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過去の雑記置き場


何故カムは減ったのか?(11/1)
衝突軽減ブレーキとかACCとか(11/2)
燃料残量(11/3)
ユーザ車検(11/4)
整備士不足(11/5)
走行記が面白かった(11/6)
Xperia1(11/7)
5バルブエンジン(11/8)
ミニのナビのひどさ(11/9)
減らない飲酒運転(11/10)
ジムニーの車検は大変(11/11)
4ドアは必要なのか?(11/12)
推奨外のエンジンオイル(11/13)
推奨外のトランスミッションオイル(11/14)
その他のオイルの話(11/15)
走行記が面白かった(2)(11/16)
逆走車を避けられるか?(11/17)
マツダと直6エンジン(11/18)
壊れにくい車ランキング(11/19)
ステアリングギアレシオの問題ではない(11/20)
ブレーキの違い(11/21)
占領されてしまうのか?(11/22)
減税とか財源とか(11/23)
雪は降るだろうか?(11/24)
燃費改善の弊害(11/25)
オールシーズンタイヤ(11/26)
ミニ雑感(11/27)
高公害改造パーツ(11/28)
ホンダという会社(11/29)
イメージ転換の難しさ(11/30)


VC
イメージ転換の難しさ(11/30)
◆ 高機能と低価格が売りのワークマンは2020年頃から業績を伸ばし、2013年比で約3倍の利益を上げるまでになった。2020年には女性向けの衣料を扱うワークマン女子をスタートさせ、ワークマンカラーズを銀座に出店するなど、更なる業務拡大を目指す事になる。

◆ 元々が作業服系のメーカであり、作業服は汚れや傷みがつきものなので買い替え需要が一定ある。これによって固定客が付けば売り上げは伸びていく傾向だ。しかしこの買い換えを前提とした品物作りや、量販衣料に対する在庫の管理、デザイン性の転換などが遅れる傾向にあった。

◆ ワークマンらしいデザインと言ってしまえばそうなのだが、新たな分野を開拓するには弱かった。これは想像でしかないのだが、ワークマン的デザインを貫くのか?新たなデザインを取り入れていくのかの葛藤があったのではないだろうか。これはユーザレポートの、中途半端な印象があるという項にも現れている。

◆ 作業服に於ける機能性と、機能性を実現するための素材や構造は非常に現実的ないわば機能美みたいな所がある。しかしファッション性は全くそれとは反対に、何かよく分からないアクセサリ的な布きれが付いているけれど、それが上品な趣を醸し出す、みたいな無駄の美学がある。

◆ またデザインにお金を払う層からすると、素材などにもこだわりがある。そしてこれは機能美とは相反する部分でもあり、それを融合させようとした結果が中途半端と評されたのではないだろうか。

◆ ワークマン女子は一定の売り上げを維持しながらも、徐々にその存在自体に新鮮味がなくなってくる。ワークマンだから、とか、ワークマンでなければ、という部分が薄れてきた。ユニクロではダメなのか?何故ワークマンなのかが明確でなくなると、機能的衣料を求める以外の層は足が遠のく。

◆ 2024年にはこれまでの成長が止まり、前年比マイナスとなってしまった。無限に成長する企業があり得ないと言われる中での停滞期と見るのか、それとも収益率低下の始まりと見るのか。2024年頃から、商品数の拡大で当然起きる事になる売れ残り商品のディスカウント販売を積極的に開始する。ワークマン自身も「一般客向けの製品は売り場の鮮度を高めることを目的に、マークダウンしてでも売り切る」との方針が語られた。これは売り上げと在庫コストの低減に貢献するが、利益には余り貢献しない。

◆ 機能性衣料という面でユニクロなども積極的に商品開発を行い、競争が激化しつつある構造もある。ワークマンの好調な売り上げを他社が指をくわえてみていたわけではなく、売れ筋商品の分析と類似商品の開発、さらにはそこにプラスしたデザイン性などを武器に拡販を行う。

◆ 元々が作業服専門という業種であった事から、いわゆるアパレル産業とは少し違った分野だったわけだ。したがってライバル蠢(うごめ)く競争の世界にワークマンは慣れていなかったとも言える。こうした事から社内改革を進めた背景もあるらしいが、社内の女性従業員比率が著しく低い事もあり、女性向け衣料の開発には難航する。

◆ もう一つワークマンの利益減少は、キャンプブームの終焉だとも言われる。作業服自体は固定的売り上げが確保出来るものの成長産業ではない。しかしスポーツ衣料やアウトドア衣料はブームに乗れれば大きな伸びを手にする事が出来た。


ホンダという会社(11/29)
◆ ホンダは色々なエンジンにトライしたりするユニークな企業だ。今は違うと思うが、過去には世界で唯一逆回転するエンジンを作っていた。通常エンジンは前方(ドライブベルトのある側)から見て時計方向に回転するが、ホンダは逆回転だったのだ。

◆ ホンダは軽自動車であるN360で逆回転エンジンを使った。BMC時代のミニはエンジンの下にトランスミッションを置くイシゴニス・レイアウトだったのだが、ホンダはエンジンとトランスミッションを並べて置く現在主流の方式、ダンテ・ジアコーサ・デザインを採用した。これはフィットが採用していたものなのだが、重量バランスを考えればエンジンは右側に(左ハンドルで、自動車は多くの時間ドライバーだけを乗せて走る)置くことになる。

◆ しかしホンダは日本専用車だからとエンジンを左側に置いた。今だったらトランスミッションの設計でいかようにも出来るのだろうが、当時のホンダとしては前進と後退が逆になるという問題に直面した。だったら手っ取り早くエンジンを逆に回せば良いじゃないかというのが、当時のホンダのデザインだったわけだ。

◆ ホンダの空冷エンジンに関しては過去に書いた事があったが、ホンダを以てしても空冷エンジンを存在させ続ける事が出来なかった。一方でポルシェは空冷エンジンを使い続けた。エンジンレイアウトやコストの問題はあるにしても、ポルシェの空冷エンジンも相当な苦労の跡が見られるのだ。

◆ 変速しないATもあった。自動変速機を採用すれば特許料を払わなければいけない事から、だったら変速しなければ良いじゃないかと考えた。トルコンのトルク増大比を異様に大きくして、発進から常用速度まで変速無しでカバーしようとした。当時は無段変速みたいな言い方をしていたようにも思うのだが、無段変速とは無段階に変速するのではなく、変速しないことを表したものだ。

◆ 手動で変速すれば2速の手動変速トランスミッションで、後にODも付いた3速版も登場したのかな。ただ自動変速しないトランスミッションに人気が出るはずもなく、やがて消える運命にある。当時はまだまだマニュアルトランスミッションが主流で、トルコン付きのマニュアルトランスミッションは、マニュアルトランスミッションの面倒さとトルコン動力伝達装置付きの効率の悪さを併せ持った最悪のものだ、なんて評論された。

◆ 最悪という程最悪ではなかったとは思うが、ロールセンターを下げたサスペンションセッティングも特徴だった。サスペンションが固くてゴツゴツするのに、コーナリングでは派手にロールした。そのセッティングにどんな意図があったのかは不明だが、ホンダのことだから何か確固たる理由があったに違いない。

◆ エンジンの吸排気ポートの設計だとか研磨仕上げは、今は計測器無しには出来ないと言われる。流速や流量を測りながら削っていくのだとか。しかしホンダの社内にはそうしたポートを削れるエンジニアが多数存在していたという。勿論測定しながら削るのではなく、削った後で測定すると殆どばらつきなく同じものが仕上がるという、ポート削り職人達だ。

◆ そんな中の一人が独立して工場を持っていたのだが、氏の削るエンジンはパワー特性に特徴があった。なのでパワーカーブを見ると氏が削ったんだなと分かった。そういう特性になるように削っていたのか?削った結果としてそういう特性が得られていたのかは分からない。


高公害改造パーツ(11/28)
◆ マツダのディーゼルエンジンとスス問題、これを解決するパーツが売られている。パーツと言うほど大げさな物ではなくて、金属板に穴を開けただけのものだ。これをEGR通路に入れてEGR量を制限してしまうと、当然ながら排ガス中から持ち込まれるPMが減少してスス問題が起きにくくなる。

◆ Youtubeでは立派な事を言っている某整備士のチャネルでも、これの実装を勧めている。EGR量を減らせばNOxが増えるのだが、NOxは車検時には計測されないのでどうでも良いと言う事かな。尿素SCRの付いた車であれば後処理が出来るが、マツダのクリンディーゼルは低圧縮比と大量EGRでNOx低減を行っていて、そのEGRを制限すればNOxが増える。

◆ EGRを減らすとパワーが上がるとも言われ、(たぶん新気割合が増えるのでパワーは上がるのではないかと思う)価格が安いので取り付ける人も増えているようだ。2昔くらい前のクロカン4WD(当時はRVなどとも呼ばれていた)やデリカなどの燃料増量改造パーツ同様、余り褒められたものではないものだ。

◆ ディーゼルエンジンは燃料を増やせばパワーが上がるのだが、燃料過剰運転になるのでPMが増える。で、燃料増量装置、いや装置と言うほど大げさなものではないが、それを付けたディーゼル車は黒煙をもうもうと吹き出しながら街を走っていた。

◆ EGR絞り金属板推奨派は、ススでEGRクーラなどが詰まったのと同じなのだから気にする事はないと言っている。EGR経路が詰まった場合は吸気系も詰まっているので、実はEGR率は余り変わらない、だから長期間乗っても規制値は守れるみたいな話もあるが、これはどうなのだろう。

◆ ガソリン車でも大量EGRを使うエンジンではEGR経路やインテークポートなどが詰まる。それはパワーダウンや燃費の悪化をもたらすのだが、排ガスレベルの直接的上昇は起きにくい。ガソリンエンジン車の場合は三元触媒や、ハイブリッド車の一部は吸着触媒を使うのでマツダのディーゼルエンジンのようなNOx上昇にはつながりにくい。

◆ EGR制限板を推奨?しているYoutuberは、EGR制限をすると内部に堆積したススが自然に取れると言っている。理屈としては堆積していく量より自然に剥がれ落ちていく量の方が多いからと言うのだが、これはおおいに疑問である。EGR経路に付着したススは、ススと言うよりも石炭というかコークスというか鉛筆の芯というか、そんな固さのものになっている。

◆ スス掃除ではその固まりを取るために、金属製のスクレーパが必要なほどなので、それが自然に落ちるとは考えにくい。逆に自然に落ちるくらいのものであれば、堆積しないでどんどんエンジン内に吸い込まれていく。まあ売りたいから色々理由を付くていると思うんだけど。

◆ EGRを制限するのならEGRバルブの動作を制限した方が早そうだが、これだとエラーでも出るのかな。EGRを減らすとNOxは増えるがPMは減るので、DPFに対しての負荷も軽くなる。まあエンジンにとっては良いものではあるが、人間にとっては厄介だ。

◆ 高公害ディーゼルが当たり前だった頃、さらにはガソリン車の排ガス規制が甘かった頃には光化学スモッグが度々発生していた。その後排ガス規制の強化などで光化学スモッグという言葉自体忘れられた感もあったが、最近では注意報が発令される事がある。


ミニ雑感(11/27)
◆ ミニもだいぶ距離を乗ったが、印象というかイメージというか、車としての動き方というかは、以前に書いたような思いと特に変わっていない。ジムニーはジムニーであり他の車とは違う訳だが、ミニもジムニーほど特殊ではないが、普通の車とは違う。例えばCLSはごく普通の車だしC180にしても普通の車だ。

◆ 思い通りのハンドリングだとか、思った通りに車が動いてくれる例として挙げられる事の多いのがマツダのロードスターだ。設計目標やその設計目標を達成するための様々な工夫が凝らされていて、車との一体感を追求したという設計は幾度となく語られる。

◆ では操縦性を高めるためにロール剛性を上げ、足を固めたかというとそういう方向ではない。あくまでも乗っている人間の思い通りに動く車を目指した設計だと思う。だからロールもすればテールスライドもする。極限まで粘った上でどこかにすっ飛んでいくようなセッティングではなく、もうすぐ滑りそうだなと思った次のレベルで緩やかにスライドが始まるみたいなセッティングではないだろうか。

◆ ミニは未だどこかにすっ飛ばした事がないので、どういう挙動になるのかは謎なのだが、ロードスターのようなしなやかさだとか、ドライバーを立てる(相手を立てるの意)ような奥ゆかしさはないと思う。

◆ ステアリングを切れば、切っただけ切った方向に曲がり、ブレーキを踏めばそのまま止まる。まあパワーが無いのでアクセルを床まで踏みつけた所で何も起こらないのだけれど。ただ良く曲がって良く止まる事に関しては、ファミリーカーとか普通の車とは違う。

◆ だからといってNSXのようには曲がらないわけだし、ポルシェのように止まるわけではない。あくまでも普通のファミリーカーとは違うよと言うレベルだ。だから普通のファミリーカーを求める人にとって、ミニが素晴らしく映るかというとそうではない気がする。

◆ それこそ足が硬いとかステアリングが敏感だとか、シートが低くて乗りにくいとか、車幅の割に室内がタイトだとか、そういった面が目立つと思う。ミニに比較したらスイフトの方が良いよねとか、ヤリスの方が実用的だよねとなる筈だ。

◆ ただミニでもカントリーマンなどはディメンションも異なるので、クーパー系とはちょっと違ってくる。クーパー系に関してはファミリーカーではないと思うし、ファミリーカーを求めて買えば幻滅が待っている可能性もある。

◆ 私にしてみれば良く曲がって良く止まる小さな車は面白いとなるわけで、ミニがどんな車かと聞かれたら、面白い車だと答えるかな。イタリアンホットハッチとも又違うのだけれど、アバルト595などは面白い車に分類されても良いのではないだろうか。何と言ったってボンネットの先端にサソリがくっついているんですゼ
◆ とは言ってもアルファロメオとかFIATのようなエレガントな部分はミニにはなくて、それはおそらくBMW的な合理性が浸食してきているからだろう。世代が変わるごとにミニらしくなくなるとお嘆きのミニ好きな人がいるように、私にしたってイギリス時代のジャガーが好きだったわけで、全ての工業生産物は時代に流されて高機能化し、その代償として失われるものもある。


オールシーズンタイヤ(11/26)
◆ 日本ではスタッドレスタイヤが使われるが、海外ではオールシーズンタイヤが主流だ。オールシーズンタイヤは日本でも売られているのだが、中途半端な印象だからか余り人気が無い。ジムニーだとJB64標準のDUELER H/T684はM+S表記があったかな。M+S(マッド&スノー)の雪上性能には明確な基準がなく、メーカが勝手にと言うのは語弊があるにしても、多少の雪なら走れるよ程度の性能だ。

◆ 実際DUELER H/T684を履いている時に、降り始めた雪で道路が真っ白になった山道を、4WDに切り替えこそしたが上ってくる事が出来た。だからといって安全に走れるわけではないし、氷上では全く駄目だろう。

◆ オールシーズンタイヤもJAFのテストでは、夏用タイヤよりは走れるがスタッドレスには及ばない結果になっていた。スタッドレスタイヤでも雪質による得手不得手もあるし、スタッドレスタイヤを履いていても走れない雪道はある。

◆ 毎年のように夏タイヤで雪道を走ろうとする人がいるが、ほんの少しの雪だったとしても夏タイヤでは走れなくなる。関東南部などでは殆ど雪が降らないので、冬タイヤを買う人は多くはないと思うが、チェーンは携行しておいた方が良い。

◆ チェーンを付けると駆動力は大きく増えるのだが、制動力は余り増加しない。樹脂製チェーンは雪の無い所でも走れるのだが、装着が大変(温度が下がると固くなる)、収納が大変(小さく収納出来ない)、価格が高いなどのデメリットがある。ジムニーはタイヤとタイヤハウスの間のクリアランスが大きいので、金属チェーンなら5分もかからず装着出来る。金属チェーンは安いので、お守りだと思って冬は車に積んでおくと良い。

◆ ミニはチェーンが着けられない車なので、中華簡易タイヤベルトみたいなものは買ってある。これが使えれば(装着出来れば)いざという時に役立ってくれるはずだが、数メートル走ったら壊れそうでもある。結束バンド型の中華タイヤバンドみたいなものなど、装着時に切れてしまうなどと言われる。

◆ 多少の坂道ならスタッドレスタイヤだけで大丈夫なのだが、ここの坂道は多少じゃないからなぁ。勿論積雪の度合いにも寄るのだが、箱根の旧道などスタッドレスタイヤを履いていても坂を登れなくなる車がある。狭い道で走行不可能になると、自分の問題だけではなく他の車も通れなくなってしまうので責任が重い。

◆ 都内で雪に降られるなどした場合は坂道が少ないか、坂道を迂回する事が出来るのでオールシーズンタイヤでも何とかなるかも。ただオールシーズンタイヤは減りが早いそうなので、経済的な面だとか非積雪路でのグリップを考えるとどうなんだろう。

◆ SLに乗っていた時に東北方面に行く時にはスタッドレスに履き替えていた。高速道路と国道くらいしか走らなかったので特に危険な目には遭わなかった。ソアラの時も東北に行く時にはスタッドレスに履き替え、その時はかなり下道を走ったが問題はなかった。

◆ ある程度広い道路は車通りもあるし、除雪がされている所もあるので氷結路にでも出くわさない限りは普通に走れた。これがもっと北の方とか北海道になれば事情も違ってくるわけで、スタッドレスタイヤに履き替えて北海道に行った人が、現地の人からそんなタイヤじゃダメだと言われたと言っていた。


燃費改善の弊害(11/25)
◆ 何度か書いているダイハツタントのオイル上がり、これはエンジンオイルに灯油を混ぜてフラッシングするという荒療治で直ったたのだが、プラグホールからシリンダ内に直接洗浄剤を入れた方が早いよと教えていただいた。

◆ エンジンオイルに灯油を混ぜたりフラッシングオイルを混ぜたりしてスラッジを溶かすには時間がかかるが、エンジンコンディショナやキャブクリーナをシリンダ内に直接入れて数時間放置すれば、ピストンリングの固着は取れるというもの。

◆ オイルや交換時期によるとは思うが、ピストンの背面(コンロッド側)には結構スラッジが溜まったりしているようだ。オイルの焦げ付き性とか清浄分散作用にもよるのだろうが、超低粘度オイルはピストンの裏側など温度の上がる場所で焦げ付きやすいのではないかとの話もある。

◆ 焦げ付き性に関してはSUNOCOのオイルが優秀、清浄効果に関してはCastrolEDGEが良いと実験している動画があった。GRオイルは動粘度指数が極めて優秀なのだが、焦げ付き性が良くない。オイルはどこかの性能を上げるとどこかが下がってしまうので、全ての面で高性能なオイルを作るのは難しい。

◆ ジムニーのエンジンを開けた時にピストンリングを交換したのだが、ピストンのリング溝にはスラッジが溜まっていた。ピストンリングが動かなくなるほどではなかったが、ピストンリングの嵌まる溝にはスラッジが溜まっていた。

◆ 何万kmか走ったらプラグホールからエンジンコンディショナやキャブクリーナをシリンダ内に入れて、数時間待って吸い出しを何度か繰り返して洗った方が良いのかも。ポート洗浄の時の感じからすると、シリンダ内にキャブクリーナを入れるとエンジンオイルは結構汚れる。つまりピストン周りの汚れが落ちる事が分かるので、それなりに効果はある。

◆ 燃焼室内のカーボンを落とすとノッキングが起きにくくなるが、最近の車はもれなくノッキングコントロールが付いているので、ノッキング自体を知らない人が多そうだ。エンジンにもよるが、普通に問題なく燃焼する現代のエンジンの燃焼室内は余り汚れない。しかしオイル下がりやオイル上がりが起き始めていれば、オイルの燃えかすで汚れ始める。

◆ カーボン落とし性能ではマツダ純正?のロータリエンジン用クリーナが良いらしい。カーボンやスラッジで固着しやすいアペックスシールの状態を改善するために使われる。汎用のクリーナより圧縮圧力の回復が見込めるという事なので、スラッジ溶解効果は高いのだろう。

◆ 私のお勧めは東洋化学のキャブクリーナだ。洗浄力が高くシールなどへの攻撃性が低い。洗浄性は比較して分かる程度に違うので、キャブクリーナなら何でも同じというわけではない。違いと言えばパーツクリーナもずいぶん違う。価格が似たようなものでも製品によって洗浄力には差がある。

◆ MonotaROの緑の缶のヤツもよく使うが、あれは洗浄力は余り強くない。まあ価格の高いものはそれなりに良い感じがするが、何かブシューッと連続噴射がもったいなくて。安物パーツクリーナならどんどん使っちゃうのに。価格の差で言えば浸透性潤滑剤も同じかな。PB商品で安価なものはどんどん使うもんなぁ。


雪は降るだろうか?(11/24)
◆ 太平洋側で雪が降るのは2月とか3月頃が多い。季節が春に向かい、南岸沿いを低気圧が進んでくると雨が降りやすくなる。この時上空に寒気があると、その雨が液体にならないまま地表に落ちてくる。

◆ ジムニーの場合は特段雪を心配する事はなかった。何度も書いているように片輪の荷重が抜けてしまうような場所では無力ながら、それ以外であれば走破出来る。車高が高いので余程の事が無い限り雪に埋まる事もなく、片輪の荷重が抜けるような場所でもスタッドレスタイヤ+チェーンで何とかなった。

◆ ミニでも雪道を走れない事はないとは思うのだが、車高は問題だ。雪が降り積もれば20cm以上になる山の上なので、タイヤがグリップするかどうかよりも前方に雪が溜まってしまって走れなくなるのではないか。

◆ 2WDと4WDの違いも大きい。2WDの場合は駆動されていないタイヤがそのまま抵抗になってしまう。FRの場合は前輪が雪を踏み潰そうとする訳だが、駆動力がないので単なる抵抗である。これを後輪が押さなければいけないので、後輪の摩擦力が抵抗に打ち勝てないと発進出来ない。

◆ FFの場合に平坦路であればFRを凌ぐかも知れないが、上り坂だとフロント荷重がかからなくなるのでスリップしやすくなる。FF車の前後重量配分は6:4位なので、ホイールベースが長い車で後輪荷重が重い(人や荷物を積んでいる)とより厳しくなる。

◆ 雪が降ったら出かけないのが一番だが、雪の中をどのくらい走れるのか試しておかないと不安でもある。出かけて家に帰ってこようとしたら雪だった、なんて事が過去に何度もあった。横浜に出かけて帰ってきたら箱根の途中から雪になり、伊豆スカイラインはチェーン規制になっていた。

◆ この時ジムニーはスタッドレスタイヤを装着していて、タイヤチェーンも携行していた。伊豆スカイラインはアップダウンもコーナも多くあるが、道が綺麗なので荷重が片輪に寄る事は無くチェーンを使う事無く帰ってくる事が出来た。帰ってきたら雪で電線が切れて停電していた。

◆ ミニ用の中華チェーンというか、タイヤに巻き付けてベルトで止めるだけのものの装着動画は公開してある。17インチタイヤに付けるのは無理だったが、15インチタイヤになら使えそうだ。なお静止画版は追って公開の予定である。

◆ スタッドレスタイヤだけで走れれば手間が無くて良いのだが、果たしてどうだろう。ちなみにジムニーがスタッドレスタイヤだけでは片輪がスリップしてしまって走破出来なかった坂を、普通のFFの軽自動車が何と言う事なく登っていったし、郵便局のワンボックスも難なく通過していった。

◆ ジムニーもJB64ならESCが付いているので、片輪の荷重が抜けても大丈夫だ。JB23でもLSDを付けている人は、まさに鬼に金棒である。ミニにESCは付いているが、そもそも2WDなので限界は高くない。ジムニーでも同じだが、スタッドレスだから雪でも大丈夫だと思ったら大間違いなのだ。

◆ まずは圧雪路で試してみたいのだが、この山の中で雪が降れば車は通らないので、圧雪路というものが出来ない。少し待っていれば除雪が行われて車が通れるようになるので、その時に試すかなぁ。除雪されてしまうと当たり前ながら殆ど雪が無くなるんだけど。まあ雪道走行実験をしたら、その旨レポートしたいとは思っている。


減税とか財源とか(11/23)
◆ 所得税の基礎控除引き上げ論は色々だ。ここに来て自治体が反対しているみたいなニュースもある。地方税が減るからと言う事なのだが、減るなら箱物をやめたら?と思わないでもない。勿論箱物を作らずも税収が足りない自治体もあるとは思うが、人口約3万と少ない伊豆市でも何とか記念館みたいなものを作っている。

◆ そうしたものにカネを使った上で、税収が足りないから新税を作るよなんて言っている。市長にしてみれば俺が○○を作ったんだみたいな、箱物は権力の象徴くらいの考えなのか。箱物のために福祉予算を削り、福祉のための増税だと言う。

◆ 税収が減るとなれば福祉が滞るとか、消防車が出動できなくなるとか、救急車の台数を減らすぞとか、脅しにかかる。国税と地方税の割合変更での大幅増税で住民サービスは良くなったっけ?変わらなかったよね。財務省は比率を変えるだけだから総額は同じだと言った。しかし実際は控除の仕組みが違うので、大幅増税になった。

◆ 財務省とか経済団体が消費税を上げろとか税収が足りないぞとか言っているが、財務省や経済団体にそんな権限はない。自民党的には票が欲しいから経済団体の言う事を聞き、統一教会の会合に出席しだろうけど。そんなこんなで財務省解体論が叫ばれるという、何かもう色々である。財務省を解体するならカネを配る側と金を集める側を分離すれば良い。例えば財務省と新設国税省みたいな感じで。大蔵省を財務省に、看板を掛け替えるだけみたいな誤魔化しを飲んだのは森 喜朗総理時代だったっけ。

◆ 国税省は税金を集めて財務省に渡す。財務省はその中でやりくりする。財務省がカネが足りないから税金を上げろと言っても、税金を集めるのは国税省の管轄なのだから国税省が首を縦に振らない限り何も出来ない。

◆ 予算が無いとか何とかと言っているが、あればあるだけ使ってしまおうとするのが財務省なので、無駄な補助金とか助成金をやめれば良いだけだ。どこに消えるのかよく分からないこうした予算だけで20兆円分くらいあるんじゃないのかな。大気中に水素を放出するためだけにあるような水素充填スタンドにしても、毎年数百億円をつぎ込んでいる。

◆ トヨタやホンダにも助成金が行くのだから、トヨタが水素だ水素だ言うはずである。まあそこまで言うのなら助成金無しでやってねで終わりにすれば良い。金が入らなくなった途端トヨタなど水素のスすら言わなくなるだろう。石油元売り系も面倒な水素スタンドを作らなくて良くなるので、売り上げ(現在は国が保証している)は減るが手間も省ける。

◆ 消費税の1/3位は還付されているんだったっけ。これもトヨタが一番多く還付金をせしめている。理屈の上では還付で儲かる事はないのだが、実際は儲かる。輸出企業にも消費税を払わせるようにしたら、経済団体は消費税を上げろとは言わなくなる。そもそも消費税は消費者が納めているわけではなく、販売者が収めている。だから販売先が日本国内であろうが国外であろうが、販売税として課税すればクリアだと思うけど。

◆ 厚生年金の企業負担分はどこに消えるのかという話もある。ねんきんネットを見ると個人負担分が将来の年金額になる風に見えるが、では企業負担分はどこに消えているのか?個人負担分だけから収支が計算されているのかな。何か隠された部分があるのだろうか。


占領されてしまうのか?(11/22)
◆ 度々ニュースにも取り上げられる埼玉県南部のクルド人問題、廃材置き場や解体場所などヤードと呼ばれる所は毎年10件以上増えているそうだ。廃材や土砂などの廃棄は規制はされているのだが、実際問題として取り締まる事が難しい。

◆ 同じような事は伊豆市でも起きて、ある宗教団体が残土を積み上げた。宗教団体は自分の土地に土を積んで何が悪いとして廃棄物や残土の受け入れをやめなかった。この事で裁判が起きて宗教団体には3113万円の支払いが命じられたのだが、宗教団体はこれに応じず裁判は続いている。

◆ 宗教団体はそこに存在しているから未だ良いのだが、外国人による廃棄物の投棄は更に取り締まりが難しい。例え裁判で判決が出たとしても支払い命令を受けた人は帰国してしまい、有耶無耶にされる。或いはその土地を別の外国人に売った事にして、訴えられた人は姿を消す。

◆ 行政にしても警察にしても外国人は面倒だから関わりたくないという。韓国特権でもないが在日韓国人が税金を納めない件でも、税務署は面倒な所からは税金を取らないとして批判される。批判された所で課税を逃れている人が沢山いるわけだし、韓国人ばかりではなく中華街の中国人は固定資産税すら払わない人がが沢山いるそうだ。

◆ 日本人が固定資産税を払わないと行政はすぐに差し押さえの手続きに入るが、外国人に対しては督促状を送るのみだとか。そもそも土地や建物の所有者が日本にいるのかすら分からない状態では、課税システムそのものが機能しない。同じ事は中国人に買われる北海道の土地も同じで、所有者が誰なのかも分からなくなっているそうだ。

◆ 埼玉県南部では日本人が地域から追い出されることも起きているそうで、クルド人に狙われたら危険だと関わりを持ちたくないと思う人が増える。賃貸に住む人は引っ越せば済むが、そうでないと逃げ出す事も難しい。クルドエリアに済みたいという人は少ないわけだから、当然地価は下がってくる。するとそこに又クルド人が住むと言う事で、クルドエリアが徐々に広がりを見せる。

◆ 交通事故問題もあって、そもそも車の所有者が誰だか分からない、車検が切れている、任意保険に入っているはずがないなど、無法状態も甚だしい。トラックなどナンバープレートが付いていないとか、通販サイトで売っているナンバープレートを付けているとかで、昔の暴走族以上に気合いが入っている。

◆ 日本の法に従わないのはクルド人ばかりではないし、日本の道交法も守らない。自国ではこうして運転するから日本も同じだみたいな、独自の解釈というか屁理屈で運転しては事故を起こす。事故を起こしても、自国ではこの程度は事故ではないと立ち去り、逃げられてしまうと警察も対応してくれない。

◆ 埼玉南部ではクルド人問題が深刻ではあるが、これは日本全国どこででもそしてクルド人に限らず起きる可能性がある。諸外国においても外国人による暴動騒ぎなどは起きていて、日本でも対応の確立だとか法整備が急がれる。

◆ 自治体は国に対応を求めるみたいな話をしているが、国にしたって面倒な事に関わりたくないだろう。それこそ難民をいじめるのかとか、在留資格を無審査で与えないのはおかしいとか、強制送還は殺人に等しいとか、クルド人側にしても日本にしがみつくのに必死だ。


ブレーキの違い(11/21)
◆ 昨日の話の続きである。ドイツ車でもBENZとBMWではずいぶん違う。Eクラスから5シリーズに乗り換えると、まずはブレーキの違いを感じる。ブレーキ性能、例えば舗装路に於ける制動距離は似たようなものだと思うのだが、ブレーキをかけた時の安定感というか利き方というか、言葉で表すのは難しいのだが、とにかく違う。

◆ ブレーキを踏んだ時の制動力の立ち上がりとか、ノーズダイブを含むサスペンションの動きとか、制動中の摩擦力の変化とか、そうした部分の違いではないだろうか。で、Eクラスよりも5シリーズの方がブレーキフィールは良かったのである。

◆ ブレーキのキャパシティと制動力は余り関係が無い。キャパシティが大きいとフェードしにくいが、制動力自体はどの車でもタイヤロックまでは持って行ける筈なので、その点での差は少ない。唯一摩擦力が不足だよなと思うのは前後ドラムブレーキの原付で、これってホイールはロックするのだろうか?と思うくらい摩擦力が少ない。

◆ アスベストレスは当たり前として、ローメタルやメタルレスのパッド、特にトヨタ純正パッドは温度変化による制動力の差がある。パッド表面の温度が上がると摩擦係数が減少するので、踏み増していく必要がある。もしかするとトヨタはカックンブレーキを嫌って、わざと摩擦力を減らしていく方向にチューニングしているのかも知れない。

◆ メタル分の多いパッドの中には温度が上がらないと摩擦係数が立ち上がらないものもある。街中では余り利かないけれど、スポーツ走行をすると利くようになる。理想的には摩擦係数が変化しないものが良いのだが、中々そうは行かないようだ。

◆ 今の車はフェードしにくくなったと思うが、フェードするとブレーキは全く利かなくなる。全体重をかけてブレーキペダルを踏みつけたとしても、殆ど制動力が得られない。車重の割にブレーキがプアだったソアラはフェードした。スカイウエイブも坂道を下っているとフェード気味になる。ブレーキが怪しいなと思ったら、いったん路肩に止まってブレーキを冷やすなどしないと危険なのだ。

◆ 911のブレーキは良く利く。タイヤの太さと車重の関係だとかリア荷重が大きいとか、色々理由はあると思うのだが、良く止まる。車重が軽い車に乗っていると錯覚するような、そんな制動力がある。サーボに頼ってパッドの面圧を上げるのではなく、パッドの面積を増やして摩擦力を上げるようなセッティングだからかも。

◆ ジムニーのブレーキが利かない事は過去に何度も書いているが、ブレーキそのものの制動力が弱いのではなくサスペンションがバタバタ暴れるのでグリップしない。なので平坦な舗装路であれば普通に利く。同じ山道を走り、ブレーキを同じように踏んでもでもミニは止まる。(ジムニーと)こんなに違うのかと思う程ちゃんと止まるし、普通のブレーキペダルの踏み方でABSが反応する事はない。ジムニーの場合はABSが反応しまくりで中々止まらず、一時期はABSを切っていた。

◆ ジムニーといえども普通の人が荒れた舗装路の山道を走る事は希だと思う。なのでタイヤのグリップ力が不足してブレーキが利かないなんてケースを体感する事は殆ど無いだろう。雪道で滑ると言っても、普通は路面はデコボコではない。溶けたり凍ったりを繰り返してデコボコ&ツルツルになっている所はあるけど。


ステアリングギアレシオの問題ではない(11/20)
◆ 何度か触れているが日本車とドイツ車ではステアリングフィールが違う。日本車はステアリングのラフな操作でも車がそれに応じてフラフラする事はない。より大きくステアリングを操作すると、まるでロールが先かのような動きでアウト側が沈み、そしてノーズが向きを変える。

◆ サスペンションが柔らかめというとアメ車とかフランス車がある。その車の生まれた背景というか文化というか地域性というか路面状態というか、そうした中で色々な味付けの車が出来てきたわけだ。

◆ そういう意味では日本で乗るなら日本車がもっとも相応しいわけだ。アメ車を日本で乗るには日本の道は狭すぎるし、駐車場も狭すぎる。最小回転半径の話は何度か書いているが、テスラのモデル3が6m弱だったかな。全長4.7mの車にしては小回りが利かないが、米国で乗るなら全く問題はない。

◆ 道路事情だって海外と日本では異なっているわけで、欧州や米国では都市間移動となれば100kmも200kmも連続してしかもそこそこの速度で走る事になる。勿論都市部では渋滞もあるが、渋滞遭遇率としては日本は特殊であると言われる。なので日本の渋滞や高温多湿の夏を車両の試験目的に使うメーカもある。一時期気温の高いエリアのテストは中東あたりが選ばれていたのだが、日本の渋滞の方が更に過酷なようだ。

◆ 米国は中緯度地域に人が沢山住んでいるのだが、ドイツなどはそもそも国自体が高緯度にあるので寒いし、イタリアはその逆だ。日本は南北に長いのと明確な四季があるので車にとっては過酷だと言える。そんな中で生まれてきた日本車の信頼性が高いのは、そうでないと日本で満足に使えないから、かも。

◆ そうした環境の中で生まれ育った日本車と、例えばアメ車や欧州車とでは操縦性が違う。日本車では余りクイックなステアリングギアレシオは採用されないが、ミニはロックtoロックが2回転程度だし、テスラのバイワイヤステアリングは1回転くらいしか動かない。

◆ ただしステアリングギアレシオが速いとクイックかと言えばそうでもなくて、パワーステアリングのトルクセンサのねじれ分や、ステアリングギアの遊びの部分によってハンドリングは変わってくる。

◆ パワーステアリングに於いて操舵力を検知するにはトルクセンシングが必要だ。電流を測るのに抵抗が必要(電圧降下から電流を計算する方式の場合)なのと同じで、トルクセンシングには多少のねじれロスがある。トルクセンシングの方法としては色々あるのだが、単純に言えばステアリングシャフトのねじれを検出するみたいなものだ。

◆ 欧州車は日本車に比較してねじれ角の凄く小さいところをセンシングする(センサ感度を高くする必要があるので誤動作や故障確率が多い)なんて言われる。日本車の場合はねじれの大きいところを使うので信頼性を上げやすいそうだが、そもそもねじれたり戻ったりするのだからラバーフィールになる。これはまあ構造上仕方がない事かも。

◆ ステアリングレスポンスのみではなくキックバックに関しても、日本車は路面の状態を伝えにくいセッティングだと言われる。これはステアリングだけの問題ではなく、サスペンションジオメトリも関係する。車体は小さくてもおおらかな(アメ車的な)操舵感が求められるからだそうだ。


壊れにくい車ランキング(11/19)
◆ 元ネタは米国のコンシューマレポートである。もっとも壊れにくいとされたのはトヨタカローラハイブリッドだった。日本が誇る世界のカローラは信頼性でもトップになった。しかしハイブリッドではないガソリン車は7位と振るわなかった。2位はランドクルーザプラドで米国ではレクサスGXとして売られているものだ。トヨタではこの他にプリウスハイブリッドが4位、同プラグインハイブリッドが10位となっている。プラグインハイブリッドは余り売れていないだろうに、故障率が高いのか。

◆ 3位はBMW miniなのだが、本当かよと思わないでもない。ちなみにBMWの3シリーズは9位になっている。5位はマツダロードスター、6位はリンカーンコルセア、8位がスバルクロストレックだ。

◆ 日本車でトップ10に入ったのは以上であり、日産(日産車はワースト10にも入っている)やホンダの車種は入っていなかった。EVはワーストランキングに入っていて、未だ信頼性が確保されていない事が分かる。もっともこれは日本製EVが無いからなのかも知れない。その証拠というか傾向というか、トヨタのハイブリッド車がハイブリッド車全体の故障率の数字を下げているとも言われる。

◆ 高信頼性と低価格の日本車は、少なくとも米国ではそれなりの結果を出している。韓国製の自動車はワースト2位としてヒョンデのコナがランクされている。EV全体の信頼性が低いのだが、韓国製もまだまだと言った所か。

◆ 信頼性という面では韓国製より中国製に期待する的な記事もあった。中国製のEVやハイブリッド車が一般的というか、かなり増えている現状がある。ただ関税の引き上げなど、各国で中国阻止的な動きもあるので今後どうなるのか。

◆ EVブーム一段落と言う事で米国での市場にも変化があるかも知れない。EVと言えば中国みたいな流れは日本でも同じで、新興BYDが猛威を振るう、と言うほどではないにしてもテスラ乗りの仮想的になり得る存在になっている。テスラは昨年はワーストに入っていたのかな?今年はワースト10位までには名前が出てきていない。当たり前だが壊れにくい車にもランキングされていない。

◆ 中古車屋のネクステージのランキングはコンシューマレポートとは異なり、ヒョンデは壊れにくい車にランキングされている。各中古車屋は独自にランキングを行っていて、カーネクストではダイハツが一番だよと言っている。このあたりは各販売店でバラバラなので、その販売店の得意とする車種を上位に持ってきているのか?売りたい車を上位に持ってきているのかもよく分からない。

◆ 確かに海外製のハイブリッド車やEVの信頼性はまだまだだと思う。テスラにしても毎月(何度か)修理に出すのが当たり前みたいにも言われる。勿論壊れない車もあるだろうが、乗っている時間よりも代車を借りている時間の方が長いなんて書き込みもある。

◆ BENZやBMWのハイブリッドも、細かなエラーや故障で修理に時間がかかるとか、修理代が嵩むと言われている。新しいウチはまだしも、輸入車のハイブリッド車を買うのはそれなりの覚悟がいると。ただこれにしても全部の車が壊れるわけではないし、壊れれば高く付くのかも知れないが壊れなければ普通に乗れる。あくまでも平均的に壊れやすいかどうかと言うだけの話で、同じメーカでもモデルによって大きな差がある。


マツダと直6エンジン(11/18)
◆ ダウンサイジングターボと言う事で欧州車はだいぶ以前からエンジン排気量の縮小などに取り組んできている。ターボ化と相性の良い直噴エンジンが主流になっている事もあり、燃費改善に対するインパクトも小さくはない。

◆ 日本のターボ車はNAエンジンに過給器を取り付けた、つまり過給前提で設計されたエンジンではないものが殆どだった。従って強度や冷却性の面で不利であり、燃費効率を追求する事が出来なかった。しかし例えばトヨタのGRヤリス用のエンジンなどは、設計段階から過給ありきで考えられていて、コンパクトで低燃費(パワーの割に、と言った方が良いかもしれないが)、ハイパワーを実現した。

◆ こうした流れの中で従来はV6だぞ!ぶいろく!みたいなエンジンを搭載した車も、4気筒エンジン+過給器に変わってきた。ただこれには賛否もあって、例えばアルファードの従来型3.5リットルV6エンジン(301馬力)搭載車よりも、4気筒ターボエンジン(279馬力)搭載車の方が実燃費が悪くなってしまった。

◆ 欧州のレポートではアルファードのレクサス版に関して、2千万円もする車が何故4気筒なのか?4気筒でも静かであれば良いが、エンジン音と振動が室内に侵入してくると辛辣だ。2千万円クラスのライバル車は8気筒エンジンを搭載して静かにゆるゆると走らせる事が出来ると。

◆ レクサス版だけV6を残せば良かったような気もするのだが、ベースがアルファードである以上無理だったのか。欧州に於ける大型車のダウンサイジングとは、5リットルのエンジンを4リットル+ターボにするような感じだ。小型車においては排気量の縮小やモジュラエンジンで気筒数の削減も行うのだが、日本の状況とは少し違う。

◆ そんな中でのマツダの直列6気筒エンジンは、これを搭載したFRレイアウト車という部分も含めて国内唯一ではないだろうか。勿論これが評価されるのかどうかは分からないのだが、マツダだから出来る、少量生産でも出来るという部分で特徴を見せるのは悪くない。

◆ 国内販売がどうなるのかよりも、海外での評価が気になる所だ。あくまでもダウンサイジングターボが良いよとなるのか?それとも6気筒エンジンが評価されるのか。これまで海を渡らなかったクラウンだが、現行モデルは輸出されている。クラウンもアルファード同様に4気筒エンジンに統一されたのだが、4気筒ならカムリの方が安くて良いと評されてしまった。

◆ BENZのEクラスは多彩なエンジンバリエーションがある。小排気量側は1.5リッター4気筒ターボ、2リッター4気筒ターボ、3リッターV6ツインターボ、3リッター直6+ハイブリッド、そして4リッターV8ツインターボとなる。

◆ 日本のメーカは松・竹・梅の選択をさせる商売を得意としてきたわけで、トヨタ車だって排気量違いやそれに伴い5ナンバーモデルと3ナンバーモデルがあるという選択が出来た。今はバリエーションを少なくする代わりに、車種を増やすとか兄弟車を作る方向になっている。おそらくはバリエーションを増やすよりも生産効率が高まるのだろう。

◆ トヨタのラインナップは米国車風で、販売店のエンブレムを付けたりその車種用のエンブレムを考えたりするのもアメ車風だ。国内では唯一トヨタのみがこの方式を採っていた(既に過去形)。マツダなど、いや今やトヨタ以外と言った方が良いかもしれないが、トヨタ的生産効率向上戦略が使えない。トヨタに比較すれば全て少量生産車と言う事になってしまうからだ。


逆走車を避けられるか?(11/17)
◆ 逆走車のニュースが後を絶たない。インター入り口や合流地点での逆走対策が進んだためか?本線上でUターンする逆走野郎が増えている。そんなに逆走したいのかと言いたくなると言うか、何でそんなヤツの免許を更新したんだと言いたくなる。

◆ 本線上にUターン禁止の標識を付けたら、Uターンして逆走する人は減るのだろうか?Uターン禁止じゃないからUターンしたのに、何でそれで捕まるんだよと息を荒げる老人がいるかも知れない。

◆ アクセル踏み間違い防止装置にビーコン受信機を付けて、高速道路上にビーコン送信機でも付けたらどうだろうか。ビーコンを受信すると一定以上の速度が出なくなり警報音が鳴り響く。そこまでしないといけないのがアレだし、逆走を防止した所で他の違反をするだろうな、そんなヤツは。

◆ 高齢者の全てが危険というわけではないし、バイクと衝突した逆走車のドライバーは60歳代だったっけ。免許更新時にシミュレータの運転を必須にして、標識見落とし数でもカウントした方が良いのではないだろうか。シミュレータでのテストを50歳以上必須にすれば、混雑度合いも許容出来そうな気がする。

◆ 逆走者本人の話を聞いたようなニュースがないのだが、逆走者は自分は正しいと思っているようだ。自分は正しく走っているのに、危険な追い越しをしてくるドライバーがいる位に思っているわけだ。まあそうでなかったら逆走なんかしないし出来ない。

◆ 自信を持って逆走しているので100km/h近くで走ってくる。逆走車と対面する車も100km/hは出ているわけだから、毎秒60m近くで接近してくる。怖いのは逆走車が(正常走行車から見て)右に避けてくれるとは限らず、左にステアリングを切る逆走車もある。

◆ 急ハンドルで路肩まで逃げるような事をすれば助かる可能性が高まるが、車によっては急ハンドルを切る事自体が危険になる。普段自分の乗っている車がどの程度の運動性を持っているのかを理解し、逆走車を発見した時の対処を考えて置いた方が良いかも。

◆ というかそこまで考えて走らなければいけない高速道路って何なんだ。昔は、いやそんな昔ではなくても逆走車はあまり無かったと思う。逆走車がニュースになったら、何だそれは!と驚くほどだったのに、今は"又か"というくらい逆走が増えている。

◆ 昔だって老人が乗る車はあったわけだし、団塊の世代がいけないとか?としても、何故いけないのだろう?団塊の世代は今75歳くらいな筈で、逆走するには少し若いかな?上に書いたように60歳代での逆走車もいるから何とも言えないけど。

◆ 逆走車は大きな事故につながるから悪ではあるが、右側車線を"走行"するクセのある人だって逆走予備軍ではないか。そもそも道交法に反しているわけだし、それを延々と続けている。路肩走行車は地道な取り締まりによって減少したと言われるので、追い越し車線走行車の取り締まりも強化してほしいものだ。

◆ そして何より邪魔なトラック同士のどんぐりの背比べ的な争い。車両的な解決をするなら、車車間通信で追い越されようとするトラックのスピードリミッタ値を10km/h低くするとか、あるいは100km走るごとに1回だけ使えるオーバテイクボタンを押すと1分間だけスピードリミッタ値が10km/h上がるとか。


走行記が面白かった(2)(11/16)
◆ 話としては面白かったが、それは端から見ているからであって本人は面白くもなんともない出来事だっただろう。EVの電欠の話は特段珍しくないし、EV乗りによっては電欠になってもJAFに頼めば良いと気楽である。

◆ しかし電欠の場所が郊外などだと、JAFに連絡をしてもすぐに救援に駆けつけて貰えるわけではない。更に電欠になったのが真冬だったとすれば寒さに耐えて待たなければいけない。

◆ 話の主も冬に電欠になりJAFに救援を要請する。JAFに2時間ほどかかると言われるので車内で待とうとしたらドアが開かなかった。どうやら完全に電池が放電してしまうとドアも開かなくなるようなのだ。

◆ スマートキーの車でもエマージェンシー用に鍵穴のある車が多いが、テスラは異なるそうだ。車内から非常用のメカニカルレバーでドアを開ける事は出来るが、車外から開ける事が出来ない。唯一の方法としては車外からメカニカルキーでフロントトランクを開けて、補機類バッテリーを充電する事だそうだ。

◆ 結局の所メカニカルキーがあったとしても開けられるのはトランクだけで、電欠状態では車内に入る事は出来ない。話の主はドアがロックされてしまう事に気をつけていたそうだが、油断したすきにカチッと閉まってしまったそうだ。セキュリティ上の問題なのかあるいはロック側はメカニカルなのか、電欠でもドアはロックされるわけだ。

◆ 結局寒さに震えながらJAFを待ち、補機類バッテリーを充電して貰って車内に入り、システムの電源を入れて充電スポットを探すという事になった。不幸中の幸いは車外に出た時にスマートフォンを持っていた事だ。もしも車内に置いたままにして閉め出されてしまったら、公衆電話を求めて歩かなければいけない。

◆ 補機類バッテリーが何故上がってしまったのかは不明なのだが、BYDでは補機類バッテリーのトラブルが結構起きているようだ。国産ハイブリッド車でも12Vバッテリーの突然死が報告されているので、バッテリーの点検は重要である。

◆ EVでなかったとしても、バッテリーが上がれば始動不良となる。バッテリー上がりは冬場だけではなく真夏にも多いそうだ。ICEの場合はセルの回転速度でバッテリーの状態を推測する事は出来るが、突然死までは予測出来ない。

◆ ソアラに乗っていた時に新車装着時のバッテリーの突然死が多発したとかで、無償交換された。営業マンが新車装着のバッテリーは余り長く保たないですみたいな、良く訳の分からない言い訳というか説明をしていた。これは車に乗った時は何でも無くセルが回り、普通に走り、目的地でエンジンを止めると次にセルを回そうとしても駄目、というもの。

◆ 今でもあるかどうか分からないが、バッテリー上がりの時に使う水電池が売られていた。水を入れない限り長期保存が出来て、電力が欲しい時には水を入れる。たいした容量ではなかったと思うので水電池のパワーだけでセルが回せるわけではなく、鉛バッテリーをある程度充電して始動を試みる。

◆ Li-ionのレスキューバッテリーも売られているが、Li-ionバッテリーを積んでおくのは(火災などの)リスクがある。それより何より普段から12Vバッテリーの管理を怠らないと言う事だ。


その他のオイルの話(11/15)
◆ トランスミッション関係ではあるが、トランスファとかデフオイルもたまには交換した方が良い。メーカ指定はどうなのだろう、10万kmごととかそんな感じかな。LSDなどを組んでいる場合は早めの交換が必要になる。

◆ 最近はFF車が多いのでデフって何?みたいな人も多いが、逆にFF車はトランスミッションとデフが同じオイルを使っているので1万kmごとの交換が必要だと言っているオイル交換屋もある。

◆ トヨタのハイブリッド車、ATFを交換するとシフトショックがなくなる、加速が良くなる、スリップがなくなって燃費が良くなると言っている人がいる。いやトヨタのハイブリッド車は差動式のトルク分配方式だから、元々シフトはしないんだけど。

◆ さらには走行距離が5万kmを超えた場合は、トランスミッションオイルは交換しない方が良いとディーラに言われたという人も。5万km以上走った車のトランスミッションオイルを交換すると、最悪トランスミッションが壊れて莫大な修理費がかかると言われたとか。ディーラがハイブリッド車に対してそんな事を言うかなぁ??
◆ トヨタのハイブリッド車は変速機構もないしクラッチなども付いていないので、デフギアと同じ位の感じで考えれば良い。ギアがあるのでオイルは多少は汚れるが、マニュアルトランスミッションよりも汚れは少ない。5万km走行でも10万km走行でも、オイルを換えて問題が起きる可能性は非常に少ない。トヨタは無交換で良いよと言っていたはず。シビアコンディションで10万kmごとの交換だったかな。

◆ これもオイル交換屋に言わせれば、複雑なTHSシステムを動かすには常に新しいオイルが必要で、オイルが汚れるとモータが焼けてしまう(ミッションオイルでモータを冷却しているとの記述あり)ので2万kmごとの交換が必要となる。勿論交換して悪い事は無いので、1万kmごとでも2万kmごとでも好きに交換してかまわない。

◆ 最近だとEVのオイル交換(ギアオイル)を勧める所もあるという。ちなみにテスラは100万マイル無交換で良いよと言っている。一方で古いテスラ車はモータ内のオイル(潤滑油?冷却油?)の交換が必要だとか、冷却液の交換が必要だとか、色々あるがどれが本当かは誰も知らない(かな?)。

◆ ディーラによるのかも知れないがモデル3など1年点検でギアオイルの交換が行われたとのレポートもある。ただ料金を請求されなかったと書かれているのが不思議で、リモコンキーの電池交換料金は請求されている。EVは車重があるのでタイヤが減ると言われるが、モデルXの一例では255/45R20のタイヤが約1.5万kmほどの寿命だったそうだ。車重が2.7t位あるので、タイヤの負荷も高い訳か。

◆ EVのギアオイルを気にするのなら、ブレーキフルードを気にした方が良い。所がブレーキフルード交換となると認証工場でなければ出来ないので、ギアオイルだとか冷却水の交換を強く勧める事になる。なので、しつこくオイル交換を勧められたら「エンジンオイルより前にブレーキフルードの交換や、キャリパのオーバホールをしたいんだよね〜」と言うとおとなしくなる可能性がある。

◆ ウチの近所というかいつもガソリンを入れているスタンドも整備は行うが、ほぼ外注(オイル交換とボディコーティングのみスタンド内)だそうだ。外注なので簡単な整備でも預かり修理になってしまう。勿論ガソリンスタンドでも整備工場を持っていて分解整備が出来る所もあるとは思う。


推奨外のトランスミッションオイル(11/14)
◆ トランスミッション用のオイルに関してもエンジンオイル同様に色々な問題がある。昔は(ほぼ)共通でATFは使えたのだが、最近は低粘度化などで細分されている。DEXRON規格に準ずるフルードが使えるトランスミッションの場合は、市販されている多くのATFが使える可能性がある。

◆ DEXRON規格は下位互換の筈なのだがDEXRONII時代のATに最近のDEXRON 6の低粘度オイルを入れると駄目、みたいな話はある。日本製のATやCVT(除:ホンダ)はATFに対して鈍感というか、クリチカルではない。しかしZF製などだと指定ATF以外でトラブルが出る可能性がある。

◆ トヨタの一部車種は低粘度ATFを使うので、これも指定のものの方が良い。逆に低粘度ATFが指定されていないATに低粘度ATFを使うのもリスクがある。結局何が良くて何が良くないのかが分からないから、メーカの指定や認証オイルを使いましょうと言う事になる。

◆ ATF用の添加剤もある。しかもATFを発売しているメーカがATF用添加剤も売っている。最高のATFだと謳うのであれば、そこに更に添加剤を入れさせるとはどういうことなのか。というのは理屈であって、添加剤は健康食品並みの利益率があるので沢山売りたい、それだけだ。

◆ 添加剤の売価は1リットルあたり5万円とか10万円になるわけだが、原価がそんなに高い訳がない。だからこそ売り込みに必死なわけで、儲け口と言ってはアレなのだが、でもそんな感じなのだ。

◆ 日本では少ないDCTや(ほぼ)日本にしかないCVTフルードも指定のものの方が良い。特にホンダは自社開発品で汎用フルードを入れたら調子が悪くなったという例が多い。ホンダのCVTFは初回は8万km走行で交換指定だったと思うが、オイル交換屋は1〜2万kmごとに交換しろと言っている。

◆ 交換時期に関しての考え方は人それぞれだが、メーカの指定交換時期の半分の距離なら十分なのではないだろうか。無交換が指定されているATでもオイル粘度の変化で交換が促される場合がある。乗り方にもよるがこれが10万km走行あたりと言われるので、その前に交換しておけば又しばらくは安心だ。

◆ ATF交換時に勧められた添加剤を入れた→数万km走ったら調子が悪くなった→ディーラに見てもらったら、摩耗粉が過大だと言われた→あのとき入れた添加剤が悪かったのか?→オイル交換屋に聞くと「もし添加剤がなかったら数万kmも保たなかったですよ、入れておいて良かったですね」、まあこんなものである。

◆ オーディオ屋は無酸素導線とか低温処理コネクタとかを崇拝する。その素材がそんなに良いものであれば、計測器などの中は全部無酸素導線で配線されていても良さそうなものだし、コネクタは全部低温処理されていても不思議ではない。でも実際にはそんな事はないのだ。

◆ 無酸素導線と添加剤が同じだとは言わないし、今のような極限を追求するみたいな燃費の世界ではなかった頃なら、添加剤の効果だってそれなりにあったと思う。でも今はメーカがギリギリの、更にその先を追求するような事をやっている。

◆ ATFの成分は分からないが粘度は普通は公開されている。この粘度が純正ATFに近ければ、油圧制御自体の大きな問題は生じないはずだ。勿論摩耗とかシール性とか細かい所は分からない。


推奨外のエンジンオイル(11/13)
◆ エンジンオイルに関しては色々書いているが、指定外のエンジンオイルやエンジンオイル添加剤を使ってはいけないケースがある。指定オイルや認証オイルを使うのがもっとも安全ではあるが、より高性能だと言われればそれを使ってみたくもなるだろう。

◆ オイル添加剤の多くは成分が明らかにされていない。日本一の添加剤メーカはワコーズではないかと思うが、ワコーズにしても成分は非公開だ。非公開ではあるが、どんなエンジンに使っても大丈夫だと言っているし、ショップに対してはこのエンジンオイルとこの添加剤のセット販売がもっとも良い、オイルだけではなく添加剤とセットで使う事が重要だとセールスする。

◆ メーカ指定外のエンジンオイルや添加剤で何が問題かというと、シールに対する影響と金属表面のコーティングに対する影響だ。シールはその材質によって嫌う成分があるそうで、それが含有されているオイルは好ましくない。専門家であればこのシールにこの成分は駄目だよねと分かるのだろうが、普通は余り気にしない。

◆ 金属面に関してはDLCコーティングとかWPC処理と呼ばれる金属表面の改質処理に対してモリブデン系のオイルや添加剤が悪影響を及ぼす。DLCは日産が早くから研究していた事もあるのだろうが、一部のエンジンではモリブデン系の添加剤は使ってはいけないと明記している。

◆ ヤマハなど一部バイクに関しても同様に、コーティング膜層にダメージを与える恐れがあるのでモリブデン含有オイルは使ってはいけないとなっている。DLCに関しては摩擦低減による効率改善のために様々なエンジンで使われているそうで、例えばスズキはR06AエンジンでDLCを使っているし、マツダはロータリエンジンで最初に使い始めたのかな。

◆ こうしたコーティングや表面処理は高性能ではあるが価格が高い。なのでトヨタはDLCに代わる摩擦低減技術を使っていると(内容は不明だが)発表していたと思うので、現在のエンジンには使われていない可能性が高い。またDLCと言っても水素含有量というのかな、成分の違いがあり、モリブデンから受ける攻撃性にも違いが出る。

◆ モリブデンによってコート膜が壊れると、その部分の摩擦係数が大きくなると共に、オイル中に拡散したDLC膜の破片が他の金属摺動部分を摩耗させてしまう。水素含有量の多いDLC処理ほどモリブデンに弱いという研究結果があるそうだが、膜厚や耐久性そして摩擦係数はいずれも水素含有量が多い方が良好となる。

◆ 工作機械用途などではDLC膜の特徴なども公開されているのだろうが、自動車用としてはDLCですよというだけで詳細は不明だ。今は多くのものにDLCが使われるようになり、一昔前の硬質メッキ位の感じではないだろうか。処理自体も処理屋さんに頼めば(メッキ同様に)加工して貰えるので、アフターマーケットの自動車用パーツなどでもDLC加工が使われるようになった。

◆ こうした処理が使われているエンジンにモリブデン系添加剤を入れると、直ちに壊れるのかと言えばそうではなく徐々にDLC層が壊れていく事になる。水素含有量の少ないDLCはモリブデンによる破壊が少ないのだが、MoS2やMo2Cによる摩擦係数の上昇問題もある。


4ドアは必要なのか?(11/12)
◆ CLSは4ドアだったわけで、当時は2人以上で車に乗る事が多かったので4ドアの必然性はあった。SLとC180の2台から1台にするとなるとC180側に合わせざるを得ない訳だ。

◆ ミニは2ドア(実際にはリアゲートがあるので3ドアだが、ここでは2/4ドアと言う事にする)の方がスタイル的には良いと思っている。4ドア版はホイールベースも全長も長いので多少間延びした感じになる。間延びした感じにはなるのだが全長4mの車なのでスペース的なゆとりはない。

◆ ジムニーの時もそうだったが、たまにとはいえ人を乗せる事がある。それを考えると4ドアでも良かったのかなとも思う。確かに普通のセダンのようなスペースはないが、2ドア版と4ドア版では後席のレッグスペースがずいぶん違う。

◆ 車を使う時は買い物に出る時や外食の時なので、乗員は2名である。駅に人を迎えに行けばその人を乗せるので3名か4名になるが、全走行距離に対する3名以上の乗車率など微々たるものだ。まあその微々たる時間をどう考えるかという話と、もう一つはもっと日常的な部分になる。

◆ 山の中にいれば何でも自分でやらなければいけないので、ホームセンターに行っては材木を買ってきたりする。ここで4ドア版だと長さ1.8mの材木を積む事が出来る。ジムニーの時には相当苦労して積み込んだのだが、ミニであれば楽に積める。これが2ドア版となると車室内の長さが20cm位短くなるので、1.8mの棒は積めない可能性がある。

◆ キャリアを付けて屋根に積めば良いじゃないかとか、そもそも材木を積むなら軽トラックの方が良いんじゃないの?なんて意見は当然あると思う。荷物運びが日常的であれば軽トラックでも良い、いや、2シータはダメか。まあ乗車定員の話を一時的に忘れれば軽トラックでも良いが、毎日荷物を運んでいるわけではない。

◆ ホームセンターで何かを買う時にはまとめ買いするようにして、ホームセンターのトラックを借りる方法もある。行ったり来たりで面倒ではあるが、トラックを借りれば大物だって運ぶ事が出来る。

◆ C180のステーションワゴンだと頑張れば自転車も詰めるので、使い勝手としては良い。全長が4.7mと長いので当然ではあるが、実用車としては使いやすいと思う。何の変哲もない乗用車なので面白味などはないが、質実剛健そのものといった感じの車だ。

◆ でも、だったらジムニーで良いんじゃないのと思ったのでジムニーに乗っていたわけだし、そんな中でミニなら面白そうかも知れないなと思ったからミニを買ってみたと言う事になる。まあ車選びなんてこんなものだろう。

◆ 名古屋工大大学院の研究報告を見ると自家用車の乗車人数は75%以上が2名以下となっている。1名で乗車する割合は約4割に達する。シートは多い方が良いとばかりに3列シート車などがある訳だが、6人以上乗車する割合は0.6%でしかない。アルファードの4人乗りなど、まさにその辺りを意識したスタイルではないだろうか。無駄なデカさを乗員を詰め込むスペースではなく、無駄という名の贅沢に使う。

◆ 2シータの車は2人しか乗れないわけだし、フェラーリやポルシェは材木も積めない。それでいてハイパワーなエンジンが付いちゃってる。実用性はないけれど、乗ったら面白そうでしょ?それが実用車ではない車というものだ。


ジムニーの車検は大変(11/11)
◆ 以前にも書いたがジムニーは改造車が多いので、ジムニーを見る検査官がいるとヤマト運輸のドライバーが言っていた。どこが純正ではないのか?どこが基準に反しているのかを厳格にチェックされるそうだ。

◆ ジムニーで多いのは車高を上げる改造だ。車高の上げ幅はメートル法で言うのではなくインチで表すのは米国の流れから来ているのかな。1インチ(25.4mm)であれば直前直左視界は大丈夫とも言われるが、タイヤを大径にした場合はアウトになる事がある。ジムニーの全幅は1475mmなので、横幅は5mmの余裕がある(タイヤを太く出来る)事になる。

◆ 1インチ以上上げるとJB64の場合はクロスメンバーとプロペラシャフトが干渉する。クロスメンバーを外してしまうと車検不合格なので、車高を元に戻すかプロペラシャフトの逃げのあるクロスメンバーに交換しなければいけない。

◆ ジムニー乗りの99%はドレスアップとして車高を上げているのだとか。車高を上げるのは勝手なのだが、改造箇所が結構多くなるので手間はかかる。車高を上げるとラテラルロッドの長さが足りなくなり、リーディングアームも変える必要が出てくる。変えなくても走れない事はないが、正しいドレスアップをするなら変えなくてはいけない。

◆ ブレーキホースの長さも足りなくなるので、ブレーキホースも変える。勿論車高を上げるのだからスプリングも変えるし、ショックアブソーバも変えるとかスペーサを入れるとかする。

◆ そしてこれらが全て保安基準に適合していれば車検に通る。場合によっては構造変更が必要な場合もあるので、その場合は手続きが必要だし改造箇所によっては強度計算みたいな事も必要かな。

◆ 通常は車高の規定±40mmまでが許容の範囲になるので1.575インチ(やっぱりこれもインチで言うのかな)までなら構造変更の必要がない。それ以上車高を変化させる場合で、指定パーツを使用する場合は構造変更の申請で車検証の記載変更と言う事になる。

◆ 構造変更の手続きを行うのならいくらでも車高が上げられるかというと、理屈の上では車両の最大(軽自動車ではなくなる)と傾斜テストをクリア出来れば可能だが、突入防止(追突された時に追突した車が下に潜り込まないようにする仕組み)が必要だったりして相当面倒だ。

◆ タイヤのはみ出しも厳格で1mmでも出ていたらアウトだ。例えば軽自動車に他車用中古ホイールをくっつけていきました、タイヤが1mm出ちゃってます、みたいなものは黙認されてもジムニーはダメ、みたいな厳しさなのである。

◆ タイヤのはみ出し限度の20mmはどうなるのかとの話があるのだが、20mmはみ出すと軽自動車の枠を超えるからダメという話もあるし、タイヤは超えても良い(本当か?)みたいな話もある。20mm以内のオーバフェンダーに関しても、工具なしで取り外せるものなら良い説もあれば、そもそも軽自動車枠を超えるからダメ説もある。

◆ じゃあ民間車検場に行けば良いかというと、見た目が純正以外だと車検を受けてもらえない。逆に改造車でも車検を受けてくれるショップはあるが、それなりの価格になる。専門ショップに持って行けば純正に戻すなりして車検を取ってくれる。


減らない飲酒運転(11/10)
◆ 福岡県に於ける飲酒運転者検挙数は年間千人ほどで、飲酒運転の厳罰化がされて急減したものの、その後は減少していない。厳罰化によって検挙数が減ることは確かなので、更なる罰則の強化は有効なのではないだろうか。

◆ 8月だったか、春先に起きたトラックとワンボックスカーの衝突事故のニュースがあった。トラックのドライバーは車内で酒を飲みながら運転していたという。トラック乗車前にはアルコールチェックがあるので飲むわけに行かないが、乗った後であれば飲み放題になる。

◆ この事故ではトラックが対向車線に突っ込んで、ワンボックスカーに乗っていた3人が死亡した。トラックは90km/h位の速度だったそうで、この速度でトラックと正面衝突すればボンネットのある車だったとしても相当な損傷を受ける。乗用車側が軽自動車だったら、軽自動車になど乗るから死ぬんだと語り始める連中が増えただろうが、この速度でトラックにぶつかったら車種に関係なく重大事故になる。

◆ この事故ではトラックの右側面が、ワンボックスカーの右側と衝突、つまりオフセット衝突となるわけだが、トラックの側面がワンボックスカーのAピラーを弾き飛ばして天井までめくれてしまう事故だった。トラックは中央分離帯を越えて対向車と衝突したわけで、対向車は咄嗟に左にハンドルを切っている。一方でトラックも(乗用車から見て)左に進行してきたので、乗用車はトラックに押されながらガードレースに挟まれた。

◆ 運転しながらの飲酒は、昭和の時代には結構あったそうだ。特に信号や歩行者のいない高速道路では、ビール片手に運転するドライバーが多かったと。サービスエリアで停車時に飲んでいても罪にはならないので取り締まり出来ず、高速道路本線上で検問を行うわけにも行かず、野放し状態だったそうだ。

◆ さすがに今は酒を片手に運転するドライバーは減っただろうが、群馬県での事故のように皆無ではないのだから怖い話だ。無免許運転も増えていて、中国人は偽の国際運転免許を持って日本にやってくる。何故偽の免許かというと、元々中国国内で運転免許を持っていない人だからだ。日本では申請すると日本人が免許を取るより余程簡単に免許が発行されるそうで。これも中国人優遇政治のおかげか。中国本土はジュネーブ条約に加入していないので、国際運転免許を取得出来ず、日本で免許を取ってその日本の免許を元に国際免許を取ると言う事だ。

◆ また香港やマカオで国際運転免許を申請し取得する。中国本土に住む人は住所を移す必要はなく、香港で有効なIDカードがあれば国際運転免許が取得出来る。IDカード申請なども含めた国際運転免許の取得コストはUS$1,000程度と安くはないが、年間数万件の申請があるそうだ。

◆ もう一つは韓国に行く方法で、世界で最も簡単に運転免許が取得出来ると言われる韓国で免許を取得して、中国国内で免許の切り替えを行う。しかし中国ではこの他一作のために、韓国で取得した免許を中国国内では無効にする措置を執ったのだとか。

◆ で、結局は偽の国際運転免許証の方が手っ取り早いと言う事になる。この偽免許で車を借りて乗り回し、事故を起こしたら中国に逃げ帰れば責任を逃れることが出来る。偽免許や無免許問題は埼玉県クルドエリアでも問題化している。事故を起こしたら車を捨てて逃げてしまい、そうなるともはや誰が運転していたのか?誰が所有する車なのかも分からないと言われる。


ミニのナビのひどさ(11/9)
◆ ミニのナビの操作系が最悪だという話は書いている、書いているのだが使えば使うほどひどさがにじみ出てくるので、又書きたくなる。操作として最も不便に感じるのは地図のスクロールが面倒(後期型はタッチ操作でスクロールと拡大が可能)なことだ。スクロールさせるためにはスクロールモードに設定する必要があり、ナビモードではなくなる。スクロールを終了する時には、スクロールモードを終了させる操作が必要だ。進行方向のちょっと先が見たいと思っても、そこまでの操作を考えると、気軽に先を見たいなどとは言えなくなってしまう。特に移動中は操作が増えるので危険である。

◆ そして更なるボロさはナビゲーションプログラムだった。Googleナビのように通れない道を案内することはなかったが、すれ違い困難、道路脇の草木に車体を接触させながら走らざるを得ないような林道、切り返さなければ曲がれないような細い路地は平気で案内する。最初はルートを信じてその通りに走ったのだが、この道本当に通れるのか?行き止まりじゃないの?崖崩れとか大丈夫?みたいな所を案内された。

◆ どこを通ったのか調べようとGoogleタイムラインを見てみたが、以前より更に位置プロットが粗くなったのか?よく分からないというか全く分からないというか、役に立たなかった。帰りの道は覚えていたので調べてみた。

◆ 場所はこのあたりで国道52号線を南下していた。方向としては南東に行って国道1号線に出るコースなので、普通のナビの案内であれば国道52号から県道190号に入るルートを案内 するだろう。しかしミニのナビは県道10号を案内した。県道10号線は凄く狭いわけではないが、カーブも多く走りやすい道ではない。

◆ 距離は多少短くなるのかも知れないが、広い道路を走った方が所要時間は短い。もしかしたら海外の道路ではこれで良いのかも知れないが、狭い所の多い日本の道路には不適切である。ナビの設定で何か出来ないか見てみたが、そもそも地図情報として道路幅を持っていないのかも知れない。

◆ 予めどの道を案内しようとしているのかが分かれば良いのだが、スクロールモードにするとナビモードが解除されてしまうのでルートが消える。やばいなと思ったら一旦停車して、ルート案内されている道路を、Googlemapなり何なりで見て確認しなければ危険だ。

◆ このあと帰りに寄りたい所があったのだが、ミニのナビの操作ではその場所までのルートが分からず、Yahooナビを途中から起動した。Yahooナビも結構問題はあるのだが、ミニのナビに比較すれば全然使いやすい。Yahooナビは案内が少しおかしくて、例えば道路自体が右にカーブしているような場所で、「100m先を右に」みたいに案内することがある。これは本線を道路沿いに行けば良いのか、それとも本線から更に右に曲がるのかがよく分からない。

◆ ミニのナビは曲がる所は拡大図が出るので、Yahooナビでの混乱みたいなことは起こりえない。Yahooナビのルートをミニのナビに転送出来れば良いのだが、さすがにそれは無理である。ミニのナビは地図で北を上にする事は出来るが、これはスクロールモードに切り替えて更に北を上にする操作をした場合のみだし、上に出来るのは北方向のみである。北を上にしてもスクロールモードから抜けると進行方向が上になってしまい、地図を任意に回転させること自体が不可能だ。


5バルブエンジン(11/8)
◆ 現在は吸排気のバルブが2個ずつの4バルブエンジンが主流だが、過去には5バルブエンジンが市販車に乗っていた。最初に開発したのはヤマハで、自車の二輪車に搭載した。

◆ 5バルブエンジンは4バルブエンジンよりも吸気ポート面積を拡大出来るので、充填効率を上げる事が出来る。充填効率が高いので同じ排気量であれば大きな出力を得る事が出来る。動弁系が軽いのでバルブサージングが起きにくく高回転まで常用する事が出来る。エンジン出力はトルクと回転数の積に係数を乗じたものなので、回転数が上がれば出力は増える。

◆ ヤマハが5バルブエンジンを積んだFZ750は1985年に発売され、4輪では三菱の軽自動車であるミニカダンガンに1989年に搭載している。1993年には4気筒エンジンを5バルブ化した4A30を軽自動車に使う。トヨタは1981年に4AGを5バルブ化した。おそらくこれが日本に於ける最大排気量の5バルブエンジンではないだろうか。

◆ しかしその後5バルブエンジンは姿を消す。表向きの理由としては高回転域に於ける吸気効率が上げにくい事があるのだが、それよりもコストアップを嫌ったと見た方が良いかもしれない。高回転域での出力の頭打ちは吸気の衝突による抵抗によって起きる。5バルブの場合は横一列にバルブが配置されているわけではないので、3つの吸気バルブの中央のバルブから流入する気流は、その両側のバルブの気流とぶつかり乱流ロスが増える。

◆ ただ乱流ロスが問題になるのは高回転域であり、2輪車ならともかく4輪車では乱流ロスによる損失が吸気面積拡大により相殺されて余りあると考えられる。しかし排ガス規制の強化と低燃費エンジンへの要求は、乱流ロスを問題視した可能性もある。

◆ ヤマハが5バルブエンジンの設計に取り組んでいた頃、ホンダは今時5バルブですか?みたいなコメントを出したという。当時は現在のようなシミュレーション技術はなかったわけだが、乱流だとかスキッシュエリアが作れない事による燃焼状態の改善が難しい事を、当時のホンダは知っていたのかも知れない。

◆ こうして5バルブエンジンの時代は静かに終わっていく事になる。直列6気筒からV6になり、そしてその6気筒も消えていこうとしている現代と似ているのかな。メカニズムとしては面白い存在でも、今はそれで売れるような時代ではない。

◆ 消えていった技術として可変吸気管長システムなどもある。初代のNSXにも使われていたし、RX-8では結構複雑な仕組みになっている。吸気管長というか共鳴周波数というかを切り替え、ポートにロータリシャッタバルブを付け、回転数や負荷に応じて複雑に切り替えた。

◆ ロータリエンジンに関しては燃費○○%アップみたいな事が何度も何度も行われてきた。確かにそれによってモード燃費の数字は良くなったが、実燃費は余り変わらなかった。カタログ燃費を良くする事は勿論必要なのだが、涙ぐましい努力も報われなかったというか、これも5バルブエンジンと同じような運命だったのか。

◆ ロータリエンジンは燃焼の問題もあるしエミッションの問題もある。オイルを燃焼させるのでエミッションの問題は付きまとう訳だし、燃えかすの問題も解決が難しい。オイル自体も環境性能と言う事で昔のように好きな成分を入れる事が出来なくなり、しかも低粘度で安定した油膜を作らなければいけないという要求がある。


Xperia1(11/7)
◆ 現在使っているのがXperia1Vで、現行モデルがその一つあとのXperia1 VIだ。Xperia1VIは21:9のアスペクトレシオを捨てると共に、画面解像度を下げてコストダウンを図った。

◆ コストダウンというとXperiaXZだったっけ?Xperia Z5だったっけ?センサ類を省く事によってコストを下げたが、ハイエンドとは言えないなどと評されて売れないモデルとなった。私はXperia Z4の次はXperia XZPremiumを買っている。Xperia XZ Premiumは歴代Xperiaの中でもっとも画面解像度が高いのだが、だから何なのと言われればそれまでである。何しろ見て判別出来るほど人間の目の解像度が高くないわけだから。

◆ Xperia XZ Premiumが4k解像度、Xperia1はSONYは4kだと言い張るがインチキ4kである。そしてXperia1 VIでは縦長2k解像度になった。FHDなら横は1920ドットだが、アスペクトレシオが異なるので2340ドットとなっている。

◆ スマートフォンは何となく2年ごとに買い換えているのだが、買い換えたモデルの性能向上率は徐々に少なくなってきている。ウチの場合は私が新製品を買うと、順番に古いスマートフォンが現役を離れるみたいなシフトが起きる。それでもXperia XZ Premiumは未だ現役で使っているので、発売から7年目になる。

◆ その後に購入したXperia Z4が既に現役を離れているのとは対照的で、全体的な操作感だとか画面の見やすさやカメラの性能や機能が使いやすいと思っている。細長くなる前のモデルと言う事も、何となく使いやすいかも。

◆ Xperia1 Vから2年後は来年出る予定のXperia1 VIIになる。クーポンだとかドコモポイント相当分だとかで買うので定価を払うわけではないのだが、買い換えるかどうかは微妙である。買い換えで面倒なのはBimmerUtilityアプリのライセンス問題がある。これはPLAYから買っているわけではないので、いわゆる機種変更を行うとライセンスが無効になる可能性がある。

◆ そうそう、レッツノートのSSDを入れ替えた時に、BimmerUtilityがそのまま使えると書いたのだが間違っていた。ライセンスコード入力画面に行かずに起動したので使えると思っていたのだが、SSDを換えたらダメなのだそうだ。で、理由を説明して使えるようにして貰った。これは新たにライセンス番号が発行されるわけではなく、認証サーバのリセットによって使えるようになる。

◆ このアプリがXperia1 Vにも入れてあるので、ちょっと面倒と言えば面倒なのだ。そのままアプリを残しておいたとしても、Googleアカウントを換えたら使えなくなるとか、そういう事が起きると又面倒ではないか。かといってXperia1 Vが永久に使える訳でもないのだが、色々面倒な事が多いよなと思う。

◆ それでも今のところはmicroSDが使えるから良いが、コストダウンが進めばmicroSDメモリは使えなくされるだろう。もしかしたら物理SIMスロットさえ無くなるかも知れない。WIndowsでも同じではあるが、ハードウエアを変えるのは何かと面倒だ。それでも昔よりは(Androidも)ずいぶんマシにはなってきたが、完全に同じ構成に戻るわけではなく、セキュリティの厳しいアプリなどは再設定が必要になり、銀行系のアプリは再認証が必要になり、ドコモ系のアプリはspモードに接続して設定しろとなる。


走行記が面白かった(11/6)
◆ 燃料残量の事は何日か前に書いたが、EVで長距離を走った人の苦労というか苦悩というかが中々面白かった。目的地に向けて最短時間で行きたいのは誰しも同じなのだが、EVの場合は充電時間というものが大きく関わる事になる。充電時間は充電器の性能にもよるし車の状態によっても変わってくる。

◆ 単に電池がなくなったから充電すると言うだけではなく、その充電スポットにある充電器の出力がどのくらいかとか、そこに行くまでの道路状況(上り坂かどうかなど)でバッテリー温度がどのくらいになるかなど、色々計算して充電していく。

◆ 次の充電ポイントが近くにある場合は、あえて30分の充電完了を待たずに出発する。充電率が上がってきたり充電によってバッテリー温度が上がってくると充電電流が減少し、時間をかける割に充電が進まなくなるからだ。

◆ バッテリーの温度管理は重要で、車によっては車内冷房用のクーラをバッテリークーラと併用しているものもある。そうした場合は車内冷房を切る事でバッテリー温度が下がり、充電制限が起きにくくなる。こうして充電率を上げながら30分間充電し、次の充電スポットに向けて出発する。

◆ 高速道路の充電器が空いているかどうか、リアルタイムに見る事の出来るアプリがあるそうだ。一般道路などの充電スポットの状態を見るアプリもあるそうだが、高速道路版は精度が高いとか何とか。充電設備の空きと共に充電器の能力(出力電力)にも注意しないと、充電に時間がかかってしまう。

◆ 充電器が埋まっている場合は待つ事はせずに、バッテリー残量に余裕がある限り次の充電スポットを目指す。何故かと言えば、充電が終了したからと言って充電器を使っているEVの所有者が、車を移動させるとは限らないからだ。いつ戻ってくるのか分からないオーナを待つ事ほど無駄な時間はないという事である。

◆ トヨタのEVはバッテリー残量計が正確ではないらしく、ギリギリまで使うには不安があるそうだ。しかし1分でも早く移動を行う為には綿密なバッテリー残量計算が不可欠となり、その点でbZ4xは乗りにくいとされていた。

◆ 日産のリーフやサクラはバッテリー温度を常に気にしている必要があり、充電スポットに到着する時のバッテリー温度を可能な限り下げておかないと充電が進まない。充電が進まないと充電時間が無駄になるだけなので、走行速度を落とすとかして出来るだけバッテリーに負担のかからない運転をしなければいけないそうだ。

◆ その点テスラは充電スポット到着時にバッテリー温度が適正になるような制御が出来るので、人間があれこれ考えなくても設定一つで車が勝手に制御してくれる。電費に関してもモデル3とサクラが同じくらいとのことなので、車重の差を考えるとテスラ製EVの効率の高さが分かる。

◆ こうした技術だとかノウハウの差を埋めるのは非常に難しい。日本のメーカが頑張った頃には米中のメーカは更にその先にいる可能性が高いからだ。日産にしてもリーフが売れれば開発に力も入ったのだろうが、トヨタの妨害に遭っていたからなぁ。そのトヨタは今頃になってEV推進だと言い始めた(中国ではbZ3xシリーズが売られているのかな)が、既にEVブームは去ったあとという悲しい現実が待っていた。


整備士不足(11/5)
◆ 車検もそうなのだが一般整備にも時間がかかっているという。ディーラにしても民間整備工場にしても整備士不足で整備待ちが発生しているそうだ。整備士が不足する理由としては賃金が安いという問題がある。これは物流においても同じなのだが、仕事の割に報酬が低いのでなり手がいない。

◆ では永遠に整備士が不足し続けるかと言えばそうではないと思う。整備工場が混んでいて修理して貰えないような状況が続くと、整備や修理費用の相場が上昇する。すると多くの給料が払えるようになるわけだが、それには多くの時間を要する。

◆ 薄給の要因になっているというのが補修部品価格の高騰だという人もいる。部品自体の価格が上がり、安く修理するためには工賃を削るしかないという整備工場もある。リビルド品や中古部品を活用するも限界があり、しかし客は中々価格を納得してくれない。特に地方部だと常連の客というか顔なじみみたいな感じでの付き合いが多いので、安くやってあげたい気持ちの方が勝ってしまうのだとか。

◆ MagXは次のように書いている「マガジンx連載の小林記者のレポートです。慢性的な整備士不足のため、ディーラーでの法定点検は一カ月以上前に申し込まないとユーザー側の希望日が取れないことが多くあります。(略)」混雑時とそうでない時で整備価格を変えている所もあるそうだ。車検でも休日は割増料金を取る(平日割引と称している所もある)所もあるのだが、これはまあ仕方ない。

◆ 定休日がいつかにもよると思うが、休日出勤して貰うには手当を出す必要があるので、人件費が上がる。作業量を偏らせないという意味でも価格に差を付けるのは妥当ではないだろうか。この点から行けば宅配便なども同じで、しかし民間の宅配業者は年中無休が当たり前になっている。

◆ 一方でJPは昔から組合が強いのでユーザサービスを二の次に出来る。普通郵便の配送効率が上がり、速達の差がなくなったので普通郵便は1日寝かして翌日配達はしない。これにより木曜日に出した普通郵便は金曜日は寝かせ期間になり、土曜日と日曜日は配達が行われず、月曜に配達される。

◆ 郵便の取扱量の減少もあるし、多くの郵便はダイレクトメールや宣伝など配達日数に関係のないものだそうなので、作業の効率化を優先出来るのかも知れない。まあ民間(JPも一応は民間だけれど)でこれをやろうとすると結構反発を食らうかも。ヤマトは配達時間の指定区分を一部変更したが、それでも不満が多かったらしい。

◆ テスラはテスラ指定の整備工場でないと基本的に整備は出来ない。下手に触ると保証を切られるみたいな話もあって、板金や塗装すら受けてくれない整備工場もある。部品も指定の工場にしか供給されないので、不具合の箇所が分かった所で修理は出来ない。これがテスラだからなのか?それともBYDなど他車にも及ぶのかは不明だが、利用者としても整備場所が限られるのは不便だ。

◆ EVだとEVに関する専門知識が必要にはなるが、一方で駆動系とかブレーキとかサスペンションなどの基本的な整備はICEと同様だ。その同様な部分の整備も制限してしまうのはどうかと思うし、電気部分に関しても整備情報さえあれば民間の整備士だって十分にいじる技術はある筈だ。勿論自信がなければいじらなければ良いだけであって、直す権利がどこまで許されるかと言う事だけなのだ。


ユーザ車検(11/4)
◆ ジムニーはコバックに持ち込んで車検を受けていた。最初の頃の車検費用は1万円以下だったので、自分で車検場に持ち込む手間や時間を考えれば十分安かった。もっともその当時は殆ど何もチェックせずに車検を通すだけだった。その後少し値上げされてブレーキパッドの残量位はチェックするようになった。車検の時は自賠責も更新するので、自賠責による儲けの割合が大きい。

◆ これまで持って行っていたコバックは国産車しか対応しない。伊東市にあるコバックは輸入車も対応するが、数日を要する。だったらユーザ車検にするかなと今のところは思っている。

◆ コバックに車検を頼んでいる時でも一応車検前にはチェックはした。パッド残量を見るとかブレーキフルードを交換するとか、ゴムブーツ類の破れなど。ユーザ車検を受けるにしてもチェックは同じなのだが、より厳格にと言うのもおかしいが、車検に落ちないようにチェックしないといけない。

◆ 車検屋に任せておくと車検屋がやってくれるのでユーザは無関心でいられる。コバックにしても事前のチェックで駄目そうな所があれば教えてくれるし、頼めば直してくれる。しかし自分で車検を受けるには自分で点検しなければいけないので、車両の状態をきちんと把握出来る、だからユーザ車検を受けるべきだと言っている人もいる。

◆ 以前に書いた事があるが車検屋(指定工場)によって整備内容も価格も大きく異なる。ゴムブーツが破れた状態の車で見積もりを取った場合に、当然ゴムブーツは換えなければ車検に通らないのだが、そこを指摘しない所もあったという。

◆ 車検屋にしても面倒で工賃の稼げないブーツ交換より、エンジン内部洗浄とかエアコンガスクリーニング、ヘッドライトコーティング、燃料配管洗浄とかの儲かる事をやりたいわけだ。医者で言う所の保健医療よりも非保険医療という感じで。

◆ ゴムブーツ切れをそのままで車検を通したとして、そのゴムブーツがいつ切れたのかなど分からない。認証工場の場合は車検場に持ち込むので不正は許されないが、指定工場なら何でも出来る。何でも出来るのでビッグモータのような例が生まれる。

◆ オートバックスなどはパック料金みたいになっていて、何もしないで車検に通すだけのプランで2万円位だったかな。輸入車だと1万円加算とか、ハイブリッド車だと1万円加算とか、2t以上(ランクルとかアルファード)だと1万円加算とか、表向きのパック料金に加算されていく。

◆ 今でも同じかどうかは分からないが、パック料金の他にオイル交換がお勧めですとかバッテリーを交換しておきましょうとか、高性能なワイパーブレードが良いですよとかの消耗品ビジネスも忘れない。特にバッテリーとタイヤは車検時に交換する客が多いとかで、双方共に利益率の高い商品なので強く勧められる。

◆ バッテリーは新品時よりCCAが2割位減っていると交換を勧められる。オートバックスは悪質ではないと思うが、弱ったバッテリーの数値を印字してユーザに見せ、バッテリー交換を迫るビッグモーター的工場もあるそうだ。整備工場にダメだと言われたらダメなのかなと思ってしまうわけだし、消耗品だから交換しておいた方が良いかなとも思ってしまう。そしてオイル添加剤だエアコンガス添加剤だATF添加剤だとなると、添加剤代だけで数万円にもなったりする。


燃料残量(11/3)
◆ ミニもジムニーもガソリンタンク容量は40リットルだ。横浜に出かけて戻ってくる時に、ジムニーは横浜で給油してこないと帰ってこられなくなる。走行距離は300km弱、ジムニーの燃費が8km/l前後なので結構厳しい。一度無給油で往復出来ないかとやってみたが、さすがに途中でガス欠の危機になり伊豆スカイラインを降りて一般道のガソリンスタンドに駆け込んだ。ミニの場合は15km/l以上走るので往復は全く問題がない。

◆ ミニにしてもジムニーにしても燃料残量が1/4位になるとガソリンを入れたくなる。通常は半分程度まで減るとガソリンを入れに行く。残量警告灯が点灯するのは満タンの1割前後の残量ではないかと思うので、ミニにしてもジムニーにしても残り数リットル(ミニは設定変更可能)である。

◆ EV乗りが残りが未だ5%あるから○km走れるなんて書いている。40リットルタンクで残りが5%だと2リットル、15km/l走ったとすれば30kmも走れる計算にはなるがそんな残量で走るのは嫌だ。EVの場合はギリギリまで使わないと航続距離が短いので仕方ないと言えばそうかも知れない。充電するとなると時間がかかるわけなので、ギリギリでも家に着けるのなら走っちゃおうという感じかな。

◆ 電欠になったらJAFを呼べば良いとか、任意保険付帯の無料のレッカーがある、みたいな意見もある。JAFもEVの充電用にバッテリーや発電機を装備している。ガソリン車でガス欠となるとちょいと恥ずかしい訳だが、EVの電欠は勲章なのだろうか?
◆ EVと言えば車両火災があり側面衝突でテスラ(モデル3かな)が全焼している。自然に燃えてしまうのは韓国製で、地下駐車場にEVは入れるなみたいな感じになってきている。スマートフォンにしてもそうだが、韓国製のバッテリーは燃えやすい。いや韓国製のバッテリーと言うよりも韓国設計のバッテリー関連機器と言うべきなのか。一説には電池容量の最大化のために、100%以上まで充電する文化があるのだとか。余りに火災事故が多いので充電終始SOC(バッテリー残量)を規制する?みたいなニュースもあった。

◆ 中国製はどうなのだろうか。安価なものは良く燃えるというか事故が多い。マキタの偽バッテリーだとか電動自転車とか、燃えてくださいみたいな雑な設計がされている。セルバランサが各セルに入っていないとか、過充電や過放電の保護がバッテリーユニット側に入っていないなど。

◆ 自動車に関しては未だよく分からないが、BYDのシェアが上がってくればデータとして数が揃うかも知れない。例えば地下駐車場に入ったとして、隣がEVだったらやっぱり嫌だ。EV用の駐車スペースとICE用を分けて、EV用の駐車スペースには不活性ガスの消火装置を付けるとか、コストの問題はあると思うが安心感が出るまではその位して欲しい。

◆ 特に中国や韓国車がシェアを拡大すると考えれば、いや韓国車のシェアは増えないか。中国車が増えれば不安は増す。中国製EVに関税をかけて、その税収で消火設備などを充実させていく… いや、そんな税収にはならないか。今のところ日本製EVが燃えたという話は聞かないので、とりあえずは大丈夫そうではある。

◆ EV乗りはEV用の充電器付き駐車スペースがICEで埋まるのが許せないと言っているので、駐車スペースを分けるのは有効だと思う。海外では駐車スペースに入る時に充電料金の先決済をする仕組みなどでICEの進入を防いでいるとの事だ。


衝突軽減ブレーキとかACCとか(11/2)
◆ 今の車には衝突軽減ブレーキが付いているが、理想的な状態でないと上手く働かない。各社共通して弱いのは交差点を左折する車に接近したような場合で、車間距離が近づくためか急ブレーキがかかる。

◆ 慣れてくるとどういうシーンで誤動作するか分かるので、その障害物として認識されやすいものから離れる(対向車がいなければ中央線寄りを走る)事である程度回避が可能だそうだ。

◆ 衝突軽減ブレーキが作動する時は、車が危険を感じた時なので急制動になる。なので追突される危険があるというか、車間距離は取りましょうと言う事だ。後ろの車にも自動ブレーキがあれば良いが、反応の遅い高齢者が乗る車だと危ない。

◆ 道交法24条では意味なく急ブレーキをかける事を禁じている。衝突軽減ブレーキの誤動作はこれに該当するので、追突された側は法令違反と言う事になる。

◆ ACCで走行する車のブレーキランプが邪魔というか不快だという話もある。前車追従で走行している場合で道路が平坦でない場合、例えば下り坂だと前車に接近する。前車がマニュアルでエンジンブレーキを使っていたとすればブレーキランプは点灯しないが、追従車が速度抑制にブレーキを使うとブレーキランプが点灯する。

◆ ブレーキをかけると車速が落ち、前車追従のために今度は車速を上げと、ハンチングが起き始めるとブレーキランプがパカパカ点滅する事になる。しかしドライバーはこれに気づかず前車追従で楽だと思って運転している。

◆ 衝突軽減ブレーキと半自動運転は異なるが、衝突軽減ブレーキ位ちゃんと作動させて欲しいものだ。欧州ではレーダ方式を備えなければいけない規定だったと思うが、レーダは高いので国内の多くの車はカメラを使う。カメラの場合は解像度は高いが外光の影響を受けやすく、反射物などにも弱い。

◆ 勿論レーダ方式にも弱点があるので、いくつかの方式を併用しないと精度が上がらない。テスラの自動運転も事故は起こすが、現状ではかなり進んだ制御であると言える。中国製の車の自動運転も事故は起こしているが、それでも街中を自動で走れるレベルにはなっている。

◆ 日本のメーカが研究開発を怠っているとは言わないが、自動化なんて日本人が得意な分野だったはずなのに、製造用のロボットや調理ロボットでも中国製にシェアを奪われている。制御機器のオムロンの不況の話は以前に書いたと思うが、コスト競争で勝ち続けてきた日本が今度はコストで負けているのが現状だ。

◆ もう一つは政治的な問題もあって、政治家も官僚も責任を取りたがらない中で、自動運転車の事故は誰が担保するのかという話である。技術面で日本が送れているのは確かだが、法律面でも問題はある。


何故カムは減ったのか?(11/1)
◆ マツダの低圧縮ディーゼルエンジンは色々トラブルがあったりリコールに至ったものもある。その中で意外というか珍しいものにカム山の摩耗がある。エキゾースト側のカム山は2つあり、1つのカム山が1つのロッカーアームを押し、バルブを押している。

◆ 片側はローラロッカーアームになっているのだが、もう片方はそうではない。どうも内部EGR量を増やすか何かするための工夫らしく、少し複雑な形状になっている。この摺動式のロッカーアームと接触しているカムが削れてしまい、山がなくなる。

◆ これに関して直接のリコールは出ていないのだが、オイルフィルタ不良によるエンジン内部摩耗に関するトラブル例がある。社外品のオイルフィルタを使うと、金属粉が取り切れずにエンジンやバキュームポンプ、ターボチャージャのシャフトを摩耗させるというもの。

◆ 社外品のオイルフィルタとは言ったって、さすがに大きな金属粉は濾過出来るのではないかと思うし、そもそもそんなに金属粉が出る方がおかしいではないか。で、このカム山問題があったわけで、だったら原因であるカムの方のリコールを出せば良かったと思う。

◆ しかし排気の2バルブが1バルブになったとしても、通常の運転時にパワーダウンに気づかない。勿論パワーを測れば明確なパワーダウンがあると思うのだが、常に最高出力を使って走っているわけではない。特にディーゼルユーザは高回転まで引っ張るような運転はしないだろうから、4バルブエンジンが3バルブになっても気づかないと言う事だ。

◆ では何故ばれたかというと、マツダのディーゼルエンジンはヘッドガスケット抜けなども多いのだそうだ。ガスケットが抜ければヘッドを剥がすので、そこでカムの異常摩耗が明らかになる。現在は対策が行われているそうなのでカムの摩耗は起きない。

◆ 改善と言えば低圧縮が自慢のクリンディーゼルの圧縮比を上げたのだとか。これは低圧縮比で運転するとPM発生が多く、いわゆるマツダのスス問題が起きる。勿論クリンディーゼル全般で起きる事なのだが、特にマツダのディーゼルエンジンは深刻だ。その代わりと言ってはアレだが、尿素を使わずに排ガスレベルを保っている。

◆ 欧州車のクリンディーゼルエンジンのスス対策はどうなっているかだが、BMWはマフラーに近い側つまりDPF通過後の排ガスをインテークに戻しているエンジンがある。このあたりは世代によって異なるようで、DPFの上流からのみのEGR経路のものもある。またDPF下流から環流させるとしても、圧力の関係から全てをDPFの下流から戻すわけには行かず、ターボチャージャの手前からのEGR経路もある。

◆ もう一つは油気分離の対策で、ブローバイガス中のオイル成分を少なくする対策で、油分が少ないとススが固まりにくくなるので清掃頻度を下げる事が出来る。マツダのディーゼルエンジンにオイルキャッチタンクを付けている人がいるが、これも同様の対策だ。

◆ 欧州ではディーゼルブームが終わり、ディーゼルエンジンの搭載をやめたモデルもある。日本でも減税が修了したのでディーゼル車は以前のようには売れないのかも知れない。距離を走る人であればディーゼル車のメリットが出てくるが、余り走らない人だとメンテナンスコストばかりが目立ってしまう。