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過去の雑記置き場


安くて速いテスラの中古(10/1)
最高効率のエンジンは中国製?(10/2)
研究は必要かも知れないが…(10/3)
水深何cmまで安全なのか?(10/4)
部屋の断熱性とエアコンのパワー(10/5)
支払い連携は危険なのか?(10/6)
カネが足りなかったこと(10/7)
安い車は沢山売れる(10/8)
エアコン関連商売(10/9)
ゴミ袋は高いのか?(10/10)
H4プロジェクタ式LEDバルブ(10/11)
トンネルと水問題(10/12)
限界ニュータウンでなくても安い家(10/13)
まーさんガレージ(10/14)
トヨタGRオイル(10/15)
減っていくキャリアショップ(10/16)
測定器より感が重要?(10/17)
軽自動車は危ないのか?(10/18)
後方からの衝突(10/19)
軽自動車はある意味贅沢(10/20)
天城を走った時のこと(10/21)
取り締まり強化(10/22)
マツダ以外はほぼ全滅(10/23)
轢かれちゃった人(10/24)
サスペンションセッティング(10/25)
収益の構造(10/26)
高いけど安い軽自動車(10/27)
電動コンプレッサカークーラ(10/28)
ジムニー人気再燃なの?(10/29)
ジムニーの壊れる場所(10/30)
ブレーキフルード(10/31)


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ブレーキフルード(10/31)
◆ ブレーキフルードは2年ごとに交換するのが普通かなと思っている。整備工場などの記事を読むと、交換費用も高くはないので2年ごとが良いよとなっていた。2年ごとの交換が必須ではないけれど、4年以上無交換は避けた方が良い、みたいな感じだ。

◆ 一方でオイル交換系の店では1年以内に交換するべきだと書かれている。ブレーキフルード屋ではDOT4なら2〜3年ごと、DOT3は半年から1年での交換を勧める的な書き方だ。これは沸点や吸湿性などを鑑みた場合にこうなると言う事なのだろう。

◆ ブレーキフルードはエチレングリコールが主成分(DOT5はシリコン系?)なので吸湿性があり、水分が混じると沸点が下がる。沸点が下がるとベーパロックが起きやすくなり、安全性が低下する。

◆ この他にブレーキ系の錆の問題もある。湿気が入ると金属が錆びるので、ブレーキシリンダなどが錆びやすくなる。フルードを交換してもキャリパー内やピストン部分のオイルが全部入れ替わるわけではないので、定期的なオイル交換で万全かと言えばそうでもないとも思うが、それでも水分が分散するだけでも効果はあるはずだ。

◆ ブレーキフルードは安いものだが、キャリパーのオーバホールは面倒だしお金もかかる。なので定期的なブレーキフルード交換をしておいた方が何かとお得なのではないかと思う。勿論ブレーキフルードを換えているからキャリパーのオーバホールをしなくて良いと言う事ではないので、パッド交換の際にはピストン部分のブーツや錆も見ておくべきである。

◆ ミニはブレーキフルードは加圧交換しろとなっているので、加圧器を買わなくてはいけない。このあたりは以前にBlogにも書いたのだが、負圧式だと逆方向に圧力がかかるので推奨されず、ワンウエイバルブ式もわずかに逆方向に圧力がかかるのでエアの混入の恐れがあって推奨されず、ペダルポンピング方式はリザーブタンクが空になる不注意が起きやすいので推奨されない。

◆ BMWはブレーキ圧制御ユニット内にエアが入ってしまうと抜くのが大変なので、出来るだけ(多少作業に不手際があったとしても)安全な方法で交換が出来るようにと言う事だ。なのでちゃんとした、つまり失敗をしない人が作業を行うのであればペダルポンピング方式でも問題はないと思う。

◆ フルード類というとパワーステアリングフルードもある。これはATFと同じものを使うのかな、メーカによるかも知れないがATF交換時にタンク内のオイルだけでも交換しておくと良いかも。もっとも最近は電動パワーステアリングが増えたので、オイル交換の概念すらなくなってきている。

◆ ジムニーの電動パワーステアリングは、いかにも電動ですよと言う感じだった。舵角が小さい時の反応とかに不自然感があったし、停車時と走行時の制御の切り替わり点が分かったりした。人間の手の感覚は意外に敏感なので、少しのトルク変動や不感帯の変化でも感じ取る事が出来る。

◆ ミニも電動なのだが違和感は殆どない。殆どなので多少はあるのだが、かなり注意していないと違和感に気づく事はない。違和感がある場合はトルクセンサとか舵角センサの調整や、不具合品であれば交換で直る場合が多い。電動パワーステアリング車でステアリングフィールが悪い場合、これらセンサの再調整で良くなる事があるとか。ただディーラではやりたがらない作業のようで、多くの場合は「こんなものです」で片付けられてしまうそうだ。


ジムニーの壊れる場所(10/30)
◆ 昨日の話の続きである。キングピンベアリングは壊れるというか、設計上の問題なので仕方ない所だ。自分で作業すれば部品代だけなので1万円位だが、整備工場に依頼すると4万円位かかる。一度交換して済めば良いのだが、コイツは定期交換が必要だ。これはナックルの状態にもより、新車であれば数年は大丈夫、しかし塗装部分が剥がれてくるとベアリングとシールは車検ごとに交換だ。気の利いた工場では再塗装して修理するそうだが価格がねぇ。硬質メッキが出来れば寿命は長くなるはずだ。

◆ 交換は難しくないのと交換頻度が自ずと高くなるので、自分で交換出来るように練習しないと嫌になるかも。私など自分で作業するにしてもグリスベタベタで嫌になった。フロントがリジッドの車両は多かれ少なかれシミーは起きる。ジムニーは調整が出来ない構造なので、面倒な所はある。

◆ エアコンコンプレッサ同様にスズキの弱い所として、セルモータの交換例もある。これも自分で行えば部品代だけだが、整備工場に依頼すると3万円位かかる。一度交換すればそうそう壊れるものではないと思う。エアコンのコンプレッサ交換は15万円位かかるようなので、それに比べれば安い。

◆ ロッキングハブの固着もよく起きるが、これはたまに4WDに切り替えて走るなどすれば予防出来る。室内では電球切れが多いと思うので、切れたらLEDに交換しておくべきだ。ドアやリアドアのスイッチなども駄目になる事が多いそうで、私はリアドアのスイッチを磨いて半田付けして直した。

◆ ただランプ切れとかスイッチ不良とかを故障としてカウントするようだと、中古の軽自動車など乗れないかも知れない。他の軽自動車と違うのはボディの丈夫さだ。軽のワンボックスなど荷物を沢山積むとヨレヨレになり、それを繰り返す商用車などガタガタになってしまう。しかしジムニーならそんな心配は無用だ。

◆ 海水を350リットル以上積んで走ると、さすがに前輪荷重が抜けてステアリングは軽くなるが、それでもヨレたりせず走れるのだから凄い。セメントや砂利も沢山積んで、舗装が荒れた山道を運んだがミシリとも言わない。いやミシッ位は音が出たかも知れないが、駆動系のノイズに負けて聞こえない。

◆ サスペンションの応答性が悪いので、デコボコ道ではブレーキが利かない。ブレーキ自体は利くがタイヤがグリップしないのでABSが反応するばかりなりなのである。これもJB64はABSセッティングが良くなったと聞くが、JB23はダメだ。何ならABSのコネクタを引っこ抜いておいた方が制動距離は短くなる。普通の車のつもりで乗れば事故を起こす事必至なので、ジムニーに乗っている事を常に意識しなければいけない。

◆ 私の乗り方でタイヤは2万kmも保たなかった。山道を走るとタイヤが減りやすいよとガソリンスタンドの人が言っていた。確かに曲がりくねった道を走るので、特に前輪の負荷は大きいと思う。都市部で乗るならもう少しタイヤは保つかも知れない。

◆ タイヤは何種類か使ったが、JB64用の新車装着タイヤが一番良かった。グリップもそこそこ、寿命もそこそこで片減りもしにくい。新車外しのタイヤが安く買えるので、特別なこだわりがないのならこれが良い。逆に良くなかったのがNANKANGのA/Tタイヤだった。タイヤ自体が重い為もあると思うが、シミーが酷かった。ロードノイズはさほど大きくはなかったが、雨天時のグリップは悪かった。


ジムニー人気再燃なの?(10/29)
◆ ジムニーに関して聞かれる事があったので書いてみる事にする。と言うか以前にも書いたのだけれど、考え方としては特に変わっていない。納車までの時間を待てるのであればJB64が良いと思っている。様々な面で進化しているが、基本的にはジムニーだ。

◆ 旧型となったJB23は年式によって違いはあるが大きくは変わらない。装備などグレードによる差もあるし、年式によって4WDモードへの切り替えがプッシュボタンにものもあり、レバー式のものもある。プッシュボタン式は信頼性に欠ける所があるらしく、レバーでトランスミッションを直接操作するタイプが安心だと言われる。

◆ 燃費が良い方が良いのならばマニュアルトランスミッション車に限る。ATはロックアップ機構も付いていないしストール回転数が高いのでロスが大きい。ストールさせると過給が開始されるので、常に十分なトルクを得られる設定だ。

◆ 雨だとスリップして普通の車は登れないような坂道があるのだが、ジムニーでトランスファをLowに切り替えれば普通に登っていける。4WD Lowなど普通に走っていれば使う機会すらないと思うが、山道では心強い。

◆ JB23はLSDが付いていないので、片輪がスリップすれば駆動力を失う。後付けで前後にLSDを入れれば最強ではあるが、それなりにコストがかかる。JB64ならESCがあるので、LSD並みというか似たような特性を得る事が出来る。ただしリアブレーキがドラムな事もあって、長時間使うと過熱するらしい。

◆ 整備しながら乗るのであれば年式も走行距離も余り気にしなくて良いかもしれないが、ボディのサビには注意したい。温暖地で使われていた車ならまだしも、北国からやって来た車は下回りがボロボロになっているものも少なくはない。

◆ ジムニーは車高が高いので、手鏡があれば下周りのサビを見る事が出来る。荷室下あたりとかヘッドライト周り(ここは見にくい)、フレームとシャーシの結合部などが錆びやすい。フレームが錆びて穴が空いていたりすると車検に通らなくなる。軽度の錆なら補修だとか溶接で直す事は出来るが、ジムニーに軽度などあり得ないみたいな意見もある。

◆ 以前乗っていたジムニーは余り錆がなかったので、その点で手間はかからなかった。私が乗るようになって錆は増えたと思うが、錆を見つけてはさび止めを塗ったりスプレーしたりしていた。初年度登録から21年目に手放したが、錆びて穴が空いた箇所はなかった。

◆ エンジンはオイル下がりがあった。購入時点で14万km走行車だったので、この程度の距離を乗るとオイル下がりが起きるのだろう。勿論それまでのオイル管理などにもよるけれど、いずれステムシールは駄目になる。整備工場での修理費用は5万円前後だそうだ。

◆ 自分でやるなら部品代だけなので、ステムシールとピストンリングを交換すれば、また10万km以上はそのまま乗れるだろう。他にはオルタネータやエアコンコンプレッサが壊れやすいと聞く。実際オルタネータは壊れて交換しているが、エアコンは前オーナが交換したのか?新しそうな感じだったのでそのまま使えた。電動ファンも壊れて交換している。

◆ ラジエータキャップの壊れからヘッドガスケットを換える羽目になったので、ラジエータキャップは車検ごとに交換した方が良い。エンジンオイルは5,000km目安で交換していたが、5,000kmごとでは遅かったかも。山道走行では2速全開の踏みっぱなしになるので、シビアすぎるシビアコンディションだし。


電動コンプレッサカークーラ(10/28)
◆ 中華製だと思うのだが、電動コンプレッサ式の自動車用クーラが売られている。エアコンの付いていない車や通常のエアコンが付けられない車、或いはエンジン以外の動力で冷房する必要のあるキャンピングカーやワンボックスカーの補助冷房機として需要があるそうだ。

◆ 入力電力が800W〜1kW程度なので、冷房能力として公称1500kCal程度となっている。普通車車のエアコンの能力は5000kcal前後あるので、あくまでも補助的な利用と言う事になる。この電動クーラを旧車に付けて実験したものがあったが、真夏の炎天下では余り役に立たないとの結論だった。

◆ ただ除湿は行われるので温度が高いとは言っても快適性は違ってくる筈だ。こちらの文書(pdf)は日産セドリック(昭和35年頃)に搭載するためのクーラの開発に買うするものだ。能力は3000kcal/hが設計目標値とされた。炎天下に車を駐車したあと35km/hで走行した場合、20分経過後の車室内温度は外気温より8℃下がったとある。

◆ 昭和35年頃だとバスや電車に冷房はなかっただろうし、個人宅にも冷房は普及していない時代だったと思う。この時代にカーエアコンを搭載したのだから凄いものだ。文中にもあるがエンジンパワーを食われるとか、オーバヒートに対する対策など苦労が分かる。

◆ ハイブリッド車やEVでは電動コンプレッサ式のクーラが使われているが、効率のみを考えるとエンジン駆動式のものの方が良いそうだ。回転数などを自由に変えられる電動式の方が良いように思えるのだが実際にはそうでもない。ホンダはエンジンでのベルト駆動と電動モータの両方を利用出来るコンプレッサを使っていた。何故モータだけにしなかったかと言えば、効率面を考えて、なのだそうだ。

◆ 電動カーエアコンキットは3万円前後と安いので、重機などの冷房用やプレハブ作業場の冷房用などに使われるという。もしかしたら更に大容量のものが、今は売られているかも知れない。ずいぶん昔の話になるが、自小さな動車用品店の店舗の冷房が自動車用のクーラだった所があった。

◆ 自動車用クーラのデモみたいな意味合いもあったのだと思うが、カークーラのコンプレッサとデカいモータがVベルトで結合されていた。モータ出力は数キロワットは必要だったと思うので、3相だったのかな。

◆ 冷房機と言う事で見れば中華スポットクーラが安い。2.3kW程度のものが2万円台で買える。昔々の屋外にダクトを出すタイプの据え置き型クーラみたいなもので、高温側の排気はダクトで屋外に導く。

◆ アマチュア無線の免許を取った頃だから、未だ小学生だったと思うのだが、当時大学生(だったと思う)人のアパートの部屋に、その冷房機が付いていた。除湿された水がいっぱいになるとブザーが鳴って止まってしまうので、その人はタンクの水を捨てて冷房機を再起動していた。ウチにもクーラなどはなかった時代なので、夏でも涼しいって凄いなと思ったものだ。どこのメーカなのかどんな製品なのかも分からなかったが、たぶん高価なものだっただろう。

◆ 別の人(その人もたぶん大学生)の家の押し入れには、怪しげ燃費節約グッズが沢山押し込まれていた。たぶん儲かるよと言われて仕入れて、全然売れなかった類いだと思う。アルコールと水の混合物みたいなものを、負圧で吸い込ませると燃費がよくなるというものらしい。


高いけど安い軽自動車(10/27)
◆ 新車も中古車も割高なのが軽自動車である。中古は値落ちが少ないので割高感があるのは、買い換えずに乗る人が多いので需給バランスが崩れにくいとも言われる。

◆ イニシャルコストは高いのだが、ランニングコストは安い。税金も安いし有料道路の通行料金も安い場合が多い。非都市部であれば車庫証明が不要なので、購入の手続きも簡単に出来る。軽自動車は燃費が悪かったが、これも大幅に改善された。昨今の軽自動車ならば小型ハイブリッド車にも劣らない実燃費をたたき出す。

◆ 山道や高速道路はさすがにパワーがないので厳しいが、ターボ付きで車重が軽ければそこそこ走れる。ジムニーは64馬力で1tにもなる車重なので、燃費も悪いし山道は登らないしで、使い方を選ぶ車だ。

◆ 高価格軽自動車は200万円を超え、オプションを付けたりすると250万円にもなる。これだったら小型車の方がお得なように感じるのだが、ハイブリッド車を選ぶのと同じでランニングコストの安さに目が行く。いくら税金が安いと言っても、燃費が良かったとしても、イニシャルコストの分が埋まるわけではない。

◆ 小型で扱いやすいのもメリットだ。最初にジムニーに乗った時に、このサイズの車だったらどうにでも出来そうだなと思った。後輪が滑り出そうがインリフトしようが、焦る事なく対処が出来る。狭い山道でも住宅街でも躊躇なく入っていける。軽トラックなど後輪駆動車なら最小回転半径も小さいので、更に取り回しが簡単だ。

◆ 軽なので最大積載量は350kgかな。商用車でも乗用車でも強度が似たようなものだとすれば、乗用車も2名+350kg位しか荷物を積む事が出来ない。ジムニーは海水を運んだりセメントや砂利を運んだりと、かなり重いものを乗せた。それでもガタピシ言わずに走れたのは今や珍しいフレーム構造のおかげだったかも知れない。

◆ 燃費は悪いし操縦性も悪かったが、強固で丈夫である点では軽トラック以上だと言えるのではないか。今時トラックでも独立懸架になっているフロントサスすらリジッドで、追従性は最悪ではあるが丈夫な事にかけては最高だ。

◆ 普通の軽自動車は独立懸架なので乗り心地は普通だし、三菱(日産)製はスズキの軽より静かな感じがした。というよりスズキの軽はサスペンション関係のノイズや振動が車室内に侵入してくる。確かにジムニーは乗り心地は悪いが、ではハスラーが良いかというと意外にそうでもないし、スペーシアも同様だった。

◆ 軽自動車はどれも同じようなものかなと思ったのだが、これが意外に違うのだ。軽自動車に乗り換えて乗り潰そうと思っている方がいれば、目的感をハッキリさせた方が良いと思う。高速道路を走るならターボ付き、トランスミッションは殆どCVTなのかな。軽はトルクが小さいのでCVTのトラブルは多くはないが、従来型ATの方が丈夫で長持ちだと言われる。

◆ 中古の狙い目は10万km以上の走行車だという中古車屋もある。ある程度整備がされている事への期待と、価格が下がるからだそうだ。商業の軽など10年で30万km以上走るそうなので、車両価格の安さを考えれば走行距離など誤差範囲、みたいに言っている。これには全面的には賛成は出来ないが、軽自動車の中古が高いから、という事もあるのだろう。


収益の構造(10/26)
◆ 中身は何もないけどタイトルだけは過激にするとか、本当に過激な事をやって再生数を稼ぐとか、Youtuberも色々である。今は少し下火になっているようだが、ドライブレコーダ動画系の動画は閲覧数が稼げたそうだ。動画は撮影者から無償提供(或いは公開されたものを勝手にコピー)されるので原価はかからない。

◆ その動画が煽らせ屋のものなのかどうかなどは関係がなく、悪質そうに見えれば再生数が稼げる。しかし最近は煽らせ屋が増えた事もあって、ドライブレコーダ動画自体の信憑性が問われるようになる。さらには似たような動画が多い事で人気が薄れてきたとも言われる。

◆ 単に動画を流すだけではなく独自の解説を交える何とかサロンというチャネルは、運送業者などによるあおり運転などを扱う所らしい。らしいというのは、実は私はあまり見た事がなく、ちょっと見てみたのだが面白くないというか無理矢理感があるというか、収益系Youtuberそのものというかでそれ以上見る気がしなかった。

◆ このYoutuber氏は動画を公開するぞと運送業者に事前に報告する(!)事で、解決金的に金を貰っているのだとか。運送業者は悪評を嫌い相当な示談金を出すとの事だ。逆に金を出さない場合はその運送業者を狙うかのように繰り返し動画に解説を入れて公開するという。また海外の動画を反転して(左側通行のように見せかけて)画像を合成するなどのテクニックも使うそうだ。

◆ 本当かな?と思ったのだが、Youtuber氏本人がその事を語っていたという記事があり、また同じ業者のトラックを繰り返し(別のシーンを使って)動画にしている事実もあった。運送会社のドライバーによるチャネルでは、この何とかサロンは酷い、情報を歪曲させているだけだと批判している。

◆ こうした事は動画で稼ぐ人がいる限り仕方がない事で、TV局が視聴率のためならヤラセでもねつ造でもやるというのと全く同じだ。TV局の場合は個人や団体が特定されないようにするが、Youtuberの場合はそうではないので問題が大きくなりやすい。

◆ 何とかサロンの公開動画の話ではないが、あおり運転の被害者だと言って公開した動画に対して、加害者とされる人も動画を公開し、煽らせ屋の正体がばれて煽らせ屋が謝罪したみたいな動画もあった。

◆ 凝った?動画になると煽らせ屋が追い越し車線をゆっくり走り、それを煽っている後続車を更に別の車から撮影するみたいなものもある。これだと画角を自由に撮れるので、煽らせ屋の前方ががら空きである事を隠して撮影が出来る。このあたりはTV局の番組作りと同様のテクニックであると言える。

◆ こうしたYoutuberが自然淘汰されるのか?それとも更に増殖していくのかは、収益そのものにかかっているというわけだ。Xにおけるインプレゾンビも、中国農村部などに住む人だと年収と同じ位の金額が1ヶ月で稼げるという。その為に数百台のスマートフォンを並べてタップしまくるとか、インプレッションの多い投稿を監視するとか、たゆまぬ努力が?続けられているそうだ。

◆ ロシアも物価が安くiPhoneが月収の半年分みたいな感覚だそうで、それに比較するとYoutubeやXによる収益は"楽して稼げる"事になるという。日本も労働賃金は安いので、再生数稼ぎは意外に良い商売になるとも言える。


サスペンションセッティング(10/25)
◆ ミニの足は固めだ。SLと同じ位か、SLより固いかも知れない。SLはセミ油圧アクティブサスなのでロールはしない。従ってコーナリング中は外側のサスペンションのバネレートが上がったような感じになるので、ロールを以てサスが固いかどうかを語ることは出来ない。

◆ ジムニーのサスは柔らかい。悪路でグリップを稼ぐためには車重に対して柔らかいサスペンションを使わないと、追従出来なくなってしまう。サスペンションは柔らかいが乗り心地は固い。リジッドでバネ下が重く、更に大径タイヤも重いのでバタバタと落ち着かない。ギャップを乗り越えるとドンというショックがボディーを揺らす。サスペンションが柔らかいのでコーナでは激しくロールし、イン側のタイヤが浮く。

◆ ミニのサスは固いがハーシュネスの吸収が良好なので、ギャップを乗り越えた時の不快感は少ない。昔トヨタのエンジニアが言っていたが、前後方向の力をどう逃がすのかだけではなく、前後或いは横力が問題なんだと。ポルシェを買ってバラバラにして調べると、なるほど良く出来ていたと感心していた。

◆ と言う話を書いたのはマツダのCX-60のサスペンションが固すぎると言われているからだ。CX-60ではピロボールを使うなどしてアームを組んでいるそうだ。そして、それは固いのではなくフリクションが大きくて動きにくいのではないかと言われる。固さと乗り心地と走行安定性は別物なのだが、硬い足=乗り心地が悪いと思ってしまう人には合わないと言う事になる。ピロボールにしてもCX-60が市販車で最初にこれを使ったと言う事ではなく、マツダ3でも(荷重方向は異なるが)使っていたとの事。

◆ 日本人的感覚だと、柔らかいサスペンション=乗り心地が良いとなる。なのでドイツ車にしてもイタリア車にしても高級車とかスポーツカーみたいな表現はされても、乗り心地が良いとは余り(一般メディアは)書かない。

◆ 乗り心地というか乗り味で、日本人はアメ車を好みそうな感じがする。だいぶ前になるが、ショックアブソーバの減衰力を極限まで下げたらアメ車のような乗り心地になるかと聞かれた事がある。その人はアメ車のような乗り心地が好みなのだそうだ。確かにサスペンションを柔らかくすればふわふわの乗り心地になるとしても、日本車は横幅と重心の比がアメ車とは違うので、走行安定性が悪くなりすぎる。

◆ トヨタのエンジニアは、欧州車的な味付けのサスペンションも作れるが、そんな味付けにしても日本人の評価は得られないし金がかかるだけだと言った。カチッとした足回りやハンドリングを日本人は良いものとは認識しないよと言う事なのだ。

◆ 海外の評論家だったかな、トヨタ車のハンドリングは良く作られていると言った。それはステアリングコントローラによって、それらしいフィールが作られていると言う事だ。ステアリング特性というか操舵感を作り出す事によって、仕向地ごとにそれを帰る事が出来る。これはメカニカルな設計を変える事なく、それっぽい味付けが出来る。

◆ CX-60は乗り味が固いという悪評?に対していくつかの改善を行った。ピロボールをラバーブッシュに変更、リアのアンチロールスタビライザの廃止、光合成ホイールの廃止だ。これにより乗り味の固さは改善されたが、評論家は「ビシッとしたステアリングフィールが失われた」と書いた。


轢かれちゃった人(10/24)
◆ 横断歩道前で止まらない車などを啓発?しているXのアカウントがある。一部では当たり屋だと言われているのだが、横断歩道に人がいるのに停車しない車両は違反だ。都内でも最近取り締まりが増えたそうで、路地でも白バイが待機して捕まえている。

◆ その啓発?アカウントの主が横断歩道を渡っている時に車にはねられてしまった。もう1ヶ月以上前に話なので、お怪我は回復しただろうか。警察にも当たり屋呼ばわりされたらしいけれど、横断歩道上で轢かれたのだからどう考えたって車が悪い。

◆ 何故歩行者に気づかなかったのかだが、啓発アカウント主のカメラによれば自動車の運転者はスマートフォンを見ている事が分かる。スマートフォンを見ていたので横断歩道上の人物に気づかず、そのまま激突してしまった。啓発アカウント主は横断歩道を渡りきろうとしている所だったので、自動車運転者がよそ見さえしていなければハンドル操作で事故は回避出来たと思う。

◆ 啓発アカウント主もまさか激突してくるとは思わなかっただろうし、ノーブレーキで来ると分かっていれば逃げたはずだ。まあこのあたりの行動が当たり屋と言われるゆえんでもあるので、今後は横断歩道を渡る時にも周りに注意を払うかも知れない。

◆ そもそも横断歩道が安全ではないのが問題で、横断歩道を渡っている人をクラクションで追い散らして行くなんて動画もある。ちなみに米国は横断歩道に人がいると殆どの車は停車するそうだ。日本人は秩序を重んじるのに、何故車の運転応力が低いのかと米国人が不思議がる。

◆ 米国の州によるのかも知れないが、スクールバスが停車した場合にそのバスを追い越すと違反になる。バスの前後を子供が飛び出す可能性を考えてと言う事だと思う。日本の場合はスクールバスとか幼稚園バスの存在自体が曖昧なので、法規制はしにくい。

◆ 幼稚園バスなども登録や許可、或いは認可が必要な乗物にすれば色々な面で変化が期待出来る。死亡事故まで起きているバス内置き去り事件や交通事故の問題などにも、一定の歯止めがかけられる。現状ではバス代を取りながら白ナンバーで運行している幼稚園バスが沢山ある。

◆ 幼稚園側に言わせれば二種免許を持ったドライバーがいないから無理みたいな話になるのだが、無理だから違法状態でもいいやというのはダメである。死亡事故を起こした幼稚園も通常とは異なる高齢者がバスを運転し、乗員確認せずに施錠した。

◆ この件では幼い命が奪われる事となったのだが、他に同様な事件はいくつも起きている。死亡事故は大きく報道されていたから知らない人はいないと思うのに、何故同じ事を繰り返してしまうのかも不思議だ。これが一定の教育を受けたドライバーなら防げるのかといえば、それは完全ではないとは思うのだが、素人よりは良いんじゃないのかなぁ。

◆ 横浜では横断歩道に人がいても止まる車は皆無だったが、伊豆周辺はかなりに車が止まる。全てとは言えないが、8割位は止まるんじゃないかな。でも踏切は止まらない。電車の本数が少ないから衝突確率が低いという事なのか?一時停止をしない運転者が1割位いるんじゃないだろうか。


マツダ以外はほぼ全滅(10/23)
◆ 米国の衝突安全性試験であるIIHSで、日本車の多くが低評価になった。理由はIIHSの試験方法がアップデートされ、後席安全性が評価されるようになったからだ。では何故それで日本車が低評価になったかというと、安全性評価試験に特化した安全性能によって得点を稼ぐ傾向が見られるからだという。

◆ 燃費のモードテストチューニング同様に、試験項目が予め分かっているものに対しては、その試験項目で高得点が得られるようにチューニングする。過去にはヒューズベルト問題などもあって、試験成績は良いが事故時の乗員保護性能に問題があるというもの。

◆ 小細工というと言い方が悪いが、最小のコストで最高の成績を得るためのチューニングなので仕方がない部分はある。BENZやボルボが独自の試験を重ねて安全性能を高めようとしているのとは、まさに文化が違うと言えば良いだろう。

◆ では何故マツダ車は後席安全性が確保されていたのか?マツダは安全性能を付加価値として車両を設計するポリシーがあり、例えばペダルの踏み間違いなどに対しても独自に研究・検討をしている。こうした方針なので、衝突試験などで得られたデータによる安全性の向上を行っていたのではないだろうか。

◆ トヨタに言わせれば安全はカネにならないとなってしまう訳だし、要らぬ所に金をかけて売れない車を作るからマツダはダメなんだと言われればそうかも知れない。安全性に金をかけるならリコールを減らす努力をしろと。

◆ 安全性の追求という点では富士重工も熱心な感じがしたが、トヨタグループとなった今はそれも過去の話なのか、IIHSのテストではほぼ全滅である。ホンダや日産では一部の車種で高評価、マツダはテストされた6車種中で5車種が高評価、トヨタ(レクサス)はテストされた13車種全てで低評価となっている。

◆ 勿論いつまでも低評価というわけではなく、アップデートされたIIHSテストに合わせたチューニングは進んでいるはずだ。具体的にはシートベルト装着位置の改善やシートの改善がある。シートベルトの装着位置が不適切だと、衝突時にシートベルトがズレ上がってしまって内臓損傷を引き起こす。

◆ シートに関して言われるのは座面の長さによるホールド性で、日本車の多くは座面の前後長が短く着座位置がずれやすい。こうなるとシートベルトで支えるにも限界があり、評価が下がる原因となる。また室内が狭い事もテストにはマイナスで、後席乗員が前席のシートバックにぶつかってしまうと評価を下げる。

◆ IIHSの後部安全性で好評価を得るのは結構大変で、12の評価項目の中で1つでも不良があれば高評価は得られない。最低評価されたのはレクサスRXなど複数車種、マツダのCX-9も最低評価になっている。トヨタではタコマ(ピックアップトラック)が複数項目で最低評価となった。

◆ 個人的にはスバルの低評価が意外な感じがした。強固なAピラーやアイサイトによる予防安全をアピールしている同社が、後席安全性で低評価を取ったからだ。

◆ 予防安全という点では欧州のダブルレーンチェンジなどでも、最近の日本車は頑張っていると言える。最近は中国車とか韓国車と比較される事が多く、一部の車種はそれらアジア車にデータ上負けていたりするのが何ともな感じはするが、一方で本場の欧州車に勝る車もある。


取り締まり強化(10/22)
◆ 11月からは法改正を受けて動力付き乗物の取り締まり強化が行われる。免許の要不要にかかわらず、動力付きの乗物はナンバープレートを付けなければいけない。免許不要の特定原付にもこれは必要だ。

◆ 特定原付や原付などの取り締まりと共に自転車の違反に於ける、いわゆる青切符も法が成立している。ここは田舎なので自転車に乗る人は少ないが、昭和のベッドタウン的住宅街などの駅からちょっと離れた所に住む人が駅まで自転車で行くとか、或いは通勤に自転車を使う人もいるだろう。

◆ 普通に走っている人にとって罰則強化や厳格化は特問題はないと思うが、荒くれ者(!)にとって反則金制度は辛いものになる。一時期の自転車ブームは去ったものの、法遵守の重要さを再認識するという点で、罰則強化は必要だ。

◆ 電動キックボードに関してはより危険性が高いので取り締まりの強化が望まれている。そもそも何でこれが認可されちゃったのか?という所まで話を遡らせたいほど不思議だ。LUUPには警視総監が天下ったから、取り締まりの強化がされるのかどうか。

◆ 合法な乗りものであれば自転車並みの速度ではあるが、逆に考えれば自転車並みの速度で走れる動力付きの乗物なのだ。自転車は連続20km/hで走り続けるのは体力的にも厳しいが、電動キックボードなら電力が許す限り走り続ける事が出来る。

◆ Xには首都高速道路を走る電動キックボードの動画がPostされていたりするが、アレって首都高速の入り口からの坂って登れるのだろうか。押して歩いて登ったのかな?何とも不思議なのだが、老人車の逆送とは違って乗っているのは若者である。

◆ 首都高速は普通の車は余り速度を出さないというか出せないが、何度か話題にしている国道1号線のバイパスなど普通に100km/h前後で(当然制限速度超過)走っているわけで、電動キックボードで走って転んだら死を覚悟しなければいけない事になってしまう。

◆ おそらく最初は見せしめ的取り締まりが行われると思うのだが、無法者には厳しい法律なんだよと言う事を知らしめる事も必要だ。法施行後は知らなかったとか、自転車と同じでしょ?みたいな言い訳は通用しない。

◆ 自転車で重大な違反をすると本人確認をされ、本人確認に必要なものを携行していない場合は警察官が違反者の自宅に行く事になっている。それはそれで良いとして、警察官の労力軽減を考えると、自転車を含む乗り物に乗る人は本人確認書類の携行を義務づけても良いのではないだろうか。

◆ まあ強制するのは難しいとしても、携行していないと面倒な事になりますよと告知する事は出来るだろう。自転車の免許だとか登録制の話も出たが、そんな事をしなくても本人確認が出来さえすれば済む事だ。来年からはマイナンバーカードのスマートフォン格納が本格的に行われる予定(らしい)ので、そうすればカードを忘れたとか(財布は忘れてもスマートフォンは忘れない世代だし)もなくなる。

◆ ヘルメット論もあるのだが、これも難しい所だ。身を守るためには必要とは言え、邪魔なものを持ち歩きたくない気持ちは分かる。二輪車の場合は二輪車に乗っているのだからヘルメットは装着しているわけだが、通勤に自転車を使うとかモペットにちょっと乗るだけだとヘルメットは邪魔なんだなぁ。


天城を走った時のこと(10/21)
◆ ジムニーでの天城越えは大変だ。箱根も大変だが、箱根は直線が長いのでスピードが乗る。天城は直線が短くコーナがきついので、せっかくスピードが出てもコーナでは30km/h程度まで減速しないと曲がれない。特に海側からの登りはキツくて、出来れば走りたくないと思ったものだった。

◆ コーナで速度が落ちるので、コーナを出てからは2速全開で加速する。でも2速が吹けきらないうちに次のコーナがやってくる。こんな道路なので速度は出ないが全開が続き、水温はどんどん上がっていくのだった。夏場などクーラを切って(水温とパワーのため)天城を上ったことが何度もあった。

◆ コーナリング速度はどうしようもなく、無理をすればタイヤが鳴いてイン側がリフトする。インリフトが起きると(LSDが付いていないので)すぐに速度が落ちてイン側が再び接地する。インリフトしなくてもイン側の荷重は殆ど抜けているので、外側のタイヤ2つでコーナリングしているようなものだ。

◆ ミニの場合は普通に走れるので、天城は特別な道ではない。普通の山道と同じように走って上っていくだけで、コーナがきついとも思わないし坂が急だとも思わない。それこそ普通の車が上る速度に余裕を持って着いて行ける。下りも同じでコーナで過度に速度を落とすことなく、制限速度でそのまま曲がっていける。

◆ ソアラで速度を上げていくとステアリングの反応が鈍くなる。ステアリングが効かなくなるほどではないが、かなり舵角を与えないと車両は向きを変えなくなってしまう。車高モニタで見ているとフロントが浮いてしまって荷重が抜けているのが分かる。

◆ SLだとその速度域では何も起こらない。低速で走っているのと同じようにステアリングは反応するし、車高モニタで見ていてもフロントが浮くと言う事はなかった。

◆ これらは車の特性というのか、設計上のものなので車の性格とでも言ったら良いだろうか。ジムニーは軽規格で横幅に制限があり、しかし悪路走破性を上げるために車高が高く重心も高い。こうなると曲がることが苦手なのは明らかで、それはジムニーである以上仕方がないことだ。

◆ ソアラは100km/h以上出してはいけないみたいな車だったのは、ブレーキも極めてプアだったからだ。簡単にフェードしたし、メタル系パッドを入れるとディスクロータにクラックが入った。あの頃に比較すると今のトヨタ車は良くなったと思う。

◆ 今でもトヨタのダブルウイッシュボーンサスはNVHの吸収が今ひとつだが、トヨタがダブルウイッシュボーン形式を使い始めるきっかけとなったソアラの頃は、柔らかいのに振動が取れないサスペンションだった。それでもバネ下を軽くする努力をしたりと、アルミ材なども使ったのだが今ひとつだった。

◆ NVH軽減のためにブッシュが柔らかくされていて、バネレートの高いスプリングに交換しても、ブッシュのたわみで車体が動いてしまった。しかしブッシュを換えたり剛結合にすると、モノコックにクラックが入ってしまった。丁度良い所でバランスしているというのか、安易にいじると別の場所が壊れるという厄介な部分があった。

◆ これにしても、設計がそうなっているからそうなのであって、設計外の性能を過度に求めてはいけないわけだ。まあデカい羽根を付けるとか、車高を下げてみるとか、ドレスアップの範囲であれば大きな問題は起きない。


軽自動車はある意味贅沢(10/20)
◆ 衝突安全性とも関係するのだが、軽自動車は燃費競争以来各車設計を変更している。燃費を良くするためには軽量化が不可欠になり、さらには動力系やブレーキなどの低フリクション化、定常走行時のサスペンションによるパワーロスさえも考慮する必要が出てきた。

◆ 軽量化に関してダイハツはタント以降でボディ構造を変更している。サイドメンバーを前方から後方まで一体にする事で、軽量化を行いながら高い強度を実現した。また両側のドアにBピラーを持たないミラクルオープンドア実現のために、ドア内部に高張力鋼による構造材を入れている。

◆ N-BOXは2代目以降で超高張力鋼の採用箇所を増やした。日本の普通車ではコストを下げるために超高張力鋼は余り使われないのだが、軽自動車の燃費競争の中ではコストアップ止む無しと言う事か。オーバハングが短い事から、前方衝撃耐性を高めるにも強度の高い部材が必要になり、そうした意味では小型車よりも贅沢な設計がされていると言える。

◆ また接合強度を上げながらも重量増となりにくい、構造用接着剤も多用している。これによって従来比で150kgもの軽量化が行えたというのだから、金をかけただけの事はあったと言える。勿論150kg全部を軽量化に振ったわけではなく、その中の半分は商品性の向上(装備の充実など)に使われたそうだ。

◆ カネはかかったが強度が上がり、操縦安定性と衝突安全性が高められた。衝突試験で☆を5個獲得したのは記憶に新しい。ホンダの軽が沢山売れたから開発にも金がかけられ、商品にも金がかけられたという見本である。ホンダは車のサイズで安全性には差を付けないと言っている。

◆ 日産は(たぶん)ホンダに次ぐホイールベースを実現した。ホイールベースを長くすると言う事は前方のクラッシャブルゾーンが減少する事になる。日産はサブメンバーを入れる事で強度を増やしたが、これは重量が増える。ホンダは高張力鋼を使ったが、これはコストが嵩む。

◆ それでも日産デイズの高張力鋼使用割合は5割を超えているそうだが、その中で超高張力鋼の使用割合は4%に留まっている。剛性の確保ではブレースを追加するなどしている。ブレースが使われている車はあるが、軽自動車としては珍しい。日産デイズは衝突安全テストで☆5つを獲得すると共に、電子制御による予防安全部門ではスバルを抜いてトップの成績だった。

◆ N-BOXやデイズ、サクラがフルラップ前面衝突試験で☆5個を取得しているのに対して、例えばヤリスは☆4個である。車両のサイズに余裕があったとしても、コストと安全性のバランス設計次第では安全性は上がらない。一方でオフセット衝突では寸法余裕度の差が出て評価が逆転する。

◆ スズキはさらなる軽量化とコストダウンを進めるという。軽量化は燃費性能の向上につながるわけだが、軽量化と低価格化は相反するものである。このあたりをいかに上手くバランスさせていくのか、今や軽自動車規格サイズをいっぱいに使う車が増えているわけだが、必ずしもそうではない、使いやすいサイスでも良いじゃないかと考えれば、又別の道が見えてくるのかも知れない。

◆ 事故時の死亡率において軽自動車は0.26%であるのに対して普通車は0.22%と幾分低くなっている。車両同士の事故に於ける死亡率はもう少し差が小さくなり、軽自動車の0.22%に対して普通車は0.19%となっている。


後方からの衝突(10/19)
◆ 少なくとも現時点で、後方からの衝突による乗員の保護性能の評価は行われていない。後方からの衝突による試験の対象は、燃料タンクやバッテリーの損傷が規定内である事のみが評価されている。

◆ 衝突時に車両火災が発生する場合があるが、これは衝突試験で想定される以上の衝撃によって燃料系の破損が生じた可能性がある。車両火災が起きると乗員の救出が難しくなり、死亡事故となってしまう可能性がある。

◆ ワンボックスカーが追突された時に、後部座席後方には殆どクラッシャブルゾーンがなく、乗員の安全性が確保出来ないのではないかと心配される。そして現実的にも後方からの衝突で車体は大きくへこみ、後席乗員の生存率はあまり高くはない。

◆ 一部の2BOXカーでは後方にブレースを入れるなどして衝突安全性を確保しようとしているが、1BOXカーに関しては元々は荷室だった部分に人を積んでいるスタイルなので、明確な対策が取られていないのが現状だという。

◆ これはそもそも衝突安全基準がないので、メーカの設計ポリシーのみに安全性能が左右されているのが現状だそうだ。繰り返しになるが追突試験で評価されるのは燃料漏れなどに関してのみである。で、ホンダ車は燃料タンクを車体のほぼ中央に持ってきた。燃料タンクの位置を、自動車で最も安全な場所に移動したのである。

◆ VOXYも燃料タンクを運転席から2列目シートのあたりまで前進させている。大型のワンボックスカーでも燃料タンクは2列目シートあたりにある事が多く、後方衝突から燃料タンクを守るのが意外に難しい事が分かる。

◆ 2BOXカーの多くは後席の更に後方にガソリンタンクを配置している。2BOXカーの場合は1BOXカーと異なり車高に制限がある事から、助手席下に燃料タンクを搭載する事が出来ない。さらにはサイドパネルの強度が高いので、後方からの衝突に耐性がある。スイフトやアクアはリアアクスル前方に燃料タンクを設置している。

◆ 後方衝突試験は1.1tの台車を50km/hで衝突させる。対象車は自由に動ける状態に置かれるので、車両重量の軽い軽自動車は車両が移動する事によって衝撃力を逃がせる。逆に渋滞時のように前方に車両の移動を阻害するものがあると、衝撃の多くを車両自体が受ける事になるので大きく破壊されてしまう。

◆ 高速道路で渋滞に遭遇した場合、前車との距離を広く取っておき、追突時にハンドルを切る事が出来れば(車両に挟まれる状況を避けられれば)、少なくとも燃料タンクの位置付近の衝撃は限定される事になる。軽自動車では運転席と助手席、ワンボックスカーでは2列目シートまで、2BOXカーでギリギリ後席、3BOXカーでは余裕を持って後席までが安全範囲になる。

◆ 追突時の人体への衝撃はシートの性能が全てと言われていて、後方衝撃テストはシート単体で行われる。前方からの衝撃に比較して後方からの衝撃では、シート全体で体を支えるようになるのでシートへの要求性能はあまり高くはない。

◆ 現在お乗りの車のガソリンタンクの位置を見てみて、その位置までなら後方衝突でもガソリン漏れが規定値以下なんだなと思って良い。ガソリンタンクと人間のどちらが丈夫かという話はあるが、概ねガソリンタンク位置までであれば重篤な状況にならない可能性が高いと思っておけば良いのではないだろうか。


軽自動車は危ないのか?(10/18)
◆ 交通事故で車が大破したりすると、軽自動車は危ないと言われる。散々叩かれた某アカウントの某女は、軽自動車に子供を乗せるなんて考えられない、だから私はポルシェを2台持っている、みたいに書いていた。この人っていわゆる副業屋・情報商材屋なのかな。

◆ 車両の大きさや重さによる強度差はあるのだが、トラックに挟まれるような事故が起きた場合は軽自動車でも小型車でも余り差はない。トラックと軽自動車が正面衝突すれば軽自動車が壊れるが、トラックと電車が衝突するとトラックが壊れる。

◆ 車両総重量1t程度の軽自動車が10t車に追突される(前車も大型トラックで、挟まれるような状況を想定)場合、10t車の速度と軽自動車の速度差が40km/hあると生存空間がなくなってしまう可能性がある。車両総重量1.8t程度のコンパクトSUVでは数字は大きくは変わらないが、3tクラスの大型SUVだと10km/hほど速度差が大きくても生存空間が確保出来る。

◆ あくまでもスタティックな計算上はそうなるという話なので、実際の事故のような複雑な力の加わり方でどうなるかは分からないし、生存空間の確保は車高その他によっても異なる。

◆ 板金屋が輸入車は強いと言うが、それは壊れる部分と壊れない部分が明確に分けられているからだそうだ。そういう壊れなくて良い部分が曲がったりすると、強度が高いので修正が大変だという。国産車の場合は全体的に壊れて衝撃を吸収するような構造だそうだが、これは考え方とか設計の違いであって、衝突安全性そのものに大きな違いはないと思う。

◆ 大きくて重くてボンネットが長い車が丈夫なわけだが、だからといってトレーラヘッドを乗用車に出来るかと言えばそうも行かない。BENZは重い車ほど壊れやすくしている。重い車は大きな車であり、クラッシャブルゾーンに余裕がある。なのでその部分を弱く作る事で、小さな(軽い)車と衝突した時に、小さな車の衝撃を大きな車の方で吸収しようという考え方だ。

◆ 本当のワンボックスというのもおかしな言い方だが、いわゆるキャブオーバのワンボックス車はボンネット部分がないので前方からの衝撃を逃がしにくい。スズキのキャブオーバ型ワンボックスであるエブリイにしても、ボンネット形状のものを付けているのはクラッシャブルゾーン確保のためだろうか。

◆ 逆走とか、車線はみ出しも逆走みたいなものだが、この場合は自分が停車出来たとしても相手が止まってくれるとは限らない。EURO NCAPのテストを見るとジムニー(海外向けなのでたぶんシエラ)の成人乗員保護性能は73%(80%以上で最高評価となる)なのだが、BMWのZ4(2015)は69%でしかなかった。

◆ 正面衝突の場合はぶつかり方と強さと運しかない。自分が軽自動車で相手が大きな車であれば、そしてかなりの速度が出ていれば相当厳しい事になる。相手が乗用車であれば死に至るような事故にはならないかも知れない。事故や怪我は結果であるので予測も回避も難しい。

◆ BENZは命を金で買える車などと言われたが、今はボルボの方が衝突安全性が高いのかな。事故を前提に車を選ぶなら、ボルボなど強そうな車に乗れば良い。で、みんなボルボに乗るのかと言えばそうではない。軽自動車も安全基準などの変更で安全性は高まったと言えるが、丈夫さなどを考えるとFRレイアウトの車が良いのかな。テスラは日本国内で燃えたけれど、衝突安全性としてはかなり高いレベルにある。


測定器より感が重要?(10/17)
◆ 以前に小容量エアコン推奨派のエアコン屋なのか電気屋の話を書いた。そのアカウントがトルクレンチに関しても書いていた。曰くトルクレンチに頼るから配管からのガス漏れが起きるのだと。トルクレンチは目安であって信用出来るものではない、みたいな事が書かれていた。

◆ で、その職人?さんはトルクレンチで締めたあとに角度締めするのかな、それも何度というのではなく感で締める。こうすればガス漏れは起きない、俺はガス漏れを起こした事がないと書いていた。

◆ 自分の考えだけを信じる、自分の腕だけを信じるみたいな雰囲気出しまくりなので、結構御高齢の方なのかも知れない。よく言えば昔の職人さんで冷房は嫌い、みたいな感じで、だから20畳でも25畳の部屋でも8畳用のエアコンで十分だという理屈になってくる。

◆ エアコン配管のフレアナットに関しては、トルク許容度が大きいと思うので感で締めても大丈夫なのではないかと思う。今はどうか分からないが、昔の配管屋さんがトルクレンチを持っている所など見た事がない。しかしメーカがトルクを指定しているのなら、そのトルクで締めるのが普通だ。

◆ 車に関しては日本車でも最近はトルク管理がシッカリしてきている。ドイツ車は昔からトルクにうるさいというか、あらゆるネジには締め付けトルクが書かれていた。そうしないとねじ切ってしまう人が多かったのかな。日本の整備士では考えられないような事が、海外では普通に起きたりする。

◆ そういう意味で日本車に関しては、整備士を信用して何も書かない、的な感じだったのかも。しかし海外に出す時には締め付けトルクを書かないと、ネジがぶっ壊れるまで締めまくる人がいたりする。だったらドキュメントの共通化で日本語版にも締め付けトルクを記載するか、かな。

◆ クリチカルな部分は以前からトルクが規定されていて、角度締めになっている所も増えた。角度締めの方がトルクを測るより安定するのかな。計測型トルクレンチを使って角度締めすると、角度締めした時のトルクが分かるわけだから、そのトルク値を規定しても良いはずだ。

◆ このネジの締め付けトルク実験はやってみたいとは思っているのだが、何本もネジを締めて平均を取る必要もあるだろうしで、ネジが沢山必要になりそうだ。そもそもネジが締まった状態をどうやって確認するかという、つまり規定トルクで締めた時の実際のネジの締まり方のばらつきを測るのが大変だ。ネジの伸びを見るのが一般的なのだろうが、安定して測れるものかどうか。

◆ ネジの締め付けトルクも言い出すとキリが無いというか、金属面の状態(油脂分の付着の有無など)やボルトの状態によって変わってくる。なのでボルトの再使用を禁止する傾向があるのは、弾性域締め付けか塑性域締め付け化の問題以外にもある訳だ。

◆ 輸入車の一部ではホイールボルトの取り付け時に、規定の油脂(グリスではないらしい)を塗りつける事となっている。ボルトのテーパ部には塗ってはいけなくて、ネジの部分だけに塗る。これによって締め付けトルクを安定化させる。これを塗らずに規定のトルクでボルトを締めると、摩擦が大きいためにアンダートルクになってしまうと言う。


減っていくキャリアショップ(10/16)
◆ 通信事業者系のショップが減少しているのだが、元々数の多かったドコモの減少率が高い。ドコモもドコモショップを減らしていくと言っている。ショップの減少はドコモばかりではなく、auもソフトバンクも同様だ。

◆ ソフトバンクは従来はYモバイルと別店舗にしていたところがあったが、今は多くが統合された。店舗カラーはソフトバンク色のグレー系の所が多いように感じる。一方でショッピングセンター内のショップでは、不人気のソフトバンクは捨ててYモバイル専門的な感じを出しているところもある。

◆ キャリアショップが減るのは、キャリアショップでなければ出来ない手続きが減ったからでもあるし、商売的(収益率)に面白味が減ったので撤退する企業が増えたからでもある。例えばドコモショップはドコモが運営しているわけではなく、別の企業が委託されているだけだ。その企業が儲からないなと思えば店をたたむ。コンビニ同様である。

◆ 従来はスマートフォンが売れて経営が成り立っていたと言うが、SIMフリーモデルの方が安くなると事業者モデルを買う人が減る。事業者モデルを買うにしても、販売手数料の要らないオンラインショップで買う人が増える。結果としてキャリアショップで端末が売れなくなり、収益が上がらなくなる。

◆ そもそも販売手数料を取るというのは、売りたくないからではないのか。ショップで買うと手数料を取るよ、それが嫌ならオンラインショップで買ってねと。それを今更端末が売れないから云々などと言い出すのは虫が良いという話だ。端末を売りたいのであればオンラインショップより安い価格を付ければ良い。それが自由市場というものだ。値引き制限一杯まで安くする必要はなく、オンラインショップより千円でも安ければリアルショップに客が増える。

◆ 電電ファミリーの話ではないが、事業者が面倒を見てくれるからそれに甘えれば良いという経営方針自体が破綻の始まりだった。従来型携帯電話の頃は、携帯電話はキャリアショップで買わなければならなかったのだから、それこそ面白いように売れただろう。新製品発売日には長蛇の列が出来た。しかし時代は変わったのだ。携帯電話もやがて家電量販店で売られるようになり、スマートフォンに至っては事業者モデルを買う必然性すらなくなった。

◆ このままドコモショップがゼロになるかというと、おそらくそうはならないだろう。赤字であっても様々な手続きのためにショップが必要なわけで、それは20年前のドコモショップスタイルに戻るだけだ。ただ現在のような密度でドコモショップなりauショップが存在できるかと言えばそうではなく、「都内に10店舗もあります」みたいな感じになるかも知れない。

◆ 店舗が減れば店舗に行かなくても各種手続きが出来るようになるし、そうすれば店舗の存在価値はますます減少する。スマートフォンの設定だってリモートアシストが出来る訳なので、高齢者対応も対面の必要性は薄くなってくる。これは時代が変わったとしか言いようがない。駅前の商店街が消えていくのも、書店が閉店に追い込まれるのも同じなのだ。

◆ しかしキャリアショップは悪あがきをする。あくどい商売をして金を稼ごうとする。こうした面では自分で自分の首を絞めているようなものだ。利用者のためになるショップは存続 できるかも知れないが、そうでなければ今の時代淘汰されるに決まっている。


トヨタGRオイル(10/15)
◆ トヨタGRオイルは評判が良い。粘度指数が高く、粘度変化が少ない。高温時でも粘度が下がりにくいので低温時の粘度を下げやすく、フリクション低下につながる。このあたりは以前のオイルの話でも書いたのだが、ではどこが犠牲になっているのか。

◆ 良いオイルは何が良いのかで判断が分かれる。全体のバランスが良いのか?潤滑被膜が強いのか?温度安定性が高いのか?清浄分散作用が強いのか?全てを高いレベルでバランスさせる事が出来れば良いが、現実問題としてそうは行かない。

◆ じゃあオイル添加剤はどうなんだという話になるが、オイル添加剤でどこかの性能を上げればどこかが下がる、たぶん。そもそも添加剤はメリットしか書かれていないし、多くの添加剤はその成分も明確ではない。

◆ GRオイルは粘度変化の特性を最大限に引き出しているが、どこが犠牲になっているのか。一つはGRオイルの説明にも書かれているが、推奨オイル交換サイクルが5,000kmである。これは酸化特性や温度による物性変化が大きいとも読み取れる。

◆ もう一つは焦げ付き性だ。GRオイルシリーズの一部はターボ車に使うなとなっているが、これも焦げ付き性の問題だろう。実験では250℃を超える領域でのスラッジ発生が、他のオイルに比較してかなり多い結果になっている。250℃はオイル温度が達する領域ではないが、ターボチャージャの軸受けだとか燃焼室に残ったオイル、或いはそれが燃えて排気系に達する時に、スラッジが多くなる事を意味する。

◆ 清浄分散作用が低いから早めに交換してねと言う事かも知れず、少なくとも5,000kmごとにオイル交換を行っていれば、スラッジの蓄積は問題がないだろう。ただオイル消費の多いエンジンだと、オイルはどこかに消えているわけだ。多くの場合は漏れではなく燃焼なので、そうしたエンジンではより早い交換サイクルが必要になる可能性もある。

◆ こうした事からターボ車などに最適かと言われると、それは違うと思うのだが、逆にエンジンやオイルの温度変化の激しいハイブリッド車には良いのではないだろうか。ハイブリッド車やアイドリングストップ機能搭載車だとエンジンのスタートストップが頻繁に繰り返されるので、油温が安定しないシビアコンディションみたいな状態になる。そうした状況で粘度変化が少なければ燃費も改善されるはずだ。

◆ 二輪車のレース用途など、高回転まで使用するエンジンでは、オイルによる軸出力の変化が明確になり、出力重視でオイルを選ぶ事もある。乗用車ではそこまで極端ではないとは言え、オイル粘度が燃費に影響するので燃費節約分をオイル代にかけても良いと思う人は使ってみる価値があるかも知れない。

◆ マトモ系評価としては空ぶかしで軽さが分かる、セルの回転が軽くなった、高回転域がスムーズになった、燃費が良くなったなどがある。非マトモ系だとエンジン音が明らかに変わった、排気音に迫力が増した、バッテリー上がりがなくなったなどがある。油温が上がりにくくなったというレポートもあるのだが、このあたりはよく分からない。

◆ オールマイティのオイルが一般的ではあるが、こうしたどこかの性能を引き上げたオイルも、使い分けをシッカリ考えれば良いオイルだと言える。普段5W-30のオイルを使っている車にGRオイルの5W-40を入れた時の燃費などが同じ程度だと言う事なので、実質粘度が低いのかなと思う。


まーさんガレージ(10/14)
◆ まーさんガレージはYoutubeで動画配信しているまーさんのチャネルである。まーさんは、おそらくまーさんが固有名であるので、敬称を付けるとまーさんさんになるのかな。法人名はまーさんガレージ株式会社なので、やはり"まーさん"が固有名だ。

◆ 自動車の整備系Youtuberは様々な人がいるが、まーさんさんは有名な方らしい。今年で配信9年目、総再生回数2億回だそうだ。本人曰く2019年あたりがピークだったとの事で、最初は自宅ガレージからスタートし、現在はリフトもあるガレージも使っている。

◆ 動画の見やすさは画質と音だと思う。整備系動画を見る時には整備の内容が知りたいわけなので、カメラワークが悪く手ぶれがあったりと画質が悪ければ話にならないし、滑舌が悪くて何を言っているのか分からない動画では見る気も失せてしまう。その点でまーさんガレージさんの動画は見やすく聞きやすいので参考になる。

◆ Youtubeを開始し2018年に法人化したようなので、Youtubeを含めた収入は2千万円以上にはなっているのかも知れない。身内の方もたまに動画に登場させているのは、スタッフではなくタレント扱いとして(割高な)給料を支払って個人所得税の分散化か。

◆ 公開されている動画は相当数あるのだが、全てを見たわけではない。車種やエンジンは違っても参考になる部分は多々あるので、興味ある動画を見せていただいているに過ぎない。ライブ配信もされているようだが、私はあまり観ていない。偏光板が壊れた液晶を修理した回があった。整備系動画で電気系をいじるのは珍しいし、基板に半田付けされている液晶パネルを外すのだから勇気が要るはずだ。

◆ まあ勇気という点ではポルシェのフラットエンジンまでバラしてしまうのだから、出来る人は何をやらせてもそつなくこなすという、見本のような方なのだ。初期の頃の動画は趣味の延長色が強く、最近ではYoutuberとしての仕事の動画になってきている。それは整備用設備の充実などに現れていて、アマチュアと言うよりはセミプロの域である。まあ動画で金を稼いでいるのだからそういう面ではプロに違いないが、プロが多くの機材を使ってやる整備なのでアマチュアの参考にはなりにくい。

◆ 小説家が言っているが、自分の好きな本を書くのではなく売れる本を書かなければいけないと。Youtuber氏達も仕事となれば稼ぎが第一になるのは当然なので、自分のやりたい事をやるのではなく稼げる動画を作らなければいけない。好きな事があってもそれにはやがて飽きるかも知れないが、欲望は常に無限なのだ。だから好きな事をやって金が稼げればそれは理想だが、金を稼ぐ事によって生まれる責任は趣味を趣味ではなくしてしまう。

◆ もう一つ参考にさせていただいているチャネルにしゅんしゅんがれーじさんがある。こちらはプロの整備士の方なのだが、車いじり動画はあくまでも趣味としてやっている。庭でウマを使って車を持ち上げ、ヘッドカバーを外したら雨が降って来ちゃったから中止ね、みたいな庶民派である。

◆ 趣味のチャネルの多くは事象を深く追求していくので、そこに面白さがある。Oshinko DIY Channelさんは、エンジンパワーを測りたい→そうだ、車重と加速度から推定してみよう→データロガーを作ってソフトを書いてやってみた、みたいな感じで実行している。走行抵抗など不確定要素があるとの事だったが、走行抵抗や空気抵抗は減速時の速度の落ち方で推定出来るかも。


限界ニュータウンでなくても安い家(10/13)
◆ 限界ニュータウンの話は何度か書いたが、一般の住宅地にも安価な家がある。代表的なものは建て替え不可能な家だ。立て替えは不可能だけれどリフォームなどは可能なので、直して住むには問題がない。

◆ 何故違法建築物が出来てしまうかなのだが、建築に関する法律が変わって違法化してしまったものもあれば、土地の売却によって違法化したものもある。例えば50坪の土地に20坪の家が建っていたとする。これは建ぺい率以内なので違法ではないのだが、50坪の中の庭部分である25坪を売却してしまうケースがある。そうすると残りの25坪の土地にギッシリ20坪の住宅が建つ事になり、規定の建ぺい率を超えるので違法となる。

◆ 他にも接道面が2m以下だとか、私道延長が35m以上などの家も建て替えが不可能になる。私道問題は他にも、私道部分を分割所有している人が道路ではないとその土地を主張すると、事実上は道路なので通行は出来るが建て替えなどには影響する場合がある。

◆ こうした土地や建物はそのまま住むには問題がないが、いわゆる資産価値的には低いものになるというか、資産価値が低いから安く買えるわけだが、購入に際してローンが組めないなどの不便がある。また私道延長が35m以上の土地となると、私道問題の発生も懸念されるわけだし、建て替えないと言ってもリフォームの際の物資の搬入などでも気を遣わなければいけなくなる。

◆ そう考えると手を出さない方が無難だろうなと言う事になるわけで、買い手が付かないので価格が下がる。こうした訳あり物件の価格は相場の1/3とか1/4くらいになっている。例えば接道面が2m以下の物件の場合、ある程度住んだあとは貸し駐車場や貸倉庫にするなどの使い方はある。

◆ 古い住宅を相続して、いざ売ろうとしたら売るに売れない物件だった、みたいな事が増えているという。特に郊外の住宅地などベッドタウンとして昭和中期頃から分譲された土地や建物は、私道の管理だとか契約だとかが曖昧なまま時が過ぎている、みたいな所も少なくはない。

◆ 建物を壊してしまえば二度と建築出来ない土地になるわけで、ぼろ屋のまま残しておくしかない。買い手がいればそれをリフォームして売りに出すわけだが、都市部から遠い土地だと安くても中々買い手が見つからない。

◆ こうしたぼろ屋が放置されて空き家問題になったりするが、持ち主としてもどうにもならないというか、どうしようもない状態なのだ。郊外の一軒家だったら自分でリフォームしても良いと思うが、こうした売るに売れない家の多くは住宅街にあり、リフォームの際の音にも気をつけないと近所迷惑になってしまう。

◆ こういう土地を買っておいて自分が議員になり、道路拡幅を行って接道面を広げてしまうというのが田舎の議員の生き方かも。それ以外だとやはりリスクがあるので、安く買って自分で直して住んでしまうと言う頑張り系の家族など一部を除いては中々手を出さない。

◆ そんな安い家を買い、最低金額でリフォームして貸家にする人もいるそうだ。自分で住むのはアレだけれど、貸家なら関係ないという事だ。接道面が1.8mしかなくても、軽自動車だったら土地の中に入れる事が出来る。駐車場付きの一戸建てとなれば借主もいると言う事で、貸家をやっている個人などが需要を支えているとか。


トンネルと水問題(10/12)
◆ 静岡県から川勝氏が消えた事で、リニア工事は一定の進展が見えてきそうだと言われる。しかしその一方で他県の水涸れ問題などが発覚し、工事が一時中断している。トンネルを掘ればその上の部分で水涸れが起きるのは良くある事だ。トンネル内には大量の水が湧き出してきて、工事が進まなくなる事もある。

◆ 北海道でも新幹線のトンネル工事で、トンネルのほぼ上を流れる川から水が消えた。川の水は農家や酪農家が使っていて、水涸れに困っている。同じような事は山梨県でも起きていて、リニア工事によって井戸の水位が下がり井戸として機能しなくなった。しかしそのエリアでは工事に対する一時金という名目の金を受け取っていて、文句が言えない契約になっているとか。

◆ 工事によって様々な事が起きるのは当然なのだが、だから工事はするなとも言えない。影響を最小限にする為にどうしたら良いのか、もし影響が出た場合はどういう対策を講じるのかを明確にすべきだ。それこそ原発は事故が起きないから避難は必要ないと言っているのと同じで、準備をした上で工事を進めないと何かがある度に工事が止まる。

◆ 生態系への影響も当然あって、高速道路を造ると山が分断されて動物の生息状況が変わる。それを回避する為に、主に海外では高速道路の下に動物用のトンネルを掘り、高速道路の両側を動物が行き来出来るようにしている。それでも勿論生態系への影響はあるのだが、全部高架にするには金がかかりすぎると言う事だ。

◆ リニアと水問題として大井川の水量の他に山の地下水と高山植物の問題がある。これは実際にトンネルを掘ってみないと(どのくらいの)影響が出るか分からないとする有識者が多い。大井川の水は水量の減少を地下水のくみ上げなどでカバー出来る可能性があるが、高山植物が枯れ始めた場合の対策というか対応は非常に難しい。

◆ まさか山の上に散水装置を付けるわけにも行かないわけで、植物の減少は昆虫や動物の生息数の変化にもなるし、雪解け時などの地盤の変化にも影響を及ぼす。これが東海道新幹線の時代であれば、環境よりも経済だみたいな考え方がまかり通ったわけだが、今は何でも環境環境と言われる。

◆ リニア新幹線を走らせる為には莫大な電力も必要だし、その頃には今よりもEVが増えているはずなのでEVの動力用としても電気は必要になっている。民主党と孫さんが手を組んで韓国企業に多大な利益供与を行ったソーラーバブル、その後遺症とも言うべき電力逼迫は解決出来るのか。

◆ 東京電力というテキトーを絵に描いたような企業に原発を管理する能力がないのは明らかなので、事故を起こさない或いは事故処理が適切な電力会社に東京電力管内の原発を管理させればいい話だ。原発反対派の気持ちも分からないではないが、では代替電力をどうするのかと言われたら何と答えるのだろう?
◆ 電力節約の為に私はEVにも乗りません、スマートフォンも持ちません、オール電化にも反対します、電車にも乗りませんと言えるのだろうか?原発の次のエネルギ源が出来るまで、せめて安全に原発を動かす以外、今は解がない気がする。原発は停止中も巨額の費用がかかっているわけだし、付近自治体への金配りも中止されるわけではない。そうした、言わば無駄な費用も電気代を押し上げる原因だ。


H4プロジェクタ式LEDバルブ(10/11)
◆ H4型のハロゲンバルブと交換するLEDはあるが、最近ではH4のバルブとほぼ同じ直径のレンズを組み込んだ、プロジェクタタイプが販売されている。これはヘッドライトのリフレクタやレンズで配光特性を決めるのではなく、プロジェクタ方式のLowビーム用光源がバルブ単体で完結している。

◆ その為カットラインが出ないとかグレアが出る事はなく、プロジェクタLEDバルブの設計通りの配光になる。これはLEDの高輝度化によって実現出来たもので、小径レンズやレンズの透過性の問題を解決出来るだけの光量がある謳われる。

◆ 3年位前からプロジェクタタイプのH4交換LEDバルブはあるのだが、当時は右側通行用のカットラインだったり光量が低かったりで今ひとつだった。それが今では明るさも徐々に改善され、左上がりのカットラインのものも作られている。

◆ レンズに無理があるのか30年前の車のプロジェクタライトのような色収差が出るのだが、まあこの辺りは仕方がないだろう。光量がどのくらいなのかはレンズの状態にもよるが、中華の安価なものではロービーム車検救済用には厳しいと言っている整備工場もある。

◆ シールドビームからハロゲンライトになり、HIDでプロジェクタヘッドライトが登場した。HIDは光量に余裕があるので、反射鏡よりも効率の悪いレンズでも十分な照度が得られたからだ。LEDヘッドライト採用はトヨタが日本初と謳っていたかな。当時はまだまだLEDの効率は低く、明るくする為には放熱対策が大変な時代だった。

◆ しかしLEDの高照度化は急速に進み、あっという間にHIDは過去のものになってしまった。HIDの場合はガラス管というか真空管みたいなものなので製造コスト低減にも限界がある。しかしLEDは量産効果でどんどん価格が下がる。

◆ LED電球にしたって価格は急速に下がり、100円ショップにも(100円ではなかったけれど)並ぶようになった。こうなると白熱電球の時代は終了し、直管蛍光灯ですらLEDに置き換わっていったのだ。自動車ではウインカのLED化は遅れたが、ヘッドライトやテールライトはLED化が進んだ。

◆ 出始めの頃のトヨタ車のLEDテールライトは酷かった。コスト優先なのか配光特性を考慮せずに明るさだけを増すという、今のクラウン的思想の原点みたいなやり方でまぶしかった。まぶしかったが横から見ると視認性が悪いという、あの頃から安全意識が欠落し始めていたのか。

◆ LED化によって昔のトラック野郎よろしくのシーケンシャルウインカーなども一時期流行ったし、マツダはパッと点いてゆっくり消える制御を加えるなど、地味なチューニングが行われた。

◆ LEDテールライトは複数のLEDが入っているのだが、1個でも不良になると整備不良扱いだ。LEDの単体交換は出来ないので、不良デバイスがあればアセンブリ交換しかない。と言っても何万円もするテールライトアセンブリなので、気の利いた?技術力のある?整備工場では、テールライトを分解してLEDを交換してくれたりする。

◆ ここで難しいのがレンズ部分の取り外しで、LEDは壊れない事を前提に非分解構造になっているものが増えた。ブチルゴムでの接着ではなく、接着剤や溶着によってくっつけられていて外す事が出来ない。メーカ的には水が入ったりするリスク回避で接着にしました、みたいな感じかな。


ゴミ袋は高いのか?(10/10)
◆ 伊豆市は可燃ゴミは有料の袋に入れなければいけない。ゴミ袋は40リットルのものが1枚30円換算だったと思う。ゴミ有料化に関しては以前から問題視はされているものの、ゴミ処理に金を取れば自治体の財政が豊かになるとばかりに有料化する所が増えている。

◆ そもそもゴミ処理などは住民税で行われるべきで、行政サービスを有料化するのであれば住民税を下げなければいけない。以前にも書いたがこうした二重取りみたいな事が許されるとなれば、市役所で入場料を取る事すら始まってしまうかも知れない。

◆ 伊豆市のゴミ袋代も安いとは思えないが、東京都府中市では80円/1枚、北海道では200円/枚なんて所もある。こうした地域では、ゴミを処分場に持ち込む人が増える。地域によって異なると思うが、処理場に持って行くと指定ゴミ袋でなくても受け入れてくれる。

◆ 京都でも同様だそうだが79円/枚のゴミ袋代を節約する為にゴミの持ち込みが増えたそうだ。ゴミ袋の販売店では、ゴミ袋が売れなくなったと嘆く。ここまでは良いとして、ゴミの持ち込みが増えた事で市は経費がかかるとして持ち込みを有料にしたそうだ。

◆ ちょっと待ってよ、ゴミを持ち込む人が増えればゴミ収集車の負担が軽くなるわけだから、むしろ市にとっては得になるのではないのか?ゴミ収集コストが嵩むから有料にするよ、直接持ち込めば収集費用がかからないから無料で良いよと言うのが元々の話ではなかったのか?
◆ 結局有料化の理由など後付けで、金を取りたいから金を取るみたいな自治体が多いのだ。資源ゴミの持ち去り規制にしても、資源ゴミはカネになるから他の自治体で捨てるなと言う。一方で可燃ゴミは持ち帰れと言っている。

◆ 伊豆半島も観光で成り立っているような部分があるのだが、伊豆半島内で買ったお土産の包装紙を何故自宅に持ち帰って捨てるのか?そもそもゴミの元は伊豆半島で販売されたわけだから、それを持ち帰って捨てるというのはおかしな話になる。

◆ 観光客はお土産を買ってカネを落としているわけだから、それは市の収入につながっている。美味しい所は自分のものにするけれど、まずいものは知らねーよ、という所がどうにも気に入らない。

◆ 京都に関しては観光客を敵視する風土という か行政のスタイルで、悪い事は観光客のせいみたいな文化になってしまっている。コロナ蔓延で外出制限などが行われると、観光客が減って困ったと言い出すあたり、わがままいっぱいが見て取れるわけだが、京都の文化はちょっと特殊なので何を言っても無駄である。

◆ では京都がそうだから伊豆半島も同じで良いのかと言ったらそれは違う。そもそも観光都市としての規模が違うし、廃れた観光地が生き残る為には観光客を大切にしなければいけない。それはクーポン券を配る云々ではなくて、観光客に優しい土地にすれば良い事だと思う。

◆ ホテルでも旅館でも観光地でも、ゴミはゴミ箱に入れていって良いですよ、行政がちゃんと片付けますよと言うだけで、ゴミ持ち帰りの面倒さは半減する。ペットボトル飲料を買ったけれど、それを捨てる場所がない、ゴミ箱一つ置かれていないでは困るではないか。ゴミ箱がないから山や海に捨てちゃう、なんて奴らが増えたらその方が後処理が大変だ。


エアコン関連商売(10/9)
◆ 夏の初めと夏の終わりに繁盛するというのが家庭用エアコンのクリーニング屋さんだそうだ。昔は余り聞かなかったが、最近は多くの業者が参入している。それらの業者というか個人に営業テクニックなどを教える商売も盛んである。

◆ こうしてにわか職人が生まれてくるわけで、トラブルも起きる。少ない設備投資で大きな利益が上がると言われて講習を受け、割高な機材一式を買わされる。エアコンクリーニング自体は難しい作業ではないのだが、養生が不適切で部屋を汚したとか電気系まで洗ってしまったとか、洗剤の洗浄が不足していてアルミのフィンが腐食したとか、色々ある。

◆ 勿論マトモな業者も存在するわけだし、業者によってはエアコンの室内機をみて洗浄は必要ないですよと判断する事もある。逆ににわか業者は、すぐ洗浄しないとエアコンが壊れて大変な事になるとか、家中のエアコンを洗浄しないと意味がないなどと言って煽る。

◆ エアコン商売はカーエアコンの分野でも盛んになっている。年に1度又は1万kmごとにエアコンガスクリーニングが必要だという。エアコンガスをクリーニングしないと内部が詰まったり、コンプレッサが焼き付いてエンジンが壊れる場合もあると言う。

◆ これも業者によってピンキリなのと、コンプレッサオイルの問題もある。エアコンのガス回収をして抜けてくるオイル量を補充するとか、ガス回収時に抜けてくるオイルは余剰分なので補充しないとか、色々な考え方がある。正確なオイル量は中々分からないが、冷媒サイクルのフラッシングでオイルをいったん抜くのが一番理にかなっているかな。

◆ フラッシングもガスで行うものや、液化ガスで行う方法などがあるが、いずれにしても一度のフラッシングでオイルが全部抜けるわけではない。にわか業者だとエアコンガスクリーニングの度に添加剤を入れたりするので、添加剤の量が多くなりすぎて(=コンプレッサオイル過多と同じ)エアコンが効かなくなったりする。添加剤の効果は1年なのとガスが抜けると一緒に抜けてしまうので入れておきましょう、みたいな感じで。

◆ エアコンのガス充填など余り儲かる作業ではないので、コンプレッサオイル添加剤を売りたがる。中身はコンプレッサオイルのようなもので、価格にかかわらず効果は似たようなものだ。これはいくつかの添加剤を比較実験(冷媒サイクルをフラッシングして綺麗にしたから、新しいコンプレッサオイルと添加剤を入れてテスト)から明らかだったし、これを入れると吹き出し口温度が2度下がるというワコーズの能書きも嘘だったと結論づけている。

◆ 圧力計を接続して低圧側の圧力計が振れる場合はオイル量過多、高圧側が振れる場合はコンデンサ冷却不足みたいな判断らしいが、素人にこれが分かるのかどうか。適正なガス量を維持するには真空引きと最重点が必要になり、更にコンプレッサオイル量も適正値に戻すとなればフラッシングなどが必要になる。毎年行うような作業ではないので、数年・数万km走行で気になるようならやっても良いのかなとも思う。

◆ ちなみに私はジムニーで初めてエアコンガスの補充をしてみた。他の車ではSLは10万km以上乗ったしCLSは10年位所有していたが、エアコンガスの補充はした事がなかった。エアコンガスの補充自体は簡単なのだが、適正量が分かりにくい。プロならゲージをみただけで分かるだろうが、素人だとどうにも。


安い車は沢山売れる(10/8)
◆ 大赤字でどうにもならないレクサス店だが、安価な車を揃えることで販売量を拡大した。最近だとヤリスクロスのレクサス版が加わったわけだが、トヨタ的にはヤリスクロスとレクサス版を違う車に見せたい。

◆ とは言っても金をかけて改造する余裕はなく、しかし数字が同じでは格好が悪い。そこでサスペンションセッティングで数字を変えるという、スペシャルマジックを使う。ホイールベースは2cmだけ違うのだが、これはキャスターアングルを変えた。

◆ トレッド幅も違うが、これはホイールスペーサを入れるのと同じようにタイヤを外側に出した。そんな事をして良いのかという話になるが、別に操縦性を云々するわけではないので良いのだろう。タイヤの接地点を外側に出したので、本来であればサスペンションアームなどを再設計する必要があるがそれでは金がかかる。結局サスペンション関係は余りいじらないので、キングピンオフセットが凄い事になってしまった。

◆ これもパワーステアリングがあるから良いよねと言う事だが、ホンダに言わせるとセルフアライニングトルクの減少と応答性の悪化、リニアリティの悪化が起きるのだという。まあヤリスクロスなので走りを追求する云々でもないし、乗り心地がどうのと言う話でもないから良いのかな。

◆ 他にはハリアーのレクサス版やRAV4のレクサス版が安価な部類で、最低のコストで最大の違いを得るという事をやっている。これはトヨタが得意としている双子車とか三つ子車と同じでもあり、人気のないRAV4をレクサス向けに小変更して売ってしまおうみたいな。で、車は安いがオプションが馬鹿高かったりして面白い。

◆ こうした努力の結果レクサス店の売り上げは増えたと言うが、客層ががらりと変わったそうだ。従来は高価格車を買う層がレクサス店に足を運んだわけだが、今やトヨタの客がそのままやってくる。以前に書いたが、こうした傾向によってレクサス店は無料洗車サービスをやめた。

◆ 従来は車を洗って貰う為にレクサス店に来る客は皆無だったが、安価な車を買う層はタダで飲み物を飲み、タダで洗車をして貰い、タダで子供を遊ばせる為にレクサス店を訪れる。そうしたタダ狙い客の排除もあって、無料洗車を中止したわけだが… 当然のことながらタダ狙い客からは大きな反発を食らう事になる。

◆ せっかくレクサスを買ったのに、無料洗車がないのではやっていられない、機械洗車で2千円も取られるならガソリンスタンドに行った方がマシだとXにはPostされた。客層と言ってしまっては元も子もないわけだが、考え方の違いというか何というか、隔たりを感じるわけだ。

◆ レクサスカード?アレの問題も一時期騒がれたが、今でも特典はあるのだろうか。トヨタ的には特別感を出したかったのだと思うが、それだけでは食っていけない。そこで結局はネッツ店と同系列にレクサス店を並べるみたいな手法を採らざるを得ない。

◆ サブブランドによって販売台数が伸びるとすれば、それは携帯電話のサブブランド戦略と同じである。中身は同じでも細部が違うし価格も違うよとすれば、直接的な比較が出来にくくなったりして全体を分かりにくくする事が出来る。料金を比較しようにも内容が微妙に異なるので、直接的な比較が出来ない。これのもっと単純なものが家電量販店用のモデル、例えばヤマダ電機向けはサフィックスにYが付いて、ほんの少しだけ付属品なり色なりが違うというアレである。


カネが足りなかったこと(10/7)
◆ ちょっと前のニュースだが、タイトルはこうなっている。「バス運賃「80円足りない」運転手が“謝罪強要” 男子児童“炎天下”2時間歩いて帰宅【スーパーJチャンネル】(2024年8月5日)」バスの運転士が注意したことと、子供が2時間歩いたことには全く関係がない。

◆ バスの運転士が80円を立て替えたとしても、子供は2時間歩くことになる。いかにもTVの好きそうな問題のすり替えだが、こんな事をしているからTV離れが加速するのではないかな。更にこうしたタイトルで報道されると言う事は、運転士と子供の間のやりとりも正確ではない感じがする。

◆ 報道では運転士が子供に謝罪を要求したとあるが、運転士が「今日はおじさんが立て替えておくから、家に帰ったらお母さんに言って、あとで払ってね」と言い、子供が「済みませんでした、ありがとう御座います」と頭を下げたのかも知れない。

◆ 結局こうした報道があると、ニュースの全てが嘘なのではないのか?TV局の思惑通りに事実が曲げられてしまっているのではないかと思ってしまう。日本の事を知りたければ海外のニュースを見ろと昔から言われているように、どうにも正確性が怪しいのである。

◆ この報道だけではなく取材を受けた人間の言葉が切り取られて別のイメージにされるなど、これは度々問題化している。今は個人でも気軽に情報を発信出来るわけで、TV局の嘘などすぐにばれてしまう。それでも真実を報道しようとしないのは一体何故なのか。

◆ 北島弁護士が語っているが、いわゆる帰化した人々が相当多くいて、そうした人々がある程度責任のあるポジションにいるから、報道に偏りが生じるというもの。TBSの新入社員の朝鮮枠などはその良い例かも知れない。

◆ そして北島氏は政治の世界でも同様だと言っている。日本の為の政治を行うのであれば、それが何人であろうが気にする必要はないが、せめて経歴は明らかにすべきだと主張している。民主党と孫さんが手を組んで、韓国企業に莫大な利益を与えたソーラバブルなどその典型かも知れない。

◆ 国内メーカや事業者のメガソーラが事故を起こせば報道するが、九州だったか韓国系事業者が起こした山火事は殆ど報道されなかった。勿論民間企業なので自分たちの気に入らないことは報じなくても良いと言えばそうなのだが、あのジャニーズ事件同様に報道機関とは何なのかが問われても仕方がない。

◆ 件の運転士の取った行動が報道の通りだと仮定するなら、まあ仕方ないのかなと思う。80円を運転士が負担すると考えれば、その分謝ってよという位は言いたくなる人間もいるだろう。普通の人間なら、「おじさんが払っておくからあとで払いに来てね」で済ませると思う。もっとも無賃乗車ネタで金を稼ぐYoutuberには厳しい態度で接することが必要だけど。

◆ 私にしてもバスに飛び乗ったら小銭がないことに気づいた、なんて事もあった。その時は後払い券みたいなものを渡されて、降車後に営業所かどこかで払ったんだったかな。

◆ お金が足りない場合の処理方法はマニュアル化されているような気がする。後払い方式だと残高不足や財布を忘れたなど、特別珍しいことではないからだ。なので子供の件にしても、運転士はマニュアルに沿った処理をすればいい話だし、もしかしたらマニュアル通りだったのかも知れない。


支払い連携は危険なのか?(10/6)
◆ ApplePayの不正利用事件がある。第三者が何らかの方法でクレジットカード番号を取得し、それをApplePayに登録して使いまくる。そんなものカードを止めれば良いじゃないかとなりそうなのだが、カードを止めてもApplePayを止めない限りは請求が来続けるのだとか。

◆ もしかするとクレジットカードのブランドによる差があるかも知れないが、カード会社はAppleに止めて貰ってくださいと言うそうだ。もちろんAppleがそんな要求を聞くはずもなく、不正利用が続く。

◆ 一般論として不正利用でカードの利用停止を申告した後の利用分は、口座からの引き落としはないと思えるのだがどうだろうか。それともApplePayで使われた分は支払い義務が生じる的な規約があるとか?これに関して調べてみるとこの記事があった。

◆ 記事の中で以下のように書かれている「Appleが既存のルールを改定し、それまでApple Payへのクレジットカード登録で必須としていた「iD」または「QUICPay+」への紐付けを撤廃するという話も聞こえてきている。」iD自体も廃止の方向だと書かれている。確かにvisaタッチなどの方が面倒が無くて良いし、○○Pay同様で、類似サービスの複数化は混乱の元だ。

◆ グローバル準拠のタッチ決済の方が、小さな国の一つの事業者のやるiDだとか○○Payより良い事は確かなのだ。いずれにしても決済方法やシステムの隙を突くような不正利用が増えている訳で、利用者としても注意する必要がある。

◆ dカードは新カード番号に於いては利用速報が来るようになり、やっと対応したかという感じ。他のカード会社でも利用速報の通知が来るものが増えているので、そうしたカードを利用するのは不正利用の早期発見になる。

◆ このApplePay問題は、クレジットカードを変えても又同じように不正利用されたとのレポートがある。スマートフォンの不正なアプリか何かにクレジットカード情報を登録してしまったとか、繰り返しフィッシング詐欺サイトに引っかかっているとか、いずれにしても利用者側にも問題はある。

◆ 現時点ではApplePayを使った不正利用と言う事なのだが、GooglePayでも同じように出来るんじゃないのかな。iDやQUICPayをダイレクトに使う事も勿論不可能ではないが、少なくともiDの登録にはドコモIDが絡んでくるので敷居が高い。ただiDにドコモ以外のカードを登録しようとするのなら、簡単にできるのかな?このあたりは実験した事がないので分からない。

◆ 私は以前にGooglePayを使ってみた事があったが、使う意味がなかったというか、使って何が便利なのかが分からなかったので解除した。そもそも何故Googleを経由しなければいけないのか分からない。GooglePayが圧倒的なシェアを持っているというのなら話は別だが、単に普通に決済出来れば良いと考えるのであればGoogleを通す必要はなくなる。

◆ Flicaならそのサービスをダイレクトに使えばいい話であって、余計なサービスを経由すれば決済のタイムラグやら請求の締め日問題やら、カード番号が変わった時はどうするのかとか、セキュリティ関係はどうなのか?トラブル路に責任はどこが持つのかなど、面倒が増えるだけではないか。Appleの場合はApplePayしか使えない、というか使わせない仕組みなのかな。そうであれば仕方ないけど。


部屋の断熱性とエアコンのパワー(10/5)
◆ 一般的な2.2kWの6畳用エアコンは何畳まで使えるかみたいな話が増えてきたように思える。12畳でも20畳でも6畳用で十分だよと解説しているページがある。根拠としては部屋の断熱性能の向上だ。この○畳用との基準が決まった当時より、現在の方が部屋の断熱性能が向上している。従って○畳用というその表示自体がアテに出来ないというわけだ。

◆ それはもっともな理屈で、クーラとは人間の発熱を冷やす分より部屋を冷やす事にパワーを使っている。従って部屋の断熱性能が上がればエアコンのパワーは少なくて済む。また定格出力に対して平均運転出力が高い方が効率が良くなるので、電気代もお得になるしエアコン本体も安い。

◆ エアコンは付けっぱなしが良いのか?こまめに消した方が良いのか?論争がある。これはいったん部屋が暖まってしまうと、適正温度に下げるまでに時間がかかるから、その間にエアコンがフルパワー運転するのは電力消費量的に損だという理屈だ。

◆ 暖まった部屋の温度を下げるのは大変なことであり、例えば12畳の部屋の暖まった空気を6畳用のエアコンで下げるには時間がかかる。部屋の断熱性が良ければやがては温度が下がってくるのだが、それまで耐えなければいけない。

◆ 炎天下に駐車した車の車室内温度をいかに早く下げるか、エアコン全開が良いのか窓全開が良いのか論があるが、それと同じような話だ。それでも小容量エアコン推奨の電気屋は、12畳の部屋に12畳のエアコンを付けるヤツは馬鹿だと言い切る。

◆ しかしそんな小容量エアコン推奨派も、冬には活動を停止する。暖房能力の上がりにくいヒートポンプでは、さすがに冷えた12畳の室内を6畳用のエアコンでは暖める事が出来ないからだ。夏場は33℃→25℃位まで冷えれば良いが、冬場は5℃→20℃位まで暖めなければいけない。

◆ Xでは20畳の部屋に6畳用で十分だとか、家全体を6畳用一台で冷やしている、それでも冷えすぎる位だなどとの書き込みがある。これってコロナの反ワクチン派とか、過剰な反電磁波派と同じような活動なのだろうか。ワンボックスカーでも軽自動車要のエアコンで十分だ、みたいな?
◆ 20年とか30年位前の非インバータ式の、ON/OFF制御の時代しか知らない人かも知れない。ON/OFF制御だとコンプレッサが連続運転していた方が部屋の湿度が下がるので快適になる。コンプレッサが止まると結露で回収した水が再度蒸発して部屋の湿度が上がってしまう。

◆ ただ今のインバータは能力可変範囲が凄く広く出来ていて、効率も余り落ちないようになってきた。勿論効率点が存在するので、本来はその効率点を使うように運転するのが一番ではある。とは言っても相手は気象の問題なので、気象条件に合わせて人間が我慢するのかという話にもなってくる。

◆ ウチでは2Fには推奨能力よりも大きなパワーのエアコンを付けている。2Fにいる時間は長くないので、すぐに快適な温度まで冷房或いは暖房出来た方が快適だからだ。小容量エアコン推奨派に言わせれば愚の骨頂となるのだろうが、私にとっては極めて快適である。山の上の寒い冬でも、灯油ファンヒータより早く部屋を暖めることが出来る。灯油ファンヒータは点火までに時間がかかる(予熱しておけば早い)ので、その間にエアコンなら温風が吹き出してくると言うわけだ。


水深何cmまで安全なのか?(10/4)
◆ 突然の大雨で道路が冠水する事がある。逃げる事が出来れば良いが、状況によっては何も出来ない時もある。果たして自動車はどのくらいの水深まで耐えられるのだろうか?
◆ 排気管が水に浸かるとダメという人もいるが、排気管には圧力がかかっているので普通は水は入ってこない。排気脈動もあるので絶対に入らないとは言えないけれど、エンジンが回転している状態なら水は入りにくい。

◆ 吸気口はエアを吸い込んでいるのだから、そこが水に触れれば水を吸い込んでしまう。ジムニーの吸気管の位置はヘッドライト付近、ミニの吸気管の位置はラジエータの上である。例え平均水位がバンパーレベルだったとしても、波があればアウトだ。危機的状況でどうしても走りたければ、バックで走ることでエンジンルームの水位を下げることが出来る。

◆ ただバンパーレベルまで水位が上がると、多くの輸入車は水没検知で窓が開いたりトランスミッションがPレンジに切り替わったりして、実質的に走れなくなる。車を捨てて逃げる事を考えなさいと言う、エマージェンシーモードになるわけだ。

◆ エンジンのクランクシャフトの位置はドライブシャフト、つまりタイヤの中心付近の高さにある。綺麗な水にゆっくり浸かるのならまだしも、泥水に浸かるのだからドライブベルトに異物を噛み込むかも知れない。カムがギアやチェーンでドライブされている車はフロントカバーのシールがシッカリしているが、タイミングベルトの車だとそこに水が入る可能性がある。

◆ 短時間であればタイヤの中心位まで水に浸かっても壊れないかも知れないが、その状態で走るのは危険だ。車室内に水が入ってくると、車室内の下の方に付けられている電子デバイスから駄目になっていく。電子デバイスが応答を返さなくなると、それが直接エンジン制御に関係なかったとしてもフェールセーフモードになる場合があるのは、ドア開放やシートポジション異常が出たりするからだ。

◆ EVもモータや電池は多少水がかかっても大丈夫だが、制御系が防水構造になっていない限り走れないと言うよりも走らなくなる。テスラに関してはごく短時間であれば、水に浮いた状態でモータを稼働させる事が出来ると言っている。

◆ リーフもバッテリーの絶縁などには相当気を遣っていて、バッテリーやモータ及び高圧系は換水時にも漏電する事がないそうだ。ハイブリッド車でも、冠水してエンジンは壊れたがバッテリーとモータは大丈夫だった、みたいな記事もある。ただ低電圧系のハイブリッドでは、漏電危険性が少ない事から絶縁が十分ではない可能性もある。

◆ タイヤの直径は50cm〜70cm位なので、水深が20cmを超えたらかなり危険だと思った方が良い。自動車の最低地上高が15cm前後なので、水深20cmだと車のどこかは既に浸かっている。20cmだとふくらはぎ辺りまで水に浸かる訳だから、それでも走れる車はかなり限られる。坂道の道路に川のように水が流れている状態で水深は3cm〜4cm位、歩道の縁石が水没すると10cm以上(縁石そのものの高さは15cmが多い)の水深となる。

◆ ジムニーの床下までの高さは不明だが、バンパーレベルは55cm以下の筈だ。従って浮いてしまわない状態であれば50cm位の水深で、波のない状態であれば短時間に限り走破出来る可能性がある。デフやギアボックスにエア抜きバルブがあれば、そこから水が入ってしまう可能性もあるので、走行後はメンテナンスが必要だ。


研究は必要かも知れないが…(10/3)
◆ 補助金産業だから仕方がないが、経産省の水素方針も相当なものだ。毎年相当な金額をまさに蒸発させているだけで、そこから得られるものは何もない。北海道だったか水素路線バスを運用するのかな。他の地域でも水素バスを使った実証実験的運用はあったが、コストが見合わず廃車にしている。

◆ 水素自体のコストが軽油よりかなり高い事や充填に要する時間が長い事など、運用面での制限が大きい。せめてコスト問題が解決出来れば商用利用の道も開けようが、現状ではどうしようもない。水素を作るにも、水素を運ぶにも、そしてそれを充填するにもお金がかかりすぎる。

◆ トヨタは液体水素エンジン車を走らせているが、中々マトモに走ってくれない。最初は水素漏れのトラブルがあり、水素ポンプのトラブルがあり、異常燃焼のトラブルがあった。トヨタはエンジンは問題ないと言っていて、水素漏れは配管の問題、ポンプは電源の問題、異常燃焼は気候の問題だから水素エンジンとは関係がないとする。

◆ 液体水素はエネルギ密度が気体水素よりも高いのだが、それでも70MPa充填の高圧タンクの2倍くらいだ。まあ2倍は大きいと言えば大きいのだが、タンクを2個積めば良いんじゃないのと言ってしまえるものでもある。

◆ そもそも水素エンジンにどんなメリットがあるのだろう?トヨタは排ガスが(ほぼ)水だからクリーンだと言っているが、水素は電気で作っているのでEVの方が効率が高い。排ガスにしても燃焼温度の関係からNOx排出量が増えるはずで、COやHCが少ないので三元触媒が使えない。何故COやHCが出るかと言えば、エンジンオイルが燃えるからだ。

◆ 水素エンジンを使うのなら、FCで水素から電気に変換してモータを回した方が余程お得になる。余程お得にはなるが、電気を水素に変えてそれを又電気に戻すなんて、無駄も良い所だ。大容量の設備で電力を水素として貯蔵する事に関しても、バッテリー性能が上がってきたので水素変換のメリットが減少している。

◆ 水素を輸入する(日本は電気代が高いので安い水素が作れない)事でコストメリットが出ると経産省は言うが、水素運搬船を作ったりなんだかんだと大変なプロジェクトになる。まあそれでも安いのであれば、それで電気を作って電力供給の安定化みたいな事は考えられなくもない。

◆ 火力発電所で水素を燃やせば良いのだが、発熱量が少ないから水素が沢山要るだろうなぁ。経産省は水素をやりたいのなら、JAXAに金を入れれば良いんじゃないのかな。水素関連で毎年数百億円も蒸発させているのだから、そっくりJAXAに注ぎ込んだ方が絶対に良い。

◆ トヨタが水素をやりたいというのなら、補助金なしでやらせればいい話だ。まあ補助金を切られたら、言っている事を180度ひっくり返して水素はダメで、水素の時代は終わったなんてアナウンスするだろうけど。これはトヨタだけではなくホンダにしても同様で、誰が好き好んでカネにもならない水素をやるんですかとなってすぐに終わる。

◆ 水素に金をかけるなら、合成燃料に補助金を出した方が良いんじゃないかな。ENEOSは連続的かつ継続的に合成燃料を作る技術を確立したそうなので、とりあえず政府が10万キロリットル買い取りますよ、水素の補助金分でとやればコストダウンも出来るだろう。


最高効率のエンジンは中国製?(10/2)
◆ トヨタは3気筒エンジンで世界最高の効率とするM20-FSXで41%を達成した。これはハイブリッド車用のエンジンで、非ハイブリッド車用だと40%前後なのかな。数字にするのは簡単だが、効率改善は簡単ではない。

◆ 所がこの数字をいとも簡単に突破したのが中国メーカなのだ。BYDがプラグインハイブリッド車用のエンジンで、熱効率46.06%を実現したと発表した。すると吉利汽車はウチは46.1%だもんね〜と言ってきた。で、BYDは46.5%になったよと発表したのだった。

◆ これが本当なのかどうかと言う議論はあるのだが、実験室レベルでは2019年に科学技術振興機構が51.5%を達成したと発表した。マツダはスカイアクティブXで43%、日産はe-POWER用のエンジンで45%を達成したという。なのでBYDの46.5%が架空の数値であると決めつける事は出来ない。

◆ ハイブリッド用のエンジンであれば、極端な話アイドリングしないような特性でも成り立つ。定負荷定回転で動けば良いので、その一点だけで効率を追求していく事が出来る。トヨタの場合はエンジン出力で発電機を回し、その電力でモータを動かす方式なので回転範囲や負荷範囲が広くなる。

◆ 熱効率だけを考えるとBYD製は世界一かも知れないが、エンジンは熱効率だけでは語れない。耐久性や信頼性も必要だし、騒音や振動に対する対策も必要だ。EVは作れてもICEは作れないというのは、トータル性能を上げていく為には多くの技術が必要で、さらにはそれを作り上げる為には製造に関する技術もいる。

◆ トヨタが自動車製造を開始した当時、エンジンのブロックその他のパーツを製造するのに適した鉄がなかったのだそうだ。そこで鉄を作る所から初めてフォード(だったかな)のパーツをそっくりコピーした。コピーする事でトヨタ製のパーツがダメだった時には、フォードのパーツがそのまま使えた。

◆ エンジンが組み立てられるようになっても、今度は自動車のエンジンに適した潤滑油がないしギアオイルの性能も低かった。今なら買って来れば済むようなものでも、おそらく当時は内製する以外に入手が出来なかったのだろう。こうしてフォードをはじめとする海外の自動車のコピーを作り、やがてはフルオリジナルの自動車が生産出来るようになる。

◆ こうした技術やノウハウと生産管理の難しさはテスラも経験していて、ボディーの作り方が通常の自動車メーカとは異なる。接合が出来ないなら一体で作ってしまえみたいな感じで、なので部分的修理が出来なかったりする。

◆ とは言ってもそうした独自の進化が既存の概念より優れているかも知れないので、新興企業がダメだと言う事でもない。BYDにしてもトヨタ式の生産技術を学べば、更に車を安くする事が出来るだろう。まあ現状でも価格競争力があるので、あえてケチケチやらなくても良いのかも知れないけど。

◆ 日本でしか作れないと言われていた高精細液晶パネルは韓国にシェアを奪われたわけで、日本の自動車量産技術は最高だなんていっていると、すぐ中国に追いつかれそして追い越されてしまう。幸いな事にと言うか、EV熱が急減速なので中国自動車メーカの景気は良くない。景気が悪化すると新規開発熱が下がり、魅力的製品が生まれにくくなる。


安くて速いテスラの中古(10/1)
◆ テスラの中古が安い。ハイパワーモータを積んでいるので0-100km/hなら敵無しである。高速になれば加速は鈍るが、日本で普通に使う分にはトップクラスの速さを誇る。それが200万円台で買えるのだからお得ではないか。

◆ 価格を見ればお得なのだが、信頼性は低い。米国の低信頼性モデルトップ10の中に、アウディやイタリア車に混じって堂々ランクインしている。アウディやイタリア車は頑張れば自分でも修理が出来るが、テスラはそれがほぼ不可能だ。

◆ 壊れる箇所は様々で、エンジンが付いていないのに良くここまで壊れるなと言われるほどである。充電出来ないとか充電アダプタが抜けなくなるなんてのは可愛い方で、トラブル=レッカーという図式が成り立つほどで、壊れる車は何度でも壊れるのだとか。

◆ CHAdeMOの450V充電器では、他の輸入車でもエラーが起きる場合がある。これは450V以上の充電電圧である事を想定した車両で、チャージャの電圧が上がらないのでエラーが出る。このあたり規格的なものもあるので互換性がないのは困る。

◆ その他の故障は様々で、以前にも書いたドアが開かなくなるとか、窓が閉まらないとか、エアコン不良、ナビ不良、オーディオ不良、勝手にトランクリッドが開いて水たまりなど、壊れない所がない位だと言われる。中古の場合は一通り壊れたあとなので新車よりマシだという人もいる。勿論新たに壊れる場所もあるとは思うので安心してはいけない。

◆ 新車時からの故障が最も多くて深刻だという記事もあって、多くの故障は納車1〜3年で起きて、平均修理期間は数週間だそうだ。この修理期間を過ぎると、あとは比較的良いのではないかと言うが、怖いのはバッテリー関連のトラブルだ。バッテリー本体は勿論、インバータが壊れれば多額の修理費用がかかる。

◆ ナビがGoogleナビ程度の機能だそうで、おそらくは最短距離を案内するのではないかとの事。Googleナビのように車の通れないような道は案内しないと言うが、都市部以外に出かける時には、スリリングな体験が出来るとの記事があった。

◆ 仕様変更や意匠変更は逐次起きていて、注文時点と納車時で仕様が違う(改善されている)とか、価格が変動するなど新車を買うにはリスクがあるが中古であれば得に問題はない。だから中古の方が安心なのかというと又それは別の話だと思うが、安いから我慢しようと思える所はお得だ。

◆ FSDと処理能力の話ではないが、最新モデル以外も対応するよとアナウンスしていたが実際には処理能力の低いCPU搭載車には難しい、みたいな事もある。これは自動車だけではなくPCとOSの関係にしても、スマートフォンにしても同じだ。アップデート前には古いモデルにも対応予定だったけれど、実際にやってみたらCPUパワーやメモリの関係でうまく行かなかった、という訳だ。

◆ 中古であれば非対応なのか、仕方がないなで済む事も、新車で非対応と言われると訴えてやるとなってしまう。テスラは言うかも知れない、対応するとは言ったけれど(最新モデルと)同じ仕様にするとは言っていないよと。この辺りはまだまだ過渡期と言えるEVなので仕方がない。PCだってスマートフォンだって、毎年のように性能が上がっていったではないか。最新の技術を最初に手に入れると言う事は、それはアッという間に古くなる事を意味している。