わさび(3/29)
◆ 静岡県というか伊豆はわさびの産地である。綺麗な水が豊富な山なので、わさびを育てる事が出来る。しかし生産量としては長野県がトップで、静岡県はそれに次ぐ。静岡県のわさびは400年ほど前に、自生していたわさびを水辺で栽培したところから始まったという。それが栽培方法として定着し、全国に広がったのだそうだ。
◆ 何故わさびは水の中で育てるのかだが、わさびは他の植物を繁殖させないような成分を持っているそうだ。それによってわさびの周りに他の植物は育たず、わさびだらけになるはずだった。だがその成分によって自らも影響を受けてしまい、高密度での栽培が出来なかった。
◆ ならばその成分を水で洗い流してしまったらどうかと言う事で、水の中での栽培が始まったそうだ。水の中で栽培すると細い根などが余り出ず、葉も余り大きくならず、いわゆるわさびとして使われる部分の生長が良いという。水は上から地中方向に流れるようにして、生長阻害成分が下に流れ落ちるようになっている。
◆ この近くでもわさびは栽培されているし、天城の方に行く途中には広いわさび田もある。その近くにはわさび漬けを製造販売する店もある。わさび漬けは色々なところで売られているのだが、生わさびは余り売られていない。
◆ おそらく生わさびの多くは都市部に出荷され、地元では余り食べないのではないだろうか。「料亭でしか味わえない最高品種のわさび伊豆天城山真妻生わさび」なんてタイトルが付けられて売られているが、50gで1,500円位する。50gのわさびは小さく、5cm位しかないと思う。
◆ 何でもそうかも知れないが、大きさが2倍になると価格は2倍以上になってしまう。生育期間の関係から、小さくても早く出荷したいと思うわさび農家が多いのだろう。長く育てるには手間もかかるし、途中で枯れてしまうかも知れない。
◆ 生わさびとチューブ入りのわさびは違うのだが、でもチューブ入りのわさびは良く出来ているなと思う。人によってはチューブ入りのわさびの味の方が好きというか普段食べ慣れているからその味に慣れているというかも知れない。
◆ チューブ入りわさびにも表示にはルールがある。本わさび使用と謳うためには、内容物の50%以上が日本産のわさびを使用している事が必要だ。50%以下の場合は本わさび入りとの表示になる。日本産以外のわさびを使用している場合で、粉末わさびを使用していないものは生わさびの表示になる。
◆ チューブ入りわさびは辛さを高めやすいのだが、生わさびはさほど辛くはない。小さく切って食べても美味しい位で(根元と先の方では味も辛さも違う)、ツンと来るような刺激も少ない。
◆ 西洋わさびを使ったチューブ入りのわさびの中には西洋わさびを使って辛さを追求したものもある。静岡県のローカルブランドもチューブ入りのわさびを販売している。どこででも手に入るものではないかも知れないし、本わさび100%は辛さが物足りないかも知れない。でも手軽にわさび(に、近い)を味わってみるには良いかもしれない。
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