航続距離(6/1)
◆ EV乗りのPOSTで航続距離は1,000kmも要らないみたいなものがあった。500kmでも辛いのに1,000kmも連続で走る事が出来ないからだという。
◆ EV乗りしにしてみれば航続距離=連続走行距離になるようだが、実際にはそうではない。出かけた先に充電出来る施設があるかどうか、充電施設の有無によって行き先を変える事は出来ないだろうから、翌日の予定も考えるべきだ。それでも実走行で500km走れれば余り不便はないと思う。
◆ しかし500km近くを走り切った時が問題だ。欧州のように250kW以上の充電設備があり、それに対応する車両なら30分の充電で500km分位の充電が可能だが、現状の日本ではそうは行かない。ポルシェのマカンやタイカンは270kWの充電(タイカンは最大320kWだったかな)に対応している。30分の充電で500km分の電力が蓄えられるのなら、30分位我慢するかと思えるかな。
◆ 私などガソリンスタンドに寄る事も面倒に感じるので、30分待てと言われたらやっぱり嫌かも。30分でも1時間でも良いですよと言うのなら食事でもするが、規定の充電時間が終わったら次の人の為に充電器を空けなければいけない。混雑時などPHEVは充電設備を使うなと言われるわけだし、それこそ30分を5分でも過ぎたら文句を言われそうである。
◆ 50kW充電器をスタンダードと考えるのなら、EVは近距離用途の車となる。実航続距離が100kmくらいあれば、普段の買い物用として使える。田舎なら車は一人1台みたいな感じなので現実的になるが、都市部では一家に一台なので近距離専用車の需要は少ないだろう。
◆ 50kWの充電器に30分間接続して25kWh分の電力を溜めるには、バッテリー容量が60kWh位は必要だ。Li-ionバッテリーは充電率が7〜8割を超えると充電電流を減らさなければいけないからだ。
◆ 日産サクラのバッテリー容量は20kWhで、30分間急速充電器に接続すると最大約12kWh分の電力を蓄えられる。サクラは暖房を使う時期でも満充電なら70km位は走れるそうなので、30分の急速充電で40km位航続距離が伸びる。充電スポットまで片道10kmあると、実質的に20kmしか距離を稼げない。
◆ ここは田舎だから特になのだが、充電施設までの道路距離が23kmほどあるでの、充電施設までの往復で充電した電力を使ってしまう。その充電施設に他の車がいなければ、1時間の充電をして60km分位の電力を蓄えられるかも。
◆ 充電施設問題はガソリンスタンド減少にも言える事で、ガソリンを入れる為だけに町まで出なければいけないという地域が増えている。その町なり村にあった個人経営のスタンドが、設備更新費用に負けて廃業してしまったなど。天城の方だと最寄りのガソリンスタンドまで10km以上走るのは珍しくない。
◆ 航続距離も問題なのだがバッテリーの劣化も問題だ。バッテリーの寿命が車の寿命なので、少なくとも現状では下取り値が安く乗り換えが大変だ。過渡期のPCやスマートフォンのように、ニューモデルは性能が向上して価格が下がってくる。これもリセールバリューが下がる原因だ。
◆ 趣味の車であれば実用性は余り問題にはならない。どこかに気に入ったところがあれば、他の部分は気にせずにいられるからだ。しかし実用車となるとそうも言っていられない。車を買う時にEVを検討しなかったかについては又後日。
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