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過去の雑記置き場


雪道は面白いか?(12/1)
オートライトの感度(12/2)
燃料フィルタ(12/3)
歩行者保護エアバッグ(12/4)
後席の安全性(12/5)
オカルトグッズ(12/6)
自転車と横断歩道(12/7)
オカルトグッズ(2)(12/8)
車の塗装(12/9)
トラクションコントロール(12/10)
ジムニーの進化(12/11)
進化してもシミーは起きる(12/12)
車高を変えること(12/13)
オートライト(12/14)
最小回転半径(12/15)
法規制が必要だ(12/16)
昔の自動車グッズ(12/17)
昔の測定器(12/18)
ロービーム車検(12/19)
ミニの世代と仕様とオプションと(12/20)
ミニの世代と整備箇所(12/21)
撮像素子と赤外線(12/22)
GRオイルは凄いのか?(12/23)
猫の性格(12/24)
塗装のクリア剥げ(12/25)
10Wで何が出来たのか?(12/26)
ポンピングロスを減らせ(12/27)
タイヤによる違い(12/28)
整備のコストは手間のコスト(12/29)
どこでコストを下げるべきか(12/30)
今年もありがとう御座いました(12/31)


VC
今年もありがとう御座いました(12/31)
◆ 今年は車を買い換えたことが大きかったかな。記事のネタとしても車関係を増やすことが出来た。スマートフォンやOSは性能が安定したこともあって、変化が少なくなった。PCにしても同じで、今の時代であればハイエンドを追いかけなくても普通に使うことが出来る。

◆ EVは未だ過渡期にあるので、新モデルほど性能が良くなっている。バッテリー容量が増えて電費効率が上がり、そして価格が下がる。PCやスマートフォンと同様なことがまさに起こっている。

◆ 最新のEVを求める人は毎年買い換えたくなるはずだし、テスラに関してはソフトウエアアップデートで最新の技術を導入しようとする。ただし元々のハードウエアの性能の限界があるので、どこまでもバージョンアップ出来る訳ではない。

◆ 昭和時代の日本車がモデルチェンジを繰り返し、モデルチェンジの度に性能が向上し、常に新しいものを売っていく事で短期間のうちに性能を上げていった。これと同じ事がEVに起きれば、性能向上や価格の低下に拍車がかかる。しかし進化が著しいと言う事は古い車に魅力が無いことになり、中古車に値が付かなくなる。

◆ EVは特にだが古い車は部品の供給の問題が出てくる。バッテリーの進化は著しく、旧モデルのバッテリーは高額で低性能なんて事になる。バッテリーは自己放電の管理も必要なので、在庫コストが上がる。トヨタは初代プリウスのバッテリーを永久保証と謳ったが、約20年でトヨタの永久は終わった。しかし使わなくても劣化するバッテリーを20年以上ストックしたのは凄い。

◆ 一般の機械部品であれば錆や腐食の管理が出来ていれば良いし、樹脂やゴム類もバッテリーよりは管理が楽だろう。それでも昨今は部品価格が上がり、特に古い車の部品は在庫コストが乗せられるので、驚くような価格になる。今時軽自動車でも10万kmでは壊れないが、しかしメンテナンスには部品が必要だ。ジムニーなど14万km走行の中古車を買ってきて、売る時には21万kmを超えていた。それでも特段不具合なく乗れていたのだから、日本の車の信頼性は凄い。

◆ EVを買う人は(どうせリセールが悪いのだから)価格など余り気にしないのかと思ったら、国や自治体からの補助金が云々と、結構気にしている。一時期はガソリン代より電気代の方が安いという書き込みや記事が多く見られたが、充電料金の値上げによって今や低燃費ガソリン車の方がお得になってきた。充電料金の安い場所を求めて走り回るのは、値上げ前のガソリンスタンドに列が出来るようなものか。

◆ テスラのスーパーチャージャも値上げされて、今は40円/kWh〜80円/kWhの充電設備が一般的かな。40円/kWhでは充電設備代の回収にも時間がかかる価格で、メンテナンス費用などを考えたら赤字かも知れない。ハイパワー充電器は設備費用やメンテナンスコストもかかるので、今後もう少し値段は上がるかも。充電設備会社的には100円/kWh前後で落ち着くのではないかという見方もある。

◆ 電費の良いテスラやフォードのEVでも年間平均電費は5km/kWh位、100円/kWhまで充電代が上がってしまうと20円/kmの電気代になる。20km/lのガソリン車だと9円/km位なので、現実的に電気代をガソリン車並みにするには自宅充電になりそうだ。これなら10円/km以下になるので低燃費ガソリン車と同じくらいになるが、ガソリンの1/3は税金で出来ている一方、電気は消費税だけだ。


どこでコストを下げるべきか(12/30)
◆ XperiaXZだったっけ、センサなどを省いてコストを下げたのは。実際には売価が下がったわけではなく、売価が維持出来た(値上げされなかった)程度の話だったと思う。ハイエンドっぽいけど実はミッドレンジだよみたいな商品構成で、更にその上にモデルを作って価格を上げた。この商品構成は失敗であり、後に元に戻す事になった。

◆ Xperia1 VIでも画面解像度を下げている。センサを省くのと違って実質的な害はないというか、見た目での変化はほぼないと言って良い。あるとすればディスプレイ解像度がカタログを飾れるかどうかと言う話だ。実際Xperia最高の解像度はXperiaXZ Premiumで、ほぼ本当の4k解像度だった。その後の縦長モデルも4kだと言ってはいたが、ちょっとインチキ臭い。

◆ Xperiaはカメラに注力していたが、既に他社に並ぶ事さえ出来なくなっている。SONYに言わせれば評価基準が違うんだよとなりそうだが、現実的にはDXOMARKのランキングが力を持っている。そしてそれを良しと思う人が多いのであれば、世の中の人間の好みがランキングそのものであるといえなくはない。

◆ コストダウンと言えばクラウンのボンネットダンパーがある。クラウンオーナはボンネットなど開けないだろうから、つっかえ棒で良いよねとトヨタは考えた。しかしこれは反発を買う事になり、後の別モデルではボンネットダンパーを復活させた。

◆ 確かにトヨタの言う事は合理的だと思う訳で、クラウンオーナはボンネットは開けないかもね。でもなあ贅沢なんて見えない所が主となったりするので、クラウンオーナからしてみればガソリンスタンドのニーちゃんに、あれ、この車高そうなのにつっかえ棒なんすね、なんて言われた日には、別の車に乗り換えたくなる事必至だ。

◆ レクサスRXはRAV4だっけ、NSがハリアー?多車種作戦で似たような車が増えて分かりにくいのだが、RXのパッドにはセンサが付いていない。いや、正確にはキーキーセンサは付いている。これにしたってパッドの残量は車検の時にチェックするのだから、センサなんか必要ないよねとトヨタは考えたのかな。それともRAV4はバーゲンプライスなんだから、センサなんか付けないよ、だったのか。

◆ パッドは車間整備の時に残量が測られるだろうから、最低3年間保てば良い事になる。とは言っても走行距離はマチマチだろうし、だからキーキーセンサを付けておきました、かな。普通の人の平均的な乗り方を考えればセンサ代をケチった分だけ安くした方が車が売れると言う事だろう。

◆ 見える所をケチっちゃったのがクラウンなので、一部は改善されてきている。おそらくマイナーチェンジやモデルチェンジを重ねれば、以前のクラウンらしさが戻ってくるのではないか。トヨタであろうとも失敗はする、いや、トヨタだから失敗したのか。クラウンはデザインでも失敗した事があり、同じ事はプリウスでも起きた。少量生産車であれば好きなデザインを書けるのだろうが、量産品となればそうは行かない。

◆ これはスマートフォンでも同じだが、Appleは非常にカネと手間のかかる造形や加工手法を貫いているのが凄い。これも販売台数の多さがあればこそであって、他のメーカには真似の出来ない部分だ。


整備のコストは手間のコスト(12/29)
◆ 日産のワンボックス、整備性の悪さで有名?である。イグニションプラグの交換とイグニションコイルの交換は、ディーラ価格で約10万円だとか。特殊な部品が使われているわけではなく、工賃が高い。

◆ イグニションプラグを外すにはインテークマニホールドを外す必要があり、インテークマニホールドを外すにはスロットルバルブやEGRバルブも外さなければいけない。マニホールドを引き抜くためには電気配線類のコネクタも外すなど、そこそこバラバラにしないとアクセスが出来ない。

◆ 外すものが多いのでガスケット類の交換部品も多くなり、コストが嵩む。外す工賃に比較して部品単価が安いので、イグニションコイルは4個交換が推奨される。壊れた1個だけを交換しても勿論良いのだが、1個壊れると言う事は他の3個も寿命が近いと判断されるわけだ。

◆ ワンボックスカーは普通のFFなので正確にはワンボックスではない。エンジンルームはバルクヘッドの前方に位置していて、キャブオーバではないからだ。しかしワンボックス的スタイリングとするために、普通の車のボンネットの中央あたり、フロントの車軸の真上あたりにフロントガラスの下端を持ってくる。なので、フロントガラスより後ろを室内とするならば、エンジンは室内に食い込んでいる。

◆ これでいかにもボンネットが短いですよ、ワンボックスですよと言うスタイリングを作る。エンジンはフロントガラスの下あたりにめり込むように搭載されている事になり、整備性は余計に悪くなる。普通の車でボンネットが半分しか開かないみたいな、直列6気筒エンジンを車軸より後ろに積もうと努力した結果、エンジン後部へのアクセスが極めて悪化したBMWのように。

◆ それでもトヨタ車などは色々工夫がされているのだが、狭いエンジンルームにハイブリッドシステムなどを詰め込むのは大変だろう。N-BOXシリーズも整備性が良くないと言われるが、軽自動車も限りあるサイズの中にエンジンやトランスミッションを入れなければならないので大変だ。

◆ だったらキャブオーバの方が良いじゃないかとなるのだが、アルファードはハリアーのシャーシでボクシーはRAV4だったかな、共用する以上はFFにせざるを得なくなる。今後EV化が行われればレイアウトの自由度は高まり、バッテリーケースを構造材として使う設計であればモノコック強度を上げる事にも貢献してくれる。

◆ いわゆるギガキャストでの製造が増えてくれば、単純な構造で広い(バッテリーやモータの)搭載スペースが作り出せる可能性もある。とは言ってもEV全盛になるにはまだまだ時間がかかるし、省燃費化によって、或いはコストダウンによって壊れやすくなったと言われる最近の車は整備の時期を迎える。

◆ プラグ交換が面倒なのはスバルの水平対向エンジンやRX-8があるが、それだってマニホールドまで外す作業は必要がない。日産車はその後一部の車種で改善されたそうだが、中古を買う際には整備性にも注意すべきで、そうでないと整備コストが馬鹿に出来なくなってしまう。勿論自分で整備をする人であれば、プラグ交換に2時間も3時間もかかったとしても、それはそれとして諦められるはずだ。


タイヤによる違い(12/28)
◆ CLSのタイヤを替える時に、アジアンタイヤなんて呼ばれ方のタイヤが市場に出てきた頃だった。当時ナンカンはまだまだ有名ではなく、このタイヤ大丈夫なのかな?みたいなイメージだったと言える。

◆ で、どんなものかと試しに使ってみたら、特に可もなく不可もなくみたいな普通のタイヤだった。タイヤの減りに応じてのグリップや騒音の変化度合いは、それまで使っていたコンチネンタルより大きかった。

◆ ジムニーでは最初はヨコハマタイヤのジオランダーだったかな、これを使った。特に何と言うこともない普通のタイヤで寿命は2万km位だった。次にナンカンのA/Tタイヤを使った。タイヤが重かった為もあるのだろうが、このタイヤで初めてシミーが起きた。その後JB64純正装着タイヤを使った。

◆ JB64純正装着タイヤは、直進安定性も良いしシミーも起きにくく、寿命もジオランダーより長かった。なので特別なこだわりがなければ一番良いかなと思い、その後もJB64純正装着タイヤを買った。スタッドレスはアイスガードを使っていて、買い換えることはなかった。

◆ ミニはピレリのCINTURATOが装着されていたんだったかな。ランフラットタイヤでサイドウォールが固いので乗り心地は固めだが、そのサイドウォールが破れても特に何と言うことなく走行が出来た。これは山道の穴に落ちてタイヤのサイドウォールが切れてしまったのだ。

◆ そこで同じピレリのPOWERGYに替えた。ランフラットタイヤではないので乗り心地は幾分柔らかく、雨天時のグリップも悪くない。エコタイヤ分類になっていて、ウエット性能を重視したと謳われている。

◆ 最近のアジアンタイヤは中国製が中心で、ナンカンなどは一定の知名度を得ている感じだ。なので価格も極端に安いわけではなく、安価なのは中華タイヤになっている。そんな中華タイヤが純正装着されている国産車もあるのだが、中華タイヤと言ってもメーカは様々なので性能も様々なのだ。

◆ ジムニーのタイヤ寿命は2万kmくらい、つまり車検ごとに替える必要があった。ミニがどうかは分からないが、走っている道は同じなので(山道でよりタイヤが減るとすれば)それなりに短命になってしまう。ジムニーも普通の道路(山道などは走らず高速道路や舗装路のみ)だと4万km以上のタイヤ寿命があるとも言われるので、山道はタイヤにとっても過酷と言う事だ。

◆ ジムニーは山道を走ると結構タイヤが片減りするのだが、JB64純正装着タイヤは片減りが少なかった。純正装着タイヤって色々考えられているんだなと納得した次第だ。ミニは特に片減りの兆候はないので、サイズが合えば何でもかまわないと思う。でもタイヤが2年で摩耗するというのは、結構ランニングコストがかかる。別に山道のコーナを攻めまくっている訳ではないんだけどなぁ。

◆ ミニのタイヤサイズは205/45R17なので選択肢が少ない。215/45R17ならば一般的サイズになるのだが、これを使うにはスペーサを入れないとショックアブソーバに当たるんだろうな。タイヤの寿命が2年程度だとすれば、ジムニー同様色々なタイヤを試してみる事が出来る。ちなみに冬タイヤは15インチで、これだとギリギリで簡易型チェーンが装着出来る。


ポンピングロスを減らせ(12/27)
◆ ポンピングロスはエンジンの損失の中でも大きい。エンジンのピストンがシリンダ内で下降し、空気を吸い込もうとする力がそれに当たる。これをシリンジを引く力に例えるものがあるが、考え方が注射器になってしまうとポンピングロスが理解出来ない。

◆ 注射器であればピストンを引く時にはロスになったとしても、圧縮行程と同じくピストンを押し込んだ時にその力が回収出来てしまうからだ。しかしシリンジはパッシブなものであり、出力を発生しない。なので根本的にエンジンと等価とは言えない。

◆ ポンピングロスを少なくするためにはスロットルを多く開ければ良い。しかしそれだと燃料も多く噴射することになり、エンジン出力が増えてしまう。これではエンジン回転数が上がって行ってしまうのでダメだ。そこで考えられたのが希薄燃焼である。

◆ これも誤解している人がいて、希薄燃焼だから燃費が良い、燃料噴射量が少ないから燃費が良いと考えるのは間違いだ。希薄燃焼によってエンジン出力が小さくなり、その分スロットルを多く開けるのでポンピング損失が小さくなって燃費が良くなる。

◆ こうして一時期は希薄燃焼に関する研究が進んだわけだが、希薄燃焼は安定燃焼が難しいことや、NOx生成量が増えてしまうのでその対策が難しい。だったら希薄燃焼に頼らずにエンジン出力を下げる方法はないのか?
◆ その答えの第一弾がマツダのミラーサイクルエンジンだった。ミラーサイクルエンジンは(簡単に言えば)圧縮行程に入っても吸気バルブを開けておき(遅閉じミラーの場合)、わざと空気を吹き返えさせてしまう。これによって実質的空気充填率が下がるので、その分スロットルが開けられる。ただし充填率が下がるのでエンジン出力が下がる。マツダはこれを補うためにスーパチャージャを使った。

◆ マツダのエンジンはよく考えられていたが、コストの嵩むリショルムコンプレッサなどを使ったことで、高価なエンジンになってしまった。まあSkyActive-Xだっけ、あれも同じようなマッシブコストエンジンになったんだけど。

◆ で、そこを商業的に解決したのがトヨタだった。エンジン出力が排気量の割に小さいのはミラーサイクルだから仕方がないが、そこをカバーしたのがコンプレッサではなくモータだったのである。マツダの商業的失敗をみてミラーサイクルはダメだと諦めかけていた自動車各社は、トヨタのミラーは成功だと言い始める。

◆ そのトヨタにしてもミラーサイクルより大量EGRの方が良いんじゃないのとなる訳で、まあ部分的ミラーサイクルっぽいエンジンかも知れないが、ポンピングロス低減にはEGRだよねと言うのが最近の流れだ。

◆ ではこの先もっと高効率エンジンが出来るのかと言う事になるが、ハイブリッド車用としては特定回転数で特定負荷時の効率を上げれば良いので、これで効率が上がる。さらには高圧縮比にすれば熱効率が上がるので、直噴化が行われるだろう。ハイブリッド化も直噴化もコストがかかるわけで、そのイニシャルコスト分を燃費で取り返すのは大変なことだ。

◆ むしろコンベンショナルなシステムで実燃費30km/l近くをたたき出すという、軽量化軽自動車の方がお得だったりして。いや、"全部入り"の軽自動車なら40km/lもいけるかも。


10Wで何が出来たのか?(12/26)
◆ 電話級や電信級のアマチュア無線技師免許では、高周波出力の最大値が10Wに制限されていた。現在は4級アマチュア無線技士で最大20W、3級アマチュア無線技士では50Wまで出すことが出来る。

◆ 電話級や電信級の時代を知らない人だと思うのだが、10Wで一体何が出来るのか?そんな低出力で交信など出来ないだろうと書いていた。10Wと50Wは5倍ではあるけれど7dBの差しかない。7dBの差がV・UHF帯なら、アンテナで頑張れるかば埋め合わせが不可能ではない程度の差でもある。

◆ 10Wでも電離層反射で遠くと交信も出来ますよと言う意見に対して、電離層頼みね、みたいな返答をしていた。電波は直進しかしないので遠方との交信は全部反射なんだけど。

◆ スマートフォンや携帯電話がなかった時代に、人々はどうやって暮らしていたのかと言っているのと同じだ。何かがある時代の人からすれば、ない時代など考えられないのだろうが、そもそもない時代にはないのが当たり前なのだから何と言うことはない。

◆ 例えば昭和中期に、スマートフォンがあったら便利だろうなと、人々はそうは考えない。だってスマートフォンは存在しないものなので、スマートフォンがどんなものかも当然知ることはない。無線電話くらいは出来ても良いなと考えるかも知れないのは、無線通信自体は存在していたからだ。

◆ しかしSF漫画に出てくるような小型軽量で遠距離まで届く無線装置は現実にはなかったので、車や鉄道や船舶に搭載するような無線電話装置を連想するのがせいぜいだっただろう。そもそもテレビがない時代には画像伝送すら一般的ではなかったわけだし、FAXのない時代には静止画伝送だって郵便に頼る以外に方法がなかった。

◆ それでも人々はそれが普通だと思って生活していたので、何と言うことはない。何かがある時代にそれが突然消滅してしまうのなら不便な事になるが、そうではない。アマチュア無線の10Wの時代にしたって、更に低出力による交信にチャレンジする人もいたわけだし、ポータブルトランシーバは10Wも出力が出せたわけではない。

◆ 10Wで何が出来るかと書いた人からすれば、より低出力で楽しむなんて想像出来ない世界だろう。規定があるのだから規定いっぱいの出力を出せば良いじゃないか、と思うに違いない。しかしこれを書いた人は4級アマチュア無線技士だと思うので、1級アマチュア無線技士に50Wで何が出来るのかと言われたら何と答えるのだろう?そこにちょっと興味があったりする。10Wはダメだけれど50Wは良いみたいな、訳の分からぬ事を言い始めるとは思えないが、じゃあ1級アマチュア無線技士の資格を取りますと言いそうな雰囲気でもない。

◆ 資格とパワーという点では原付など二輪車免許にも言える。速い=高出力=大排気量のバイクに乗るにはそれなりの免許が必要なのだが、では一種原付で一体何が出来るのかと言われた所で、近所の移動には小型軽量で楽ですよ、駐輪場は自転車と一種原付しか止められないんですよ、となる。

◆ だから必ずしもハイパワーが良いと言う事ではなく移動運用などでは電力消費量の問題も出てくるのだが、このあたりがたぶん理解出来ないんだろうなぁ。電源事情の悪い移動運用などと言うと、何故移動などしなければならないのかみたいな方向に行っちゃったりして。


塗装のクリア剥げ(12/25)
◆ 軽自動車や小型車などで塗装のクリア層が剥げてしまったものがある。保管状態などによるが数年から十数年を経過すると塗装面の傷みが目立つようになってくる。ジムニーは製造から21年目まで乗ったが、天井部分の塗装の艶が失われていたとは言うものの、クリア剥げまでには至っていなかった。

◆ コンパウンドで磨けば綺麗になったとは思うのだが、クリア層を削ってしまう事になるので躊躇われた。コンパウンドがけをする余裕の厚みがあれば良いが、塗装の状態からしてクリア剥げ寸前みたいな感じだった。

◆ クリア層がなくなると塗装面を守るものがなくなってしまうのだが、ワックスがけなどを行う事によって多少はカバーする事が出来る。サンドペーパでクリア層を完全に剥がして、ウレタンクリアなどを塗れば良いのだがアマチュアには敷居が高い。

◆ コンパウンドで塗面を磨いても、普通はバフなりスポンジに塗色は付かない。透明なクリア層がわずかに削れているだけだからだ。しかしクリア層がなくなると、塗色がバフやスポンジに付き始める。クリア層がなくなった状態で機械磨きする時は、コンパウンドはごく少量にしないと塗装の曇りが取れにくい。

◆ アマチュアで失敗するのはコンパウンドの付けすぎだそうだ。滑りが悪い場合は塗面に霧吹きで水をかけるなどして、コンパウンド自体はごく少量にすることがコツだとか。剥げたクリア層を塗ってしまえば良いというのは簡単だがやるのは大変だ。

◆ 動画を見ると河原に持って行って(塗料が飛んでも良いように)缶スプレーで塗るものなどがある。クリア塗装が剥げるのは天井とボンネットくらいなので、缶スプレーが4本くらいあれば軽自動車は塗れるとの事。色を塗るよりクリア層を塗るのは簡単というか、ムラが目立たない。缶スプレーのクリアは中々良く出来ているようで、塗った後で磨かなくてもちゃんと艶々になるそうだ。

◆ ジムニーはカーポートの下に置いていたし、ワックスがけもしていた。それでも21年経つと塗面が少し荒れた感じになった。さほど気になるものではなかったが、かといって全く何でもないとは言えなかった。塗色が銀色だったので塗面の状態が分かりにくいこともあった。これがダークカラーだったら、傷んだ部分が凄く目立ったりして。

◆ ジムニーでも10年くらいでクリアが剥げてボロボロになっている車もある。青空駐車とか手入れの有無なども関係すると思うが、結構差があるなと思う。ワックスはボディーに対して悪影響があると言う人もいる。買ってから一度もワックスがけをしていないから、塗装は傷んでいないと。そうなのかな?
◆ 自動車用ではない、塗装保護剤が売られている。大抵のものは自動車用のワックスと同じようなロウなどを主成分としたもので、塗面に吹き付けて保護膜を作る。だから車でも同じ事で、何かを塗った方が良いのではないのかな。紫外線カット剤みたいなものがあれば良いのだが、ワックスは皮膜が薄いので殆ど紫外線はカットしてくれない。

◆ トヨタの塗装剥がれ事件があった。洗車したり高圧洗浄機で洗ったりすると塗装が剥がれてしまうと言うもの。これは保証期間が延長されて無償再塗装されたのかな。結構な台数だと思うのでトヨタ関連の塗装業者は売り上げが上がったかも。


猫の性格(12/24)
◆ 猫の性格は猫種によるものと個体によるものがある。例えばベンガルは活発で野性味がある。高い所にもジャンプする能力を備えているが、慎重さには欠ける。力任せに飛んじゃえ、みたいな感じなので、ジャンプするその先に何かが置かれていたりすると、着地に失敗して落ちてくる。

◆ メインクーンは逆に慎重である。メインクーンはデカいというか長いので、ジャンプ先が安全かどうか立ち上がって観察する。ミーアキャットが陽を求めて立つように、後ろ足で立って観察する。そしてジャンプ先が安全だと分かればジャンプする。

◆ ロシアンブルーは自分で考えるのは苦手だが、他のネコのやる事は良く覚える。なのでメインクーンの仕草を真似て観察してジャンプするが、仕草を真似るだけで判断しているわけではないので、ジャンプ先にものがあれば落ちてくる。スコティッシュは足が短いのでジャンプしない。

◆ こうした猫種による違いは大きく、そこに個々の個性がプラスされる。メインクーンは総じて賢い猫で、他のネコの事や人間の事をよく観察している。人間や他のネコの様子が普段と違えば、心配して見に来る。ネコに何が出来るわけではないが、一人暮らしで病気になったらどうしようと不安な方は、メインクーンが一匹いれば(実際には何の役にも立たないけれど)心強い。

◆ ベンガルやオシキャットは野性味溢れる所が魅力だと思うので、人と共に暮らすような協調性というか懐き具合というか、そうしたものは少し弱い。その代わりいかにも猫ですよみたいな、自由気ままで飛び回る姿を見る事が出来る。ベンガルやオシキャットは鳴くので、集合住宅向きではない。

◆ スコティッシュは一般的におとなしい猫なので、こたつで丸くなる的な姿を見る事が出来る。余り鳴かないし騒ぎもしない、穏やかな猫だ。丸顔で見た目が可愛いのと、人間に良く懐く事から人気がある。

◆ ロシアンブルーは鳴かない猫なのだが、うちの二代目ロシアンブルーは鳴く。ロシアンブルーは結構いたずら好きで活発、飼い主にはベタベタに懐くが見知らぬ人には寄りもしないという猫である。鳴かない猫である事やシングルコートで抜け毛が少なく、アレルゲンが少ないので猫アレルギー(猫がアレルギーになるのではなく、猫アレルギーの人間でも飼えるという意味)を起こしにくい。

◆ 鳴く猫でも、人がいない時に無闇矢鱈には鳴かない。大抵は人間に何かを訴えるために鳴くので、人がいない時は鳴かない。うちのベンガルは何かの異常を察知、例えば虫がいるとか、外に鹿がいるとかすると鳴くのだが、人がいない時は(監視カメラの映像を見ても)鳴いていない。

◆ ただし人がいないと寂しくて鳴くネコもいるので、どんな猫でも一匹では絶対鳴かないとは言い切れないし、ウチの場合は6匹のネコがいるので人間がいなくても寂しい事はないはずだ。猫同士じゃれ合ったり戦ったりするが、そんなに激しい戦いにはならない。

◆ 純血種よりも雑種というか日本猫の方が懐きやすいという話は聞く。純血種は買う事が出来るが、雑種というか日本猫は入手性が良くない。譲渡会だとか動物病院で貰ってくるとかなので、好きな時に好きな猫が手に入るわけではない。


GRオイルは凄いのか?(12/23)
◆ 粘度指数が素晴らしく良いトヨタGRエンジンオイルに関しては以前にも書いたのだが、更に人気上昇中だとか。動粘度指数が高いので、高温時に過度に柔らかくなる恐れが少なくなり、全体的に粘度を下げる事が出来る。これによって抵抗が軽減され燃費や出力特性に寄与する。

◆ 良い事ばかりではないのがオイルの世界で、どこかの性能を上げればどこかが下がってしまう。GRオイルでは5000kmごとの交換を推奨していて、これは清浄分散作用や酸化防止作用などが犠牲になっているのではないかと思う。

◆ ロングライフオイルではないが5000kmごとにオイル交換をすればいい話なので、このオイルを使う上での大きな障害にはならないだろう。粘度は0W-16/0W-20/0W-30/5W/40がある。製造元はENEOSだったかな。GRオイルの一部はターボエンジンには使えないので、焦げ付き性も余り良くない。

◆ GRオイルと他のオイルの焦げ付き性を比較したものがあったが、GRオイルの高温での変質度合いは他のどのオイルよりも大きそうだ。逆に変質の少ないものとしてSUNOCOのオイルがある。これは他のオイルよりも格段に焦げ付きにくい。

◆ 焦げ付き性や清浄分散作用はカストロールのオイルが良好だ。特に清浄分散作用は良好で、スラッジの発生が少ない。フラッシングオイルを入れるのなら、カストロールのオイルを早めに交換した方が何かと安全である。

◆ 摩擦係数だとか油膜の強さ、金属摩耗の少なさは色々な所でテストされているのだが、同じ結果になっていない。上位はMOTUL、Castrol、Amsoil、Redline、Valvoline、Mobile1あたりだ。テスト方法や粘度も異なるので、テストによって順位が変動する。まあ上位グループは似たようなものだと思えば良いかも。

◆ 金属摩耗テストなどはオイルの基本的潤滑性能なので、オイルによる差は少ないと言える。動粘度だとか焦げ付き性をテストしているサイトもあるが、独自のテストなので絶対的な評価は出来ない。

◆ 価格は国内製造されているものは安く、オイルとして輸入されてくるものは高い。オイルとして輸入する場合は関税が高いので、どうしても単価が上がってしまう。そこで日本国内で消費量の多いオイルは、日本国内で製造されている。オイルメーカによっては日本の交通事情や気象条件に合致させるように成分を変更したなどと言っているが、真偽は確かめようがない。

◆ オイルはベースオイルと添加剤で出来ているので、レシピがあればどこででも作る事が出来る。特別な成分というか特殊なものが配合されているわけではなく、常識的な化学物質の詰め合わせというわけだ。じゃあオイル添加剤は何なのかという話になる訳で、昔のオイルならともかく今の化学合成オイルではそれなりの成分調整がされているわけで、そこに添加剤を入れてどうなるのかと言われても困る。

◆ ワコーズは最高級エンジンオイルに更に添加剤を入れると(営業的に)良いよとして売っている。このトークでワコーズのオイルをやめたという頑固な整備士もいたのはまあ良いとして、最高級オイルなら最高級の配合であるべきで、そこに又添加剤が必要とは何事かというわけだ。

◆ 合成油ではなく鉱物油などの場合は添加剤が効かないわけでもないのだが、添加剤を入れるコストを考えたら全合成油を使った方が良いと思う。


撮像素子と赤外線(12/22)
◆ 一般的な撮像素子は近赤外域にも感度があるので、近赤外LEDの発光状態を見ることが出来る。しかしこの理屈が分からないというPostがあった。近赤外光が撮像素子で写せるという事実は分かるが、理由が分からないのだそうだ。

◆ これに対して何人かの人が説明を試みるが、Post者は赤色は赤く映り青色は青く映るのだから赤外光は赤外に映っても良いわけでそれは目に見えないはずだという。なるほど、そういう考え方もあるのか、撮像素子が波長に対して極めて忠実だとすれば、そして赤外光を"表示"するシステムがあったら出来るかも。

◆ 撮像素子の原理を分かっていないのか?撮像素子とディスプレイやその他のデバイスを組み合わせたシステムが理解出来ないのか?いや、そんなものTVのカメラ(固体撮像素子ではなくビジコンでも)と受像機のシステムを考えたら分かる。

◆ 元Post主は老アマチュア無線家(コールサインから察するに)だと思うのだが、自分の考えに凝り固まってしまうとその方向から抜け出せなくなる。しかしアマチュア無線家であればSSTV位は知っていると思う。そうであれば撮像素子の事だって分かりそうなんだけど。と言うとSSTVはモノクロだからなんて言われたりして。

◆ 元Post主は赤外線を可視光線に変換する何かがどこかに存在している筈だとも書いていた。まあこれが撮像素子そのものの特性で各色のフィルタを均等に通過するから白っぽく映るとしか言いようがない。ちなみに光学素子として近赤外線を可視光に変換するものもあって、近赤外レーザなどを扱う時にメガネ型のそれを使う。

◆ 赤外線レーザは見えないので、それを可視化しないと色々と厄介だ。レーザ光源を見つめるようなことはしないとは思うが、それを見てしまうと目が焼かれてしまって可視光すら見えなくなる。直接は見ないにしても反射光だとか漏れ光などが目に入る事もあるので、赤外線がどの方向を照らしているかは見ておかないと。

◆ もっともメガネ型波長変換素子は感度が高いわけではなく、今だったらデジカメで見た方が余程分かりやすい。スマートフォンのカメラでも近赤外域に感度があるし、より高感度のものが欲しければデジカメの赤外線フィルタを外してしまえば良い。

◆ 赤外線受光素子と可視光LEDの組み合わせで、赤外線を受光したら可視光LEDが点灯する、これも変換器になる。でもそこまで分かっていたら撮像素子とディスプレイで赤外線が見えることは理解出来るだろうに。このPost主はネタでとぼけているわけでは無く、本当に理解が出来ていない様子だった。

◆ 分からないと言えば、PCでキーボードが読める仕組みというか概念が分からないことがあった。事があったというのもおかしな言い方で、理屈としては入力ポートでスイッチを読んでいるだけなので、理屈は分かっている。分かっているのだけれど、あんなに沢山のキーを読むのは凄いな的な。ゲームの衝突判定もなんか不思議だった。座標上で見れば良いと言うのは分かるのだが、人間はディスプレイを見ているわけで制御の中身までは見えていない。ネタが分かっても手品は手品、みたいなものかな。ただこうしたことは理屈は分かった上での不思議なので、赤外線が見える不思議のPost主とは違うかも。


ミニの世代と整備箇所(12/21)
◆ どこが壊れやすいとか何を交換すべきかという話はあるが、個々の車両によって状態が異なるのは当たり前である。総じて樹脂部分が弱いのでクラックが入るとか変形するなどの故障がある。

◆ 第一世代だとカムカバーのガスケットとか、ゴムホースのクランプ(ホースバンド)の緩みがある。ベルトテンショナーとかウォータポンプ、サーモスタットハウジングなども壊れると言えば壊れるが、絶対壊れるというものでもない。

◆ 第二世代はチェーンテンショナーの不良があって対策品が出ている。これは交換が非常に簡単なものだ。カムカバーガスケットからのオイル漏れはガスケット不良ではなく、樹脂製カムカバーの歪みが原因のことがある。

◆ クランクプーリはゴムが切れる不具合があって、社外品に交換するケースが多い。樹脂ものだとオイルフィルタハウジング付近からのオイル漏れ、これはフィルタハウジングの交換なのだが、エキマニを外さないと手が入らない。

◆ オイルの管理状態によるが、オイル下がりも散見される。この場合はカムを外さなければいけないのでSSTが必要だが、最近はヘッドを外さずにステムシールを交換する手法が増えている。エアコンプレッサがあればアマチュアでも作業は出来ない事は無い。

◆ 第三世代初期型はクランクプーリのゴム切れがあるが、その後対策品に変えられている。フィルタハウジングのオイル漏れも起きると言われるが、第三世代のエンジンのオイルフィルタハウジングはインテーク側に付いていて、熱の影響を受けにくいためか寿命は長くなった。

◆ 各世代共にFFなのでエンジンマウントはやがて傷む。形状や場所は各世代で異なるが、交換はさほど面倒なものではない。一部国産のFF車は、エンジンマウント交換時に外す部品がかなりあるので、それよりは良いか。第三世代中期以降は対策品が使われている。(正規部品を注文すると対策品が来る)
◆ ドライブベルトの交換に第一世代はSSTが必要になる。長いL型の棒のようなもので、これを使ってテンショナーを動かす。第二世代ではウォータポンプをドライブしているプーリーのベアリングから音が出るものがある。これはウォータポンプをドライブしている可動式のプーリで、プーリ位置を動かすことでウォータポンプの駆動・非駆動を制御している。交換はさほど大変ではない。

◆ 第二世代はインテークポートとバルブにススが付きやすく、堆積すると異常燃焼の原因になる。第二世代は前方排気なのでインテークマニホールドが少し外しにくいが、5万km〜10万km走ったら清掃した方が良い。これは第三世代ミニのインテーク系の様子だが、清掃方法は同じようなものだ。

◆ 第一世代ではインタンクの燃料ポンプが壊れる場合がある。燃料ポンプは突然壊れるので、予防整備的に交換した方が良い。第二世代では高圧燃料ポンプが壊れるが、これは予兆があるので不調を感じてからでも間に合う。オイル管理の悪い車ではVANOSソレノイドの固着が希にあるが、これは洗浄で回復する。

◆ 第二世代の頃はオイル交換サイクルが3万kmごとに指定されていた車もあると思うが、その後日本では1.5万kmごとに指定され直している。オイル管理やオイル銘柄でシール類を含む各部の傷みやカーボン堆積量が変わる。


ミニの世代と仕様とオプションと(12/20)
◆ ミニの世代ごとの違いや仕様の違い、オプションの違いは分かりにくい。同じモデルでも年代によって付いている装備が違ったり、付くオプションが違ったりする。モデルによってはオプション設定のされていないものがあるのだが、ディーラで付けている車両もあったりする。

◆ 世代に関しては第一世代がR50(クーパー)/R53(クーパーS)で、違いはエンジン出力とサスペンションだ。クーパーSはスーパーチャージャ搭載となっている。ハンドリングはBMWミニの中ではもっともシャープだそうだ。

◆ 第二世代はR56となり、クラブマンとか屋根無しモデルは第二世代からなのかな?このあたりはよく分かっていない。第二世代は第一世代より洗練された反面、ハンドリングのシャープさは第一世代の方が上だと言われる。

◆ 第三世代はF型になり様々なモデルがある。クーパーとクーパーSに3ドア/5ドアがありJCWは3ドア、ボディ形状違いではクラブマンがある。クラブマンはステーションワゴン的な位置づけで全長は約4.3m全幅は1.8mと大きい。

◆ もう一つはクロスオーバで、位置づけとしてはSUVになるのかな。全長はクラブマンとさほど変わらないが、全幅は1.82mと更に大きくなる。車高が上がった分横幅を広げてバランスを取ったという話だ。他にコンバーチブルとONEがある。

◆ これら各モデルと年式で装備品が異なる。クーパーSとJCWは付かないもの以外はほぼ付いていると言っても良いのだが、ほぼ付いているその中身は何だと言われてもよく分からなかったりする。各年式のカタログを見るなりしないと。

◆ クラブマンとクロスオーバには4WDモデルがあったと思う。エンジンはONEの1.2リッターターボ、クーパーの1.5リッターターボ、クーパーSの2リッターターボ、クーパーDの1.5リッターディーゼルターボ、クーパーSDの2リッターディーゼルターボがある。

◆ クーパーとONEは標準装備品が減ってオプション扱いになる。フルオプションだとほぼクーパーSと同じになるのだが、これも年式などでオプション設定のない装備もある。ONEは1.2リッターターボエンジンのモデルで、本来はナビがオプション設定されていないのかなぁ、でも付いているモデルはある。

◆ そもそもメーカオプションが設定されていないモデルに、後付けでそれが付けられてしまう。これはモデル間の差を出すための販売仕様みたいなもので、しかし中身は余り変わらないので後付け出来るわけだ。

◆ 実際私が購入したモデルもDCC(オートドライブ)やハンドルスイッチは付いていなかったが、基本仕様上は付いているので、後付けが出来てしまう。パドルシフトなども同様で、後から付けてEnableにすると機能する。純正のバックカメラだとかPDC(超音波距離センサ)も付けられる。

◆ 多少改造範囲が大きくなると言うか、カメラを付けなければいけないのだが、ACCも無理矢理付けてしまうことが出来る。なのでONEでも本来カタログ上にはない装備が付いている車もある。タイヤもスタンダードは15インチなのだがオプションで18インチまである。JCWはブレーキが大型化されているので17インチが標準だったかな。


ロービーム車検(12/19)
◆ 車検時のヘッドライトのテストがロービームで行われることになった。これによって古い車の車検通過が絶望的だなどと言われる。ハロゲンライトでもカットラインが上手く出ないのに、LEDではどうにもならない車がある。多少の光量不足であれば明るいハロゲンランプに変えるなどで車検を突破出来るが、それでも駄目なものは困る。

◆ プロジェクタ型H4LEDバルブの件は以前にも書いたが、従来品は輝度が足りないものが多かったそうだ。しかし最近の中華ものはかなり明るくなり、これに交換することで車検にパスすることが出来ると案内している自動車整備工場もある。

◆ これのメリットはカットラインが正しく出ることで、カットラインの規定も照度規定もクリア出来る。古い車でヘッドライトがフレネルレンズ的になっている車両でも、プロジェクタのレンズ位置がヘッドライトレンズに近いので、あまり照射パターンが乱れずに車検を通過出来るそうだ。

◆ タクシー用の車両は耐久性の面からヘッドライトレンズはガラスなのだが、経年劣化でリフレクタが曇ったりメッキが剥がれたりするそうだ。こうなると照度が足りずにヘッドライト交換となってしまう。しかしプロジェクタタイプのLEDバルブに交換すると、多少縦縞が出る(ヘッドライトガラスがレンズになっているため)そうだが、車検上は問題が無いのだそうだ。

◆ ただしヘッドライトレンズで拡散される分だけ照度が下がるので、明るいLEDバルブを使わないと規定がクリア出来ないという。プラスチックレンズの車で、レンズが黄変していてもプロジェクタLEDバルブだと照度がクリア出来る場合が多いとのこと。多少のロスがあっても照度が出るくらい強力になったと言う事だ。

◆ これは古い車で車検に困っている人には良いデバイスである。輸入車などはヘッドライト交換にかなりのコストがかかるが、プロジェクタLEDバルブが使えれば道が開けるかも知れない。古い車で部品が出ない車種も、このバルブが付けられる構造であれば何とかなりそうだ。

◆ それにしても直径数cmでプロジェクタヘッドライトが出来てしまうのだからLEDの高輝度化は凄いものがあるし、中国の開発力にも恐れ入る。とにかくランプ単体でカットラインが綺麗に出るので、ランプの付く場所さえあればヘッドライト同等の明るさが得られる。オリジナル形状以外、例えばヘッドライトバルブそのものは変えられなかったとしても、ポジションランプの穴を広げてコイツを差し込めば、それでヘッドライト規定はクリア出来る。

◆ これは国内メーカでも扱っているが、元は中華OEMではないだろうか。従来は国内販売品の方が明るかったようだが、今は中華ものも変わらないかより明るいものもあるそうだ。中華ものと国内メーカものの価格差は10倍くらいある。LEDに交換すると消費電力が減るので、ハイビームインジケータが点灯しなくなったり、ヘッドライト球切れ警告が点灯する場合がある。

◆ LED化によるエラー表示対策としてはウインカ同様で、抵抗が売られている。せっかく低消費電力になったのに抵抗を入れるのは何とももったいない話だが、ライト類が集中制御されているタイプの車だと、抵抗を入れてしまうのがもっとも手っ取り早い。


昔の測定器(12/18)
◆ 三田無線を調べていたら、昭和10年前後に受信機を発売している。詳細は不明なのだが切り替え式のコイルとあるので、広帯域受信機ではないかと思う。整流管を含めて9本の真空管が使われているようだ。

◆ 自動数量調節器付きと書かれているのは何だろう?AGCの事だろうか。軍用の受信機として採用された例もあると謳われている。数メートルまで受信出来るとあるのが波長のことだとすれば、VHF帯の下の方までカバー出来たのかな。この受信機はアルミのシャーシに組まれたもので、ケースには入っていない。

◆ ケース入りは昭和15年くらいだろうか、受信感度は10μV入力時にS/N30dB以上となっている。またオーディオ帯域のフラットネスが保証されていて、30Hz〜5kHzで1dB以内に作ることが可能だとされる。

◆ 電源はAC100V又はA(グリッドバイアス用のA電源)/B電池(プレート用のB電源)を使用するが、12Vからバイブレータ昇圧によってこれらを作るオプションがある。選択度は6dB幅が4kHzで40dB幅が10kHzとシャープだ。IF帯域を数十kHzにとってIFTで選択度を高めているのだろう。もしかしたらメカニカルフィルタなんてものが存在したかも知れないが、水晶フィルタはなかったと思う。

◆ メカニカルフィルタのことはよく知らないのだが、物理振動というか共振を使った狭帯域フィルタだ。まあ水晶振動子も物理振動には違いが無いのだが、水晶振動子は水晶という圧電体に直接電極を貼り付けたものだ。メカニカルフィルタは電気信号をトランスデューサを使って機械振動に変化させ、その振動を何やら円盤のようなものに導き、円盤状のものの固有振動で高いQを得るみたいな構造だ。 
◆ 昨日少し触れた周波数カウンタだが、電卓が最初に作られたのが1964年だそうなので、それ以前には存在していたと思う。それまで周波数を正確に測るのは難しいことで、ヘテロダイン周波数計で周波数を落として測るのだが、そもそも局発の周波数はどうやって測るのかみたいな話になってくる。

◆ ディジタル周波数カウンタはロジックでパルスの数を数えれば良いので、極めて正確に周波数を測ることが出来る。TTLデバイスが一般的になってくるとそれを組み合わせた周波数カウンタが使われるようになるのだが、それ以前はトランジスタでフリップフロップを組んでいくしかなかった。

◆ 勿論TTL ICで実現出来るのだから、トランジスタでも実現出来る。ただし相当な数のトランジスタが必要になり、物理的に大きくなるし消費電流も過大だったのだろう。表示が最も簡単なのはBCD4桁のランプを付けることだが、これは10進変換くらいやったのかな。

◆ BCD-デシマル変換器にもトランジスタは結構使うので、出来ればBCDで済ませたいとエンジニアは思ったかも知れない。トランジスタ式の周波数カウンタが、どのくらいの周波数まで動いたのかは不明だが、1MHz位は行ったのだろうか。

◆ 初期の頃のTTLで10MHzとか20MHz位まで動いたのかな、単純なフリップフロップで初段を組めばもう少し行ったかも知れない。でもその程度の周波数なので、高周波の計測にはダウンコンバータが必要になる。

◆ より高い周波数の測定は空洞共振器が使われた。メカニカル共振器は共振器の寸法で周波数が決まるので、マイクロメータ的なもので共振器の物理寸法を変化させて、共振点を変えて周波数を測った。


昔の自動車グッズ(12/17)
◆ アルミテープだとかスロットルスペーサはオカルト色が強いが、昔は色々な小物が売られていた。スロットルスペーサみたいなものではあるが、キャブレターとサージタンクの間に入れる羽根のようなものがあった。

◆ 何と言うことはない金属板をプレスで打ち抜いただけのもので、羽根のような形状に加工されていた。キャブを通った混合気にスワールを与えて、混合気の均一性を増すというのが謳い文句だった。

◆ 混合気に渦を作ると比重の重いガソリンの粒が壁面にくっついてしまいそうなのだが、まあ仕掛けとしては面白いというか一見効果がありそうなものだ。これが数千円とか、原価を考えたらとてつもない価格が付けられていた。

◆ 車種に合わせて金属板には様々な直径のものがあり、自分の車に合致するものを付けるわけだ。その羽根型金属板に名前が付けられていたのだが、もはや記憶にない。普通の車ってエアクリーナの中央にキャブが付いていたのかな、ダウンドラフトか。2バレルキャブだと混合気の出てくる穴は2つあったのかな。

◆ 点火系は色々あった。ポイントのコンデンサの代わりに付けるものとか、点火装置そのものも永井電子なんて結構有名だった。何の用事で行ったのか忘れたのだが、永井電子に行ったことがある。住所を調べると川崎市になっているので、以前と変わらぬ場所なのかも知れない。坂の途中の小さな家みたいなイメージだった。

◆ 今もプラグコードや点火装置を売っているが、ダイレクトイグニション全盛ではプラグコードも売れないだろう。旧車用のセミトランジスタ点火装置なども扱っているようだ。CDIの草分け的存在だと三田無線のシンクロスパークがあった。

◆ 三田無線は既に廃業しているが、シンクロスパークの説明書は手書きのコピーだったのかな、当時のものは知らないのだがコピーというか画像は見たことがある。PNPトランジスタが使われているあたり、時代を感じさせてくれる。

◆ 三田無線のCDIは(たぶん)その製品だけで、あとはグリッドディップメータやLCRメータなどアマチュア向けの計測器が有名だ。当時の製品一覧を見るとゼネラルカバレッジ受信機だとか真空管テスタとか(真空管を使ったサーキットテスタではなく、真空管のgmなどを測るためのテスト装置)バルボル、オーディオゼネレータやオシロスコープも作っていたことが分かる。

◆ いつ頃の製品なのかはもはや分からないが、真空管式の機器だと思われるので、かなり古いことは確かだ。微少抵抗計とかインピーダンスブリッジとか、シグナルトレーサなんて今は聞かない計測器もあった。

◆ 価格も載っていてLCRブリッジが2〜20万円位で、トランジスタ式のものもあるから、これは1970年頃のものだろうか。ヘテロダイン周波数計も売られていた。ヘテロダイン周波数計の確度は0.002%と書かれているので、10MHzを測ると10MHz±1KHzが分かると言う事なのかな。たぶんこの時代にはディジタル周波数カウンタは(民生用には)存在していないと思う。周波数カウンタはトランジスタでも(当然)組めるので、産業用にはあったかも。


法規制が必要だ(12/16)
◆ 埼玉クルド人問題は何度か書いているが、交通事故が増えているという。交通事故を起こすと車を放置して逃げてしまう輩がいて、運転者が特定出来なくなる。車の持ち主も誰か分からず、既に日本にいない人間の名前だったり、車検切れの車だったりとメチャクチャだそうだ。

◆ 勿論これは埼玉だけの問題ではなく、静岡県内でも外国人による交通事故が増えている。多くの場合は支払い能力がないとして逃げてしまい、車検切れの車となれば自賠責も切れている。

◆ では警察はそんな外国人犯人を捜すのかというと、余程重大な事故でも無い限りは積極的な捜査をしない。このあたりは各県の警察によって異なるのかも知れないが、犯人を捜すのが大変で中々立証が出来ないという。

◆ 米国で重大事故を起こした加害者が中国に逃げ帰ったなんてニュースもあったが、岸田前総理が言っていた、「外国人は宝だ」構想の波紋は広がる。中韓の反対によって指紋押捺制度が1999年に廃されたわけだが、もし指紋押捺制度があれば外国人加害者を特定出来る可能性が高くなる。確か米国は入国時に指紋登録するんじゃなかったっけ。

◆ 今なら顔認証も容易に出来るので、犯人の顔から人物を特定することが出来るはずだ。技術的には可能だけれど、法的には不可能なのかも知れず、こうした点でも法整備が進めば検挙率のアップやそれによる犯罪の抑止につながる。

◆ 自動車窃盗に関しても同様で、埼玉だったか?自動車販売店から大量の車が盗まれた事件も外国人窃盗団の仕業だった。こうした事件が起きるので外国人に職質をするわけだが、これを不服として外国人が裁判を起こした。不当な職質は人種差別だとしているが、不当ではないと思う。

◆ 怪しげな人間は職質を受けるし、そうでない人はおそらく一生のうちでも職質など受けることはないだろう。某配信者が帰国の度にチェックを受ける、不当だと騒いでいたのだが、実は海外に大麻を吸いに行っていたと言うことが後でバレた。入管だってそれなりの目を持っているのだ。

◆ 外国人に対しての法強化となればそれこそ人種差別だ何だとの声が出てくる。なので自動車窃盗(自動車だけではなく窃盗全体)に対する罰則強化は必要だろう。売れば何十万円にもなるものが路上に放置されているのだから、窃盗犯に持って行ってくださいと言っているようなものだ。

◆ 最近は減少したが自販機荒らしなども同様で検挙率を上げて罰則を強化すれば、昨今の窃盗犯罪を抑止出来ていたかも知れない。外国人の全てが悪いわけではないし、悪い外国人などほんの一握りに違いない。しかしその一握りが起こす犯罪の規模は小さくはない。

◆ TVで何故トヨタ車が盗まれるかみたいな解説があって、トヨタ車はセキュリティが甘いので簡単だと解説者が言っていた。CAN乗っ取りに関しても、他車はエンジンやドア制御などをCANからは出来ないが、トヨタ車はやり放題だと。ま、ちょっとこれは違ってるのは以前に書いた事があるが、一般人に向けた説明だから仕方が無いか。しかし本来車を盗もうとするヤツの方が悪いわけで、車側で対策が必要になるというのが何とも。


最小回転半径(12/15)
◆ ミニの最小回転半径が大きく小回りが利かない件は以前にも書いた。5ドア版で5.5m、3ドアで5.1mである。3ドアはホイールベースが短いので常識的数字になる。横浜あたりで乗っていると最小回転半径が気になることは余り無いのだが、軽自動車の多い田舎だと軽自動車基準の駐車スペースみたいな所もあるので気を遣う。

◆ 国産車で最小回転半径が大きい車というとRAV4の5.7mがある。全長が4.6m位の車の割には取り回しが悪い。現行アルファードが5.9mだったかな、狭いところを走るには注意が必要だ。

◆ 輸入車ではBENZの最小回転半径が小さいことは以前にも書いたが、イギリス時代のジャガーは最小回転半径が大きかった。ジャガーは伝統的に大径タイヤを使う傾向があり、それが影響したものだと思う。今だとテスラの最小回転半径が大きく、モデル3で5.9mもある。モデルYでは6mを超えるので、ランドクルーザ(300で5.9m)よりも小回りは利かない。米国車は米国基準で作られているので、一般的に最小回転半径は大きい。何しろ向こうは広いのである。

◆ フェラーリは最小回転半径が公表されていない車種もあるが、F430は5.5mとなっている。全長が4.6m前後なので、多少大きいかなと言う程度だ。昔のフェラーリはそうでもなかったが最近のモデルは車幅感覚が掴みにくいと言われるので、最小回転半径以前に車線幅の狭い国道20号などイヤかも。

◆ ミニはステアリングのロックtoロックが2回転ちょっと、つまり片側に1回転するとストッパーに当たる。今はもうどこがリミットかに慣れたが、ジムニーから乗り換えた時はストッパーまでゴンと回すことが多かった。

◆ ジムニーはステアリングギアレシオが大きくて、ステアリングホイールを沢山回さなければいけなかった。テスラ各車もステアリングギアレシオは小さくて、ロックtoロックは2回転くらいだ。

◆ ステアリングギアボックスは、従来はリサキュレーティングボール(ボールナット)だった。これはギア比を大きく取れるとか、キックバックを伝えにくいとか、強度を上げやすいメリットがあった。反面バックラッシュが大きいとか取り付け位置が限定されるなどがデメリットとなる。

◆ 現在は殆どの車がラックアンドピニオンを使っている。パワーステアリング機構を使うことが普通になったので、速いギアを使えるしキックバックも気にすることはない。ラックアンドピニオンは小型で安価に製造出来る。ジムニーはリサキュレーティングボール式だが、キックバックや強度を考えてのことではないかと思う。

◆ リサキュレーティングボール式のステアリングギアはギアボックスの上にネジがあるのが普通で、そこを締め込むとバックラッシュを調整出来る。余り締め込むとバックラッシュは小さく出来るがステアリング操作が重くなる。調整としてはロックナットを緩めて中央のネジを締め込んでいき、抵抗を感じた所がバックラッシュほぼゼロになる。ここから調整ネジを10度程度戻してロックナットを締めれば良い。

◆ ラックアンドピニオンの場合は基本的にはバックラッシュが殆ど無い。設計段階でバックラッシュを設定することは出来るが、普通はバックラッシュは付けないのではないかな。更に極限までバックラッシュを減らす工業用の歯車では、ピニオン側をローラ構造としたトロコイドカムギアもある。


オートライト(12/14)
◆ 今の車は全てオートライト機能が付けられていて、基準も出来てきたので制御的な面でもばらつきは少なくなっている。年式やモデルにもよるが、制御というか操作はマチマチ(な時代があった?)で、BENZやBMWは年式によってはマニュアル操作でライトをOFFに出来ない。これって車検の時に困るんじゃないのかな、スピードメータテストってライト点灯で速度を知らせるようなやり方だったと思う。もしかしたらホーンで代用するような事が出来るのかも知れないけど。

◆ JB64やハスラーは25km/h以下ではハイビームに切り替えられなかったと思う。パッシング操作でハイビームを点灯することは出来るが、固定的にハイビームに出来ない。これで困るのが山道などを低速で走らざるを得ない時で、ここの山の中などは速度は出せないがロービームでは遠くを見渡せない。

◆ ハスラーに乗っている人が、ライトをオフに出来ないのが困ると言っていた。エンジンをかけるとライトが点灯してしまい、周りの家などを照らしてしまうと。これは操作で一時的にライトがオフに出来るはずだが、その方はその操作を知らなかったのだろう。

◆ アダプティブライト搭載車もあるが、制御がうまく行っている限りは便利なものである。対向車があれば、対向車がまぶしくないように光軸が調整される。ただし制御がうまく行かないと対向車も照らしてしまう。また対向車なり前行車の検出と制御のタイムラグがあるので、対向車からすると一瞬パッシングされたように感じる場合がある。

◆ 予測制御ではないのでこれはある程度仕方が無いことだし、対向車の有無の判別能力にも限界がある。日本のような曲がりくねった道路が多い環境では、必ずしも旨く働くとは限らない。

◆ アダプティブヘッドライトも単にハイビームとロービームを切り替えるだけのもの、左右のヘッドライトを独立してそれらを切り替えるもの、輸入車ではよく使われる、対向車や前向車の部分のみ照射しないようにするものがある。

◆ 日産のハイ・ロー切り替え式の動作動画があったが、切り替えるまでに1秒弱を要していた。対向車検出は対向車が結構近づかないと働かない感じで、人間の感覚とはちょっと違う感じだ。実際に運転している時、このあたりは山の中で暗いこともあり、ハイビームを使うことは良くある。カーブも多く、対向車のライトがガードレールや木々に映ったらロービームに切り替える。対向車も同じようにすれ違う前にロービームに切り替える車が多い。それはカーブで対向車を照らせば周囲との明るさの差が大きいので、よりまぶしく感じるからだ。

◆ こうした場面で制御に1秒を要したとすると、ロービームに切り替わった時には車同士がかなり接近している事になる。こうしたこともあって国産メーカのライト制御は輸入車に比較すると慎重なのかなとも思う。この動画の最初の場面がまさに対向車がコーナーの向こうからやってくるシーンで、対向車をモロに照らしてしまっている。

◆ 輸入車では停車中もライトの自動制御が行われるモデルがあるが、国産車だと25km/h〜30km/h以下ではハイビームに切り替えられない(アダプティブ機能が動作しない)ものが多い。車の機能も使い人次第なのだが、使いこなせない人が一定数いる。


車高を変えること(12/13)
◆ 昔は何でもかんでも車高を下げれば良いみたいな風潮があったが、今は車をいじる人が減った。勿論全くいないわけではなく、ワンボックスだろうがSUVだろうが車高が低いほど格好良いと信じて疑わない人はいる。

◆ 簡単に車高を下げるにはバネを切れば良い。バネは切るとバネレートが上がるので固い足も手に入る。ただ直巻ではないので切ると言っても限度がある。車高調整可能なものに変えてしまうのが一般的だと思うが、バネの耐荷重などに注意しないとバネがへたってだんだん車高が下がってくる。

◆ 車高は低い方が良くてバネは固い方が良い人の行き着く先はノーサスである。まあ実際にはサスペンションは付いているけれど、殆ど動かないようなヤツだ。過大なキャンバーを付けた車などもこの手で、サスペンションが動かないので段差を乗り越えられない。というよりも、サスペンションが動くとボディと地面が当たるとか、タイヤとフェンダーが当たっちゃうので駄目か。

◆ ジムニーなどは車高を上げる方向だ。ジムニーはノーマルでは余りサスペンションストロークがない。なのでほんの少しでも車高を上げると、その分をストロークに回せるので荒れ地でのグリップを稼ぐことが出来る。ただ重心が高くなるので不安定になる。

◆ 5cm以上車高を上げようと思うとラテラルロッドやリーディング/トレーリングアームやブレーキホースなど交換部品が増える。これらはキットものがあるのだが、パーツの破損リスクがある。

◆ 多くは中華ものを買ってきて売っているのだと思うが、強度が足りずに溶接部が剥がれてしまうとか曲がってしまうなどのトラブルがある。サスペンション系が壊れれば事故に直結なので、社外品を使う時は十分注意した方が良い。某有名ショップのアームの溶接部が外れるのは、その筋?では有名なことだったらしい。

◆ 車高を下げたりサスペンションを変えてサーキットを走る人は少ないし、車高を上げてクローズドなオフロードを攻める人も少ない。多くは見栄えのための改造だ。見栄えのためだとは言っても安全性は確保されるべきなので、パーツには注意したい。昔だったら余り怪しげなものは売られていなかったが、今は価格重視なら何でもアリである。

◆ マフラーを変える人も減った。街中で排気音を轟かせている車など、滅多に見なくなった。これにしたってプリウスが出始めの頃にはボーボー大音響を出して走るプリウスだっていたのだ。車を買ったらまずマフラーを変えるという、昔ながらのオッサンが乗っていたのかも。

◆ エンジンチューンとなると、今は殆どやる人がいないんじゃないかな。車を速くするのなら、元々速い車を買えばいい時代だ。勿論その車種にこだわりがある人はイジると思うが、車検などのことを考えると色々面倒だ。それこそ昔はチューニングショップが最低限元に戻し、知り合いの車検屋で通すなんて事もあった。

◆ ドリンクホルダーで車検が通らないという話もあった。室内に余計なものを付けるとエアバッグ作動時の安全性が確保出来ないからだとか。確かに取り付け場所によっては、ドリンクホルダーが吹っ飛んでくるかも知れない。しかしそんなことを言われたら、自動車用品店は本当に売るものがなくなってしまう。


進化してもシミーは起きる(12/12)
◆ JB64はいくつかのシミー対策が行われたが、それで完全にシミーが消えたかと言えばそうではない。JB23のように新車時からシミーに悩まされることはなくなったと言うが、ある程度距離を走ればシミーが起きることも多くなる。きっと対応に困っているディーラも多い事だろう。

◆ フロントがリジッドの車だとシミーは起きるので、ジムニーだけの問題ではない。ジムニーのシミーは様々な原因で起きるので対策が難しく、さらにはシミーが起きるとブッシュや結合部などがが傷んでくるので余計に対策が難しくなる。古いランドクルーザはプリロードが調整出来る。

◆ キングピンベアリングやナックルシールから始まってリーディングアームやラテラルロッド、ステアリングギアボックスで遊びを詰めたりスタビライザリンクを交換したり、苦労する人は相当な部分を交換している。それでも完全に直らない車がある訳で、何をどうすると直るという決定打がない。

◆ ステアリングダンパーは効くのだが、微動域での減衰量が高くないと効果が余り無い。取り付け部の剛性も必要なので、サスペンション用ダンパーの流用品では効果が低い。ナックルシールもシミー(ジャダー対策と謳われる)に効果があるものなどが売られているのだが、あの部分はステアリングを切れば摩擦が起きるのでやがて効果がなくなる。

◆ ナックル部分の塗装は意外にすぐに剥げてしまうようで、こうなると水が入りやすくなってキングピンベアリングが傷む。これも構造上仕方の無い所だ。なおJB23用のナックル部分の純正シールは対策品に変更されている。

◆ シミーが起きると普通の人は驚くはずだ。ハンドルが激しく振動して手がしびれるようになる。直進性が失われるわけではないので走行を続ける事は可能だが、振動で各部のネジが緩んだりホイールナットが緩んだり、ブッシュに亀裂が入るなどする。

◆ 広い道路を走っている時なら、左右にステアリングを切って横力を発生させるとシミーが止まる場合が多い。ただ止まっても再度ギャップを通過してサスペンションが動けば、また振動の嵐がやってくる。

◆ キングピンとキングピンベアリングの間にシムを挟んでプリロードをかければシミーは軽減される。共振のQを下げることで、共振のピークをなくす。ただ固くしすぎるとステアリングが重くなるし、キングピンやベアリングに対する負荷も大きくなる。

◆ 私は銅板を切ってシムを作ったが、銅やアルミや樹脂などの柔らかめのものが良いのではないだろうか。キングピンを取り付けて締め込んでいった時に、多少シムが変形すれば無理な力が加わりにくい。その反面時間が経つと摩擦係数が下がってきてしまうので、キングピンベアリングと共に年に1回交換するくらいの覚悟が必要だ。

◆ その車の状態やタイヤによっても異なるのだろうが、私の場合は60km/h〜80km/hでシミーが起き始めることが多かった。個人的には度々修理や調整をしなければならないのが嫌だった。最初にキングピンベアリングを交換した時は、これで二度とここに触ることはないだろうと思ったものだ。が、2年後にはキングピンベアリングを再交換しているわけで、グリスもちゃんと入っているのに何で錆びるんだよと思ったものだ。


ジムニーの進化(12/11)
◆ トラクション系での話を昨日書いたが、そのほかにも改善点は数多くある。その一つがシミー低減に向けた改良だ。このシミーは厄介なもので、フロントがリジッドアクスルのサスペンションでは仕方ないことでもあるのだが、ジムニーの場合はキングピンの摩擦力のプレロード調整が出来ないなどもあって対策が難しい。

◆ ナックル部分のシール性からかキングピンベアリングの寿命が短く、これによるシミーの発生もある。ベアリングがガタガタになってしまうのだが、この対策は難しい。キングピンにシムを入れてプレロードを調整するとシミーは減少する。私も銅板を切り抜いてシムを作り、枚数を調整してシミーを押さえ込んだ。

◆ JB64での改善点その1はステアリングダンパーの装着である。これはシミーが起きた場合に(前輪の角度変化が速いので)ダンパーによる減衰力に期待が出来る。シミーを起きにくくすると言うよりも、ある程度以上の振幅を持たないようにしていると言えば良いかもしれない。

◆ もう一つはラテラルロッドの取り付け位置や取り付け強度の強化だ。ラテラルロッドは長くしたいわけだが、JB64ではこれをあえて短くして取り付け部をリーディングアームの上にした。ラテラルロッドの剛性が不足すると位置決めが曖昧になってシミーが起きやすくなるので、その取り付け部をより剛性の高い部分にし、さらには上下動のポイントに合わせたわけだ。

◆ ラテラルロッド自体の剛性も改善されているようだし、ラテラルロッドの締め付けトルクも90Nmから160Nmに変わっている。ラテラルロッドのブッシュの寿命は数万kmと言うことなので、ジムニーのシミー対策で交換してみたら効果があったのかも知れない。ただし純正品はブッシュのみの交換は不可能なので、ロッドごと交換する必要がある。

◆ 耐久性を求めるのであれば社外品のラテラルロッドでウレタンブッシュ品とか、価格は高いがピロボールにすれば剛性が上がる。純正品はゴムブッシュなので、どうしてもねじれ方向の剛性が低い。ピロボールは剛性は高いが、やがてすり減ってガタが出る。

◆ リジッドアクスルなので位置決めがシッカリしているように思えるが、上下動を制限するラテラルロッドと前後方向を支持しているリーディングアームの動きには矛盾があるというか、サスペンションの上下動によってボディとサスペンションは弧を描くように動くので、リーディングアームには前後方向だけではなく横方向の力も加わる。

◆ リーディングアーム取り付け部は多少横に動ける構造なので、バウンド/リバウンドでサスペンションは横に動きながら上下にも動く。横方向に動こうとするとキャスタアングルによってタイヤの向きが動こうとする。こうした動きが共振する点が出来るとシミーになるようだ。

◆ この対策としてラテラルロッドの取り付け位置を変えたのだと思うが、これによってラテラルロッドの長さが短くなってしまった。ラテラルロッドの長さが短くなるとサスペンションの上下動に対する左右の動きは増大する方向になる。したがってラテラルロッドの長さは長ければ長い方が良い。

◆ ラテラルロッドが短いとサスペンションの上下動に対してステアリングホイールの動きが大きくなる。ジムニーでステアリングギアボックスの遊びをゼロにしたら、バウンド・リバウンドの度にステアリングホイールに回転方向のトルクが感じられるようになるのかも。


トラクションコントロール(12/10)
◆ BENZにはかなり以前からESP(ESCみたいなもの)が搭載されていた。1990年のSLには付いていたと思うが、それ以前は電子制御LSDだったはずだ。LSDの方がトラクション的には有利だが、慣れない人が乗るとスピンに陥る可能性が高くなるので廃止された。

◆ ESPは良く出来ていて、駆動輪の片輪をアイスバーンに乗せたとしても、アクセルを踏めば何事もなかったように発進出来る。唯一メータパネル内のESPインジケータが点灯するくらいだ。両輪がアイスバーンに乗っているとスリップしてしまう訳だが、エンジン出力の上昇が制限される。

◆ トヨタはクラウンかアリストにTRCだったかな、それが搭載された。動作的にはスリップした駆動輪にブレーキをかけるのだが、両輪がスリップする場合は駆動力がゼロになってしまうのでTRCのスイッチを切る必要があった。その後の改良で、両輪がスリップした場合でも駆動力が完全にゼロにならないようにされた。

◆ BMWは少し制御が違っていて通常は姿勢安定制御が行われるのだが、その状態で滑りやすい路上を走ろうとすると駆動力が十分にかからなくなる。そこでスイッチを切り替えてDSCからDTCモードにすると、空転しようとする駆動輪にブレーキをかける制御になる。

◆ 何故BENZのESP同様の処理が出来ないのかと思うのだが、国産車でもESCとブレーキLSDの切り替えになっている車が多い。JB64のジムニーも4L(ローギアードの4WDモード)にするとブレーキLSDが効くようになるとある。ただリアルタイムというかスリップすると即座にスリップした駆動輪にブレーキをかけるのではなく、ある程度空転が続いた場合に制御が行われるようだ。制御自体もかなり荒っぽかった(断続的にブレーキをかける感じ)が、3型くらいからは普通になった。

◆ このあたりは各車のチューニングの違いだと思うし、ジムニーはリアブレーキがドラムなので余り負荷を上げられない事情があるかも知れない。JB23ジムニーで傾斜のある坂道(前後方向の傾斜ではなく、左右方向)を上ろうとすると、傾斜の上側の前後2輪がスリップして駆動力が失われる。サスペンションがリジッドなので傾斜時のタイヤ接地面積が減るので仕方ない部分はある。片側の前後タイヤが空転するとLSDがないので駆動力は路面に伝わらない。

◆ JB64の場合は4Lに切り替えれば、片側が空転しても空転していない方のタイヤに駆動力が伝わるので、走行が可能になる。勿論メカニカルLSD程の効き目というのか自然さはないとは言われるが、一般の人が乗るには十分だ。

◆ 他の車種でもこうした機能が実装されているものがあり、スバルはXモードと呼んでいたかな。こうしたモードが効果を発揮すると言う事は、タイヤってヤツは静摩擦力がそこそこ大きいことになる。その割にJB23はABSが敏感すぎた気がする。静摩擦力に期待が出来るのであれば、ロック寸前まで(少なくともステアリングを直進状態にしているのであれば)摩擦力を使ってくれても良かったのに。

◆ このあたりもJB64では進化しているだろう。ESCが付いているのでGセンサやステアリング舵角センサもあるのかな?そうすればより綿密な制御が出来る。4WD車は各タイヤが連結されている状態であり、ABS制御と干渉するのでGセンサなどを持っていないと上手く制御が出来ない。極端な話、センターデフを持たない4WD車で、前後にLSDが入っていたら全輪の回転数は同じになってしまうので、回転センサだけによる制御が出来ない。


車の塗装(12/9)
◆ 車の耐用年数が長くなり、傷んだ塗装を塗り直して乗る人もいる。買い換えより高くなってしまいそうな気もするのだが、屋根やボンネットなどの部分塗装なら比較的安価らしい。

◆ 塗装品質というかやり方はピンキリで、もっとも安価な塗装は元の塗装を剥がさずに足付け(表面をザラザラにすること)を行ってその上から新しい色を塗る。全塗装の場合は各部マスキングのみを行い、外から見えない部分、ドアのヒンジなどは塗らない。こうした格安全塗装だと軽自動車で8万円位だそうだ。

◆ 部分塗装ならもっと安いのと、数時間で仕上げてしまうそうなので待っている間に塗装が完了する。色合わせなどが厳密に出来ないとか、オリジナル塗装部分よりも新しい感じが出てしまうので、屋根やボンネットはあえて色を変える方法もあるそうだ。

◆ 高品質塗装となるとボンネットやドアなどは全て外して個別に塗装する。ドアの下に隠れる部分やヒンジの部分も色が塗られる。基本的にガラスはいったん外すのでゴムパッキンだとかウエザーストリップなども交換になる。こうした塗装で50万円から70万円位かかるそうだ。

◆ 更にエンジンルームの中とかトランクの内側なども全て塗ると200万円〜300万円と価格が上がる。脱着する部分が多いので工数がかかるからで、フルレストアの場合を除いて需要は少ないという。

◆ 塗装屋さんの記事によると発色やツヤはメーカの塗装以上に出来るそうだ。このあたりも何層で塗るかとか、どの程度研磨するかによって品質と価格が変わる。ただし一般的な塗装の耐久性は、メーカの塗装に及ばないという所が多い。

◆ 塗料そのものの品質による紫外線での劣化度などが異なるからだそうで、海外メーカの純正同様の塗料を使えないことはないがコストが上がる。そういえば昔の水性塗料になる前も、純正塗料(或いはOEM)で塗るという塗装屋さんがあった。冬至の輸入車は国産塗料では色合いが同じにならないのがその理由だったとか。

◆ 昔々知人が缶スプレーで軽自動車を塗ったのだが、何かつや消しみたいになっていた。たぶんクリアを塗らなかったんじゃないのかな。あるいは自動車用の塗料ではない、普通の缶スプレーを使ったとか。今はDIYでもそこそこ綺麗に塗れるのは、スプレーのガス圧だとか塗料の粘度が上手くコントロールされているからだとか。ただ缶スプレーはコストパフォーマンスが悪いので、かなりの本数が必要になる。

◆ スプレーガンでエアコンプレッサ一体というかスプレー専用機みたいな機械もある。30万円くらいするそうだが、コンプレッサが不要だったりエアドライヤがいらないなど、手軽に使えるように出来ている。手軽と言っても価格が手ごろではないので、レンタルでもあれば使えると思うがそれ以外だと難しそうだ。

◆ 塗料をガンで塗る場合は塗料の粘度?シンナーの混ぜ方などに経験が必要だそうだ。缶スプレーのように調合済みの塗料ではないので、スプレーガンのノズルの噴射口のサイズとか噴射角?やエア圧に応じた調整が必要になる。塗料の粘度?を測るカップがあって、そこからの塗料の落下時間を目視して粘度を測るのだが、凄く微妙な?測りにくいというか分かりにくいものらしい。


オカルトグッズ(2)(12/8)
◆ 静電気と言えば昔はアレだった、タンクローリなどは車体から金属の鎖を垂らし、乗用車用にはワイヤー入りのゴムみたいなものが売られていた。あれはいつ頃からあって、いつ頃消えたのだろうか。

◆ タイヤメーカによると、タイヤの電気抵抗はさほど高いものではないらしい。タイヤのゴムにはカーボンが含まれているので、高絶縁と言う事ではないという。具体的抵抗値は分からなかったが、おおよそ1MΩ/cm程度だとのデータはあった。

◆ ただしシリカ配合のタイヤにおいてはカーボン含有率が下がるので1GΩ/cm程度になるのだとか。そこでタイヤメーカは部分的にカーボン含有率の高いゴムを使い、電気抵抗値が上がりすぎないようにしている。これに関してはタイヤメーカの特許があったと思う。タイヤの電気抵抗値が大きいと回転に伴う帯電と空中放電でノイズが発生するので、電気抵抗を高くしすぎない事が必要だそうだ。

◆ と言う事なので車体に帯電する電気量は限られたものになる。だったらトヨタのアレは何なのとなるのだが、まあいいか。アルミ箔の事は先日書いたが、静電気がらみと言う事で帯電防止ワッシャーとか、帯電防止アーシングとかもある。

◆ 帯電防止ワッシャーは何かというと、ワッシャーの一部が尖っている。これは航空機に付けられているスタティック・ディスチャージャー(尖った棒ですね)からヒントを得たとか何とかで、電気配線に帯電する静電気を効率的に逃がす事が出来るのだと。

◆ 電気配線しかもインピーダンスの低い電源ラインに静電気をため込む事も凄いが、尖ったワッシャーもなかなかのものである。だったら菊座金じゃダメなの?と言いたい所だが、たぶん見た目がダメなのだろう。ワッシャと言えばトヨタはハイテンションボルトを使わずに締結力を上げるワッシャも宣伝していたなぁ。

◆ トヨタのアレは静電気を逃がす事を目的としているわけだが、だったら静電気が起きないように帯電防止スプレーをかければ良いじゃないかという事で、帯電防止スプレーでボディコーティングすると走りが良くなるなんて言っている人もいる。と思ったら、これ、トヨタも販売している。その名も「TOYOTA GAZOORACING GRエアロスタビライジングボディコートVer2空力特性向上ボディコート」で、特許も出願されているのだとか。

◆ トヨタも中々やるじゃないか、オカルトグッズは儲かるのだ。この帯電防止剤は150mlで4千円位する超高級品だ。この帯電防止剤を使うと、エンジンが軽く回り、ハンドリングが良くなり、直進安定性が良くなり、風切り音が少なくなり、タイヤノイズも減って車室内が静かになるなんてレポートがある。

◆ 突っ込みどころ満載なのだが、帯電防止カローラ特別仕様車だそうだ。ボディーに溜まった静電気がステアリングを伝わってドライバーに伝わり、悪影響を及ぼすそうだ。そこでシートの一部に導電材を貼る事によって、その静電気をボディーに逃がすって、そもそも静電気の元はボディーから来るんじゃなかったのかな。エアフローの実験、気流がボディーから離れた方が空気抵抗は少なそうに見えるんだけど。

◆ 静電気を除去する事でそんなに大きな効果があるのなら、電費効率向上に躍起になるEVメーカがこぞって使う筈。え?ダメなの?特許があるから、効果は実証されていても使えないの?そうか、特許にはこんな効能もあるのか。


自転車と横断歩道(12/7)
◆ 横断歩道の歩行者妨害取り締まりは都内でも行われている。以前は余程酷いものでない限り取り締まりの対象にはならなかったが、今は厳格になっている。横断歩道前に歩行者がいる場合は、その歩行者は横断歩道を渡ろうとしていると見なされる。歩行者が立ち止まってスマートフォンを眺めているだけだったとしても、車両は一時停止しなければならない。

◆ ではこれが自転車だった場合はどうか。自転車を押して歩いている場合は見なし歩行者なので、車両は一時停止の義務がある。自転車を止めている場合、サドルから尻を浮かせていたり足を地面につけている場合も見なし歩行者になる。

◆ 走っている自転車の場合は軽車両なので、そもそも横断歩道を渡る事が出来ない。しかし自転車が横断歩道を渡っているとしても、歩行者ではなく軽車両だ。ただこうした場合でも車は一時停止をするわけで、車道を走るものが車ではなく自転車だったとしても一時停止義務があるとみられる場合が多い。

◆ 実際には横断歩道を走って渡っている自転車が法に反しているのだから、道路を走る自転車が優先とも考えられるのだが、まあ横断歩道は三葉葵の紋章みたいなものか。

◆ 横断歩道を走る自転車対車道を走る自転車のあり方に関しての解説動画もあるが、横断歩道にいるものが優先であるという認識を押しつけようとするものには反発のコメントが並ぶ。自転車が軽車両である事を解説者自身が認識していなかったり、或いは開設者が高齢者で昔の感覚を引きずっているようなものが見受けられる。

◆ 重要な事は、軽車両としての自転車は横断歩道を渡ってはいけないという事だ。軽車両として横断歩道を渡っている自転車も、例えば一時停止を怠った走行車線の自転車と衝突しそうになった瞬間に足を地面に着けば、瞬時に見なし歩行者に変身する。

◆ 道交法上の責任は曖昧かも知れないが、これによる賠償責任割合となると難しい問題が起きる。一般的には道交法に反する行為を行ったものの責任が重いので、横断歩道を渡り始めた走行中の自転車には違法性がある。しかしぶつかった瞬間に見なし歩行者になっているとすると、車道を走行中の自転車が道交法違反になる。

◆ こうした問題は電動キックボードにおいても同じだ。アレはもう少し厄介でハンドルバーの横に付いたLEDの色によって見なし歩行者か軽車両かが変わる。ちなみにアレは走行中には切り替えが出来ない仕組みじゃなかったかな。とは言っても一々そこまで見てはいられないので、葵の紋章を見たら徐行しておく事が大切だ。

◆ 私は安全性が確保しにくい、つまり街路樹があったり見通しの良くない横断歩道の手前では、ブレーキペダルの方に右足を移動させておく。ブレーキは踏まないが、踏もうと思えば右足に力を込めるだけで良い。これだけでも空走時間を数百ミリ秒は短縮出来るはずだ。

◆ これは以前からそうしていて、きっかけが何だったか忘れたのだが、誰かの話に頷いたか何かの本で空走時間を見たか、そんな事だったと思う。それが習慣になり、菱形マークを見たらブレーキ側に右足を移動しておくようになった。こうすれば徐行とまでは行かなくても、加速する事はないわけだし。


オカルトグッズ(12/6)
◆ 未だにアーシングなんてものがあるのが意外だが、アルミ箔も結構流行っていたりする。元はと言えばトヨタの特許なのかな、トヨタが言うのだから間違いはないとばかりに、ボディーやミラーやエアクリーナボックスだとか、カムカバーに も貼り付けちゃうと言うSEV顔負けなのである。

◆ トヨタの言うとおり効果は静電気を逃がす事らしい。アルミホイールにまで貼り付けちゃったりしてアルミホイールはアルミなんだから、そこにアルミ箔を貼ってどうなるんだと言いたいのだが、本人にしてみれば振動が減って加速が良くなり、乗り心地が改善するとなる。

◆ 静電気の影響でボディが汚れるから、それをアルミ箔で防ぐなんて言っている人もいる。雨が降るとボディに水垢が付くが、アルミ箔で静電気を逃がす事によって水垢が付きにくくなるとか。いや、雨の日は静電気自体が起きないというか、雨滴の抵抗で逃げるというか、うーん。

◆ アルミ箔に並んでスロットルスペーサなるものもある。スロットルバルブとサージタンクの間に入れる事で、トルクアップや加速力のアップ、燃費節約やレスポンス向上効果があるそうだ。こじつけ的理由としてスロットルスペーサを入れるとサージタンクの容量が増えるから、その分の効果があるとか何とか。まあ容積が増える事に違いは無いが1%とかその程度だと思うけど。

◆ アルミ板に穴を開けたものが数千円で売れるのだから、売る側としては効果を謳いたくなるだろう。オカルトグッズの効果は割高感に比例なので、安物では効果が無い。このあたりはオーディオグッズにも言える事で、構造や見た目が全く同じだったとしても1万円のものと5万円のものでは5万円のものの方が効果を感じる人の割合が多くなる。

◆ アルミ箔にしてもスペーサにしても害があるわけではないので、それを楽しみにしている人は付ければ良いとは思う。サージタンクの容量を拡大するのだったら、サブタンクでも付けたらもっと良くなるはずだ。なんて言うと、スペーサの厚みによって低回転域増強用と高回転レスポンス増強用に分かれているくらいだから、微妙な厚みの差が重要だなんて言われたりして。

◆ ちなみに吸気管長による慣性過給効果は、インテークマニホールドでは起きるがサージタンクではほほ起きない。マニホールドの途中に穴を開けて他の気筒のマニホールドとつなぐと効果がある。ただし特定の回転域や負荷域での作用になるので、途中にバルブでも入れて切り替えないとダメだ。このあたりを積極的にやっていたのが初代NSXやロータリエンジンである。

◆ 吸気共鳴だとか慣性過給もかなり研究されていたのだが、結局の所はそんなものを使わずにエンジンをチューニングした方が楽じゃないかとか、可変バルブタイミングで良いんじゃないのという事で消えていった。ただ効果が無いかと言えば決してそんな事はなく、同じエンジンで極限の性能を求めるのであれば、吸気管のチューニングは必要だ。

◆ デメリットはスペースを必要とする事や、構造が複雑になってコストが上がる事。常にフルスロットルで運転しているわけではないので、実運転領域でのメリットが少ない事か。カタログ上のトルクやパワー特性は変わるし、全開加速時には違いが分かるとしても、お金をかけたほどの効果は得られないわけだ。


後席の安全性(12/5)
◆ 後席の安全性評価の中で胸部や腹部に対する圧縮(人体の変形)強度がある。これはあくまでも評価されるだけであって、安全基準は存在しない。したがってこの性能にかかわらず車を販売する事が出来る。ただし昨今の安全志向もあり、各車共にさほど軽視はしていないのではないかと思う。

◆ なお米国のテストでは後席の安全委に対する評価が行われる事になり、輸出車においては何らかの改善が必要になる事は以前に書いた。後席の胸部圧迫を防ぐにはシートベルトのフォースリミッタ(ロードリミッタ)が手っ取り早い。勿論着座位置や着座姿勢、前席との間隙など様々なファクターがあるのだが、フォースリミッタによって人間が死なない程度にベルトの張力を制限する事は大切だ。

◆ 繰り返しになるが、フォースリミッタが付いているからといって安全かといえば、必ずしもそうとは言えない。ただしフォースリミッタの付いている車の評価の平均は、 これのない車の平均よりもポイントが高い。

◆ フォースリミッタは以前はヒューズベルトなどとも呼ばれて、ベルトの一部を弱く作る的な事も行われた。現在のフォースリミッタは巻き取り機構にトルク制限機構を設けるなどして、より正確なトルクを管理している。

◆ 当然ながら機構が増えれば価格が上がるので、軽自動車への実装が少ない。現在は増えている可能性があるが、2020年頃の軽自動車には余り採用車種がない。軽自動車の後席に人を乗せて長時間走る事は少ないとは思うが、フォースリミッタのないベルト機構を使った軽自動車の後部座席は、決して安全ではないと思っておいた方が良い。

◆ もう一つは3列シート車で、2列目シートにはフォースリミッタがあっても3列目シートにはこれが付けられていない車もある。おそらく諸元表などにフォースリミッタの有無は書かれていると思うので、気になる方は確認した方が良い。胸部変形の少ない車としてはトヨタのアクアやスバルのソルテラがある。アクアは良いがヤリスは余り良くない。これはシート形状だとかベルトの取り付け位置などの違いだろうか。

◆ 胸部圧迫以外にも腹部の圧迫がある。腰に掛けたベルトがずれ上がって腹部を圧迫する。これは小型車や軽自動車で起きる可能性が指摘されていて、評価テストで確認されたのはスズキのスイフトやスペーシア、日産キックスなどがある。

◆ 身長150cm以下の人間はチャイルドシートをとJAFが提唱している。これもシートベルトの位置が全身長の人間に対してベストではない事を表している。SLは肩ベルトの高さが調整できたが、本来は調整可能、いや一々調整はしないと思うので自動調整されるのがベストだ。後席に関してはシートベルトのみで体が支えられる事になるので、ベルトの役割は重要だ。

◆ エアバッグのない頃は後席の方が安全性が高いと言われていたが、今は必ずしもそうとは言えない。勿論衝突時の衝撃は事故によって様々なので、絶対という事はあり得ない。あくまでもテストの評価点は評価の結果であって、実際の安全性を示すものではない。

◆ ワンボックスカーは横から衝突されると横転するが、相手が軽自動車だと横転しない場合がある。小型車に衝突されると横転する可能性が高い。だからといって、衝突してきた相手によって車の向きが変えられるかと言えば、それは無理かも知れない。しかし自分の車がどの方向からの衝撃に弱いのかを知っておけば衝撃の軽減にはつながる。


歩行者保護エアバッグ(12/4)
◆ スバルは歩行者保護エアバッグを使う。これは歩行者と衝突した時に、歩行者がボンネットやフロントガラスに激突する事になるが、この時の衝撃を軽減する仕組みだ。ではこれがないとダメなのかと言えばそんな事はなくて、5段階テストの評価5を取る車は沢山ある。それでも衝撃を少なくするに越した事はなく、スバルはあえてお金のかかるエアバッグを装備したわけだ。

◆ ボンネットをリフトさせて衝撃を吸収しようとする仕組みはBMWが一部車種で採用している。リフトさせる事によって変形量を増大させる事が出来る。リフト機構の剛性によっては衝撃吸収力を高める事も出来る。

◆ しかしモータなどでリフトを行うには、かなりのパワーが必要だ。エアバッグのように瞬時に作動しないと衝撃吸収が間に合わなくなる。難しい機構による歩行者保護システムよりはエアバッグの方が簡単で効果的だという見解もあり、スバルやボルボはエアバッグ方式を採っている。

◆ 新型アルファードはこの歩行者保護評価が低い。従来は評価4か5を取っていた(当初は3だったが改良して評価を上げた)が、新型の評価は3に留まる。これはフロントガラスが衝撃で割れなかったからだ。トヨタの社内テストでは十分だと判断されたのだろうが、第三者機関によるテストでは不十分となった。

◆ ワンボックスはボンネット部分が短いので、安全設計は大変だと思う。ボンネットの付け根付近は特に変形量が少ないので、そこに頭部が激突すると大きなダメージを受ける。新型アルファードはRAV4やハリアーと同じシャーシの筈なので、ボンネットを長くする事は勿論可能だが、それでは"らしさ"が失われる。トヨタはボンネットを高くする事が、迫力あるスタイルにつながると言っている。

◆ 軽自動車のワンボックスタイプは、クラッシャブルゾーンの短さが問題になる。おそらくボンネット型2BOX車よりも10cmくらいクラッシャブルエリアが短いのではないだろうか。一方でアルファードはRAV4と同様のシャーシなので、ボンネットは短いがボンネット先端からエンジン搭載位置までの長さはRAV4同様であり、クラッシャブルスペースは確保出来ていると考えられる。

◆ RAV4はAピラーの付け根が前輪後方にあるが、ワンボックスはそれが前輪前方に移動しているだけだと考えれば良い。つまり乗員の乗車位置はアルファードもRAV4も余り変わらない(全く同じというわけではない)。ただし全てのワンボックスが同様かと言えばそうではなく、プリウスとシャーシを共用するボクシーでは又違ってくる。

◆ 軽自動車はフルラップ衝突試験の評価が下がるものが多いが、日産サクラは評価5を獲得している。同様にデイズも評価5であり、小型車でも評価5が得られていない車が少なくない(ヤリスなど)中で、立派な所だと思う。もしかするとエンジンに比較してコンパクトなモータは、クラッシャブルゾーン拡大に寄与したのかも知れない。

◆ ワンボックスカーでは着座位置が高く、椅子に座ったような(背もたれを立てたような)乗車スタイルになるが、これは衝突時に乗員が前方に移動しやすくなる。乗員が前方に移動するとシートベルトが腰方向に移動し、胸部損傷が大きくなる。そこで(たぶんトヨタ初)ロッキングタングを使って、シートベルトを規制し、胸部圧迫率を下げている。ただしこれは運転席側だけで、助手席側には付けられていない。


燃料フィルタ(12/3)
◆ ガソリンエンジン車の燃料フィルタは、今は余り汚れなくなった。ディーゼル排ガス規制以前は数万km走行で結構汚れて、高負荷時に燃圧が下がるなどのトラブルが出る事があった。燃料フィルタが詰まると燃圧が下がり、ノッキングが出たりした。外した燃料フィルタを分解してみた事があるのだが、ススで真っ黒になっていた。

◆ ディーゼル排ガス規制後は汚れも少なくなり、ガソリン車の燃料フィルタは一応10万kmが交換目安と言われてはいる。ジムニーは(たぶん)無交換で20万km以上走ったが、本来は交換時期に達していた。走行するエリアなどにもよるが、都市部を走る事が多い人は10万kmくらいで交換した方が良いとは思う。

◆ ディーゼル煤煙の影響はポーレンフィルタの汚れも同様で、ディーゼル排ガス規制前は半年ほどで真っ黒になり風量が落ちてしまった。ディーゼル煤煙がいかに酷かったかで、しかし国はこれを規制出来なかった。なぜなら自動車メーカからの強い反発があったからで、例によってトヨタなどは規制は達成出来ない、そんなエンジンは作れないと規制強化に反発した。

◆ 当時の石原都知事は、国が出来ないのなら東京都がやると声を上げ、東京近郊各県がそれに同調した。高公害ディーゼルエンジン車が東京近郊で登録出来なくなり、国も動かざるを得なくなった。

◆ こうした事もあって欧州より排ガス規制強化が遅れ、日本のディーゼルエンジン市場は取り残される事になるが、マツダがクリンディーゼルを開発した事で、乗用車用ディーゼルエンジンにも復活の兆しが見えたという流れである。

◆ クリンディーゼル時代になった現在でも、排ガスはガソリン車より汚い。自らPMを排出するディーゼルエンジン車なので、当然それを自ら吸い込み燃料フィルタも汚れる。燃料を消費した分だけ大気がタンク内に入り、その量であってもPMが燃料フィルタを汚す。

◆ ディーゼル車の燃料フィルタは定期交換部品で商用車では1年ごと、乗用車でも数万kmごとの交換が指定されている。定期交換部品なので比較的外しやすい場所に外しやすい構造(オイルフィルタみたいな感じ)で取り付けられている。

◆ マツダディーゼル車のオイルフィルタを割った写真があったが、2万kmでは未だ濾紙の色が見え、10万kmでは真っ黒だった。燃料フィルタが詰まると燃料供給量が低下し、パワーダウンなどの症状が現れる。ガソリン車との場合は燃料過小は排気温度の上昇などをもたらすが、ディーゼルの場合はパワーが落ちる程度だ。

◆ ガソリン車の燃料フィルタは床下かガソリンタンク内にあり、交換は少し面倒である。ディーゼル車の燃料フィルタはエンジンルーム内にあるものが多く、交換費用(フィルタ代+工賃)で1〜2万円だ。ガソリン車の場合はフィルタは安いのだが工賃が高くなりがちなのと、燃料フィルタ交換時は(インタンクフィルタの場合は)燃料が満タンだと(燃料が溢れやすいので)整備がしにくくなる。

◆ ここは山の中なのでポーレンフィルタもエアクリーナエレメントも余り汚れない。虫のカスとか砂埃は多少付くが、PMは付かない。都市部だと汚れ方も違ってくる訳で、一概に○万kmごとに交換とは言えない。そうは言っても交換目安は必要なので各メーカが指定している。


オートライトの感度(12/2)
◆ 今の車には全てオートライト機能が付いている。周囲の明るさの変化を検出して、暗くなったらライトを点灯する。しかし意外にこれに対する不満が多くて、点灯が早すぎるとか逆に遅すぎるなどその人の感性?に合っていない。

◆ ミニにもオートライト機能があり、センサ交換前はやたら感度が高かった。これに関しては海外のフォーラムなどでも語られていて、夕日が当たっているのに何故点灯するのか、調整は出来ないのかと議論されている。

◆ センサ交換後は適切と思われる感度になった。設定上はもっとも鈍感にセットされている(デフォルト)ので、もう少し感度を上げる事は出来る。個人的にはもう少し感度が良い(明るくても点灯する)状態でも良いのかなとは思うが、周囲の車を見ればまあ平均的かなとも。

◆ ミニの場合は絶対光量だけではなくいくつかのセンサで異なる波長を見ているか、或いは光量変化の微分値も見ている感じがする。センサ自体には太陽電池版のようなものがいくつかと、フォトトランジスタのようなものが見える。

◆ 雨天時ライトが無条件に点灯するようで、これは諸外国での法に基づいた設定だそうだ。これは日本風ではないなとは思うのだが、最近の国産車ではワイパーと連動でヘッドライトが点灯するようになったそうだ。雨天の状態はワイパーの動作で検出している。

◆ 軽自動車ではダッシュボード上にセンサのある車があり、陽の差し方で動作の具合が変わるとか人工照明が丁度センサの場所に当たると消えてしまうとか、色々ある。このあたりはセンサの場所やセンサをいくつ使うかなどの問題もあり、コストの厳しい車では致し方ない所だ。

◆ 制御上では暖気時に点灯して欲しくないと北国の人が言っていた。北国ではガラスの凍結などを解かすのにリモコンでエンジンをスタートさせて暖気を行うそうだが、朝早い時など周囲が暗いとライトが点灯してしまい、燐家に迷惑だというのがその理由だ。車種によってはリモコンでエンジンを始動した場合は、ライトが点灯しない制御のものもある。

◆ オートライトの感度を上げるには、センサにスモークフィルムを貼れば良い。感度を下げる方向は難しいのだが、センサのカバーの透過率を上げるような交換パーツがサードパーティから販売されている車種もある。たかがプラスチックのカバーが数千円と良いお値段なのだが、型を作るコストを考えれば仕方が無いか。簡単にやるには純正のカバー(多くは赤外線遮断樹脂で出来ている)に穴を開けて、透明なプラスチックを貼ってしまえば良い。

◆ プラスチック板を貼ったりサードパーティのカバーに交換すると、赤外線域の感度が出てしまうので、赤外線による誤動作は増える。オートライトの感度には基準があり、1000ルクスが閾値になっている筈だ。しかしセンサの位置などの問題があるので、全ての車が揃って反応するわけではない。

◆ 反応時間や消灯までの時間も様々で、木陰に入る度に付いたり消えたりを繰り返す車もある。ミニはセンサ交換前は1度点灯すると2分間も消えなかった(ハロゲンランプ・HID対応のため)のだが、センサ交換後はこれが6秒に短縮された。なおセンサデバイスはCAN直結型のワンチップデバイスで、外部調整は出来なかった。


雪道は面白いか?(12/1)
◆ ジムニーなどクロカン4WDなどと呼ばれる車は車高が高いので雪道を走りやすい。雪道を走るためにはタイヤのグリップ力だけではなく、いわゆるカメにならないための車高が必要だ。勿論ジムニーだって車高は有限なので限界はあるが、他の4WD車に比較するとホイールベースが短くトレッドが狭いので、凹凸に対して強い。

◆ また軽自動車としては異例に重いとは言っても1t位なので、太いタイヤを履けばタイヤの面圧が下がるので雪に埋もれにくくなる。車重のある車だと雪を踏み潰す割合が大きくなり、結果としてタイヤの位置が下がって雪面との距離が失われる。ジムニーだと積もった雪の上を走るみたいな感じになるので、カメになりにくいわけだ。

◆ 普通の車というの何が普通かと言われそうだが、スズキのスイフトなどで雪道を攻める人もいる。スイフトは最低地上高が12cmしかないので、圧雪路以外を走行するのは厳しいし、マニュアルトランスミッション車は4WD設定がないそうで、あえてFFのマニュアルトランスミッション車で山道を登っている人もいる。

◆ 大雪警報が出ると雪を求めて走りに行くと言うのだから、夜な夜な峠を攻めに行くドリフト族と感覚的には同じようなものか。FF車だとジムニーなどよりも限界が低いので、危険な場所に立ち入らない分だけ安全なのかも。ジムニー乗りの雪山アタックにはすさまじいものがある。

◆ 横浜に行って帰ってきたら雪が降っていた事が何度かあった。箱根の峠に除雪車が出ている事もあったし、伊豆スカイラインがチェーン規制になっている事もあった。その時はジムニーに乗っていたので、特に不安は感じなかった。チェーンも携行していたので、ダメならチェーンを使えば良いかなと。

◆ 唯一ヤバいなと思ったのは、伊豆スカイラインから脇道に入る所だった。伊豆スカイラインの道路脇には除雪されたと思われる雪が溜まっていて、そこを乗り越えなければいけない。乗り越えられずにカメになったら抜け出せなくなる。車から降りて路肩に寄せられた雪を蹴飛ばしてみると、さほど固くはない感じだった。で、少し勢いを付けてそこを突破した。

◆ これはジムニーだから出来た事であって、ミニで同じ事をしたらバンパー下部がぶっ壊れるかも。スコップで道を作ってから脇道に入らなくてはいけない。ジムニーの時も折りたたみのスコップは積んでいたし、今もミニには積んでいる。泥に埋まってしまった時など、スコップがあれば多少は役に立つかなと思って。

◆ 好んで雪道を走りたいとは思わないが、どのくらい雪道を走れるかは試しておきたい。冬になって富士山の方に行けば積雪路はあるだろうから、車が通って雪が踏み固められているような雪道で試してみるのが良いかも。坂道もどのくらいまでなら登れるのかも知っておきたい。

◆ 坂道がダメだと箱根峠や熱海峠が駄目になるので不安が増す。箱根は除雪されるので大丈夫かも知れないが、熱海の上の方はそもそも車が余り通らない所なので除雪もされない。

◆ 北海道に住む人は、余程の理由が無い限りは4WD車に乗るそうだ。太平洋側だと雪の降る日自体が少ないので4WD車は余り無い。でも横浜に出かけた時に限って帰ってきたら雪だったとか、マーフィーの法則(古いか)みたいな事が起きるのだ。