば前兆をつかむことが出来るのだが、かなり急激に摩擦係数が減少するので気づいた時には止まれない状態になっている。メタル系のパッドにするとフェードは起きにくくなるのだが、今度はディスクロータにクラックが入る。当時のトヨタ車はソアラに限らずブレーキがプアで、それを分かった上で乗っていないと事故を起こす可能性があった。

◆ サーキットの話なので通常の走行とは違うのだが、R33(スカイラインGT-R)でサーキットを走って亡くなった方がいた。ブレーキには手を入れていたそうなので、ブレーキの故障などが疑われた。しかし最終的にはブレーキは故障していなかったとのことで、サーキットの連続走行によってフェードが起きたのではないかとされた。

◆ スカイウエイブもフェードするのだが、これは徐々に効かなくなってくるので状態をつかみやすい。フェード気味になったら少し止まって冷やすとか、速度を落とすとかで対処は出来る。この辺りや熱海、箱根は坂が急で長いので常に注意しておく必要がある。

◆ 箱根ではブレーキフェードによる事故がいくつも起きている。乗用車が止まれず崖から転落したり、大型トラックが橋から落ちてしまったりする。大型トラックのドライバは、フェードに関しては分かっていると思うのだが、その時の積載量や速度によって、これはやばいなと思って減速しようとしている途中でブレーキが利かなくなる、みたいなことはあると思う。

◆ ブレーキペダルを思いっきり踏めば何とかなるのではないかなどと言われるが、何ともならない。ブレーキパッドが鉄になったかのよう、どころではなく氷になったかのごとく利かない。ペダルを強く踏もうが踏み直そうが、全く止まらない。

◆ 事故を起こしたバスはカーブをショートカットしている風なので、既に速度が出すぎてどうしようもない状態だった可能性もある。あの道路の事故を起こしたコーナの手前はカーブがあまりきつくはなく、速度が出すぎていても通過出来る。ドライバーが若いから経験不足だとする解説者もいるが、大型の二種免許を持っているのだから知識はあると思うんだけど。


Starlink(10/14)
◆ Starlinkが日本でも使えるようになった。ダウンリンクはKuバンドで10.7GHzから12.7GHzの2GHz幅を使う。アンテナの半値角は約2.6度で、半径約570km〜960kmをカバーする。実際にはこのサービスエリア内に分割したセルを設け、より小さなセルを単位として通信を行う。

◆ 2020年の情報だが、下り最大速度は350Mbpsとなっている。日本で実測した人のデータとしては50Mbps辺りに分布しているが、一人の方は300Mbps近く出たとしていた。通信速度は契約内容によっても(最大値が)異なる。現時点では契約者が少ないと思われるので、契約最大速度に近い通信速度が出ているのではないだろうか。

◆ Starlink接続には専用の機器が必要で、位相アレイアンテナでビームを振り、衛星を電気的に追尾する。アンテナのG/Tは9dB/Kとなっている。衛星通信の場合は各国の電波の使用具合でサービスが異なるし、電波法の兼ね合いもある。

◆ 上りは14GHz〜14.5GHzを使う。一般端末ではバンド内の62.5MHz間隔で8波が免許されている。送信出力は2.75Wとなっている。民生用(一応)機器で、14GHz帯で3W近く出すのだから凄いと言えば凄い。レーダ探知機を近づけると、レーダ探知機のコンバータ部分が壊れるかも。

◆ 一部地域ではStarlinkは(電波法上の許可が下りていないので)使うなとアナウンスした国もあった。厳密なビーム制御が出来ない(幅がある)ために、国境付近では問題になる。日本に於いては関東以北が先行してサービス開始、関西以西は少し遅れる(2023年予定)そうだ。

◆ 月額料金は約1.2万円、災害に左右されずに通信が行える。自治体など通信路を確保したいとか、山間部などの通信用、移動体通信のバックホールなどに使われる。KDDIは2021年9月にバックホールとして使う契約をしたとする。アンテナや通信設備は約7万円ほどかかる。

◆ アンテナは空全部が見渡せる屋上などがベストで、片側が建物の影になるベランダなどでは支障が出る。ただ通信出来ないと言うことではないようで、空が開けている側の衛星を補足するようだ。

◆ ウクライナでStarlinkが使えなくなったという記事があった。その地域で使えるかどうかは(厳密な制御は出来ないにしても)その国の政府とStarlink側の協議による。ロシアがこの地域では電波を出さないでねと言えば、Starlinkは電波の発射を停止する。ロシアはロシア全土で電波を発射するなとしているようで、国境付近ではStarlinkが使えない。更にはその国境が曖昧な現状に於いて、ウクライナ国内の一部でもStarlinkが使えなくなっているらしい。

◆ 衛星コンスタレーションが商売になるのかという問題は常に言われていた。果たしてStarlinkが商業的に上手く行っているのかどうかは分からないが、月額費用と通信速度を考えれば許容出来ると考える人も少なくはないだろう。

◆ ソフトバンク光やNuroより快適だと書かれている記事もあり、無線か有線かという話ではなく地上リンクか宇宙リンク下の話になったりして。


ジムニーロングの噂(10/13)
◆ 何度も噂に上がっているジムニーロング、5ドア版が発売されるよと言う記事である。これまでにも予想図が出たり、スクープ写真と称されるものが出たり、来年には発売されるよ、もうすぐ発売だよと毎年言われてきた。

◆ それだけ要求度が高いと言う事だと思うし、シエラの差別化という点でも期待されているのだ。記事によればエスクード用の1.4リッターターボエンジンを搭載し、136馬力と21.4kg・mのトルクを手中にするという。

◆ エンジンはまあ良いとして、問題はトランスミッションだ。現行のATは古風な4段変速でロックアップもない。最大許容トルクは10kg・m程度、シエラ用は強化して使っている。

◆ このトランスミッションを、現在の2倍のトルクに耐えるようにする事は難しく、では縦置き用(FR用)のトランスミッションを新設計するのかと言うと、これも難しい気がする。FFベースの4WDも考えられないではないが、トランスファーの関係などもあるので改造箇所が増えるし、もしもリジッドアクスルに拘るとすれば、それも難しくなる。

◆ 販売台数は順調に推移しているが、JB64は未だ新しい(ジムニーとしては)ので、トランスミッションを入れ替える必要性は薄い。多段でロックアップするATを使えば、モード燃費はMT版に近づくとは思うが、その代償はコストに跳ね返る。

◆ ロングボディによる車重増加分を補うエンジンパワーが欲しい気持ちは分かるが、ジムニーに比較するとシエラは3割ほど(元々)トルクが大きいので、エンジンやトランスミッションはそのまま使う可能性もある。

◆ ターボ化すればトルクは大幅に増やす事が出来るが、これも価格に跳ね返る。低質燃料が使われることを考えるとNAの方が良い。勿論ハイトルクなエンジンと、現代風のトランスミッションの組み合わせがベストなのだが、それを求めるのは贅沢か。

◆ 排気量を小さくして過給器を付けるとか、NAで排気量を少し拡大してトルクを少し上げる程度なら、トランスミッションの再強化策で乗り切れる可能性がある。

◆ ヘビーデューティーを信条とする故に、余裕度の少ない設計はしにくいと思う。更には、これは以前からスズキが言っていることだが「部品の共通性は途上地域での整備性を確保する意味がある」。5ドア版はインドが主要販売地域になるとみられているので、都市部以外での使用を考えると"新しいもの"は使いにくい。

◆ なおインドではSJ413(リーフリジッドのモデル)ベースでロングホイールベース化したカスタムカーである"ジプシー"が販売されている。これのエンジンが80馬力/103Nmなので、アンダーパワーも受け入れられるとも思える。

◆ エンジンを変える説はエミッション問題があるからかも知れない。現状では一部地域の排ガス規制に適合出来ず、乗用車から商用車へと登録替えをして無理矢理売り続けている。エンジンを変更すれば排ガス規制も通せることになり、メリットはある。


ミリ波の使い道は?(10/12)
◆ 5Gでは陸上移動体通信用にミリ波帯域が割り当てられているが、実際に屋外で安定的にミリ波接続出来る場所は多くはない。伝搬特性からしても人が密集する屋内などで使われるもので、屋外で面をカバーしようとするのは大変だ。

◆ 5GHz帯のWi-Fiを屋内で使うにしても伝搬特性が気になるわけで、それより高い周波数帯を屋外で使おうというのだから大変だと言うよりも無理がある。

◆ かつて日本は高い人口密度や人口の密集など、移動体通信に於いて難しいとされる環境だった。しかしセル半径を小さくするなど、あるいは制御方法などによって携帯電話システムを構築してきた。

◆ しかし世の中が広帯域高速通信の時代になると、それまでの日本の通信各社が目指した方向と異なってきたと言う事もあり、力が発揮出来なくなった。ドコモは開き直り、理論通信速度の2割くらいの速度が出れば良いなどと言い始める。

◆ これではいくら広い帯域を割り当てたところで高速通信は出来ない。新たな周波数帯や通信方式の免許を与えるよりも、既存の周波数の利用効率を上げた方が余程良い。ドコモに関しては地上系の遅さもあり、ピーク速度ではMVNOの方が速い場合もある。

◆ そんな中で5Gが始まったわけだが、当然ながらメリットが見いだせない。ミリ波なら速いよと言ったところで、諸外国並みとは行かない。ミリ波に接続出来る場所も少なく、接続出来たとしても移動すればすぐに接続は切れてしまう。

◆ ドコモに於いては5Gのエリアエッジ問題もある。当初よりは改善されたとは言うが、5Gから4Gに中々制御が戻らない事によって、5Gエリアのセルエッジでは通信速度が極端に遅くなる。

◆ スマートフォンに5Gと表示されるだけなら伊豆市や伊豆の国市でも可能だが、通信速度は20Mbps位しか出ない。5Gを切れば100Mbpsを超える事もある訳で、田舎に於いては電界強度の問題などで、十分なパフォーマンスが出るのはごく一部の場所に限られる。

◆ ミリ波はドコモショップの近くに行けば体験出来るが、伊豆半島全体でもミリ波に接続出来るドコモショップは10ヶ所もない。現在の状況を見るとSUB6でも5Gのエリアがそこそこ使えるようになるのは(伊豆では)10年以上年先、ミリ波に至っては特定場所以外では使えないだろうし、使う意味もなさそうだ。

◆ 都内でもまだSUB6エリアが面になっているとは言いがたく、穴だらけだ。おそらく数年後には都市部では5G接続が安定するかな。ミリ波を屋外で使うのであれば、半値角の小さなフェーズアレイアンテナで、個別のスマートフォンを狙って接続するくらいでないと厳しいだろう。単にブロードなビームを向けましたでは安定な接続が出来ない。

◆ さらにはビームを向けようが何しようが、障害物があれば通信は出来ない。障害物や建造物という点に於いては郊外の道路沿いなどの方がエリアを作りやすいが、そういう場所には人が少ないのでミリ波の要求は低い。


McAfeeはGoogleがお嫌い?(10/11)
◆ McAfeeを使い、推奨される安全なブラウジングの設定を行うとChromeの検索エンジンがGoogleからYahooかBingまたはYandexに変更されるのだとか。これは地域(言語)によって自動変更される検索エンジンが異なるそうだ。

◆ Google検索による検索ワードや検索者情報の取得を嫌う事、危険性の高いサイト、偽サイトなどの検索率の違いだと思われるが、YahooはGoogleの検索エンジンを使っているはず。フロントエンドが多少違ったところで検索情報を持って行かれるのは同じだろうし、検索結果も似たようなものだと思われる。

◆ McAfeeは過去に各検索エンジンで検索される危険なサイト・詐欺サイトなどを調査している。2006年の調査では危険性の高いサイトが検索される割合が、Yahooで4.3%、GoogleとAOLが5%、Askは6.1%に達したという。

◆ Askは米国の検索サイトで歴史はあるのだが、パッとしない。日本で言う所のinfoseekみたいなものだろうか。今は見かけなくなったが、過去にはツールバービジネスが展開された。GoogleもYahooもツールバーをダウンロードさせようと必死だった頃の話である。

◆ Askもその例に漏れずではあったのだが、Askツールバーをマイクロソフトはマルウエアに認定した。これを受けてAskツールバーの変更を迫られたそうだ。今ならツールバーではなくプラグインをダウンロードさせようと必死になるのかな。

◆ この先もGoogleが検索トップの地位を守り抜けるのかどうかは分からない。インターネット検索の世界で、長期にわたって安定した利用者数を維持するのは難しい。Google検索の劣化は世界中で言われているわけだが、こと日本に関してGoogle自身は、日本人は検索の仕方が下手だからGoogleがアシストしなければならないと言っている。

◆ 余計なお世話的検索、検索ワードを"含めない"処理は、日本人が悪いとでも言いたそうだ。bingや百度は別として、今は多くの検索サイトがGoogleの検索エンジンを使っている。Yahoo(日本)もGoogleの検索エンジンを使っているはずだ。

◆ 技術系情報の検索はbingの方が良い結果が得られる場合もあるし、中華デバイスや中華機器に関しては、当たり前ながら百度が使いやすい。ただし中国語→日本語への変換が必要になるし、その変換精度の問題もあって少し利用しにくい。

◆ 百度は以前は日本向けのフロントエンドがあったと思うのだが、今はなくなったのかな。当時は検索速度の速さと検索対象サイトの多さがウリだった。百度で検索して面白い?のはPC関係やソフトウエアなどの裏コマンドというか、隠しコマンド的なものが分かったりする事だろうか。

◆ 百度のロボットはページ取得の速度の点で嫌われていた。F&Fでも一時期は百度のロボットを排除していた。その後百度からメールが来て、乱暴な情報取得はしないようにしたから阻止しないで欲しい旨が書かれていた。

◆ 色々なサービスツールなどをダウンロード出来るサイトも検索出来るが、必ずしも安全なデータは限らないので、十分に注意する必要がある。可能であればインターネットに接続されていないPCにインストールし、セキュリティスキャンを行った方が良い。


理論は分かっているべきなのか?(10/10)
◆ 最近は計算式など知らなくても、シミュレータなり計算ソフトが値を出してくれる。極端な例えではあるが平方根が何かを知らなくても、電卓の√キーを押せば答えが出るようなものだ。

◆ マッチング回路にしても、入出力のインピーダンスを入れれば値が出てきたりする。更には50Ωに整合されたデバイスが多いので、虚数の概念すら忘れさせてくれる。

◆ 電磁気学がどうのとかビオ・サバールの法則でとか、マックスウエルの方程式がなんて全然関係ないとまでは言わないが、今の回路屋さんは使わないと思う。電界と磁界が云々とか漏れ磁束がどうのとかも、たぶんシミュレータがやってくれる。

◆ EVなどでもそうなのだが、昨今のモータの効率や容積あたりの出力の向上は凄いものがある。モータの設計は結構大変なので、設計ソフト無しでは良い製品が生まれてこないだろう。

◆ シミュレータを作る人だとか、計算ソフトを作る人は方程式だとか公式だとかが必要になるわけだが、それは数学屋さんに近い部分であって回路のエンジニアとは少し違う。

◆ 勿論全てを知っているのが良いに決まっているが、例えば効率の良いモータの設計者とは、モータ設計用ソフトを上手く使いこなせるエンジニアだ、といって良いのかも知れない。設計ソフトのパラメタの決め方、どこの数値を動かすと特性はどう傾くのかを熟知しているエンジニアが、良いモータを作るエンジニアだと言える。

◆ そのエンジニアはソフトウエアに与えるパラメタの調整には長けているが、そのパラメータを変更すると電流や磁力などがどう変わるのか迄を知っているかどうかは問題ではない。

◆ 現在は多くの部品が集積化されている。アナログ回路でも高周波回路でもICになっている。このICを設計する人はインピーダンスマッチングだ何だと計算する必要があるが、IC屋さんが苦労して50Ωにマッチングさせてくれているので、回路屋さんは虚数部に目を向ける必要がない。

◆ 無線機を設計したらちょっとゲインが足りない。トランジスタを一つ入れれば済む話なのだが、トランジスタと抵抗やコンデンサ・コイルを使うよりは、ワンチップのアンプ用ICを使うだろうな、今は。

◆ その方が製品として安定するし、コストも変わらないか安くなる。部品点数が減り、製造コストが下がる。温度安定度なども保証されているので、回路のテストに要する時間を節約出来る。それでもあえてディスクリートで組みますか、みたいなものなのだ。

◆ 僕は将来スマートフォンの設計がしたいんです、と言って勉強している学生さんがいるかも知れないが、スマートフォンの設計は殆ど基板設計みたいなものだ。限られたスペースに必要な回路を入れるにはどうするかみたいな感じになる。ロジック部は熱設計の話になるし、そもそも設計の多くは海外で行われているかも。


米作農家(10/9)
◆ このあたりには水田が沢山ある。畑もあるのだが面積的には水田が圧倒的に多い。伊豆地域は日照時間が長く気候が温暖なので米作に向いているのかも知れない。

◆ 稲は5月の始めに植えられ、9月半ばまでには刈り取られる。田植えも稲刈りも機械を使って行われるので、作業時間は短い。今は人手不足というか、田畑の世話をする人が減ってしまっている。しかし水田を放っておく訳にもいかず、しかしそれで収入を得られるほどの米が作れないのが現状だそうだ。

◆ 休耕田畑を貸し出している農家もあり、安いところでは無料で借りられるそうだ。田畑を田畑として維持していくためには、作物を作ったり管理をする必要があり、だったら無料ででも他人に貸した方が楽だという判断だ。

◆ そうは言っても素人がすぐに何かを作るというわけには行かず、農家としての技術を習うために学校や訓練校に通わなければいけない。勿論自分で試行錯誤していく事も出来るのだが、家庭菜園レベルの話ではないので売れない作物が出来てしまうと損失が大きい。

◆ 親切な地主さんならば作物の育て方を伝授して貰えるそうだが、そうした苦労をしながら作物を作る人はこのあたりには居ないという。つまり都会から来た人は(物珍しさもあって)一生懸命やるが、地元の人にとって田畑の世話は苦労以外の何物でもないわけだ。

◆ コンバインや田植機は農家が所有しているものではなく、借り物が多い。購入するとなると数百万円以上であり、中古にしても高額なので数反(1反が約千平米)の水田の収入では元が取れない。

◆ 1反の水田から収穫出来る米の量は500kg〜700kg程度と言われる。白米価格で言えば15万円分くらいだが、卸値はずっと安い。これが毎月採れるわけではなく年に1回なのだから、10反あっても米だけでは食べていけない。広大な平野部に多くの田畑があれば別だが、山に囲まれたこのあたりは農業に適しているとは言えない。

◆ 農業は工業以上にエネルギ依存だとは良く言われる。水田にしても田植機やコンバインには燃料が必要だし、温室栽培の野菜では空調に要するエネルギが必要になる。水田でも農薬散布や水田の見回りなど、あらゆる作業にエネルギは必要だ。

◆ 今年は大きな台風が通過しなかったので稲が倒れてしまう事はなかったが、気象条件によっては収穫が出来なくなってしまう。今年は米が豊作だったようで価格が安いのは、買う側としては助かるが売る側は利益が減ってしまう。

◆ 通販などで直販すると儲かるのだがJAを敵に回す事になる。力のある農家であればJAに頼る事は少ないかも知れないが、今やJAは金融屋なのでそれを敵に回せば融資に問題が出る。

◆ このあたりにはJA系の病院がいくつかあり、経営的余裕を見せつけている。農家から搾取しているとまでは言わないが、豊富な資金力を持っているのは確かだ。


楽天モバイルと800MHz帯(10/8)
◆ 楽天モバイルは800MHz帯を寄こせと言っている。移動体通信事業参入以前は、1.7GHz帯を貰えれば全国をエリア化出来る、だから事業を開始させてくれと懇願していた。

◆ このあたりはソフトバンクも同様で、10のものを手に入れたら次は20が欲しくなる。欲望とは無限なのだ。ソフトバンクも楽天同様に独自のバンドプランを考えたわけだが、当たり前ながら見向きもされなかった。周波数割り当ては勝手に決められるものではない。

◆ 楽天モバイルは現在各社に15MHz幅を割り当てている帯域を10MHz幅に削れと言っている。5MHz×3事業者から集めた15MHz幅に、他の帯域の5MHz幅を加えた20MHz幅を楽天モバイルに割り当てるのが適切、最低でも15MHz幅が必要だという。

◆ せっかく帯域をまとめたのに又細切れにする事を考えるあたりが楽天なのだが、まあ仕方ないだろう、楽天だし。楽天ファン?は、800MHz帯の割り当てさえ決まれば、瞬時に圏外がなくなると思っているようだが、これはソフトバンクの例を見て分かるように、エリア整備には何年もかかる。

◆ 現状800MHz帯は多少拡幅の余裕がある。ガードバンドを削る方法で、利用制限は必要だろうが10MHz幅を加えられる。こうするとドコモとauは現状の15MHz幅を20MHz幅に出来る。ソフトバンクも同様にガードバンドを削ると20MHz幅に出来る。

◆ 800/900MHz帯を拡張する代わりに700MHz帯を取り上げる。700MHz帯は10MHz幅しかないので、各社共に十分な活用がされていない。帯域幅は現状で合計30MHzあり、BAND28のサブセットとして運用が出来る。

◆ この30MHz幅の中から20MHz幅を楽天モバイルに割り当てるか、あるいは全ての帯域を各社共通で使う。各社共通で使うと、非常時(障害発生時)に他社網への接続が、ハードウエア的には簡素になる。

◆ いずれにしても、移行にはものすごく時間とお金がかかる。空いた帯域を新たに割り当てるのなら話は簡単だが、既に利用されている帯域なのだ。伝達距離の短いワイヤレスマイクの周波数変更にも10年かかるとされた訳だし、カラオケ用ワイヤレスマイクは未だに旧バンドのものが使われていたりするのが現状なのだ。

◆ 楽天モバイルは周波数移行は1年あれば出来ると言っているが、根拠は不明だ。ソフトバンクも当時同じような事を言っていたが、今は言い分を変えて7年〜10年はかかるという。ま、立場が変われば言う事も変わるという見本のような態度だ。

◆ 楽天が大きな事を言うのは政界に強いからでもある。ただ仲良しの安部元総理が今は亡く、それに伴って菅元総理の力も失われつつある。三木谷氏の言い分としてはJPの出資の有効活用だとなるが、自民党議員からは逆に、JPから出資を受けたのにそれが活かされていない、中国からも出資を受けるとは何事かみたいな話にもなっているそうだ。

◆ 楽天は周波数再編の費用は既存無線局が負担しろと言っている。既存免許人は儲かっているが楽手は赤字だからと言うのがその理由らしい。この理屈が通ったら凄い事で、政治献金や天下りの受け入れが功を奏する事になる。


メッキパーツ(10/7)
◆ 自動車の外観には様々なメッキパーツが使われている。殆どは金属部品の表面処理として使われるが、エンブレムなどはプラスチックパーツにメッキ処理がされる。

◆ 欧州の環境規制に伴ってメッキの品質が悪くなった時期があった。耐久性に優れるクロムメッキなどが事実上使えなくなり、本来は高い耐久性や耐錆性を誇るはずのメッキパーツのメリットが失われた。

◆ そんな事もあってかどうかは分からないが、特に少量生産車ではメッキパーツがあまり使われていないように思う。メッキパーツの多用というと、モデル毎に巨大化していくキドニーグリルをメッキでギラギラにするというBMWか。

◆ 日本ではオラオラ感を極限まで追求するトヨタのワンボックスカーだろう。レクサス版などは結構笑える。デザインは好みの問題なので、巨大なキドニーグリルが良いという人も居るだろうし、メッキパーツの多用を好む人も居るはずだ。

◆ 目立たせるという意味でメッキパーツは威力を発揮するので、昔流行ったデコトラなどもギラギラのメッキパーツと電飾が雰囲気を作り出していた。

◆ メッキパーツにしても全体の雰囲気にしても、流行もあれば時代的な流れもある。今は窓枠などはメッキパーツが使われるが、それ以外は(上に書いた車種以外は)あえてメッキパーツを使わない構成が多い感じがする。

◆ 別部品を使うよりも一体感を出せる訳で日産は樹脂バンパーと金属のボディを一度に塗装する技術を開発した。一体塗装する事によって色や質感の違いを少なくしようというわけだ。

◆ こうした手法で一体感を出していく車もあり、あえて巨大グリルだぞと目立たせる車ありだ。直線的なラインで構成されるデザインと、曲面を多用するデザインでも違ってくる。アクセントとしてのメッキもあるし、メッキパーツを主体とした見せ方もある。

◆ 曲面デザインというとポルシェ(911)を思い出す訳で、どこから見てもポルシェでありながら、モデル毎に進化していく。時代と共に進化するから当たり前だと言えばそうなのだが、古い911はガソリンを満タンにしておかないと、高速域でステアリングが安定しないと言われた。今ではそんな事は全くなく、300km/hを超える領域でのフロントの落ち着きは、Ferrari F8以上だそうだ。

◆ シミュレーション技術の発達が空力特性設計を変えてきたわけだし、ダウンフォースの大きな車は(理屈で言えば)トンネルの天井を走れる(車重よりダウンフォースが大きいから)。たぶん短時間であれば走る事は出来るかも知れないが、タイヤ荷重と動摩擦係数などもあるのでずっと走り続けるのは難しいだろう。

◆ グリルの面積は空力に関係してAMGGT-Rでは高速時にグリルのシャッターを閉じる。昨今のEVでもグリルはもはやデザインであって、空気取り入れ口ではないみたいなものもある。新型クラウンもグリル開閉機構を備えていたはずだ。ただし最上級モデルはグリルシャッターは備えていない。


マルチバイブレータ(10/6)
◆ そうか、今はアナログワンショットマルチバイブレータ(ワンショットマルチ)など使われなくなったのか。と思ったのがこちらのTweetだ。確かにディスクリートで回路を組むこと自体が少なくなったし、ロジック屋さんがワンショットマルチを組もうとすると、クロック源とシフトレジスタでも使うのだろうか。

◆ もしかしたら非同期ロジックが組める人も少なくなったかも知れない。非同期ロジックとはこんな回路で、図ではDフリップフロップである74HC74を使って分周している。同期ロジックの場合は全てのフリップフロップのクロック(図で言うとCK)端子が共通のクロック源に接続されたものだ。

◆ 非同期ロジックの場合は1段目のQから2段目のCKに信号を入れるなどする。何故非同期ロジックが使われなくなったかと言えば、大規模回路に於いてクロックに非同期な信号が存在すると、各部の配線遅延によって動作が曖昧になってしまうからだ。

◆ 例えば全く同じ非同期分周回路を複数個作ったとすると、その出力の位相が全て同一にはならない。デバイスの遅延や配線遅延の影響が、フリップフロップ一段ごとに累積されていき、それらの回路の信号のANDやORを取ろうとしてもグリッチが発生して面倒なことになる。

◆ 同期回路の場合は全てが同一クロックでドライブされているので、出力の位相は揃う。例えわずかな位相差でグリッチが出たとしても、それはクロックタイミング外での発生になり、次段には取り込まれない。

◆ 機能記述ではそもそも非同期回路が組めないので、自ずと同期回路が生成されることになる。では何故非同期回路が使われるのかと言えば、ロジック数が少なくクロック無しで動作するからだ。ロジック規模がどのくらい小さくなるか一概に言うのは難しいのだが、数分の1以下には出来る。

◆ 以前にPHSのタイミング生成回路を組んだのだが、それは全て非同期回路だった。同期回路が入るほどFPGAのゲート数がなく、非同期回路でもFPGAを3個使って分散したほどだった。非同期ロジック回路の信号を別のFPGAに入れるのは更に遅延の問題を引き起こす。

◆ 昔々の話ではあるが、非同期ロジック回路でCPUを組んだ企業があった。中身の全てが非同期ロジックだったのかどうか迄の情報は無かったが、要するにクロック非依存で動作するので、クロック1サイクルで全ての演算が終わるみたいな事だった。それが製品化されたという話は聞かなかったので、シミュレータの上で動きましたレベルだったのかも知れない。

◆ ワンショットマルチは結構便利なもので、色々な回路に使われていた。キーのチャタリング避けとかFM復調回路(F/Vコンバータ)、短いパルスが欲しい時など便利に使える。今のロジック屋さんに簡易的なF/Vコンバータを作れと言ったら、どんな回路を組むのだろう。ロジックでは出来ないからCPUを使いましょうとなるのかな。

◆ ワンショットマルチを使ったF/Vコンバータは、入力パルスをワンショットマルチで微分して、その出力をC/Rで積分するだけだ。


空き端子の処理(10/5)
◆ こちらのページでデバイスの空き端子の処理に関してコメント欄で語られている。とその前に、Arduinoで8MHzまでのパルス発生器が作れるという記事である。数百KHzが上限で良ければ、LCD表示器付きの中華パルス発生器基板が数百円で買える。

◆ MHz台まで発生させようとすると、中華基板だとDDSを使うようになる。ロジックでもDDSでもジッタが発生する事がある。CPUを使った場合に、タイマのオーバフローとタイマ値リロードの時間関係などでジッタが起る事があり、それは信号のC/Nを悪化させる。

◆ 記事のコメント欄は空き端子の処理の話になる。CMOSデバイスは入力電圧が不定になると、デバイス内で電流が流れてしまうことがある。CMOSのインバータの入出力を抵抗で接続してバイアスを加え、アナログアンプとして使うことを考えれば分かると思う。ようするに不定な電位になるとアナログ的な動作をして不要な電流が流れるわけだ。

◆ こうした事を避けるために使用しない入力端子はGNDやVCCに接続しておく。バイポーラだとIIL/IIHが異なるので、消費電流を考えて未使用端子の処理を考える必要がある。

◆ 抵抗を介してのプルアップやプルダウンは、最近はあまり見かけなくなった。古いデバイスだと電源電圧よりも入力端子電圧が高くなるとか、GND電位より低くなるとラッチアップを起こす場合があった。そこで入力端子に抵抗を入れ、電源にノイズが乗ったとしても入力端子から電源ピンに(デバイス内部の保護ダイオードを通して)電流が流れにくいようにするものだと言われたことがある。単に電源のデカップリングをちゃんとすれば良いんじゃないの?なんて(その時に)思ったけど。

◆ ちなみにオペアンプの入力端子に抵抗を入れるとか、ボルテージフォロワの場合にフィードバック系に抵抗を入れるのは、正入力と不入力のバイアス電流による誤差を低減するためで、ディジタル回路の入力処理とは異なる。

◆ ワンチップCPUで入出力切り替え可能な端子の処理は、リセット後に端子を出力に切り替えておく処理が一般的だ。入力にしてプルアップやプルダウンでも良いのだが、CPUが暴走して端子のディレクションが変わってしまった時に、VccやGND直結だと要らぬ電流が流れてしまう。

◆ VccやGND直結でなくても、例えば他のデバイスの出力端子と接続されていれば同じ事が起きるじゃないかと言われれば確かにそうなのだが、デバイスの出力端子のインピーダンスはGNDやVccより高いと言う事で。

◆ 電圧が不定になると言えばトライステート出力端子がある。その名の通りトライステートなのでアクティブでない時の電圧が不定になる。従ってデバイス内でプルアップやプルダウンが出来ない場合は、外部にプルアップなりプルダウンの抵抗を付けておく必要がある。

◆ ついでに、TTLの時代にはアクティブLowの回路が多かった。これはVIHとVILが(CMOSのように)対照ではないので、ノイズ耐性を上げようとするとアクティブLowで設計した方が都合が良かったからだし、IoHよりIoLの方が(数十倍も)大きかったというデバイス上の都合もあった。


クラウンはクラウンで良い(10/4)
◆ セダンの売れない日本に於いて、クラウンのニューモデルは発売されないのではないかとも言われたが、新型クラウンはカタログに加わった。フラグシップのあり方を再定義したとするデザインが売りのようだ。

◆ 新型クラウンはハッチバックに見えるが、一応3BOXである。デザイン的にトランク開口部は小さく、奥の方にものを突っ込むのは面倒そうだ。それでもゴルフバッグは3個積める。前モデルがゴルフバッグ4個を飲み込んだのに比較すると、多少トランクスペースは小さくなったと言える。

◆ 個人的にクラウンはオーソドックスな3BOXセダンで良いのではないかと思う。普通に普通のサイズのグリルがあって、普通にヘッドライトが付いていて、普通のセダンで、普通にトランクがある車。でもまあトヨタ的にはオーソドックスなセダンの時代じゃないと思ったわけで、BENZのEQSだって同じテイストだというかも。

◆ 自動車関連メディアの記事でクラウンとレクサスブランドの違いは何なのか、レクサス版のクラウンは登場しないのかなどと書かれていた。トヨタブランド車とレクサスブランド車の価格差は平均70万円程度だそうで、これは従来よりも価格差が開く傾向だ。

◆ 理由の一つとして販売台数があり、レクサスエンブレム付き車の全車種を合計しても、年間販売台数は4万台強だそうだ。これはBMWやBENZの年間販売台数に及ばず、ディーラの維持も難しいレベルだという。トヨタとしてはクラウンをフラグシップと呼び、アルファードを最高級と位置づける。するとレクサスブランド車の立場は?みたいな、トヨタ車とレクサスブランド車の取り合いになるのだとか。

◆ レクサス店?にはレクサスオーナラウンジなるものがあるらしいのだが、そこに入るためにはオーナカードが必要なのだそうだ。しかしオーナカードは車を新車購入するか、ディーラで認定中古車を買った場合にしか発行されない。

◆ そこでメルカリなどで売られているオーナカードを買ってオーナラウンジに入ろうと試みる人が居るらしいが、IDに結びつけられた個人情報の相違がバレてオーナラウンジ突入は失敗に終わるとか。

◆ そんな体験をした中古車オーナは、ならば今度は新車で買おうと思うかも知れないし、レクサスブランド車はもうやめておこうと思うかも知れない。この手の排除はディーラ車と並行車の関係にも言える。

◆ ヤナセは従来は並行車の整備をしなかったが、今は普通にやってくれる。仕向地毎の仕様の違いが少なくなったのも理由の一つだし、整備対象車両を選んでいられる時代ではなくなったとも言える。

◆ 自動車以外でも並行ものは修理しないという日本代理店もあるが、本社に文句を言うと本社から日本代理店に修理を受けるように連絡が来るなんて話もある。並行ものは貴社の商品ではないのか、コピー品と同じ扱いなのかと文句を言うと、特に米国に本社のある企業は対応してくれる率が高いそうだ。一時期Roombaも日本向けと並行品で区別されたなんて話があった。


検索順位の闇(10/3)
◆ Googleの検索順位を買うという話は以前に少し触れたことがある。果たしてこれが本当なのか作り話なのかは分からない。またGoogleの広告に関して、広告をクリックした人や企業の情報を高額で販売しているという海外の記事もあった。

◆ Google広告は露出が多いのでトラッキングも容易に出来るだろうし、クリックしたユーザ情報の詳細もGoogleは把握している。個人情報は渡さないにしても、相当詳細な分析は出来る。

◆ 例えば「シロアリ」で検索しても「シロアリ 飼育」で検索しても、「シロアリ 生態」で検索したとしても、漏れなくシロアリ駆除屋のページが表示される。

◆ 商品名やジャンルなど、例えば「ペット用品」で検索すると偽通販サイトが上位に表示されることがある。取ったばかりのドメインだったり、開設間もないサイトが検索上位に表示されるのはいささか不自然だ。

◆ 場合によってはその商品のメーカよりも、偽サイトの方が上位に表示される。こうした事が不正の証拠だとの論もあり、これには説得力がある。一般的にその商品の製造メーカは検索順位などは気にしない。商品名や型番で検索する人が多いのだから、自ずと検索順位は上になると考える。

◆ しかし例えば「電気炊飯器」で検索したときには、当該メーカの製品が上位に来て欲しいわけで、その為にその商品を紹介する別のページが作られたりもする。しかし新商品となればその紹介・宣伝用のページも余り知られておらず、検索順位が上がらない。

◆ しかし偽サイトは、そんな新製品に対しても検索上位に来る。一体どうしたらそういった事が出来るのか。これが検索順位を買うことだと、確かにそれなら話は早い。しかしこうした事は公にはなっていなくて、半詐欺的シロアリ屋に関しては、Googleの代理店を名乗る企業にカネを払っていたと書いていた。

◆ 通常のSEO屋と異なるのは、カネを払えば翌日には検索順位が上がり、契約を解除すれば翌日には検索すらされなくなる(検索順位が激しく落ちる)事だと書いていた。こうした記事はリンクしにくい所もあるし、消滅が早かったりするので信憑性という点で疑問はある。

◆ シロアリのみではなく(家屋の)塗装だとか屋根の補修などリフォーム全般、外構工事や植木の手入れ、草刈りなどに関しても、全てが悪徳であるとは言わないまでもちょっと変なページが上位に来る。

◆ 今の世の中へっぽこアフィリエイトページみたいな、客を誘導するサイトが溢れている。これも以前に書いたが、カーエアコンのガスは1年又は2万kmごとに入れ替えましょうみたいなページが、いくつもあるのだ。

◆ バッテリーに関しても同様で、過酷な条件で使用された夏が過ぎたら交換しましょうとか、TBSニュースだったか、エアコンを使うとバッテリーが劣化すると書いていたかな。まあオイル交換は2,000km毎みたいな売り方は昔からあるのだが、今はそうした売り方をしているページが上位に検索される。悪徳系は利益が大きいので、広告宣伝費(検索順位を買うこと)を豊富に使えると言ってしまえばそれまでだ。


サーキットテスター(10/2)
◆ 電圧や電流を測るテスター、その歴史は1920年代まで遡る。当時は電圧計や導通計などいくつかのテスト機器を持って電線などの保守を行っていたそうだ。しかし現場の作業員にしてみれば、いくつもの機器を持ち歩くのは不便であり、そんなイギリスの現場作業員が考案したのがテスターの走りだったと言われる。

◆ 普段使う電圧計や電流計の機能を一つにまとめ、各機能をスイッチで切り替えられるようにした。こうする事によって測定機器の運搬は楽になり、保守点検が効率的に出来るようになったそうだ。このテスターの走り的測定器は、その便利さからラジオや電気製品の修理屋さんなどでも使われるようになる。

◆ 日本では1941年に三和が純国産のテスターを作った。海外製品をマネする形でコストを下げたそうだ。直流と交流の電圧、直流電流と抵抗の測定が可能だった。日置は1946年にテスターを発売し、以降性能の向上と価格低下が起き始めたとされる。

◆ 私は小学生の頃にテスターを買って貰った覚えがある。とりあえず測れるものと言ったらAC100Vや乾電池の電圧だった。電流レンジにしてテスターリードをACコンセントに挿したらどうなるのかなとか、抵抗レンジだとどうなるのかなと、普通の子供が考えそうなこと(?)を私も考えた。

◆ まあ思いついたら実験してみなければ気が済まなくて、あっという間にテスターは火を噴いたのであった。ディジタルテスターは1960年代にフルークが商品化したそうだが、一般に普及するのはもっともっと先になる。

◆ アナログテスターではFETによるアンプを内蔵した、高入力抵抗のものがあった。これには高周波プローブと称するダイオードか何かの入ったオプションがあった。ただ入力抵抗が高いので、誘導ノイズなどが多い環境では何を測っているのかよく分からないみたいなことになった。これを手に入れたのは(たぶん)中学生の頃だったと思う。

◆ 今やディジタルテスター全盛となり、千円程度で買えるものも多い。それでいて分解能が高いのだから、ディジタル技術というかADCなども含めたデバイスの高性能化と低価格化は凄い。

◆ ではアナログテスターが存在しないのかと言えばそうではなく、適当なものは安価に、それなりのものはそれなりの価格で販売されている。電圧や電流が変動するヶ所の計測など、アナログメータの方がわかりやすいことは少なくはない。

◆ ディジタルテスターにバーグラフ的なものを設けたものもあり、バーグラフを見ることで値の変動を知ろうという試みだ。これはパラパラ動く数字を見ているよりは分かりやすいのだが、所詮サンプリングの概念が存在するわけだから、アナログテスターの針の動きとは少々違う。

◆ 私は普段は安物のディジタルテスターを使っている。精度良く何かを測りたい時にはそれなりの機器を使うのだが、大抵は安物テスターで間に合う。外で作業する時や車やバイクをいじる時も、その安物テスターが活躍する。壊れたら又買えばいいや、程度の価格なのであまり気は遣わない。まあ、その割には壊れずに長持ちしている。


日本のEVの未来は明るくはない(10/1)
◆ 高速道路などには充電スポットが設置されているが、休日ともなると充電が発生するという。充電スポットは増加傾向にあるとは言っても、まだまだ絶対的に不足している。

◆ その理由の一つとしてはトヨタ発言がある。天下りの受け入れ、迂回受け入れなどで政治力を付けるトヨタだが、社長自身が充電スポットなど作っても無駄だ、なぜなら使う人が居ないからだと発言していた。要するにトヨタはEVはやらないよ、ハイブリッドこそが最高だと言う事であり、他社のEV戦略を潰そうとする意味もあったのだろう。

◆ 国産EVでは30分間の充電で100km前後の航続距離が得られる。だったら30分を2回充電すれば良いのではないかとなり、確かに待ち行列がない場合は続けて2回の充電が可能かも知れない。(充電器によっては決済が同じだと拒否されるかも)
◆ 待ち行列があったら、その後ろにもう一度着けば30分後にもう一度充電出来ることになる。しかし高速道路の充電スポットでは、充電スポットを出たら本線に合流する以外になく、逆走以外でパーキングに戻れないところもある。

◆ 結局100km走る毎に30分なり(1台待ちなら)1時間の充電を強いられる。充電スポットが混んでいる場合にそこでの充電をパスし、そのまま次の充電スポットにたどり着ける電力が残っていれば良い。しかしそうでなければ充電スポットの空きを待つ以外にはない。

◆ せっかく高い高速道路代を払っても、1時間毎に最低30分の休みが必要なんて我慢出来ない。実航続距離が500km位あれば不便は感じにくいのかも知れないが、最初の航続距離の500kmを使い果たした後は100km刻みでよろしくねと言われたら、車を蹴飛ばしたくなるに違いない。

◆ 500km走ったら1時間休憩しましょう、その間に500km分の充電が完了していますというのなら許しても良い。この点テスラをはじめとした海外メーカEVは充電が早いので、高出力充電器さえあれば(1時間で満充電とは行かないにしても)ストレスは少ない。ただしそんな高出力充電器はテスラディーラにでも行かなければ使えない。

◆ 高速道路の急速充電器にしても出力が足りないとの不満は多い。EVの充電能力に見合っていないので、充電率が上がらない。スマートフォンなど4.7AhのLi-POバッテリーを200Wのパワーで10分で満充電に出来るというのに。

◆ EVのバッテリー容量が80kWhだったとして400kWh位の充電設備があれば30分で満充電も夢ではない。もっともEV用とスマートフォン用ではバッテリーの要求性能が異なるので、スマートフォン並の充電速度というのは難しそうだけど。

◆ Li-POにしても全固体電池にしても、バッテリー側の技術は進んでもインフラが追いつかないことにはどうしようもない。充電スポットはガソリンスタンドに比較すれば設備面は楽だが、敷地という点が問題になる。ガソリンなら5分で給油が出来るが充電はそうは行かない。これは都市部など地価の高いところで問題になる。