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過去の雑記置き場


エリア整備と基地局数(3/1)
OCNエコノミー(3/2)
ロードサービスは高いのか(3/3)
繰り下げ受給はお得か?(3/4)
限界ニュータウンは各地にある(3/5)
ゴミ有料化の弊害(3/6)
少子化と婚姻困難(3/7)
赤い羽根共同募金(3/8)
ネットワーク配線と電気工事(3/9)
CPUはパフォーマンスが命なのか(3/10)
ステッパーに乗ってみる(3/11)
ARPUをいかに上げていくか(3/12)
ラーメン(3/13)
PLCの次はインバータ(3/14)
携帯電話乗っ取り詐欺(3/15)
iPhone15(3/16)
消えていく個人商店(3/17)
携帯電話版テレホーダイ?(3/18)
通話定額はすごかったのか?(3/19)
電子玩具(3/20)
トヨタは変わるのか(3/21)
ICE規制とEV増産(3/22)
ネコほーだいとcoary(3/23)
BALMUDA Phone(3/24)
急速充電技術(3/25)
バブル景気と平成不況(3/26)
ADSLとFWA(3/27)
店員は必要なのか(3/28)
わさび(3/29)
子供の名前(3/30)
田舎に来て6年目(3/31)


VC
田舎に来て6年目(3/31)
◆ 伊豆市に来て6年目になった。すっかりこの地にも慣れたというか、特に不自由なく暮らせている。例えば中高年者が静かに暮らすには田舎は良いと思うのだが、若い人には向かない。

◆ 夢を追い求める20代は様々な経験をし、そこから多くのものを得ながら成長する。成長のためには刺激が必要で、その刺激は都市部の雑踏の中から得られるのかも知れない。都市部に住む事だけが全てではなくて、都市部に行ってみたり、海外に行ってみたりする事がプラスになる。

◆ 夢を実現する30代は仕事に明け暮れるかも知れない。長距離通勤はエネルギのロスになり、出来れば会社の近くに住居を構えたい。そうは言っても私など2時間位通勤時間がかかっていた事もあったんだけど。

◆ 夢を叶えた40代は子育ての時でもあるだろう。子供の通学時間だとか通勤時間だとか、家が狭いとか、様々な環境変化の中を生きていく時だ。脂が乗ったと言えば聞こえは良いが、脂ぎった顔で仕事をこなしているかも知れない。

◆ 夢を伝える50代は若者を育てる時だ。自ら学んだ様々な事を若い人に伝え、世代交代を認識する頃である。時に若い従業員から、今時それは古いですよなんて言われるのかも知れない。業種によっても異なるだろうが、働いている限り勉強は続き、常に新しい事を見ていかなければいけない。

◆ 若者に託す60代は世代交代の時だ。子供達が独り立ちするとか、独身の方であれば少し自由な時間が出来るとか、こうした50代とか60代の人なら田舎暮らしが出来るかなと思う。都市部に比較すると食材などが安く、例えば伊豆だったら魚の干物は99円位のプライスタグが付いている。

◆ 地元の魚だとか野菜を食べている限り、都市部の価格の半分位で済むかも知れない。ただ伊豆では肉は高いし、どこでも売られているような袋入りラーメンとかサラダ油とかも高い。これは輸送コストと販売量(人口密度)の関係だろう。

◆ 地価が安いので固定資産税が安い。都市部の持ち家で年金暮らしはまず不可能だが、田舎なら(苦労すれば)可能かも知れない。そうそう、以前に書いたかも知れないが天城に引っ越した方、薪ストーブの燃料にとご近所の不要な木を切らせて貰っていたそうだ。だがそのうち有料でも良いから木を切って欲しいという方が(口コミで)増えていき、今は1本3万円位で切り倒しているそうだ。

◆ 伐採屋に頼むと1本10万円位取られるので、ご近所からは重宝がられているという。剪定は冬が多いそうだが、平均すると月に10本位切っていて薪は売るほどあるとの事だった。

◆ 多少の収入があれば年金を加えて田舎暮らしが出来ると思う。独身の方なら国民年金(6.5万円位?)でも死んでしまう事はないだろう。この別荘地でもシルバー人材センターに登録している方がいて、人気が出ると仕事が絶えないそうだ。

◆ シルバー人材センターは個人事業者に仕事を回す元締めみたいな所で、リピートで仕事が入り始めるとそれなりの稼ぎになるらしい。今ならPCの設定とかスマートフォンの使い方を教える、なんて仕事の受け手が不足しているそうだ、まあシルバーだから、PCやスマートフォン世代ではなかった人たちだし。


子供の名前(3/30)
◆ 少子化という事もあって子供の名前付けにも慎重になる傾向だとか。ようするに昭和中期のような、長男だから太郎ね、春に生まれたから桜子ね、みたいではないという事だ。

◆ 2022年のランキングでは"あお"、"りん"、"おあい"、”ひまり"などが上位らしい。男でも女でも違和感のない名前が人気だとか。親にしてみれば性別にかかわらず決めた名前を付けられるので便利?かも知れないが、性別が名前から想像出来ないと色々と不便なことがある。

◆ 知人に真理という人が居る(居た)のだが、男性で読みは"しんり"だ。しかし普通は"まり"と読まれて女性だと思われるわけで、彼は相当不便を感じたのだろう。その後改名したと聞いた。

◆ 別の男性は"一三"と書いて"かずみ"なのだが、これも女性に間違えられていた。彼が改名したかどうかは分からない。以前に比較して改名のハードルは下がったものの、色々な手続きが必要になる。

◆ 昨年末だったか"王子様"と名前を付けられた男性が改名したとニュースになっていた。名前は奥様が、ご主人にも内緒で付けたそうだ。男性が改名したと知ると、名前を付けたお母様は号泣し、お父様は良かったねと言ったとか。

◆ おそらくは王子様に深い思い入れがあったのだと思うが、名前に敬称的読みを含めるというのは、結構不便というか不自然になる。芸名やハンドルネームだと○○くんとか□□ちゃんみたいなものがある。たとえばなかやまきんに君は、中山・金二+君ではなく、君までが名前なので、なかやまきんにくんさんと呼ばなければいけない。

◆ 王子様ではなく王子であり、更に漢字表記が王司だったら不自然感はグッと下がる。世間の興味は"王子様"ご本人ではなく命名者である母親に移ったそうだ。まさに親の顔が見たいという所なのだろうが、まあ子供の名付けなど人それぞれなので。

◆ 過去には悪魔君事件もあった。親が子供に悪魔と名前を付けたが、受け入れられなかった。悪魔はダメだけれど王子様は良いのか。皇帝とか大統領とかも大丈夫なのかな、天皇はダメかな。

◆ 人名の場合はその漢字の読み通りでなくても良い。つまり"太郎"と書いて"はなこ"と呼ばせることも理屈の上では可能(規定が設けられる予定らしい)だ。それでも普通は読めるような漢字を割り当てる。キラキラネームを見ると"夜露死苦"とか"愛羅武勇"を思い出さずには居られない。

◆ 子供の名前は流行みたいなものもあるので、世代によって偏りが出来る。名前を聞いて年齢が想像出来ると言って良いかもしれない。星璃佳や奏愛麗の名前なら、今は30代後半かなという感じで。

◆ 昔には田中角栄事件もあった。田中角栄はかつて日本の総理大臣にもなった人で、その田中角栄にあやかりたいと田中さんは子供に角栄と名前を付けた。しかし田中角栄はその後汚職で捕まることになり、悪いことをしても決して捕まらない男だと言われたのに、結局は塀の向こう側に行ってしまった。これにより田中角栄=悪人であるとの認識が広まり、田中角栄ちゃんはいじめの対象になる事が懸念された。


わさび(3/29)
◆ 静岡県というか伊豆はわさびの産地である。綺麗な水が豊富な山なので、わさびを育てる事が出来る。しかし生産量としては長野県がトップで、静岡県はそれに次ぐ。静岡県のわさびは400年ほど前に、自生していたわさびを水辺で栽培したところから始まったという。それが栽培方法として定着し、全国に広がったのだそうだ。

◆ 何故わさびは水の中で育てるのかだが、わさびは他の植物を繁殖させないような成分を持っているそうだ。それによってわさびの周りに他の植物は育たず、わさびだらけになるはずだった。だがその成分によって自らも影響を受けてしまい、高密度での栽培が出来なかった。

◆ ならばその成分を水で洗い流してしまったらどうかと言う事で、水の中での栽培が始まったそうだ。水の中で栽培すると細い根などが余り出ず、葉も余り大きくならず、いわゆるわさびとして使われる部分の生長が良いという。水は上から地中方向に流れるようにして、生長阻害成分が下に流れ落ちるようになっている。

◆ この近くでもわさびは栽培されているし、天城の方に行く途中には広いわさび田もある。その近くにはわさび漬けを製造販売する店もある。わさび漬けは色々なところで売られているのだが、生わさびは余り売られていない。

◆ おそらく生わさびの多くは都市部に出荷され、地元では余り食べないのではないだろうか。「料亭でしか味わえない最高品種のわさび伊豆天城山真妻生わさび」なんてタイトルが付けられて売られているが、50gで1,500円位する。50gのわさびは小さく、5cm位しかないと思う。

◆ 何でもそうかも知れないが、大きさが2倍になると価格は2倍以上になってしまう。生育期間の関係から、小さくても早く出荷したいと思うわさび農家が多いのだろう。長く育てるには手間もかかるし、途中で枯れてしまうかも知れない。

◆ 生わさびとチューブ入りのわさびは違うのだが、でもチューブ入りのわさびは良く出来ているなと思う。人によってはチューブ入りのわさびの味の方が好きというか普段食べ慣れているからその味に慣れているというかも知れない。

◆ チューブ入りわさびにも表示にはルールがある。本わさび使用と謳うためには、内容物の50%以上が日本産のわさびを使用している事が必要だ。50%以下の場合は本わさび入りとの表示になる。日本産以外のわさびを使用している場合で、粉末わさびを使用していないものは生わさびの表示になる。

◆ チューブ入りわさびは辛さを高めやすいのだが、生わさびはさほど辛くはない。小さく切って食べても美味しい位で(根元と先の方では味も辛さも違う)、ツンと来るような刺激も少ない。

◆ 西洋わさびを使ったチューブ入りのわさびの中には西洋わさびを使って辛さを追求したものもある。静岡県のローカルブランドもチューブ入りのわさびを販売している。どこででも手に入るものではないかも知れないし、本わさび100%は辛さが物足りないかも知れない。でも手軽にわさび(に、近い)を味わってみるには良いかもしれない。


店員は必要なのか(3/28)
◆ 以前に触れた事があり、その後も又悪質行為を行う動画が公開されるなど、回転寿司チェーンの信用を揺るがすような出来事が起きた。回転寿司ばかりではなくコンビニ、うどん屋、牛丼屋、カラオケ店なども攻撃された。

◆ くら寿司は独自のカバー(特許)をしているため、いたずらに対して耐性があると言っていたのだが、いったん取った寿司皿をカバーの中に戻す輩が現れた。くら寿司ではレーンを監視しているカメラを使っていたずらを検出するなどの対策を行うとした。

◆ スシローの一部店舗では注文品のみをレーンに流す、プラスチック製の箸を袋入りの割り箸にする、粉茶の容器を変えていたずらを防ぐ、ガリをテーブルに置かない、湯飲みを置かない、醤油を置かないなどの対策を行ったそうだ。

◆ 自動化に最も力を入れているのがスシローとの事だが、自動化と省力化が結果としていたずらを許してしまったことになる。顧客の常識に期待するシステムの破綻は、機械が良いのか店員が良いのかという問題にまで発展する。

◆ 今では普通に使われているタッチパネル注文システムも、これが出来た事によってレーンに流す寿司の量が激減した。回転寿司と言っても、多くはオーダ方式になった。オーダ方式にする事で、レーン上で干からびていく寿司を減らす事が出来た。しかし依然として残る問題は、オーダに対しての間違い問題だという。

◆ くら寿司は、日本の場合はレーンに寿司を流す方式で食材の提供が出来るが、海外でそれは不可能だという。衛生面や信頼度を考えればカバーは必須であるとして、自社の方式のメリットを訴えた。

◆ 悪意ある行為のみではなく、子供がレーンをいたずらしている動画も公開されていたが、親は全く注意していない。こうした親に店員が注意すると、親が逆ギレするのは目に見えている。

◆ 現在の日本において回転寿司のシステム自体が限界なのではないかと書いたメディアもあったが、それを言い始めるとビュッフェ方式だって破綻する日が来る。店員を多く配置することでしかいたずらを防ぐことは出来ないとも書かれた。

◆ 回転寿司の場合はいたずらするにも限界があるがビュッフェスタイルなら多くの食材をいっぺんに"攻撃"する事だって出来る。まあ派手にやればすぐ捕まるだろうが、そもそもいたずらというか犯罪動画を公開する時点で、捕まる事は覚悟の上だろう。

◆ スシローでのいたずら動画が公開されて数時間後には犯人が特定されたし、コンビニで商品を食べてしまう動画にしても同様だ。今は社会問題化したことで沈静化している感じもするのだが、ほとぼりが冷めれば再び攻撃される。

◆ 捕まりたくてやっているのか?まさか捕まらないとは思っていないだろうし、親や社会に対する反発?それともTikTokで人気になりたいから?閲覧のためなら逮捕も厭わないとなれば、馬鹿なYoutuberやライブ配信者と同じだ。


ADSLとFWA(3/27)
◆ NTTのADSLサービスが1月で終了したのかな。2005年頃をピークに利用者は減少し続けたのだが、バス停の表示板などの通信用などでわずかに使われていた。

◆ 個人向けとしては過疎地域や山間部など、FTTH対象外地域でADSLが使われていたものの、配線長の関係から高速通信は出来なかった。過疎地域でも無線アクセスが可能な所は未だ良いが、そうでないとインターネットアクセスの手段がなくなる。

◆ そうしたエリアを救おうとしたのがBWAやFWAでありPHS(XGP)の一部帯域がBWA用の高出力無線機による通信に割り当てられるなどした。ただし過疎地というのは人が少ないから過疎なのであり、そこに無線サービスを導入しても使う人が少なく商業的に見合わないとなる。

◆ それでも線を引くよりはコストが安いなどで、全く使われていないわけではないのだが、全て地域で使えるわけではない。ディジタルディバイドの解消などとしてBWA(地域BWA:Broadband Wireless Access)が使われるわけだが、恩恵を受けられる場所は限定的だ。

◆ こうしたエリアを助けたのがStarLinkだった。安価なコストでADSLの何十倍もの速度で通信が出来るとあり、過疎地域では導入が進んでいるという。全ての家でインターネット接続が出来るようにと言って、BWAが開始されるわけだが、実際にそのエリアを救ったのはStarLinkだったのだ。

◆ BWAなど過疎地域への導入には補助金が出るか、或いは出たかしたと思うのだが今はどうなのだろう。全国でBWA事業者は100くらいあるそうだが、地 域貢献度はどの位なのだろうか。

◆ StarLinkはこうしたディジタルディバイド解消に一役買うわけだが、山間部では衛星が見えないタイミングがあり、回線断が起きる事があるそうだ。山の谷間のような場所では空の見える範囲が狭く、より多くの衛星が飛ぶようにならないと安定な通信が行えない。

◆ また一部のWebサービスは接続地域を限定しているようで、ドコモのサービスにはアクセス出来ないとの報告もある。このあたりも(ドコモは動きが遅そうだが)StarLink利用者が増えるにつれて解消していくだろう。

◆ ラスト1マイルにローカル5Gを使うインターネット接続サービスもあるが、StarLinkの価格はこれらとも競合する。ソフトバンク光(FTTH/Air)よりも高速通信が可能だとも言われているので、低品質高価格のFTTHは意味が無くなる。

◆ もっともソフトバンク光や楽天光は理論上は速いよと言って売っているわけで、契約して開通してから遅かったとしても、強烈な縛りによって抜けられない。だったら1ヶ月の試用期間があるStarLinkの方がローリスクではないかとなる。

◆ 衛星コンスタレーションではソフトバンクが出資したOneWebもある。計画発表は早かったが、サービスは遅い。ソフトバンクによれば2022年中には世界中でサービスを受けられるようになるとしていた。なお2023年現在、いつからサービスが行えるのかは未定で、衛星打ち上げの遅延が原因らしい。


バブル景気と平成不況(3/26)
◆ バブル景気の前にも好景気時代がある。例えば1970年代半ばには定期預金金利が8%程にまでなっている。その後はバブルの1990年頃で、6.3%位だった。

◆ 金利が上がると言う事はインフレ傾向にあると言う事で、インフレ傾向にあるわけだからカネの価値は下がる。

◆ 日銀たるもの日本円の価値が上がる事こそ最良であると思うわけで、平成不況に突入してからもバブル警戒の姿勢だった。餓死しそうな経済状況の中ですら、金融緩和はバブルを生むと言って聞かなかった。日銀から円安容認論が出るまでには20年を要した。

◆ バブル時代と言っても1980年代と1990年代では、世の中には多少の変化があった。バブル時代と言えばディスコに繰り出す女性が印象的だが、80年代のファッションはDCブランドとワンレンだったという。90年代になるとソバージュヘアが流行り、ボディコンスーツの登場となる。

◆ バブルと言えば荒木久美子さんだが、彼女は1970年生まれなので1990年に20歳だったわけだ。彼女がディスコの女王と呼ばれたのは、バブル末期か或いはそれ以降だったかも知れない。

◆ ジュリアナ東京は1991年にオープンし3年後には閉館となっている。つまりこの時代がバブル末期であり、切れそうな白熱電球が、一瞬最後の輝きで周りを照らしたみたいな時だったのだ。

◆ 当時のディスコはどれも短命だったと荒木師匠は言う。ディスコが流行始めると客が増え、客が増えると客質が低下する。客質が低下するとVIPがいなくなり、カネの流れが途絶えて廃れていくという流れらしい。

◆ 当時はサラリーマンだろうがアルバイトだろうが遊ぶ金には苦労しないみたいな感じだった。不動産屋は土地転がしで山のような札束を抱え、中古車販売屋は右から左に車を動かすだけで多くの利益を稼ぎ出した。例えば自分で中古車を探すより、ブローカに金を渡して任せた方が楽、それが金回りを良くしていた。

◆ 株価も上がり地価も上がり、給料も上がっていった。バブルを抑制出来なかったのは、当時米国の顔色があり金利を思うように上げられなかったからだとも言われる。ドル高戦略を採りたい米国は、日本の金利が上がる事を嫌がった。

◆ その後バブルは壊される事になる。後に橋本龍太郎氏は、アレは失敗だったと振り返るも時既に遅かった。静かに景気を抑制していければ良かったのだが、急ブレーキをかけたものだから失速して墜落した。

◆ 安倍政権になって金融緩和策が採られたが景気は回復しなかった。それでも消費税増税がなければ、もしかしたら景気は上向いたかも知れない。当時安倍総理は消費税率変更の遅延はさせたが、中止させる事は出来なかった。これには法人税減税や高額所得者の所得税減税による税収減を補わなければいけない事情もあった。

◆ まあ日銀だけは景気は持ち直していると言い続け、(当時の報道では)「内閣府は12月13日、(略)2012年12月から始まる現在の景気回復が2017年9月時点で、高度成長期に57か月続いた「いざなぎ景気」を超え戦後2番目の長さとなったとした。


急速充電技術(3/25)
◆ 日本ではスマートフォンのバッテリーの充電時間に対して寛容だが、海外でなシビアに評価される。日本ではバッテリーがどの位もつかが評価される傾向で、各メーカ共に大容量バッテリーを搭載する。

◆ バッテリー容量が大きくなれば、相応の電力を供給しないと素早くは充電が出来ない。現在売られているモバイルバッテリーは急速充電に対応しているものが増えたが、少し前の大容量モバイルバッテリーは満充電までに8時間とか10時間を要した。

◆ Li-ionバッテリーの場合は端子電圧が規定を超える事が許されないので、充電が進むにつれて充電電流を減らしていく必要がある。例えばバッテリー電圧が3Vの場合は1Aの充電電流を流しても4Vまでしか端子電圧が上がらないとする。そのバッテリーの充電が進んで端子電圧が4Vになったとき、1Aの充電電流を流すと端子電圧が4.3Vを超えてしまいバッテリーが壊れる。

◆ その為充電が進むにつれて定電流充電から定電圧充電にする必要があり、充電時間が長くなる。これは充電電流を流しても端子電圧が上がらなければ良い、つまり内部抵抗が低ければ急速充電が出来る。そこで大電力急速充電を謳うスマートフォンではバッテリーを複数搭載して並列接続するなどをしている。

◆ Xiaomiの12T Proは120Wの充電電力によって19分で2%→100%まで充電出来る。バッテリー容量は5Ahで、充電電流は最大30A以上にもなる。

◆ EVにおいても急速充電は必須だと言われていて、海外メーカは急速充電化に取り組んでいる。テスラはテスラスーパーチャージャーを使うと20%→80%までの充電を30分で行える。この80%で規定する所がミソで、80%を超えると急速充電出来なくなるからだ。

◆ ポルシェタイカンは5%→80%迄の充電を22.5分で行う。ただし現在日本では大電力充電設備が殆ど無いので、日本では急速充電が出来ない。トヨタbZ4Xは非公開残量→80%まで40分から60分となっている。ただしbZ4Xの場合は急速充電モードにならない或いは一日あたりの急速充電回数が制限されていたりするので、注意を要する。

◆ スマートフォンとEV用のバッテリーは特性が異なるのだが、海外の例を見ると20分前後の充電時間で80%以上までチャージするのがスタンダードとなりそうだ。それでも20分なのだから結構長いわけだし、20分待ったとしても80%までしか充電出来ないのはダルい。

◆ バッテリー搭載量は100kWh〜150kWh程度になるのではないかと言われる。これを30分以内に充電するには400kW位の充電設備が必要だ。この位の出力になるとケーブルやコネクタの冷却も必要だし、車両側のバッテリマネジメントも難しくなる。

◆ 日本の充電器の出力は50kW以下のものが殆どで、ポルシェやテスラが独自で250kWクラスの充電器を持っている位だ。50kW以上の受電を行うためには6.6kV契約が必要になり、コストや設備の面で(日本では)現実的ではない。政府は今年中にも規制の緩和を行うとしているが、どうにも動きが遅いのである。


BALMUDA Phone(3/24)
◆ BALMUDA Phoneは一代限りで終わりそうだ。初代に引き続いて2代目を世に出すべく設計は進めていたそうだが、「ビジネスとしてセットできなかった」そうだ。

◆ 初代BALMUDA Phoneは昨秋にAndroid12にアップデートされたが、Android13の声は聞こえてこない。長く使って欲しいと言ったが、Android12で終わりだろうか。

◆ BALMUDA Phoneに関しては、誰が見ても売れないと言われ、実際に売れなかった。その後1円まで値下げされたものの未だ在庫は潤沢だとか。現時点では新品が2.5万円程度で売られている。

◆ 製品発表時に4万円くらいの価格を付ければ売れたかも知れないが、ソフトバンク版は14万円を超えていたのだから売れるわけはない。当時のハイエンドというわけでもなく、仕様に見るべきものはなかった。

◆ バルミューダだから高くても売れると思ったのかも知れないが、扇風機やトースタのようには行かなかった。レトロな雰囲気とプラスチックの質感を強調したが、受け入れられなかった。

◆ スマートフォン部門のBALMUDATechnologiesは次なる製品を考案中だと言うが、それが何であるかは公表されなかった。次なる製品がビジネスとしてセットアップできるか否かも不明なものの、スマートフォン分野からの撤退は考えていないという。

◆ 余り金をかけずに開発が出来ると言う点で、アクセサリ類がある。スマートフォンケースだとかイヤフォンとかモバイルバッテリー、ケーブル類や充電器などをODMで中華メーカに作って貰うのはリスクが少ない。

◆ 確かにロット数は大きいのだが、単価が安いので売れない場合は廃棄する事が出来る。スマートフォンケースは素材やデザインで差別化する事が出来、付加価値を付ける事が出来る。

◆ しかし初代BALMUDAPhoneのようなコンセプトでは失敗する。どんなデザインが好まれるかを十分調査する必要がある。素材にしても機能にしても、何かしら特徴を出していかなければ競争に勝つ事は出来ない。

◆ 多くのメーカがスマートフォンアクセサリを作るが、ヒット商品を出すには至っていない。例えば一時期は新素材、カーボンだとかアラミド云々が謳い文句になったが、落下テストなどで早々にボロが出てしまう。

◆ 売れるような商品が現れれば、中華メーカはすぐにそれの類似商品を作る。そして価格はオリジナルメーカの数分の一なのだから勝負にならない。中華メーカは生産量が違うので価格勝負では勝てない。

◆ ワイヤレスイヤフォンにしても、出始めの頃こそ高かったが今は100円ショップで買えるものもある。オーディオメーカとブランド力があれば高い商品も売れるが、そうでないと価格を上げるのは厳しい。

◆ そう考えるとバルミューダがスマートフォンのどの分野に参入するのかは気になるところだ。まあ本当に何かを出してくるのなら、だし、経営者として賢い人ならスマートフォン分野から足を洗うのが一番だと考えるはずだ。しかし在庫を吐きたい面もあり、何かを臭わせる。


ネコほーだいとcoary(3/23)
◆ ねこホーダイに関しては以前に触れたが、coaryも似たようなものというか何というかで炎上した。coaryは前澤氏がプロデュースしたマッチングアプリ、古い表現なら出会い系アプリである。

◆ 新たな市場の開拓と言う事か、シングルマザーを対象としたものなのだが、公開の翌日にサービス中止が発表された。前澤氏は以下のように語った。「シンママの皆様への事前ヒアリングを重ねた上でサービス設計し、懸念に対する予防措置や監視体制を整えてまいりましたが、不測の事態を懸念される皆様のご意見や、現在の状況を鑑み、より慎重に進めるべきと判断し、配信を停止しました」
◆ ねこホーダイの時に、簡単にねこを受け取る事が出来ると、ねこを虐待する事を目的とした人が現れる。と、反対者は言った。月額料金でねこの受け取りが容易になれば、管理が出来なくなるというわけだ。

◆ coaryも同様に、子供の虐待を目的として出会いを行う男がいる、という事だ。虐待のためにわざわざアプリを利用するのかというと、普通に考えればそこまでするかなと思うのだが、虐待マニアに言わせれば「都合が良い」らしい。

◆ また「子どもへの加害や暴力から逃げた妻を探すのに利用する」可能性もあるとされた。これにしても、確かにストーカ的な被害はあるわけだが、そういう人(逃げている人)はマッチングアプリなど使わないと思うのだが、これも素人考えなのかも。

◆ 色々言いはじめるとキリがないというか何というかなのだが、苦情殺到と言う事だから誰が見ても不安に感じるものだったのだろう。なおアプリは一般社団法人日本シングルマザー支援協会 代表理事:江成道子 事業内容:シングルマザー自立支援、女性起業支援、企業コンサルティング、各種研修事業という、補助金で活きてますよみたいな団体が推している。

◆ 女性登録者に対しては1万円をプレゼントするなどの加入者格得作戦も展開したがアプリの内容にも批判が集まった。既婚か未婚か、離別の理由などが問われるものの、選択肢が適切ではない、子供の性別や年齢を入力させるなど、怪しげだと感じる人が多かった。この辺りは個人情報の流用を視野に入れたとも考えられる。

◆ 普通のマッチングアプリであれば批判を受ける事などなさそうなのだが、前澤氏が絡んだ事で怪しさが膨らんだのだろうか。もしやMZDAO関連ではないかという事で。MZDAOはいわゆる副業屋だとか情報商材屋などが飛びついたと言われていて、マトモな人はどんどん去って行っているなんて話もあった。

◆ MZDAOで前澤氏は大きな利益を上げている訳で、何かの事業につなげたいという思いはあるだろう。ただ怪しげ感を払拭するのは大変だと思うし、多くの人を集めたクローズドサークルという存在自体が、ネット上の見えない所で何かやっている感じを増大させている。


ICE規制とEV増産(3/22)
◆ 以前にJeep社のレネゲードの話を書いた。レネゲードはEVではなくプラグインハイブリッド車なのだが、各国各地域での規制によってEV系の車を売らなければならない状況になっている。

◆ 日本はハイブリッド車なら良いよとなったが、これは世界的に見れば特殊だ。EU委員会のユーロ7規制案でもICEには厳しいものとなり、一部ではEU委員会は何をしようとしているのかなど反発もある。

◆ 電力価格の上昇はEVの(ランニングコストが安いという)メリットを無くしてしまうという話もある。欧州では勢いの良かったEV推進に陰りが見え始め、EU委員会への風当たりも強まるのではないのか。

◆ 米国では2026年頃から規制が開始される見込みだが、そのメーカの販売車両のEV比率によってICEの販売台数も規制されるというものがある。おそらくカリフォルニアと、もしかすると他の州でも同様の規制になるかも知れない。

◆ ICEを売りたければEVを売れと言う事で、これはICEで儲かった分をEVで放出しろといっている風にも聞こえる。それでも欧米は充電ステーションなどのインフラが(都市部では)整備されつつあるから良いが、同じような規制が日本で始まったら混乱する。

◆ トヨタは2021年にカリフォルニア州で34万台ほどの車を売った。だが2026年以降に例えば40万台を売ろうとすると、規制に従ってその中の14万台ほどをEVにしなければいけない。

◆ 日本車に有利になりそうなのは、EVのみではなくプラグインハイブリッド車もEV同様と見なされる見込みだと言う事だ。販売比率としてどの程度に見られるのかなど、細部までは調べていない。

◆ bZ4Xはトヨタ曰く「一期分の3000台は2日で予約が埋まる」筈だったのだが、残念ながら半分も売れなかったのだとか。日本委於けるEV開発はまだまだ時間がかかりそうだ。テスラのモータコントローラなどあちこちで解析されているが、かなり合理的かつ高効率に作られている。

◆ トヨタの戦略に乗せられるような形で日本のEV開発は遅れたわけだが、それによって日本の自動車産業自体が輸出に苦しむ事になる。ホンダは中国メーカとバッテリー供給に関しての合弁会社を設立するが、モータの制御技術とバッテリーの性能やコストが最重要とされ、その部分を中国メーカに頼ろうとする。

◆ 各自動車メーカ共に各国の規制がどうなるのか注視していると思うが、場合によっては欧州メーカからODM調達もやむ無しという話もある。自社の開発環境が完成するまでは、EVシャーシを買ってくると言う戦略だ。シャーシごとではなく、制御部分の供給を受ける手もある。

◆ 当面はプラグインハイブリッド車でしのぐのが現実的なのだが、プラグインハイブリッド車が売れるのかというのは別の問題になる。米国ではEVに対して優遇措置があり、プラグインハイブリッド車は優遇度が下がる。その分を価格で競争しようとすれば、現在よりさらに利益率が圧縮されてしまう。


トヨタは変わるのか(3/21)
◆ トヨタの社長が交代し、豊田一家の豊田章男氏は会長職となった。豊田章男氏の最大の功績は、若年層が注目するトヨタを作った事にあるのではないだろうか。

◆ 勿論いきなり若者がトヨタの方を向いたわけではなく、試行錯誤の連続だったと言える。GAZOOにしても中古車検索の社内ベンチャーから育ててきたわけで、それが今やGRとして一つのブランドを作り上げたのである。

◆ 2012年に最初の86が発売されたわけだが、その時に86を買うのはオッサンばかりと言われた。トヨタの若返り戦略に若者は反応せず、デザインに未来感を出し過ぎて失敗するモデルもあった。

◆ しかしここ数年はGRブランド戦略が実を結んだみたいな所もあり、若者からの支持率が高まった。この流れを上手く引き継いでいけるかも、新社長に期待される所だ。

◆ 常に先を見ていかなければいけないトップ企業が既存の利益を手放したくなくなる気持ちは分かる。トヨタとしてはハイブリッドこそ世界一だと言い続けなければならなかった。SONYがβを引きずったように、CD利権を手放したくなかったように。

◆ EVを拒絶していた頃の豊田氏は「車の事など全く分からなかった」と語ったのだが、自動車メーカの社長は車の事も知らないのかと批判された。勿論豊田氏は賢いので、「あの頃は知らなかったが今は知っている」と見え透いた事を言うのも忘れなかった。

◆ 新たな社長は53歳と若い。トヨタの社内規定による出世システムから外れるような昇格だ。新社長の佐藤恒治氏は技術畑の人で、レクサス部門を担当していたそうだ。

◆ トヨタとしては若返り路線を継続させたいという思いも強いだろうし、豊田前社長自身も「私はもう古い人間だと思う」「私に出来ない事も新チームなら出来ると思う」と、世代交代を語った。

◆ 豊田前社長はトヨタを若返らせるきっかけを作り、自分の使命は果たしたと考えたのかも知れない。そしてさらに新しい風を入れるには、新しいリーダが必要だと。

◆ ソフトバンクの孫さんも、経営者が古くなると会社が古くなると語っていた。新たなチャレンジには新鮮な経営者が不可欠であるとした。孫さんは新しいリーダの発掘に力を入れたものの、結局は元の鞘に戻ってしまった。ちなみに豊田前社長は66歳、孫さんは65歳である。

◆ 勿論年齢が全てではなくファーストリテイリングの柳井氏は73歳、今は会長に退いたが様々な功績を残したスズキの鈴木修氏は93歳なのだ。

◆ トヨタの新社長がさらなる若返りを実現出来るのか、レクサス部門出身と言う事でレクサスのテコ入れが出来るのか、EV化の流れにどこまで追いつく事が出来るのかなど、期待される所は多いだろう。

◆ 新社長はGRエンブレム付き車の開発も担当していて、レクサス部門なのでLFAも見ているはずしGRセンチュリーの開発も行う。前代センチュリーのV12エンジンは5リットルの排気量から280馬力/49kgmを出力した。


電子玩具(3/20)
◆ 電子玩具が普及しはじめたのが昭和40年代だったのだとか。トランジスタなどの価格が下がりはじめたことにより、オモチャの世界でも電子化が可能になった。ちょっとした機械仕掛けのオモチャやモデルガンと違い、電池を入れて遊ぶオモチャは未来を感じさせた。

◆ そんな中で子供に人気があったものがトランシーバ、いわゆるウォーキートーキーである。1段+プッシュプルのオーディオアンプに、受信時は超再生、送信時は自励発振用のトランジスタを加えた4石構成のものがスタンダード、より安価なものだとオーディオアンプをトランジスタ2段で済ませた3石のものもあった。

◆ 無線ものというとラジコンもあった。いわゆるプロポーショナル制御ではなく、スイッチのON/OFFだけみたいなものだ。無線方式も完全な無線タイプや、ループ状に線を張ってその線の内側だけで走らせるみたいなものもあった。

◆ トランシーバにしてもラジコンにしても、当時の子供達にとっては未来感を得られるデバイスだったわけだ。昭和40年男という雑誌があったそうで、仮面ライダーカード/スパイ手帳/CBX400F/松本伊代/G馬場VSハンセン/肝臓病と書かれている。この雑誌は2016年に発行されてもので、表紙にはオモチャのトランシーバや自転車の変速機構などが写っている。

◆ ポータブルゲーム機という程の機能はなかったにしても、ランプとスイッチによるモグラ叩きゲーム的なものが増えてくるのは昭和50年代だろうか。その後LSIが安価になると電子玩具の種類も爆発的に増え、価格も下がって来る。

◆ 携帯電話が一般的になると、子供向けのオモチャも携帯電話を模したものが増えてくる。その頃は携帯電話のタダ配りなども活発で、機種変更したあとの不要になった携帯電話を子供に持たせておいた方が安く済んだ、みたいな感じだった。

◆ 携帯電話にTV受像機能が付き始めるのは更に年代が進んでからだが、ソフトバンクの携帯電話は契約を解除してしまうとTV機能も使えなくなるし、電話帳も見られなくなるという、姑息な解約阻止対策を採っていた。

◆ 子供のオモチャと言うよりは大人が楽しんだ風なファミコンは、代替需要だけで年間数百万台が売れたというヒット商品だった。ファミコン本体に拡張機器を接続して株取引を行うなど、大人にとってもちょっとだけ未来を見せてくれる、みたいなものだった。

◆ たまごっち、なんてものもあった。今となってみればなんと言うことはないのだが、世話をして育成するという実時間を加味した動作を行う部分に面白さがあったのだろう。

◆ たまごっちブームに乗った悪事も多く発生した。限定品と偽って数万円で販売をしたり、工場(韓国)から横流しされたものが売られたり、末期には偽物が多数登場することにもなる。しかしブームはそう長くは続かず、1999年頃には数百万個の在庫を抱えたバンダイが、その処分と損失で数百億円を捨てたみたいな事もニュースになった。


通話定額はすごかったのか?(3/19)
◆ ソフトバンクは網内定額で加入者増を狙った。当時はコミュニケーションアプリなどはない訳で、通話しようとすれば通話料金を払う以外にはなかった。

◆ ソフトバンク同士なら他人との通話も無料(注釈付き)と宣伝し、ソフトバンク利用者以外は仲間外れだよ、みたいなCMは批判されたが加入者は増えた。

◆ 当時私はドコモのPT(プッシュトーク)を使っていた。これは米国などで先行して使われたシンプレックスIP通話で、定額ではあったが使いにくいものだった。

◆ その後ソフトバンクの網内定額が開始され、これに乗り換えた。問題は圏外と通話品質で、駅前などでは回線が混雑して使えない状態(しばらくお待ちください表示)になったし、とにかく電波の弱い場所が多くてダメだった。

◆ 無線区間の混雑対策のために音声圧縮率を上げていて、明瞭度もかなり悪かった。それでも定額サービスはソフトバンク唯一であり、しばらく使った覚えがある。

◆ 通話が定額で行える事で、携帯電話を使った盗聴(器)が現実的になった。リンガーを検出して自動的にオフフックする仕掛けを付けておけば、携帯電話による盗聴が可能になる。天井裏などに置く位の大きさにはなってしまうが、ランニングコストを気にせずに盗聴が出来る。

◆ ソフトバンクの網内準定額が2007年開始、網内完全定額オプションが2013年に開始、2014年には一部の番号を除く完全定額オプションが開始された。

◆ ソフトバンクが完全定額制を導入したのは、その前月からドコモが完全定額オプションを開始したためである。ドコモの通話無料オプションは相当なインパクトがあった。

◆ 2014年頃にはLINEがはやり始めていたのだが、通信回線品質や音声伝送技術そのものなどもあって通話品質は悪かった。またLINE通話やメッセージの、韓国政府による盗聴が問題視された。

◆ 韓国政府は盗聴を違法とする法律がないから合法であるとした。LINE側は韓国とは関わりが無いと主張したが、後にこれは嘘だった事が判明する。LINEはデータは韓国に渡していない旨を報告していたが、これも嘘であり韓国のサーバに保管していた。

◆ 2018年頃になるとLINE通話の安定性も向上し、個人間通話でLINEを使う事が普通になってくる。これに伴い個人に於ける通話定額の需要は減少し、完全定額から時間を区切った準定額へとシフトする。

◆ 現時点では楽天モバイルによる楽天LINKでの無料通話がある。通話品質はかなり悪いものの、特別なオプション料金なしで定額通話が可能な点はメリットだ。しかし通話定額の需要は減少しており、顧客獲得のための謳い文句としては弱くなってしまっている。

 



携帯電話版テレホーダイ?(3/18)
◆ テレホーダイの話は以前に書いたが、その携帯電話版みたいな謎のシステムが過去にあった。それは2002年の事だったのだがJM-NETという会社がモブデムと称する携帯電話用アダプタを開発すると伝えられたのだった。

◆ モブデムを携帯電話のコネクタに接続すると、携帯電話の音声はモブデムでディジタル変換され、データとして送受信がされるというもの。

◆ 当時ある人からこの話を聞き、現実性があるかと質問された事があった。私はいくつかの理由で、モブデムが実現不可能だと返答した。

◆ 当時まだ携帯電話に於けるパケット定額制のサービスは無く、従って例えパケット通信で音声を送れたとしても定額にはならない。

◆ 携帯電話のコネクタには音声信号などのインタフェースはあったが、それは外部マイクを使うためのものであって携帯電話のマイクやスピーカの信号は取り出せなかった。

◆ 他にも技術的問題やモブデムの電源をどうするのかとか、9.6kbpsで有効な圧縮をどうやって実現するのかなど、多少分かる人にとっては簡単にバレる嘘だったのだ。

◆ 大盛工業の岩田誠一氏は、休眠会社であったJM-NETを買い上げて子会社とする。JM-NETの大場武生氏はモブデムによって大盛工業の株価をつり上げた。

◆ しかし大場武生氏はメディアなどの質問を交わしきれず、最終的には詐欺である事を認めた。同氏はいわゆる金融ブローカであり、親会社の株価つり上げなどを狙った犯罪だった訳だ。JM-NETは20億円超の負債を抱えて倒産した。

◆ モブデムは事前契約的な事で金を集めながら、サービスは度々延期された。事業者との交渉に時間がかかっているなどの理由を付けたが、長くは持たなかったわけだ。

◆ 当時は携帯電話による通話が全盛期であり、通話料の高さに苦しむ人が多かった。そこにIP通話というワードと共に月額4,500円での定額制を謳ったモブデムに、多くの人が騙された事になる。

◆ こうした通話需要を取り込んだのが旧Vodafoneのラブ定額だった。これは月額315円を払う事により、Vodafone契約の1つの番号に対しての通話やメールが無料になるというものだった。LOVE定額が開始されたのは2005年の11月だった。

◆ 当時単身赴任していた人がVodafoneに変えたよなんて話をしていた。子供も生まれたばかりだったので、話したいことは山ほどあったに違いない。こうしてVodafoneは一時的にせよ加入者を増やすことに成功する。

◆ その後Vodafoneを買収したソフトバンクは、これを複数番号に広げた網内定額を開始する訳だが、それまでには長い迷走期間を要してしまう。当初はドコモの料金プランを真似る、auのプランをコピーするなどしたが、いわゆる劣化コピーでありドコモやauと同一のサービスは出来なかった。そんな状態から抜けるきっかけを作ってくれたのが網内定額のホワイトプランだった。


消えていく個人商店(3/17)
◆ いわゆる商店街のある町並みというのも少なくなってくる。修善寺の駅の近くにも商店街的なところはあるが、今は多くの店が営業していない。

◆ 価格競争があるので、余程頑張らないと個人商店は大手に勝てない。しかし生鮮食料品店を中心に、大手スーパーよりも安価な品物をそろえて繁盛するところもある。

◆ 業種自体が消えていくのは写真店であり書店だ。ディジタルカメラ全盛となると現像や焼き付けを店に依頼する必要が薄れ、消耗品であるフィルムなどの販売も減少する。

◆ ディジタルカメラが流行出す直前くらいでも、自らフィルム現像などを行う店は減っていた。フィルム現像から印画紙への焼き付けまでを全自動で行う機械もあったが、その機械を導入するよりも安い価格でフィルム処理を請け負う企業が増えたからだ。

◆ こうなると街の写真屋は、いわゆる取り次ぎ業務だけになる。そしてデジカメの普及が進み、ディジタルカメラのデータを紙焼きするサービスが一時期行われたが、これも自動機にシェアを奪われることになった。

◆ 書店やレコード店は、そもそも物理媒体が売れない時代なので商売にならなくなる。大手書店などはスケールメリットを活かして存続しているが、個人商店はもう生き残れない。

◆ 20年くらい前は個人商店(書店)に毎月買う雑誌を頼んでおいて、発売日前日の夜にそれを取りに行って、普通に書店で買うより半日は早いゼと悦に入ったものだ。

◆ パンがブームになり街中のパン屋さんに客が押し寄せるが、スーパーがパンコーナに力を入れ始めたことで客を取られてしまう。味はともかくとして、同じようなパンがパン屋の半額で売られるのだからパン屋にとっては厳しいことになる。パン屋が新たなパンを作っても、それが売れ始めると同じようなパンがスーパーにも並ぶ。

◆ 修善寺の商店街に残っているのは靴やバッグを売る店や金物屋、八百屋もあったかな。でも数えるほどしかない。金物屋にしてもホームセンターがあるので、余り商売にはなっていないだろう。電気屋は家電製品の修理だとか、切れた電球の付け替えなどを請け負うという。高齢者世帯が増えた現状では、天井灯の付け替えも自分では出来ない。

◆ 便利屋的な事が商売になっているわけだが、LED電球の時代が来れば電球交換という行為自体が過去のものになる。家電製品が壊れた時には修理か買い換えかが迫られるが、街の電気屋さんは意外に色々直してくれる。メーカに修理に出せば買い換えを勧められるようなものでも、安い費用でなんとかしてくれたりする。

◆ こうした部分で(以前にも書いたが)直す権利の確保が必要になる。メーカがサービスマニュアルを出さなければ、壊れた家電製品を直すことも難しくなる。

◆ 自動車の修理屋はディーラ的な業務を兼ねたところなどがある。農業用の機械などを扱っているところもある。整備業界も大手チェーン店に加盟するなどする所もあるが、存続率としては余り低くない業種だ。


iPhone15(3/16)
◆ iPhone14が今ひとつだったからiPhone15に期待する、そんな声も聞こえてくる。何と言ってもUSB-Cが採用されるかも知れないという事が期待のトップで、USB-Cが採用されたならiPhone14からの買い換えも視野に入ると書かれていたりする。

◆ ただし通常のTypeCケーブルの使用は出来ず、Apple製のケーブルでしか充電は出来ない、なんて話が聞こえてくる。物理規格はUSB Cだが論理的にはUSB Cではないという、なんか面倒なものを考えているのか。

◆ 外観が変わるのではないかとも言われる。新たな金属素材が使われるとか、それによって軽量化が果たされるとも書かれている。チタンかアルミかみたいな話もあるが、チタンは加工性が悪いのでコストが上がる。

◆ 他にはディスプレイの曲面化だとか角を丸くするなどの噂もある。これは金属材料の変更と加工性を考えた場合に、加工が可能な形状を想像する、みたいな感じだ。

◆ その他カメラの品質(画素数)向上、これはUSB C同様毎年言われている事なのだが実現するだろうか。望遠に関してはペリスコープ式の光学ズームの話もあるが、予想と言うよりは要望に近いものもある。

◆ その他LiDERセンサの性能向上や、インカメラのステレオ化の噂も。アウトカメラとLiDERに関しては一時期ほどの必要度がないと言われる。フォーカス精度の向上はLiDERに頼らずに処理系の改善で行い、LiDER非搭載によるデザイン自由度とコストダウンを優先するというものだ。

◆ 新型iPhoneの話ではないが、AirTagと自動車窃盗団の話があった。日本では未だ例が少ないようだが、ターゲットの自動車にAirTagを付けて追跡するのだとか。自動車の所有者がiPhone使いだとAirTagの存在に気づかれる可能性があるが、車室内に電波が入らないような場所、リアバンパーの内側みたいな所に忍ばせるらしい。

◆ ターゲットが駐車場に車を止めれば、リレーアタックなどでささっと車を持って行ってしまうと言う。窃盗犯にしてみれば、従来はGPS発振器だとかスマートフォンをターゲット車両に貼り付けたが、AirTagなら安くて手軽で楽だとなる。

◆ 改造AirTagは音も鳴らないし、振動を検出して電源が切れるので、車の所有者がiPhoneを持っていたとしても気づかれる事が少ないとか。海外の闇マーケットでは改造済みAirTagも売られているそうだ。

◆ 盗難防止策としては単純で原始的ではあるが、イグニションがONにならないようにサブスイッチを付けるのが効果的だ。特に駐車場などから盗まれる場合、エンジン(或いはモーター)が始動しないと車の移動に手間取ってしまう。

◆ 都内などでは車両積載車に乗せて車を持って行ってしまう例もあるが、コインパーキングや地下駐車場には積車は入り込めない。そうなると短距離ながら自力で移動する必要があり、エンジンがかからないと(犯人にとっては)面倒だ。


携帯電話乗っ取り詐欺(3/15)
◆ 以前に乗っ取りによる詐欺被害のニュースがあり、コメントしたことがある。これは相当な事前準備が必要なこともあり、大規模な組織の関与がなければ成立しない犯罪である。

◆ 犯罪としては携帯電話を乗っ取り、携帯電話所有者の銀行口座からカネを抜き取るというもの。果たしてそんなことが出来るのか。海外では犯罪例が増えているようだが、日本でも増えるのか。

◆ 前提条件は色々ある。まず携帯電話所有者が特定の銀行口座を持っていて、スマートフォンでネットバンキングを行っていること。次にその銀行の口座番号が分かっていて、ネットバンキングのパスワード再設定が安易なこと。更にその銀行口座に多額の現金があること、携帯電話所有者の住所や氏名、生年月日が明確なことが必要だ。

◆ この時点でかなり敷居が高く、またターゲットとなる人が限られる。犯罪者はこれら人物のリストを持っていると言うが、情報収集にも時間がかかっているはずだ。

◆ 犯人はまず携帯電話のSIM再発行から行う。これには免許証の偽造によって行われる。写真を犯人のものにして免許証を偽造し、それによって携帯電話ショップの本人確認を突破する。このときに携帯電話ショップが契約時の免許(の写真)と照合を取らない事が必要だ。eKYCで事業者側のサーバに画像が保管されておらず、都度免許証などと顔とのマッチを取るものなら突破が簡単だ。

◆ SIMが再発行されると、そのSIMで被害者の銀行口座にアクセスする。パスワードが分からないのでパスワードの再発行手続きを行う。例えばゆうちょ銀行の場合は登録メールアドレスがあればパスワードの再発行が行え、SMSで通知される。ゆうちょ銀行のアプリは写真でも顔認証が通る。

◆ 住信SBI銀行はSMS認証のみでパスワードの再発行が出来る。楽天銀行は4桁の暗証番号とSMSで再発行が出来る。じぶん銀行は登録メールアドレス宛にパスワードが届く。

◆ 他にもSMS認証のみでパスワード再設定の行える銀行があるのだが、現在は多くの銀行で乱数表やeKYCでの再認証が必要であり、簡単にパスワードの再設定ができる金融機関は限られる。

◆ パスワードの再設定が出来れば、口座の振り込み限度額設定などを変更し、犯人の口座にカネを移す。元々の携帯電話所有者が、携帯電話が使えなくなった事に気づく頃までに、全てを終わらせている必要がある。

◆ このようにターゲットの個人情報や銀行口座、口座番号を知っている必要がある時点で難易度が高いわけだし、逆にここまでの情報が分かっていれば何でもとは言わないが、他の犯罪のターゲットにもなり得る。

◆ オンラインバンキングがWebではなくアプリの場合でも同じようにパスワード再設定は可能なのだが、アプリにトークン機能があったり、別のスマートフォンにアプリをインストールすると使用可能にする手続きが面倒だったりする。


PLCの次はインバータ(3/14)
◆ PLCが短波帯に盛大な妨害電波を輻射すると言う事で、多くのアマチュア無線家が頭を悩ませた。しかし幸か不幸かPLCは流行ることないまま廃れてしまった。しかし世の中に電磁波ノイズを発生するものは増えている。

◆ 今後東京都では太陽電池板を屋根に乗せた住宅が増えるはずだが、パワーコンディショナによるノイズの輻射が問題になっている。メーカなどによって輻射強度に違いはあるが、スイッチングコンバータの駆動周波数が高くなる傾向の現状に於いて、HF帯からVHF帯の輻射ノイズが増えている。

◆ 単一キャリア妨害のようなものではなく10MHz〜20MHz幅のブロードなスペクトルが輻射される。各メーカ共にEMIの規定は満たしていると思うのだが、ソーラーパネルからの電線などがアンテナとなって周囲にノイズを輻射する。

◆ 従来はインバータの駆動周波数が低かったので、AMラジオがノイズで聞こえなくなるなどの障害が多かったが、最近ではスイッチングノイズと共に正弦波を作る部分でのPWMクロックの漏洩が増えている。

◆ PWM制御デバイスのクロック分解能は100ps〜10ns程度のものが多く、位相制御の的確性が謳われる。周波数が高いのでフィルタで落とすことが可能な一方で、シールド不完全による空間輻射がある。

◆ インバータと言えばEVや充電設備も同様で、制御デバイスの高速化による高周波帯域のノイズが増える。従来自動車の雑音と言えばイグニションノイズで、それを嫌うアマチュア無線家はディーゼル乗用車を選ぶなんて話もあった。

◆ イグニションノイズはパルス性のものなのでノイズブランカである程度取り除くことが出来る。ノイズブランカとはパルス性のノイズを検出し、そのノイズの区間だけ受信信号を遮断する仕組みだ。信号は途切れるのだが、ノイズの半サイクル時間に対して情報(音声など)の周期が十分に長いのと、狭帯域フィルタで途切れた部分が埋まるので効率的にノイズが除去できる。

◆ しかしインバータノイズは広帯域に渡るものなので、パルス性ノイズのように取り除くことが出来ない。ノイズ源がメガソーラーなどの場合は事業者なり総務省や経産省に文句を言うことで改善される可能性がある。

◆ 個人設置にしろメガソーラーにしろノイズの抑止を行わなければいけないのはメーカではなく運用者だ。これは電波法全般でそうなのだが、違法無線機を販売することに問題はない。しかしそれを使えば、使った人が罪に問われる。自動車を買うことは誰にでも出来るが、無免許で運転すれば罪に問われるのと同じだ。

◆ 妨害の発生源の改善が出来ない場合は、妨害を受けている側に妥協を求めることになる。金銭での賠償やアンテナ設置場所の変更などが、妨害輻射源設備の所有者によって行われる。こうした例は多くあるそうで、今後東京都では裁判なども含めて多数発生するのではないかと見られる。ソーラパネルを設置する方は、システムの性能面と共に輻射ノイズに関しても調べておく必要があるわけだ。


ラーメン(3/13)
◆ ラーメン論争の最初は本田圭佑さんだったのかな。730円のラーメンが美味い、これなら2千円払っても良いと書いた。これは普通の感覚かも知れなくて、730円のラーメンに価格以上の価値を感じた事になる。

◆ 勿論味の感じ方は人それぞれなので、730円でも高いと感じる人もいるだろう。実際にラーメンが2千円だったわけではなく2千円でも良いよと書いたのだが、一部メディアは(ラーメンが2千円など)感覚が狂っていると書いた。

◆ これに対して堀江氏は「日本人の多くの感覚が狂ってる。うちのラーメンは一万円」として、2千円だと言った本田圭佑氏の感覚がおかしいのではなく、本田圭佑氏の感覚がおかしいとした日本人がおかしいのだと、いや、堀江氏って日本人じゃなかったんだっけ、ん?みたいな事を書いた。

◆ ちなみに堀江氏は北海道のラーメン屋をプロデュースしていて、そこのラーメンは千円からである。うちのラーメンは一万円とした、その「うち」とはどこなのだろう。自宅に出張料理人を派遣して貰い、その価格が1万円なら安いと思うけど。

◆ ホリエモン論に対して立川志らく氏は、ラーメンが2千円だったら俺は食べないと言った。ラーメンにはラーメンとしての常識的な価格があるというのが立川氏だ。

◆ 町のラーメン屋は、価格を上げる事は簡単だが、価格に見合った材料がないという。常識的な材料で常識的なラーメンを作れば、自ずと価格は決まる。ブランド豚の骨だとか、ブランド鶏のガラを使っても、大きな味の違いになりにくいというのだ。

◆ 一方でうま味調味料を使わないで味を出そうとしたら、今の価格では出来ないと言われる。それこそ鰹や昆布を煮込んで濃縮して行くとすると、手間やエネルギコストが原価を上げる。

◆ ただしそこまでやったとしても、自家製の出汁なのか量産品の出汁の素なのかに気づく人は多くはないそうだ。これは有名店と言われるラーメン屋の店主がメディアの取材に答えていたもので、量産品のコスト効率が高いという事だった。

◆ 個人店がチェーン店に勝てないのもこのあたりの理由が大きいそうで、チェーン店と同じ味を出そうとすると、コストは自ずと上がってしまう。最近は流行の味が出来ればチェーン店はすぐにその味のラーメンを開発する訳で、個人店が個人店としての特徴を維持するのは想像以上に難しい。

◆ 堀江氏プロデュースのラーメン屋は現金決済不可能、メニューは壁のQRコードを読んでスマートフォンで見るという、面倒なシステムだそうだ。開店当時は話題になったそうだが、今はどうなのだろう。ちなみにスープは量産品だそうで、職人依存の味にはしない、労基を守ろうとすると値段が上がる、工場生産品はばらつきが少ないと語っているが、1万円のラーメンにすれば原価は許容できそうなのに。

◆ 工場生産品を使うにあたっては、具材と麺とスープを工場から配達して貰う事に、何の問題があるのかとも言っている。なので、店で時間をかけたラーメンを是としているわけではなさそうだ。


ARPUをいかに上げていくか(3/12)
◆ 移動体通信各社は加入者増に力を入れる。加入者数が増えれば加入者数とARPUの積になる売り上げが上がる。ARPUを上げるためには料金を上げなければいけないが、料金がそのままでも加入者数が増えれば売り上げが増える。

◆ 加入者数の上昇を妨げるのが解約者数だ。解約者数はドコモもauもソフトバンクも大きな違いではなく、総加入者数から見た割合である解約率はソフトバンクが最も高い。

◆ 解約率マジックはソフトバンクが行うもので、解約率の少ないものを主要回線と位置づけた。主要回線の定義は過去に何度か変更されていて、その決算期に都合の良いものをかき集めて主要回線と呼ぶ。

◆ 加入者数も色々なマジックというかトリックが使われて、株価対策の一環と言ってしまえばそうなのだが、投資家が簡単に(数字に)騙されるというか、そこに数字があれば中身は余り考えない感じだ。

◆ 大赤字に苦しむ楽天も黙ってはいない。インチキにかけてはソフトバンクに次ぐ存在だが、ソフトバンクよりも綿密さに欠ける。楽天モバイルはARPUを高く見せかけるために、楽天モバイル契約者が楽天関連企業で買い物をした分も紛れ込ませる。これを楽天は"エコシステムARPU"と呼ぶ。

◆ これによって楽天モバイルのARPUは約1.8倍に偽装が出来るのだが、逆に考えるとたった1.8倍なのだ。つまり楽天モバイルの利用者は、楽天の他のサービスに余りカネを落とさない事になる。そして1.8倍にした数字でさえもドコモの回線ARPUの6割でしかない。

◆ これは三木谷氏も過去に触れていて、当初は楽天モバイル会員は楽天関連企業での売り上げに貢献するから、楽天モバイルはゼロ円スタートでも大丈夫だと豪語していた。しかし実際にはそうはならずゼロ円廃止になった。このときに楽天モバイル会員と楽天会員は客層が違うと言った。

◆ 楽天市場の男性顧客層は60代〜70代の割合が最も多く、年齢が下がるにつれて購買率が下がっている。一方のAmazonは20代の顧客が多く、楽天市場とは大きな乖離がある。楽天市場を若年層が好まないのは販売ページの分かりにくさや見にくさで、バナー貼りまくりの構成はもはや過去のものなのだ。

◆ 楽天市場も女性で見ると20代の顧客がある程度多いのだが、日用品の購入が主となっているので売り上げ寄与率が小さいのではないか。この若年女性層は圏外を嫌う率が高いユーザでもあり、楽天市場と楽天モバイルの両立が難しい。

◆ 高齢者は通信事業者の移動に消極的で、高齢者がメインに使うとされるYモバイルの解約率低減に寄与している。楽天は楽天モバイルの顧客層と楽天市場の市場分析、楽天市場の近代化を行わなかった事で、せっかくかき集めた楽天モバイルの顧客を有効に誘導できなかった。

◆ ドコモやauも金融事業や物販などで収益を上げようとしているが、必ずしも順調とはいえない。ソフトバンクはPayPayやLINEを取り込んだ事によって、もはや通信事業以上の収益源になっている。


ステッパーに乗ってみる(3/11)
◆ ここで言うステッパーとは足踏み式の運動器具である。構造は簡単なもので、踏み込み式の可動ペダルに左右の足を乗せ、交互に踏み込むというもの。

◆ ペダルには適度な負荷がかかるように、油圧式のダンパーが付けられている。右のペダルを踏むと左のペダルが上がるような簡単なリンク機構がある。

◆ 高級品?だとダンパーの減衰力が可変出来るものもあるし、リンクの位置の調整でテコ比を変えて重さを変化させるものもある。ペダルだけではなく腕を振るような動作が可能なものもある。

◆ 今回使ってみたのは頂き物で、細かな設定は出来ない。ダンパーは左右に1本付いていて、減衰特性はほぼリニアではないかと思う。踏み込み速度による減衰力の違いは余り感じない。ペダルは支点から鉛直方向に踏み下ろす普通のものだ。

◆ このほかにペダルを踏み込むとペダル踏面の角度が変わるものだとか、位置が左右に開くものなどもある。定格使用時間は30分から60分程度と規定されていて、それはおそらくダンパーの熱容量で決められていると思う。

◆ ステッパーは比較的重めにして使うと思うので、ウォーキングよりも消費カロリーが高いそうだ。太ももの筋肉も鍛えられるとされているが、太ももを鍛えるのであればエアロバイクの方が相応しいのではないだろうか。ステッパーはウォーキング(ランニング)マシンの簡易版的な感じだ。

◆ ステッパーは小型なので邪魔にならず、この手の商品にありがちな”すぐ飽きる”、飽きた後の収納性に優れている。ウォーキングマシンやエアロバイクが高額にもかかわらず、リセールバリューが低いのは重さと大きさによると言われる。

◆ いわゆるオルガンペダル式のものはペダルの踏み込みによって足首の角度が変わる。ペダルの支点をペダルの延長方向に置くのではなく、中央に置いたものもある。これだと踏み込みによってペダルの角度が変わらないが、ペダルの幅が変わる。これをキャンセルするためにリンクを追加したものもある。

◆ 垂直にペダルが降りるタイプは歩くと言うよりも足踏みする感じになるので、スネ側が痛くなりにくい(負荷が軽い)。他にエアロバイクとの中間みたいな感じでペダルが前後に移動するものもあるが、装置自体が大型だ。

◆ 負荷としては階段を上るような感じで、結構疲れる。同じ時間のウォーキングより消費カロリーが大きいという事は、それだけ疲れると言う事だ。30分とか1時間運動するのが良いと言われているが、これは結構疲れる。調整可能なタイプで負荷を軽くすれば疲れないが、物足りなさを感じる。

◆ ここは山の中なのだから歩けば良いじゃないかと言えばそうなのだが、室内で手軽に出来るという点でメリットはある。新品もたいした価格ではないが、すぐ飽きそうな機械なのでリサイクルショップやオークションで500円位のもので試してみるのが良いだろう。


CPUはパフォーマンスが命なのか(3/10)
◆ 民生用のコンピュータと言われるものが世に出てきた頃、CPUは8080系か6800(6502)系が使われていた。8080系は5Vの単一電源で動作しなかった事もあり、組み込み用などには6800系が多く使われた。

◆ その後8080はZ80となり単一電源動作が可能になったのだが、クロックのViHを保証しなければならないなど、多少面倒な所はあった。6800系より動作クロック周波数が高かったが、命令実行に要するクロック数が多かった。

◆ 6800系は命令実行サイクルが短く、同期バスである事やインデックスレジスタがあるなど、プログラム効率を上げる事が出来た。当時はROMにしろRAMにしろ高額な部品であったため、プログラムが短く出来る事にメリットがあった。

◆ Apple][は6502を使い、いち早くDRAMも使ったと思う。Z80はI/O空間があったのだが、6800系はI/Oもメモリマップする必要があった。メモリの低価格化などにより8bitCPUの64kバイトのメモリ空間はすぐに埋まってしまう事になる。

◆ Intelは16bitCPUの8086を開発したのだが、当初は8bitより遅い16bitCPUだなどと言われた。8bit時代にはCP/Mが多く使われていたが、16bit時代になるとMS-DOSが全盛になる。CP/M86も作られたのだが時期が遅かった。

◆ IBM PCやPC9800は8086を使い、企業などを中心に導入が盛んになった。6800系はワークステーション分野など使われたが、量産効果などもあってパーソナルコンピュータは8086系が全盛になる。ここからはIntelの独壇場になる。

◆ 今も昔もそうだがCPUはパフォーマンスが命である。80386から80486になっていく頃にCyrixが互換CPUを発売した。圧倒的低価格でシェアを伸ばすものの、やがて消えていく運命だった。低価格CPUに競争力はあるものの、人々はパフォーマンスを求めたのだ。

◆ 現在のおいてもIntelとAMDはパフォーマンスを競っている。最初にクロック1GHzを突破したのがAMD、2/3/4GHzの突破はIntel、5GHzの突破はAMD、そしてIntelは1月に6GHz版のCore i9-13900KSを発売した。

◆ スマートフォンの世界ではARMコアが支配的である。Google自身がARMコア用のコードを作っている事もあり、またHUAWEIの衰退によるKirinの中止、SAMSUNGはパフォーマンスで勝てないとあって、もはや敵無しなのである。

◆ 互換性を持たせる事は工業所有権などの絡みもあり、デバイスを作る事よりもその政治的問題の方が厄介だ。Intelも事実上スマートフォン用SoCは中止した訳で、少なくともしばらくはARMの独壇場は続くだろう。

◆ GoogleはRISC-Vに関してのアナウンスをしていた。RISC-VはオープンアーキテクチャなのでSoCのローコスト化が可能になるのだが、それはハイパフォーマンスのCPUが出来ればの話だ。

◆ 更にSoCとして考えるなら相当な開発力が必要になる。日本のメーカにもSoCが作れない事はないが、開発費の捻出が難しいだろう。開発がスタートした所でTRONのように、孫さんに潰されるかも知れない。ARMがソフトバンク系である以上、様々な妨害工作が行われるはずだ。


ネットワーク配線と電気工事(3/9)
◆ StarlinkのアンテナはPoE給電であり、PoE給電の最大電圧は57Vなので無資格者が工事をしてはいけないと電気屋が声を荒げていた。Starlinkの工事を請け負いますと宣伝している業者には注意しなければいけないという話だ。

◆ 電気工事士資格問題はソーラーシステム自作の時にも言われるもので、電気工事士警察に目を付けられてしまう。12V系なら問題はないが、48V系を使うとあれこれ言われる。

◆ 経産省によると以下は無資格工事が可能だとしている。「電気工事士法施行令第1条 電圧600V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、その他の接続 器又は電圧600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他 の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事」。

◆ 具体的に言うと、コンセントやプラグ、スイッチなどに電線を接続しても良いよという事だ。この中にネットワーク配線やソーラーシステムの配線が書かれていないから、これらの工事には電気工事士の資格がいるというのが電気屋の主張である。

◆ しかしソーラーシステムに関しては次のものが該当しそうである。「電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ)又は電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ)をねじ止めする工事 」。ここには蓄電池と書かれている。

◆ ネットワークケーブルが全てPoEで使われるとは限らないので、既存のネットワークケーブルにPoEインジェクタを接続しただけ、であれば誰にも文句は言われない。コネクタを挿すのは素人の出来る作業だからだ。

◆ 細かい事を言い始めると、ではUSBPDの次期規格はどうなのかみたいな話にもなってくる。USBケーブルを壁に固定したら違法工事なのかという話だ。

◆ 電気屋の言う事には、TVのアンテナ工事を専門に請け負う会社は電気工事業の届け出を行っておらず、そうした所に工事を任せてはいけないとの事だ。まあ電気屋的には、アンテナ屋に工事を取られてはたまらないみたいな商業的雰囲気がにじみ出ている。

◆ アンテナ工事屋はネットワークケーブルを大切に扱う(潰したりしない)だろうが、ネットワークケーブルを知らない電気屋だったら壁に打ち付けてしまうかも知れない。資格の有無と工事の品質は別のものなので、一概に何が良いとも言い切れない感じではある。

◆ こうした話が出てくるのもStarlink利用者が増えつつあるからで、月額6.6千円への値下げは競争力がある。ここも引っ越してきてしばらくはFTTHが引かれなかったので、その時にStarlinkがあれば使っていたかも知れない。

◆ WiMAXはエリア内だとエリアマップ上には示されていたが、実際に試してみると完全なる圏外だった。UQのエリアマップはソフトバンク並みにいい加減だと実感したのだ。ITジャーナリストを名乗る山崎潤一郎氏は、使うだけ使って試用期間中に返品してやったぜ!と、悪徳ぶりを自慢していた。


赤い羽根共同募金(3/8)
◆ 政治家は皆赤い羽根を付けている。おそらくは最も有名な募金団体が共同募金だ。東京都とcolabo問題でこの共同募金の実態も暴かれてきた。また一部生協にもカネが流れていたり、韓国系の団体も関連したりしているそうだ。

◆ 共同募金とは何かと言えば、各天下り団体にカネを流すシステムのようなものだ。赤い羽根共同募金で奪った資金の大半は、市町村の社会福祉協議会に回る。社会福祉協議会は自治体の下にある組織で、他に中央の共同募金会に上納される。

◆ こうした一連のシステムがうまく機能するように、強制募金システムが作られている。自治会などが募金を集めて共同募金に上納する。これを不審に思った人が裁判に訴えた。

◆ 赤い羽根共同募金や日赤への寄付を自治会決議に基づき会費徴収できるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷自治会側の上告を退ける決定をした。「思想、信条の自由を侵害する」として決議を無効と認め反対住民側の逆転勝訴とした2審大阪高裁判決が確定した。

◆ こうした判決が出ているにもかかわらず、強制徴収している町内会は多い。特に田舎の方では文句を言えない風潮というか、少額だから払ってしまえと言う諦めもある。

◆ また募金名目での集金が出来なくなった事から、町内会費を値上げして使途を隠して募金するという集金システムもある。天下り団体は集金額が減るのを好まないわけだから、何としても金を集めようと必死になる。

◆ 判決が出たのは2008年頃の話であり、天下り集金システムはほころびを見せ始める。しかし上に書いたような、偽装募金なども含めて暗躍は続いていると言える。

◆ 今年のニュースでは共同募金が800万円分の化粧品を20人で山分けしたとの情報が流れた。その後共同募金は人数を書き換え、1,000人に配ったとした。

◆ 他にも政治家や関連団体への寄付や献金など、何のための募金なのかという不審さが増す。正しく使われるのであれば文句は無いが、怪しげな所には金を渡さない事も大切だ。

◆ 私は過去に赤十字に寄付をした事があったが、その後は寄付のお願いのハガキが毎年来るようになった。あくまでも任意の筈の寄付が、お願いベースなのは気に入らない。勿論そのハガキを受け取ってからは、日赤に寄付をする事はやめた。

◆ 災害などが起きると街に募金屋が出没する。多くは有償アルバイトで、時給を貰って募金を集める。募金を集めた企業や団体は、アルバイトや自分たちの給料、各経費を減じた残りを寄付に回す。団体にもよるだろうが、寄付に回せるカネは集金額の1割位しか残っていないとか。

◆ 街中で寄付のお願いに遭遇したら、会計報告を見せて貰うと良い。怪しげな団体はそんなものは持ち合わせていないはずなので、すぐに分かる。正しい団体であれば、どの集金時にどれだけの金が集まり、それをどこに寄付したかを教えてくれる。


少子化と婚姻困難(3/7)
◆ 少し前の日経の記事だったと思うのだが、日本の少子化の原因に婚姻困難があるというものがあった。(婚姻関係にある女性の)出生数で日本は世界で最低値ではないが、生涯子供を産まない女性の率は日本が突出しているのだそうだ。

◆ 同記事では2000年生まれの女性の4割は生涯子供を産まない可能性があるとしていた。近年大きく増えたのが婚姻困難型とされるが、これは結婚できない人のみではなく結婚という概念を持たない人も増えている。

◆ 少子化対策は必要なのだが、現状では金をばらまくしか方法がない。金をばらまく代わりに課税を強化する訳で、将来不安は増すばかりだ。保険や年金問題も、100年安心だと言いながら数年ごとに値上げや改悪が行われている。

◆ 一方で麻生太郎氏は、年間650万円以上の飲食費を税金から支出させているとして問題視されていた。麻生氏にしても岸田氏にしても、欲しいものは税金で買っていく的な生き方をしてきたわけで、庶民の生活だとか少子化の要因などは分からないはずだ。麻生太郎氏「防衛増税 国民の理解得た」に批判集中 “キングオブ老害”(の、新聞タイトル)はダテではないと言う所である。

◆ 財務省は配偶者控除を無くしたい。女性も働けと言う事だ。一方で男性の育児休暇取得などは、そのコストを企業に付け替えようとしている。なお男性の育児休暇取得率は公務員が多く、民間企業の2倍ほどになっている。公務員の中でも財務省が83%以上と圧倒的数字になっている。 
◆ 合計特殊出生率は1990年頃から2005年頃まではダラダラと下がっている感じだったのが、その後は若干の上昇に転じている。ただし人口減によって出生数自体は減少している。合計特殊出生率もコロナウイルスによる影響か、2019年以降は再び減少に転じている。

◆ 政府による老人輸出の話はずっと前に書いた事があるが、今後は若者の"輸入"に力を入れるのだろうか。老害議員がいる限り政治は変わらないだろうし、日本の未来も明るくはならない。老害議員に日本の未来は不要で、だって自分たちは先に死んでいくのだから。

◆ 女性の年齢別出生率は1975年には25歳から26歳位にピークがあり、比較的シャープな山形となっていた。1990年にはピークが29歳位になり、少しブロードになる。2020年には30歳から32歳位にピークはあるものの、山の形は崩れてきている。

◆ 出産年齢の上昇は晩婚化にも関係している。晩婚化の要因は様々だろうが、結婚の必要性を感じないとか結婚生活をしていくだけの収入が無いなどもある。ただ金がないから結婚できないというのは、理屈の上ではそうなのだが現実は少し違うようにも感じる。日本が貧乏だった時代でも子供は増えていたわけだし、それは貧乏から這い上がる課程に希望を託したからだ。今は逆に悪くなる一方であり、未来に希望を見つけられない。


ゴミ有料化の弊害(3/6)
◆ ゴミ回収を有料化している自治体が増えている。伊豆市もそうなのだが、ゴミ袋を有料で買わせる方式だ。そもそもゴミ処理は住民税内で行われるべきものであり、別途費用を取るのは間違っていると指摘されている。

◆ 浜松市ではゴミの有料化に関して市民の意見を聞いたらしいが、聞いただけというか聞いた風なポーズを取っただけなのかな。浜松市はゴミの有料化はゴミ削減が目的であり、他の意味は無いと言っている。

◆ 以前にも書いたが、これがまかり通るようになるとあらゆる住民サービスが有料化できてしまう。市区町村役場で入場料を取る事さえも可能になる。

◆ 長引く不況により、ゴミ処理が有料化されると無料の地域にゴミを捨てる人が増え始める。隣接した市や町にゴミを捨てに行くわけだ。大家族などではゴミの量も多いだろうし、年間を通して考えるとかなりの費用になるのかも知れない。

◆ もう一つはコンビニや高速道路のSAなどにゴミを持ち込む人々だ。高速道路に関しては、出かける途中に捨てていく人も一定数居るだろう。ゴミ収集日が決まっている以上、家に放置していくかどこかに捨てるかしか方法がない。

◆ 横浜市は従来は毎日生ゴミ収集が行われていたが、やがて隔日になった。更に行政サービス悪化によって週に2日になった。しかし夏場だけは衛生面を考慮して隔日集荷を行うとしたものの、翌年からはそれも行われなくなったんだったかな。

◆ 高速道路に関しては高い通行料金を払っているわけだし、その通行料は道路に使われているばかりではなく、サービスエリアなどの整備関連会社に流されていく。各道路会社には(民営化前の)天下り団体が沢山ぶら下がっていて、どんどんカネを消費する構造が出来上がっている。

◆ コンビニは純民間企業なので、家庭ゴミを持ち込まれると損失が発生する。そこでゴミ箱を撤去するという事を行いつつある。コンビニで何かを買ってパッケージを捨てていこうと思っても、そもそも捨てる場所がない。

◆ 地方では特に、道路の中央分離帯にゴミを投げ捨てるトラックなどが多いが、そもそも捨てる場所が無いのだから(仕方がないとは言わないが)困るのだ。行政によるゴミ収集の有料化やサービスの低下が、結局は道路清掃というコストに変わって自らを直撃する。

◆ 駅のゴミ箱も元々はセキュリティ上(オウム問題の頃だったか?)の理由で撤去されたが、そのままになっている。ゴミは持ち帰りましょうな訳だが、自治体は他の地域で消費した結果のゴミをその自治体に持ち込むなと言う。

◆ 例えば神奈川県で材料を購入し、神奈川県でバーベキューを行った。その結果出たゴミを自宅のある東京都に持ち込んで捨てるのはケシカランというわけだ。まあ自治体の言う事は分からなくもないが、ではどこに捨てろというのか。


限界ニュータウンは各地にある(3/5)
◆ 以前に関西にある、廃墟への道を進むニュータウンの話を書いた。こうした建売住宅は各地に存在していて、所有者が不明なまま廃墟と化している物件がある。

◆ 所有者が分かりにくいのは登記簿の変更を行っていないためだ。何らかの事情によってその物件を手放し、所有者はどこかに引っ越していく。このときに物件の登記簿を書き換えれば良いのだが、それにもお金がかかる事から放置する例が多い。

◆ 北海道などは中国人に買われている土地も多く、登記簿の変更もされていないなどで固定資産税の課税が出来ない例が多い。日本人の場合は住民票で追跡が出来るので、所有者不明と言う事は殆どない筈だ。

◆ 持ち主は物件を売ろうとするはずだが、そもそも値が付かない。或いは売却価格でローンの返済が出来なかったり、抵当権が設定されていて売れなかったりする。いずれにしても空き家となった物件は荒れ放題になり、やがて朽ちていく。

◆ こうした物件に目を付けるのは外国人が多いそうで、何人か或いは十数人で共同生活をする拠点として使う。ただし車を止める場所などが無いと、そうした利用も難しいのだとか。

◆ 関東地方だと千葉県にこうした物件が多いという。地価は西高東低と言われ、東京よりも東側に位置する千葉県や茨城県が安い。その安さにより買いやすい価格での分譲が盛んに行われた。

◆ しかし売れ残りが多かった事や交通の便が悪かった事もあり、限界ニュータウンの道を歩み始める事となってしまう。例えば千葉県の八街だと、電車を使って東京駅に出るのに2時間半位かかってしまう。車であればもう少し早いかも知れないが、時間帯によっては激しい渋滞が待っている。

◆ 確かに通勤2時間は、手ごろな価格のベッドタウンでは致し方なかったかも知れない。新幹線通勤者が仙台の物件を買いあさったなんて話もあった位だ。しかし景気の悪化と共に会社は交通費の支給を非課税範囲に押さえはじめるなどし、通勤に不便な場所の人気は急速に失われていった。

◆ 今ならリモート勤務でという事にもなりそうではあるのだが、それにしても当時の物件の価値が上がるわけではない。では八街の物件が全く売れないのかと言えばそうではなく、便利な場所には建て売りが並ぶ。

◆ 土地が60坪程度で2千万円前後という買いやすさから、動きはそう悪くはないと言われる。結局駅の近くなど便利な場所の物件は売れるが、野山を開拓して作られたニュータウンは売れないという、これは他の土地でも同様なのだ。

◆ おそらくニュータウンが出来た当時はバスが走っていたり、商店が何軒かあるような場所だったのだろう。しかし住民数の減少によってバス路線は廃止され、商店のシャッターは開かなくなる。

◆ どの街が生き残り、どの街が廃墟と化すのかなど誰にも分からない。日本の土地の総量が一定で、人口が減少するのだから土地はどんどん余っていく。子供が3人以上居れば新たな需要が生まれるが、そうでなければ需要は無い。


繰り下げ受給はお得か?(3/4)
◆ 年金は今は65歳が支給開始だが、これを遅らせることも出来る。支給開始を5年遅らせると支給額は4割以上増えるんだったかな。なので長生きする予定の人は支給開始を遅らせましょうと、確かNHKは力説していた。グラフを出して、これだけ支給額が違いますみたいな事を言っていたが、そこに寿命の概念がないという…
◆ しかし年金額によっては支給開始を遅くしたからと言って、計算通りに手取りが増えない。それは税金や社会保険料が加速度的に増えていくからだ。また医療費負担が増える場合もあるし、総所得額によっては企業年金が減らされる場合もある。

◆ こうした事を考え、自分の残寿命を考えた上で年金受取開始年齢を決めなければいけない。国民年金にしか入っていない人は支給額が月額6.48万円と少ないので、支給開始を遅くしても現状で税金がかかることはないと思う。ただし将来的に非課税で居られるかどうかは分からない。

◆ 年金額の低さは先進国でもトップクラスで、公的援助が少ないとされる米国よりも更に低い。国民年金のみでは生活保護費のレベルにも達しないという、おかしな状態になる。なので年金だけでは暮らせないよと申請をすれば、生活保護費と同額まで貰える(生活保護のシステムが適用されるだけ)のだが、それって幸せなことなの?となる。

◆ 安倍政権時代だったか平成16年の年金制度改正でマクロスライドシステムが導入された。これにより年金は100年安心だよ、みたいな事を言った。マクロスライドは物価が0.5%上がると年金支給額を0.4%下げ、物価が1%下がると年金支給額を1%下げる。物価の上昇方向に対しては-0.9%のバイアスを加えている。だから国の支出が減るんだよ、これが100年安心の秘訣だよと、まあ簡単に言えばそういう事だ。

◆ 所がこの100年安心システムは10年もしないうちに破綻することになる。やっぱりカネが足りないから、高齢者の人も年金を納めてねと言うわけだ。これって安倍総理が生きていたとしても同じ事が起きたのかな。100年安心なんて言っていないとか誰も100年安心だとは思っていないと、麻生氏は言っていた。

◆ 今の若い人は年金を払った分すらも貰えない。自分で貯金をすれば貯金した額そのもの(+金利分)が財産だが、年金の場合は目減りする。本来は逆で、払った分以上の支給が望めるから年金は良いよね日本に生まれて良かったねとなる。

◆ しかし逆だと年金掛け金を払うのも嫌になるし、これは当然である。まあ国も年金掛け金を年金税として強制徴収するようになるだろう。そうしなければ年金を払う人はどんどん減っていく。ただでさえ可処分所得が少ないのに、若い人は生きていけなくなってしまう。

◆ 厚生年金や企業年金は支給額が大きいが、掛け金も大きい。これも将来的に安泰なのかと言えば不安もある。年金システムだとか保険システムが改善されていくのなら未来も明るく見えるが、改悪しかないのだから最低だ。日本の消費税率は世界に比較して低いから、増税余地があると議員は言っている。


ロードサービスは高いのか(3/3)
◆ 度々話題になるロードサービス料金、基本料金が安いからと頼んでみたらとんでもない金額だったと話題に事欠かないのが、関東ロードサービスや関西ロードサービスを名乗るところだ。

◆ 確かに基本料金は安いので、ついトラブル時に依頼してしまう。しかし基本料金だけで済むはずはなく、バッテリー上がりのサポート(バッテリー交換無し)で7万円〜10万円、レッカー作業では20万円を超える請求になったというもの。

◆ この業者が悪質だとされるのは、最初に料金を伝えていない事にある。基本料金に加えてその他の料金が発生する事は予想が出来たとしても、安さを売りにしているような宣伝文句を見れば、まさか高額請求が待っているとは思わないだろう。

◆ バッテリー上がりの救援でも、最初にジャンピング低圧という作業を3万円で行い、エンジンがかからなかったので追加でジャンピング高圧3万円を行ったとある。作業が発生したから料金が発生するのは当然として、低圧と高圧の違いはブースタケーブルの太さ?みたいな感じだとか。

◆ バッテリーが上がってしまったら、タクシーを呼んでホームセンターに行き、工具とバッテリーを買って戻ってきた方が安い。ただしバッテリー以外の所が壊れているとダメだけど。

◆ 不安があるならレッカー車を呼ぶ方法もある。距離にもよるが、最初の料金が1〜2万円で、従量料金が1kmあたり500円〜1,000円位だ。たいていはレッカー会社が整備工場などを知っているので、そこに運ぶだけなら基本料金内に収まったりする。

◆ 任意保険ではロードサービス特約があるので、これに入っておけば安心だ。ロードサービスの依頼は事故ではないので、保険を使った事にはならない。

◆ 故障だけではなく、未舗装路に入ったら出られなくなってしまったとか、これからはEVの電池切れの救援などもあるかも知れない。個人経営の整備工場は常識的価格だと思うのだが、フランチャイズは注意した方が良い。

◆ それこそクラシアンみたいなもので、色々な料金が加算されていく。クラシアンを呼んだ人が居たのだが、電話では基本料金の事しか言わない。現地を見ないと分からないからすぐに行くというだけだった。1時間ほどすると作業員が見に来て、4万円ほどの見積もりだったそうだ。

◆ この方は結局翌日に近所の水道屋に頼み、出張費と作業費合計5千円で済んだとか。電話で料金を聞くと、交換部品がなければこの位、○○を交換したらこのくらいと丁寧だったそうだ。

◆ ウチでは給湯器の修理を頼んだ事があって、メーカのサービスに頼んだ方が安かった。安価な表示をしているフランチャイズ修理屋が検索されるが、修理不能と言われて新品交換させられたなどの評価もあった。メーカのサービスで出張費込みで2万円位だったかな、殆どは人件費な筈なので価格は妥当ではないかと思った。


OCNエコノミー(3/2)
◆ 先日書いたテレホーダイの終了という話、OCNエコノミーによるインターネット常時接続の開始で日本に於ける通信事情も変化が始まる。OCNエコノミーはディジタル線を使ったものだが、その後ADSLが登場する。

◆ ADSLはアナログ加入者線にデータを通すもので、アナログモデムの親分みたいな感じだと思えば良い。これにはいくつかの方式があったが、ソフトバンクは他者の使うADSL方式を潰しにかかった事があった。

◆ 他にも不要な端子を予約する事でNTTに過大な損失を与えるなど、まさにソフトバンク手法炸裂だった。この端子確保はソフトバンク以外のISPにも多大な影響を与えた。ソフトバンクが端子を確保してしまうために、他者が電話線を引けなくなってしまったのである。

◆ ソフトバンクは端子を確保した上で、その後キャンセルする。NTTは設備増強のコストを損害として被る事になった。こうした事が行われないようにNTTは後に契約金的な保証金を取るようになる。

◆ 当時のソフトバンクはモデム配りと言うよりも、無理矢理ADSLモデムを持ち帰らせる的な強引営業を行った。その結果として大きな赤字になるわけで、ADSL末期には設備投資が不要になった事で一時的単期黒字にはなるも最終的に事業としては赤字だった。

◆ ソフトバンクの詐欺的商法はこの頃から始まった訳で、それまではソフトウエア卸の大手という地味な存在だった同社が、色々な意味で有名になったきっかけである。

◆ ソフトバンクはADSLに固執したが、世の中はFTTHの方向に動く。ソフトバンクはFTTHを安く使わせろと言うも、(当たり前ながら)交渉は決裂し、結果としてFTTHから取り残される事になる。その後移動体通信事業に進出するのだが、ADSLの損失を携帯電話事業で取り戻そうとしたのかも知れない。

◆ ADSLが普及するまではアナログモデムによる接続が一般的だった。ISDNの使える(引ける)場所では、ISDNによるインターネット接続も行われていた。OCNエコノミーは価格が高く、中々個人には浸透していかなかった。

◆ 当時最初は会社でOSNエコノミーを引いていて、会社で使わない夜間は無料でそれを開放していた。これがISP事業のきっかけになる訳だが、その後インターネット回線はT1(1.5Mbps)に変更した。

◆ ダイアルアップ回線はPRI(ISDNが23本分入っている光回線)を引き、PortMasterという集合モデムで着信を受けた。このモデムが当初は1台400万円位だった。T1を受けたCiscoのルータも同じ位の価格だったと思う。

◆ 更に着信回線が増え、たぶんPRIが10本か15本位入ってきていたと思うのだが、それに伴い上位回線を6Mbpsにした。この頃には集合モデムが200万円位に下がっていたが、それでも15台なのだから設備代は馬鹿に出来ない。6MbpsをルーティングするルータはタワーケースのPC位の大きさで、600万円位だったかな。

◆ 当時にしてみれば6Mbpsは凄く速い速度だったわけで、その高速信号をルーティングするためには多くの回路が必要だったのである。


エリア整備と基地局数(3/1)
◆ 各社共にLTEのエリア整備は完了していると言って良い。ルーラルエリアなどの改善は引き続き行われるものの、設備投資は(楽天モバイルを除いて)5Gのエリア拡大にシフトしている。

◆ 800/900MHz帯では、このバンドをメインとするauの基地局数が約8万局と多い。これはドコモの約7.3万局よりも多く、伊豆の山の中にもauの800MHz帯のアンテナを見かける。東北ではドコモが強いが、北陸や西日本の山間部でauが強い所以だ。

◆ ソフトバンクは900MHz帯を苦労して獲得したが、基地局数は6万と少ない。700MHz帯の基地局も1.3万しかなく、エリア整備はあまり積極的とは言えない。auは700MHz帯の基地局も3事業者の中では最も多い2.5万局だ。

◆ 2GHz帯ではドコモが圧倒的で約8万局を有する。700MHz/800MHz帯を主要バンドとするauは5万局を有し、5万局によるカバー率は95%だとする。ソフトバンクは2GHz帯でも基地局数は少なく、4.6万局となっている。

◆ 楽天モバイルは約5万の基地局でカバー率98%を謳う。auが同基地局数で95%なので、確かに周波数帯は違うのだが、楽天モバイルのカバー率算出の甘さが見え隠れする。

◆ この点ではソフトバンクも同様で、エリアマップを塗りたくっている。総務省がエリアマップの正確性を検証するなどしたら、ソフトバンクのエリアマップは寂しくなるだろう。

◆ 楽天モバイルは今年中に基地局数を6万に増やし、カバー率を99%にしたいとするのだが、経営難故に設備投資を先送りする(せざるを得ない)との暴露記事も出ているので何とも言えない。6万局まで増やしてもソフトバンクの半分以下であり、毎年1万局増やせたとしてもソフトバンクに追いつくには9年かかる。勿論ソフトバンクも足踏みして待っているわけではなく、マイクロセル化なども含めて基地局数は増えていく。

◆ 孫さんは10年でドコモを抜くと言ったが実現できなかった。後発の事業者が先行者に追いつくためには、先行者の何倍もの力を一気に炸裂させなければいけない。これは理屈の上では不可能ではないが、実際には設備投資額がかかる話なので難しい。それこそ年間数兆円を投じていけば先行事業者に追いつけるが、先行事業者だって年間数千億円を投じているのだ。

◆ 孫さんは、ドコモが生長せずに待っていてくれれば10年で追いつけると考えたのかも知れない。それでも一時期はauに迫る加入者数になったのだが、金で加入者を買う事が出来なくなると、急速に加入者を減らしてしまった。

◆ 例え加入者獲得に大金を使ったとしても、純増は勢いであるとみられて株価は上がり資金調達の余裕が生まれる。しかし今は加入者を金で買う事が難しく、この点でも楽天モバイルにとっては厳しい現状だと言える。

◆ ソフトバンクも迷走期には倒産説も囁かれたわけで、インフラ整備と加入者獲得が一筋縄ではいかない事が分かる。Vodafoneを買収したとは言え、新規事業者が10年以上存続できたのはソフトバンクが最初である。