自動運転タクシー(12/5)
◆ 米国や中国の一部都市では自動運転タクシーが営業運転している。米国では人間が運転するタクシーよりも安い料金でチップも必要ないことから、利用者の評判も良いらしい。交通法規厳守なので急いでいる時には使えないかも知れないけど。
◆ 自動運転の世界でも日本は出遅れてしまった。もっとも日本の場合はタクシーは利権産業であり、自動運転技術が発達してもなんだかんだと理由を付けて自動運転車を阻止するのかも知れない。もしかするとドライバー不足から、既存のタクシー会社が自動運転車を使う可能性もある。
◆ 米国でも中国でも特定の都市を走り回る運行ではあるが、日本の場合はむしろ過疎地域の交通対策として活かせるのではないだろうか。過疎地域では乗り合いのバス(自由運行的なもの)を行政や行政が委託した民間が運行する例がある。免許を返納した高齢者対策などで、定期運行するには乗客が少ないなどで、オンデマンド運行を行ったりする。
◆ ここで問題になるのが人件費で、客がいようがいまいがドライバーは確保しておく必要がある。定期運行しなければ無駄な燃料費などは節約できるが、人件費はそうはいかない。燃料や車両維持コストが1km走行あたり50円だとして、平均時速30km/hで走るバスドライバーの時給が1,500円ならば、1kmあたり50円になる。
◆ 米国の自動運転タクシーの料金は、有人タクシー料金の6割程度らしいので、自動運転車のコストが高いとしても人件費よりは安いことになる。自動運転の場合は時間に関係なく利用できることになるし、夜間の割増料金も理屈の上では必要がなくなる。
◆ 田舎の場合は都市部のように道路が入り組んでいるわけではなく、絶対的交通量が少なく徒歩や自転車の割合も相当低い。行き先はスーパーや医療機関、駅周辺などと、これも大体決まっている。その意味では自動運転車が導入しやすいと言える。
◆ 自動運転車だとか自動運転タクシーが解禁されれば、米中あたりから車両を輸入して参入する事業者が現れるかも知れない。米国では緊急通報の乱用の元だと言われた自動運転車は、さほど緊急ではないにもかかわらず緊急通報する例があったという。眠った乗客を死んだと勘違いするなど、システム的改善も必要になる。
◆ 日本のタクシードライバーの平均年齢は上昇の一途だそうで、高齢ドライバーによる事故もある。そうは言っても年金だけでは暮らしていけない人が増えつつあり、更には定年年齢の延長は高齢ドライバーを増やす。50歳代の平均貯蓄額は数百万円あると言われるが、中央値は数十万円らしい。これらの人が高齢者となる15年或いは20年後には、年金支給額も支給開始年齢も今よりずっと改悪されているだろう。
◆ タクシードライバーになるには二種免許が必要なので、誰でも働けるわけではないのだが、人員不足に悩むタクシー会社は二種免許取得のサポートを行う所もある。タクシードライバーの平均年齢は60歳を超え、ドライバー人数は20万人に満たない。2007年には38万人以上のドライバーがいた(国交省データ)ので、高齢化による自然減少も相まってドライバー不足も起きている。
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