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過去の雑記置き場


ディーゼルは悪者なのか?(9/1)
Youtube雑感(9/2)
AZのエンジンオイル(9/3)
エアバッグの形状は重要(9/4)
ロボット掃除機(9/5)
好きな芸能人みたいな…(9/6)
アイディアだけがあれば良い(9/7)
トランスミッション(9/8)
中華部品の闇(9/9)
後席中央は危険なのか?(9/10)
エネルギ密度より安全性?(9/11)
水平対向6気筒エンジン(9/12)
ウォッシャ液(9/13)
エンジンオイルと塩基価の話(9/14)
工賃はどのくらいなのか?(9/15)
偽広告氾濫(9/16)
ミニ四駆(9/17)
日本でも始まっているMPDB試験(9/18)
EVが安い(9/19)
山の夏は短い(9/20)
マンネリ化は避けられない?(9/21)
不調の原因は何なのか?(9/22)
整備士が燃料系を疑った理由(9/23)
インチキ動画(9/24)
電気?化学系?インチキ動画(9/25)
オリジナルにこだわるか否か(9/26)
エンジンの失火はどうやって検出するのか?(9/27)
SLLCに性能差はあるのか?(9/28)
液状ガスケット(9/29)
ゴルフ場と芝の関係(9/30)


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ゴルフ場と芝の関係(9/30)
◆ 近くにあるゴルフ場がメガソーラー他事業者に買収され、ゴルフ場としての管理がされなくなった。メガソーラー事業者は各地で問題を起こし、裁判なども行われているからなのか?この場所での事業は凍結状態となっている。ゴルフ場の会員権所有者もメガソーラー事業者を訴えるなどしている。

◆ ゴルフ場が閉鎖されてしばらくは芝が育っていたが、今は草に覆われている。ゴルフ場の事業者は除草剤は使っていない風な事を言っていたと思うのだが、たぶんウソだ。除草剤なしに雑草を抑制するのは不可能に近く、更には芝の管理が行われなくなった事で芝自体も減少し始めたのだと思う。

◆ 現実的にゴルフ場が復活する事はないにしても、いったん荒れたところにまた芝を生やすのは相当大変だ。これは荒れた農地を復旧させるのが大変なのと同じで、相当なコストがかかる。ゴルフ場では復旧させるとすると億円単位の金額になると試算したようで、メガソーラー事業者への賠償請求額が大きくなる。

◆ 宮城県のメガソーラーも同じ事業者で、元は地上げ屋だそうだ。ゴルフ場にカネを貸し付けて、返済が滞った事を理由に担保である土地を手に入れる。元々経営状態の悪いゴルフ場にカネを貸し付けるのだから、返済が滞るのは当たり前だ。メガソーラー事業者はカネを貸し付けた時点でソーラー発電所の開発計画を出しているとかで、乗っ取りが目的なのは明らかだ。

◆ 近くのゴルフ場がどうなるのかは分からないが、現時点では未だ人が立ち入れる程度の草の量というか草の高さだ。年を追うごとに背の高い草が増えているので、何年かすると一面が草に覆われるだろう。

◆ ウチの方にも生えているのだがツル系の草は木を枯らしてしまう。木に巻き付きながら繁殖し、木の上の方まで育っていく。一番上まで行くとそこで広がったように増えるので、巻き付かれた木が日陰になる。このツル状の草は冬に枯れるのだが、春になるとその茎からまた葉が出るので根は枯れていない訳だ。ツルも年々太く成長して、手では簡単にちぎれないようなものになる。

◆ ツル同士が巻き付いて太くなっているものもあり、巻き付く事で自立性を得ている。この雑草の種類はよく分からないが、ヘクソカズラ系は色々な葉の形状があるそうだが、左巻きに巻き付くらしいので今度観察してみようと思う。

◆ ヤブカラシという草は、繁殖力が旺盛で藪を枯らしてしまうからこの名なのだとか。道路の反対側にある壊れかけの家にもツル系の草がだいぶ増えてきている。ツル系の草が壁面にくっつくと水分が保持される事、途中から根?が生えて壁面を覆うなどで家が傷むそうだ。壁面に強固に張り付いた草を取るのは大変で、根元を切って枯れた状態にしても木化したツルというか茎は強度を保つ。

◆ 元ゴルフ場でもこうしたツル系が繁殖していると思う。ゴルフ場の駐車場もアスファルトの隙 間から出てきた雑草が結構育っている。今のところは車で踏み潰せる程度だが、草で覆われてしまうのは時間の問題だ。既に草だらけになっている場所があるのだが、地面は舗装の痕があった。元々何かががあったか?駐車場だったのかも知れないが、今は一面草地になっている。

◆ ススキみたいなヤツも冬には枯れるが、春にはまたそこから芽が出てきて育つ。これは別荘地内にも沢山あるのだが、茎が太いのでワイヤー式の刈払機では中々切れない。


液状ガスケット(9/29)
◆ 古い輸入車は特に、オイルや水が漏れる事が良くある。新車だから大丈夫とは言えなかったのが当時のもので、ガスケットの材質だとか面精度だとか設計の問題だったのかも知れない。イタリア車の配線類に関しても昔はトラブルが多く、配線を引き直して修理というか修正を行う事が普通にあった。

◆ 設計的に大丈夫なの?みたいなものもあって、フェラーリの一部のエンジンはシリンダライナのシールがヘッドガスケットで行われている。シリンダブロックの上からライナを入れる構造だが、シリンダブロックとライナの間の上面部分にはシールがない。ライナは圧入するのではなくスポッと入れる。上面のシールはヘッドガスケットに任されている。ライナの底部はOリングでシールされているが、これはその部分の温度が上がらないからゴムシールが使える訳だ。

◆ ライナの外側は冷却水で満たされていて、シールがなくて大丈夫かなと思うのだが実際にはダメみたいで、冷却水漏れのトラブルが多いそうだ。そこでオーバホール時にはライナとブロックの隙間に耐熱性液状ガスケットを塗るという。

◆ 空冷時代のポルシェのエンジンも油路にガスケットが入れられていなくてアルミ部品の面精度だけでシールされているところがあるが、オイルが漏れてもシリンダブロック内に落ちる部分なので良いのかな。クランクシールなどのシール部分もオイル漏れの定番で、クランクシールに液状ガスケットを塗ってから組み付け、さらにシールを組み付けた上にも液状ガスケットを塗ったりする。

◆ 国産車でも古い車だとATのオイルパン装着時に、規定のガスケットに液状ガスケットを塗ってから貼り付ける場合がある。通常は液状ガスケットは使わない(整備書に液状ガスケットは使うなと書かれている車もある)が、それでは漏れる心配があるので液状ガスケットを塗る。まあ塗っても良いとは思うし、何度ガスケットを交換しても漏れが直らない場合は仕方がない。液状ガスケットはATFに耐性のあるものを使わないと耐久性がなくなってしまう。

◆ エンジンのオイルパンは液状ガスケットだけでシールされているものが多い。普通の自動車用液状ガスケットはエンジンオイルに耐性がある(ATFや冷却水はダメ)ので、メーカ指定のものを使えば間違いはない。(建築などに使う)シリコンシーラントを使った実験があったが、耐久性がなく、やがてオイルが漏れ出したそうだ。

◆ アルミ製のオイルパンだと接合面が機械加工されているので面精度が高いが、鉄のプレスものの場合は小さな歪みを液状ガスケットの厚さで塞いでいく感じになり、液状ガスケット自体への負担が大きいのかも。

◆ カムカバーが樹脂製の車が増えていて、オイル漏れがしやすいとか。ゴムでシールされているのだが、アルミ製のカムカバーのような密着圧が確保できないのと、樹脂製カバー自体の変形があってオイルが漏れる。カムカバーはそこそこの価格なので、カムカバーを交換せずに液状ガスケットを塗って漏れを止めるみたいなやり方もあるが長持ちはしない。

◆ 指定外の箇所に液状ガスケットを塗る時に、非硬化型の方が長持ちすると書いている整備工場の記事があった。古い輸入車などの修理では非硬化型液状ガスケットを使うとの事だ。非硬化型液状ガスケットは本当に固まらない、と言うか非硬化型なので当たり前なのだが、年数が経ってもネバネバ感が失われないのが凄い。


SLLCに性能差はあるのか?(9/28)
◆ ジムニーは水温が上昇気味だった。普通に走っているときには全く気にならないが、山道では水温が上がる。家に戻ってくる山道は結構急な坂なので、2速全開で登ってくるような感じになる。それでも速度が出ないので低速高負荷運転が続き、徐々に水温が上がってくる。

◆ 海水を積んで天城の峠を越えるときも、場合によっては冷房を切らないと水温上昇が防げない状況にもなった。そこで電動ファンを増設したわけだが、これは効果があった。水温上昇が穏やかになるのは勿論、冷房能力の向上にも寄与した。

◆ LLCによる冷却能力の差は余りないだろうと思い込んでいたので、LLCを変更してみる事はしなかった。しかしいくつかのSLLCを比較しているものがあり、意外に性能差がある事が分かった。性能差は凍結温度の違いもあり、これがLLCの性能そのものという感じなのだが、高温側における性能にも違いがある。

◆ 例えばEVANCEWATERLESSは200℃近くまで温度を上げても沸騰しない。熱伝導率は真水とさほど違いはないのだが、沸点が高いので水温が上昇しても(気泡による)冷却能力の低下を防ぐ事が出来る。一般的なLLCが105℃〜110℃で沸騰するのに比較すると大きな違いがある。

◆ EVANCE WATERLESSは水温の上昇を許容する方向だが、水温そのものを上げないようにする、つまり熱伝導率を上げた製品もある。VR RACINGのSTAY FLOSTY RACE READYはEVANCE WATERLESSより10℃近く水温が下がったとする実験結果があった。ただし冷却系の容量や水量は各車両によって異なるので、定量的な比較は難しい。

◆ 沸点が高くて熱伝導率の良い液体が良いのだが、両立は難しいという事か。実際に使う事を考えると沸点が高いものよりも熱伝導性の良いものの方が、ダイレクトに水温上昇が防げるので安心度が高い感じがする。例えばこれをジムニーに入れるとどうなるのかなど、実際にテストが出来れば良かった。

◆ ミニの場合は山道を普通に走ってこられるので、当然ながら水温も上がらない。平地を走っているときよりは回転数が上がる(低いギアにシフトされる)のは負荷が増えるので当たり前なのだが、それでも3千回転を超えるような事は殆どない。

◆ ジムニーは車重があるので軽自動車規格のエンジンでは厳しいものがあると言える。低速高負荷運転なのでインタークーラに当たる風も少なく、吸入空気温度は70℃を超えた。吸入空気温度が下がるのは少なくとも50km/h程度の速度が必要で、それ以下の速度ではインタークーラは余り機能しない。

◆ エンジンルーム内はラジエータファンからの風で加圧されている訳だし、高温の空気は上に行くのだから仕方がない。停車時はインタークーラの空気取り入れ口から、熱い空気が出てくる。インタークーラ上部に薄型のファンを付けて強制空冷する改造があるが、これは効果があると思う。

◆ 吸入空気温度が上がるとノッキング防止のために水温を下げたくなる訳だが、実際には水温も上がっているので燃料を濃くするとか点火時期を遅らせる方向になる。吸入空気温度の上昇やこれらの制御によってエンジン出力は低下する方向なので、より負荷のかかった運転をする事になって悪循環になる。JB64は前置きでJB23より大型のインタークーラが付けられている。


エンジンの失火はどうやって検出するのか?(9/27)
◆ 最近のエンジンは自己診断で故障箇所がかなり分かるようになっている。その中でエンジンの失火を検出する仕組みがあるのだが、これはどうやっているのか。検出方法としては大きく2種類ある。

◆ 一つは点火プラグのイオン電流を検出する方法で、これにはイオン電流を計測するためのハードウエアが必要になる。ただ燃焼状態を観測する事が出来るので、燃焼状態を見ながら燃料制御などをコントロールする用途でも使われる。これはダイハツの軽自動車用エンジンで使用されていて、燃料消費量の低減や排ガスの正常化に有効だ。

◆ イオン電流検出方式は燃焼状態そのものが観測できるので、ミスファイアの検出精度に優れている。ただし専用のハードウエアが必要なのでコストがかかる。タイヤの空気圧低下を監視する方法に、タイヤの回転数を検出するものとタイヤ内圧を測定するものが逢うが、イオン電流検出方式はタイヤの内圧をダイレクトに測定しているようなものになる。

◆ 排ガス対策上のメリットとして、HCの増加を早期に検出出来るので、燃焼状態の適正化を行う事が出来る。こうする事によって触媒など後処理装置の負荷が軽くなり、ダイハツは触媒の小型化(貴金属使用量の低減)が出来たと言っている。え?それでダイハツの触媒は壊れやすいの?なんて言ったらいけないのだろうけど。

◆ イオン電流を検出するとノッキングだとか燃焼速度も推定する事が出来る。ノッキングとは本来燃焼が始まらない時点で燃料が燃えるので、イオン電流が増加する。イオン電流は燃焼時の平均燃焼圧力と相関があるので、燃焼速度を判定する事が出来る。これは燃料の濃さや点火時期に対する燃焼状態の推定に使われて、ノッキングが起きたら点火時期を遅らせれば良いと言うものじゃない、的な制御で燃費向上を狙う事が出来る(何でもかんでも遅角させると燃費が悪化する)。

◆ もう一つはパンク検出においてタイヤの回転数を検出するような、結果を見て原因を推定するものになる。具体的にはエンジンの回転数の変動を見ている。爆発工程ではエンジン回転数の微分値が大きくなる、つまり瞬時値が上がるというか回転加速度がプラスになるわけだが、失火するとクランクシャフトにエネルギが伝わらないのでそれが起きない。

◆ この方法は全ての状況で失火が検出できるわけではなく、例えば爆発圧力が大きくない状況、低負荷走行時だとかエンジンブレーキをかけている場合は精度が悪化する。しかしアイドリング時だとか中負荷以上であれば回転数の変動が大きくなるので精度良く検出できる。

◆ マルチシリンダとなると回転数変動自体が少なくなるので、回転数変動による計測精度が落ちる。このあたりは色々特許もあって、遅延検出(1回転とか2回転前の状況と比較してノイズを除去していく)とか、ノックセンサの信号併用とか、各社色々やっている。

◆ ノックセンサにも種類があるのだが、ようするにエンジンの燃焼音を"聞いている"訳なので、音で判断するみたいなものだ。爆発工程で燃焼が起きればそれなりの音がするけれど、そうでない場合は燃焼音(振動)が少ない。ノッキングセンサは数KHzの応答速度があるので、エンジン各気筒の燃焼音を"聞き分けられる"分解能があると言える。


オリジナルにこだわるか否か(9/26)
◆ 古い車を直しながら乗っている、と言っても20年位前の車なのだが、修理などでオリジナル部品を探す人と非オリジナルで直す人がいる。これは内装パーツの話で、オリジナルにこだわる人は中古パーツなどを探して交換する。勿論新品部品があれば良いのだが、価格が高かったり入手難の場合もある。

◆ プラスチックの品質というか材質にもよるとは思うのだが、ベタベタになったり印刷が剥げてしまったりしたものを塗装したり張り物をしたりして直す人もいる。私は塗装とか張り物とかが極めて苦手なので、部品にもよるとは思うが純正品や互換品を探すかな。

◆ インパネなどもヒビが入ったりベタベタになったり、貼られているものが剥がれてくるものもある。器用な人というか器用でない人でもやる気のある人は、そこにビニールレザーみたいなものを貼って直す。

◆ ちゃんとした貼り付け機があれば(私でも)出来そうだが、曲面に何かを貼るなんてかなり勇気が要る。貼り付け機は伸縮性の素材をバキュームで引きながら伸ばして曲面に合わせて行くような仕組みだ。ダッシュボード用の素材は伸縮性が高く出来ていて、均一に引っ張ると綺麗に張れるようになっている。ただしそれを手で引っ張って貼ろうとすると、均一に引っ張れないので綺麗にならない。

◆ インパネの穴の空いた部分、例えばオーディオやスイッチパネルの所などはかなり難易度が高い。貼り付けるものの厚みが違うと隙間が空いたり、嵌まらなくなってしまう。

◆ 専用とまでは謳われていないが、伸縮性のあるアルカンターラなどは上手く貼れば見栄えが良い。糊付きのものは手軽ではあるが、一度貼ると剥がしにくいので失敗できない。接着剤を塗ってから貼るタイプだと、遅乾性の接着剤が使える。ただしダッシュボードがプラスチックなので、接着力が余り強くない場合がある。そうすると引っ張った部分がずれたり、端の部分がめくれてしまう。

◆ ダッシュボードやインパネにビニルレザーみたいなものを貼る動画もあるが、綺麗にやるには結構テクニックが必要だなと思った。というより綺麗に張れる人は凄いなと。動画によっては何も張らない方が良かったんじゃないのかなと思うような、と言ったら失礼なのだが、そんな感じのものもあった。

◆ 器用な人はシート地の張り替えとか、縫製までやってのけるのだから凄い。ダッシュボードやシートに比較したら、ステアリングに革を巻き直すのは簡単だ。それ用に出来ているモノならそのまま付ければ良いのだから、これはDIYの範囲で出来ると言える。

◆ オリジナルはプラスチック製だけれど、そこにフェイクレザーを貼る人もいる。センターコンソールなら未だ曲面は少ないが、ドアの内張とかは結構大変そうだ。業者に頼めば綺麗に仕上がるが、かなり高額になる。輸入車だと天井の布が剥がれ落ちてくるのは良くある話で、これも業者に頼むと純正部品以上の価格だったりする。

◆ 天井の張り替えはDIYでも出来ない事はなさそうだが、布の貼られているフレームみたいなものが車外に抜けてこないものもあるそうだ。車を組み立てる時点では天井の張り替えなど想定していないのかな。


電気?化学系?インチキ動画(9/25)
◆ 昨日の話の続きになるが、化学系というのかな?まあ永久機関も化学というか科学なのだけれど、そんな動画も沢山ある。結構それっぽいものもあって、ライター用のブタンガスを使った小型クーラは実現できそうで出来ないというか、実現できないんだけど、それっぽく出来ている。

◆ 構造というか原理はコンプレッサ型の冷凍機そのものなのだが、コンプレッサには乾電池で操作する液送ポンプが使われている。エバポレータを通った冷媒は気体なので液送ポンプでは圧縮できないのだが、それに気づく人はいない?
◆ 更にエキスパンションバルブもなくて、銅パイプを巻いたエバポレータ風の部分は存在してもコンデンサがないとか、まあ雑と言えば雑なのだけれど、それっぽい動画に仕上げてある。

◆ 銅管が凍っていく様子などもあるが、これは逆再生で、水滴が落ちるのではなく銅管に上がって凍り付くミスを犯していたり、凍るはずのないモータやポンプに霜が付いちゃったりしている。動画だけを作るのであれば配管の途中から冷却スプレーを入れるとか、もう少しやりようがあるのに。

◆ 永久機関ものだとモータと発電機をつないだもの、これはかなり古風なものだが、発電機に自動車用のオルタネータを使うところが多少新鮮味があるのかな。モータを2つ使っ ただけのものよりも、自動車に使われている高性能発電機だみたいな所が騙しのテクニックか。発電機とモータを直結にするのではなく、あえてベルト駆動にしてみたり、発電機とモータの間に何やら回路を入れてみたり、モータと発電機のプーリ比を変えると電圧が変わったり、色々工夫はされている。

◆ CDを使った発電機?もある。CDの見た目が太陽電池版に似ている(そうは思えないけど)かららしいのだが、CDを削って電線を付けると太陽光発電機になるというヤツ。このあたりも電気ものなので難しそうな理屈を展開でき、騙しやすい所がある。もっと単純なバネを使ったものとか、磁石ものはすぐにウソがバレてしまう。

◆ フリーエネルギーなどで検索すると面白いというか下らないというか、そんな動画が沢山出てくる。永久機関で検索すると気象予報だとか習字だとかが出てくるので、フリーエネルギーと検索窓に入れた方が良いかも。

◆ いわゆる温度差発電だとか気圧差を使ったものもあるが、これはそもそもそこにエネルギがある。潮流発電とか風力発電と同じようなもので、元がなければ何も起きない。でも温度差と言っても"熱さえあれば発電できる"みたいに誤魔化せば、地球温暖化は救われるみたいな風に思う人もいるわけだ。

◆ 磁石ものは古風なのだが、これは永久機関ではなくエネルギ源として使うみたいなものもある。電磁石の磁力で水をくみ上げるとか、磁力を使った送風機みたいなヤツだ。流体や気体を磁性体に見立てたもの。N極とS極は反発するので、N極とS極を接着した特殊磁石を作ると、吸着も反発の両方の作用が起きて鉄球が宙に浮く、なんてものもあった。

◆ 1本の磁石に対して複数方向に向けたコイルを近づけると、磁力の違いで発電できるという何か訳の分からないものもあったが、コイルと言っても太い導線が数ターンだけなので見た目重視かなと。この手の見た目重視ものはトランジスタやLEDなど電子部品を使わない方が(逆に)真実味が出るようだ。


インチキ動画(9/24)
◆ インチキ動画の代表格と言えば永久機関ではないだろうか。多少手が込んだ作りで本物っぽく見せているので、面白動画の一つとして見れば良いのかも知れない。頑張って作ったなとか、ネタバレが見えちゃってるよという感じで。ただ本当にそれを信じて、みたいなものもある。作り手側も本当に無エネルギで動いていると信じている(実際には外部から力や温度変化や、気圧変化を加えている)フシがある。

◆ 永久機関にも関係するが電子工作ものは、磁石ものよりも複雑怪奇さを表現できるとあって各種作られている。永久機関ではないが電池とスマートフォンから外したカメラだけで画像伝送が出来ると謳うものだとか、スマートフォンから外したカメラにSIMカードをハンダ付けしただけのリモートカメラ(電池は要らないの?)だとか、GPS受信機&モバイルネットワークを使った位置情報送信機が米粒大で実現されているとか、雑と言えば雑なのだがハンダ付けをしたり、電線をくっつけたりする所が真実味を誘う?
◆ 手抜きインチキ動画としてはAI画像を使ったものが増えている。画期的新製品だとか、自動車関係は以前にも書いたが2026年新型車みたいなものだ。非日本人が作っていると思われるのは、やたらサイズのデカい"新型軽自動車"の動画があったり、トヨタの新型車としながらエンブレムがアキュラだったり、もう少しちゃんと作ってよという感じだ。

◆ AI動画は短時間に量産が出来るので、質より量という感じだ。例え再生数が100しかなかったとしても1万本の動画を作れば収益は上がる。それ系のチャネルだと数時間ごとに新作インチキ動画がアップされたりするので、フルオートで作られているのだろう。AIインチキ動画はお勧めには出てくるのだが、検索しても出てこない。広告扱いみたいな、なにかテクニックがあるのだろうか。

◆ Google検索もそうだがYoutube検索は殆ど機能していないというか、検索語など無視されている感じなので有用な動画が探せない。Googleは日本人は検索が下手だからGoogle側がそれをアシストしていると言っているが、酷い。整備動画などは英語で検索した方が役立つページが検索されたりするので、日本語のワード解析がダメなのかな。

◆ Xのトレンドワードを使ったインプレ稼ぎは減ったような感じがするが、自分の投稿に自分でコメントを付けるものは増えた。世界○○ニュースみたいなアカウントなど、やたらコメントが多いなと思ったら全部自分の記事のリポストだったりする。

◆ これもspam報告で消されるらしいのだが、そこで複数アカウントを使って相互にリポストするという新たな手法も増えてきている。自分でいくつものアカウントを作れば良いだけの事なので、これはいくらでも出来る。自分の記事をリポストしているわけではなく、あくまでも他の記事をリポストするのだから消されにくいのかも。

◆ Xに関しては偽というかウソ情報の拡散防止に関する規制云々が言われていて、まあ政治家にとってはダメージがあるのだろう。ウソ情報と判断される基準が何なのか?政治家にとって不利なものは全部ウソにされるのか?みたいな。多くの人が集まった財務省解体デモはニュースにならなかったが、余り人の集まらなかった外国人区別反対デモは大きく報道されるみたいな、政治家やメディアの常識と国民の常識の間には乖離が大きい。


整備士が燃料系を疑った理由(9/23)
◆ 当該整備士がその後コメント動画をUpしていた。何故燃料系のトラブルに絞れたかなのだが、コンプレッションは以前に測定しているしイグニションコイルは交換しているという事で、故障していない可能性が高いと判断したという。

◆ 残るは燃料系となるが、燃料ポンプが壊れている可能性を8割と予想したそうだ。年式的にもポンプを変えて良いとは思ったそうだが、間違った判断を避けるために燃圧の測定を勧めたという。その結果燃圧が落ちる事が分かり、燃料ポンプ交換で症状は出なくなった。

◆ 整備士はエンジンがかかったから判断が早くできたが、全くエンジンがかからない状況ではチェックポイントが増えるとも言っていた。燃料ポンプ系にしてもポンプリレーもあればポンプ本体の故障もある。

◆ 別の整備工場系の動画でも燃料ポンプの交換をしていたが、ポンプは中途半端に動作していた。イグニションキーをONにして少しの間はポンプが稼働する。古い軽のトラックでダイアフラム式のポンプのようだ。最初は燃料が出るのだが、そのうちポンプが動かなくなってしまう。なので、エンジンがかかる事もあればかからない事もあり、エンジンがかかったとしても数十秒で止まってしまう。

◆ その整備士はポンプの出口側の配管を外し、ポンプに12Vを加えてガソリンが出てくるかどうかをチェックしていた。その後ポンプを分解してみると、プランジャ部分は動作していたので、プランジャに動作パルスを送る回路が壊れかけていたというか壊れていた事になる。

◆ これだって分かってしまえば燃料ポンプ不良ですねとなるが、素人では中々ポンプに行き着けないかも。ポート噴射の場合は燃圧が低いから未だ良いが、直噴エンジンの高圧燃料ポンプ異常はチェックが難しい。今の車はフォルトコードでおおよそ分かる事になっているが、そうでない時代のもの(ディーゼルエンジンも含めて)は整備士の経験が頼りみたいになるのかな。勿論チェックリストに従って、フローチャートに従って検査をしていけば燃料ポンプにたどり着けるのだろうけど。

◆ この原因究明のスピードの差がアマチュアとプロの違いそのものだ。素人が1時間かかる事を5分でやってしまう。5分もかかっていないんだから安くしてよと言うのは誤りで、5分で出来たからこそ高い技術料を払わなくてはいけない。

◆ 私のやっている整備だってプロから見たら、何でそんな事やってるの?とか、そのネジは外さなくて良いんだよ〜、なんて事が沢山あるはずだ。まあアタックの道筋は違っても、最終的には同じ所に行き着くわけだが時間はそれなりにかかる。手際が悪いので必要な部品を注文し忘れたり、パーツに付属している部品を(付属しているとは思わずに)二重で買っちゃったり、そんな事は普通にある。

◆ 外したパーツを捨てずに、何かに使えるかもとか何とか言いながら保存しておくと、これって使える部品だっけ?ダメな部品だっけ?みたいな事になったりもする。ま、壊れた部品はさっさと捨てる事だ。ミニはネジの再使用が禁止されている部分が多いので、ネジが沢山必要だし、沢山廃棄する事になる。これは今のところ保存していて、というのも新品のネジと長さが変わらなかったからだ。車に使う事はないと思うが、ハイテンションボルトなので一応保存してある。


不調の原因は何なのか?(9/22)
◆ あるYoutuber氏の軽自動車のエンジンが不調だという。連続して高負荷運転しているとエンジンが吹けなくなり、空ぶかしでも回転数が上がらなくなる。しかししばらく冷やす?と元通り走行できるようになる。これには再現性があり、ある程度走行していると同じような症状に見舞われる。

◆ さて原因は何なのか?動画のコメント欄には様々な意見が書き込まれる。いずれも自称セミプロレベル、自称整備士、自称整備工場経営者だとか、以前にECUの設計をしていたとか、自分の車も同じ症状になったとかと書かれている。故障原因はO2センサの不良、イグニションプラグの不良、イグニションコイル不良、ECUの不良、クランクセンサの不良、オルタネータ不良、バッテリー不良、イグニションスイッチ不良、レギュレータ(オルタネータ内蔵の)不良、チャコールキャニスタ不良、吸気ポートの汚れ、燃料フィルタの汚れ、燃料ポンプ不良、セルモータ不良、タペットクリアランス不良と、全くまとまりもなければ理屈も不明な予想が立てられる。

◆ いずれのコメントも自分の車も同じ症状になったが、○○(自分の主張する故障箇所)を交換したら直ったとか、同じ症状の車を何台も見ているがいずれも○○が壊れていたとか、自信たっぷりなのである。

◆ 私は燃料ポンプかクランク角センサかなと思った。以前にシグナスの燃料ポンプが不良になったのだが、冷えると機能が回復した。モーターって熱に弱いの?と思ったものだが、実際そんな事があった事から燃料ポンプ説を考えた。もしシグナスの経験がなかったら、燃料ポンプだとは思わなかったし、中途半端に燃圧が低下するような故障って起きるのかな?とは思った。

◆ クランク角センサは磁気もの、コイルものなので温度が上がると信号出力が低下する。クランク角センサの信号が歯抜けになると、点火も燃料噴射タイミングも狂うので走れなくなる。ただアイドリング付近では調子が良いと言う事なので、クランクセンサ説は間違っているかなとも思った。なぜなら磁気ものなので、回転数が上がるほど出力が大きくなる傾向だからだ。

◆ イグニションコイルは違うと思う。気筒分全てのイグニションコイルがいっぺんに故障するとは考えにくいからだ。オルタネータやバッテリー説も、バッテリー上がりになるわけではないので違うかな。O2センサが不良になっても走れなくはならない。

◆ プロのYoutuber整備士もコメントを書いていて、まずは燃圧をチェックしろ、たぶん燃料ポンプが悪いよと。次の動画ではイグニションプラグやコンプレッションなどひと通りをチェックし、燃圧の測定に入る。最初は3kg/cm2位に燃圧計の針があるのだが、やがて1.5kg/cm2位まで落ちてしまった。初期の頃のインジェクション車の燃圧はマニホールド圧力+2.55kg/cm2だったが、その後霧化促進のために燃圧が上げられた時代があり、今はマニホールド圧力によらず一定の燃圧に調整されている。燃料噴射量はマニホールド圧力と燃料圧力の差を演算し、決定する仕組みだ。

◆ さすがプロという事で、その整備士の言うとおり燃料系のトラブルだという事が分かった。自信満々にオルタネータ不良だとか、ECUのハンダ付けがいけないとか書いていた人は面目丸つぶれである。まあ実車を見ていないので自信満々に書くのはどうかと思う。症状から原因は連想できても、絶対そこが悪いとまでは言いにくいものだ。


マンネリ化は避けられない?(9/21)
◆ 自動車整備系Youtuberはネタ作りに苦労している。壊れそうな、或いは壊れている車を買ってきて直す動画が多いのだが、直してしまえばそれで終わってしまう。その車に長く乗っていればまた別の場所が故障するのかも知れないが、故障を待ちながら乗り続けるのも大変だ。

◆ で、また次の壊れそうな車を買ってきて直すわけだが、どの車も壊れる場所はそう違わない。作業量というか動画の時間を増やすために予防整備などをしたとしても、それだって新鮮味は少なくなってくる。

◆ レストア系にしても同じで、やがて車が完成するとやる事がなくなってしまう。次々にボロの車を買ってきてはレストアするにしても、塗装をしました、エンジンを積みましたという感じで同じ事が繰り返されるだけだ。

◆ 職業系ではないYoutuberの整備動画は、動画用の整備ではないので面白いのだが、これも故障が直れば更新されなくなる。自動車整備だけではなく色々な事をやっている人なら良いが、そうでないとネタ切れになる。

◆ 職業系Youituberは動画再生数が確保できないと収益にならないわけだから、次々に動画を作らなければいけない。自動車でもインプレッションを投稿している系は、新型車が出る度に新たなネタが出来る。PCやスマートフォンにしても新しい品物が出ればネタが出来るので、自動車整備系に比較したら話題は豊富になる。

◆ 化学実験などを含む実験系もやる事の総数は限られてくる。化学反応にしたって面白いものはあるが、全てが面白くインパクトがあるとは限らない。実験系でもピンキリだと思うのだが、有名な人は知識も設備も凄いなと思う。ハイフレームレートカメラなども使うし、通常のカメラも複数台使っていた。撮影風景が写されているものがあったが、TV局とまでは行かないにしても結構本格的だった。

◆ このあたりが趣味と職業系の違いになるわけだが、自動車整備系の職業Youtuberは一般的に動画が余り良く出来ていない。整備系だとやり直しというか撮り直しがしにくいので仕方のない部分もあるし、カメラマンを雇わずにやっている人が多いのでどうしても撮影品質が劣って見える。

◆ 整備系でも整備工場やショップの場合はきちんとした場所もあるし、スタッフを雇ったり出来るので品質が上がる。押さえるべき所をクリアな映像で撮ってこそ、みたいな感じだ。勿論そうではない整備工場系の動画も沢山あるし、動画品質と再生数は必ずしも比例しない。だから低品質動画で良いのかと言われると、これもちょっと違う気がする。

◆ 何事もプロを目指すのは大変という事で、私にしてもネタがなくなったら動画の更新はやめるというか出来なくなる。このあたりはホームページの更新同様で、無理に何かをやってみようとは思わないかな。ホームページの方は何でも書けば良いのだが、動画の方は自動車関連イメージになっているので、やがてやる事はなくなるだろうなぁ、どう考えても。

◆ ジムニーに乗っているときはちょこちょこ修理や整備はしていたが、文字にするほどでもないかなと思う事は沢山あった。さすがに古い車だったので小さな故障というか、都度見ていかないといけない部分は出てくる。でもそれに慣れてくれば何とも思わなくなってさっさと直す。そしてまた同じ所が駄目になり、やっぱりダメか、部品を交換するか、みたいな。


山の夏は短い(9/20)
◆ 富士山に登山が出来るのは7月の上旬頃から9月の上旬頃、約2ヶ月である。山開きで夏が来たなと思うと、程なくして登山期間は終了みたいな感じだ。富士山への登山者数は年間約20万人で、今年からは静岡県側から登った場合でも4千円の登山料がかかる。最初は任意の千円の支払いだったと思うのだが、その後2千円の徴収(+任意の千円)、そして現在の4千円になった。

◆ 環境保全その他にお金がかかることは事実なので、登山料も仕方がないのかなとは思う。登山者が支払った4千円のうち、事務や管理のコストで半分位はなくなってしまうのかな、こういう料金ってものは。

◆ 料金ゲートが出来たことで登山の仕方というか、装備などのチェックも行われるようになった。何度か書いている、何度も事件を起こして逮捕されている配信者の大原氏は、軽装で登山をしようとして止められた事があったが無視して富士山を登った。山を登るに従って下がる気温に耐えられず、どこかの山小屋に入ったんだったかな。そこでも配信して周りに迷惑をかけたとか。氏の場合は問題を起こすことでカネと閲覧数が稼げるとする迷惑系配信者なので、各地で問題を起こしその結果として逮捕もされている。

◆ 登山者チェックの厳格化によって、大原氏のような行為は阻止される。また近年増えた外国人登山者に関しても、事故防止などの観点からチェックが厳しくなっている。富士登山の外国人比率は3割にもなるそうで、富士登山ツアーなどもあるという。登山規制によって深夜登山者はかなり減少したそうだが、それでもゼロには出来ていない。

◆ 外国人登山者にしても日本人にしても、ルールやマナーを守らない(知らない)人が一定数いて、特に山小屋では問題も起きているそうだ。登山者が増えれば様々な人が来ることになり、山小屋の常識は登山者には通じなくなる。言葉の通じない海外登山者のマナーが問題だとする山小屋が多く、対応に困るという。

◆ 海外登山者の居住地では、約4割が国内在住だそうだ。日本に住んでいる外国人の場合は日本語が通じる可能性が高いが、海外からの旅行者が日本語を理解できるかというと無理がある。海外から訪れる人の約4割が中国や韓国で、4割が欧米となっている。国内在住の外国人では中国籍の方が多く、来日外国人では韓国籍の人が多くなっている。

◆ TVのニュースでは外国人登山者が悪いみたいなイメージになっているが、必ずしも外国人登山者が問題を起こすわけではない。日本人の登山者年齢は上昇気味だという事で、中高年登山者が登山中に体調不良を訴えるケースも増えている。救護などのサポートを有料化する話も出ているのは、体調不良で歩けなくなった人を解除するのはかなり大変だからだ。

◆ 登山期間が終了するとゲートが閉じられて登山道に入れなくなるのだが、当然というかそこを無理矢理突破して山に入っていく人もいる。登山が法的に禁止されているわけではないので、登山すること自体が罪に問われることはない。一般開放された期間外であれば静かな山を楽しむことが出来るので、富士山を知った人は期間外を好む傾向もあると言われる。

◆ 登山期間外だと山小屋も運営はしていないので、知識と経験のある人が登る感じになる。しかし閉山期間中の事故は毎年起きていて、滑落などによる重大事故もある。


EVが安い(9/19)
◆ EVブームが去った感じでEVの需要が低迷している。一時期は勢いのあったBYDも業績低迷である。BYD製の車両は性能を考えれば価格が比較的安く、一時期は結構な台数を売っていた。日本においてもテスラの存在を脅かすとまで言われたものだが、そのテスラ同様に今は売れなくなってしまった。

◆ BYD SEALは新車価格が6百万円弱で、公称航続距離600km前後を誇る。0-100km/h加速も3.8(4WD)〜5.9秒(2WD)と速い。バッテリーはLiFePO4が使われており、容量は約83kWhとなっている。車重は2.2t位なので、クラウンやアルファードと同じ位だ。

◆ 日本車が重くなったという話は以前にも書いたが、軽合金や高張力鋼は価格が高く使いにくいそうで、軽量素材を使わずに製造するのでどうしても重量が嵩んでしまう。トヨタ的には車重が2tを超えるかどうか出カタログ燃費が3割近くも変わるため、重いものはオプション設定にするなどの努力をしている。カタログにもオプションを取り付けた場合は燃費が変わる場合がありますと注意書きがある。

◆ 一方でEVは軽量化こそ命みたいな部分があるので、ギガキャストを含む軽合金素材を多用する。こうしたところで重量差が少なくなっているわけだ。ギガキャストに関してはトヨタも導入を検討(EV用かも)という事なので、日本車が軽くなる時代が来るかも知れない。

◆ EVは全般的に同じ傾向なのだが、余り距離を乗らずに手放す人が多い。日本の場合はインフラ問題があるので、地域によっては少し厳しいと感じるところもあるだろう。そんな訳で余り距離の出ていない中古車が多く見られ、新古車と呼んでも良い位のものもある。

◆ 中古車販売価格としては1年落ちで230万円程度と安いので、600万円出して新車で買って、1年経って売る時の価格って200万円以下なのかなと気の毒になってしまう。この点はテスラも同じだが、2年で半額位なのでBYDよりは高いかも知れない。なおEV補助金を貰うためには4年(だったかな)乗り続ける必要がある。

◆ 買った途端に半額以下というEVの価値なのだが、年式がある程度古くなっても中古価格が余り変わらなくなる。2〜3年で底値になってしまうとも言えるし、価格が下がればそれなりに需要があるとも言える。ただ保証の切れたEVは修理コストを覚悟しておく必要がある。

◆ 内燃機関動力車であれば町の修理工場でも、自分で腕を振るうことも不可能ではないが、特にテスラの場合はディーラに持っていかないと修理が出来ない。契約工場経由みたいな横流しで出てくる部品もあるのだが、基本的には正規純正部品は(日本にもよるが)買うことが出来ない仕組みだ。

◆ 年式が新しければ故障が少ないというわけではないのがテスタの宿命なので、メーカ保証が切れると中古価格が更に下がる。BYD車の故障率や信頼性はテスラと同程度らしいので、アメ車も中国車もあまり変わらないと言ったところか。制御系や駆動系の故障、バッテリーのエラーなどはおおむね1万km走行前後で発生する率が高いそうだ。

◆ 内装の立て付けの悪さや外装部品の劣化や脱落に関してもテスラ車同様とのことで、多くを期待してはいけないらしい。ある程度トラブルが出尽くせば大事は起きにくいとは言われるものの、テスラにしてもBYDにしてもバッテリーが保証で交換されたという記事もあった。バッテリー交換は部品の手配その他で時間がかかるケースが多く、修理予約から修理完了まで数週間かかるようだ。この間も機能制限状態であれば走行可能だが、エラーになってしまうと充電が出来なくなるので走行できない。


日本でも始まっているMPDB試験(9/18)
◆ MPDB試験は1200kgの台車を試験車両とオフセット衝突させる安全評価だ。欧州では1400kgの台車が使われるが、日本には軽自動車や小型車が多いために1200kgとされた。日本で最初にこの試験を受けることになったのはクラウンセダンで、車両重量は2.2tを超える。

◆ 2.2tというとアルファードとほぼ同じとなるのだが、そのアルファードは車両重量が2t未満の場合のモード燃費と、2t以上の場合とでは3割近く差がある。等価慣性質量の大きさが燃費テストに与える影響は馬鹿に出来ない。これと同じようにMPDB試験においても車両重量が増えると、台車の損傷が増えて試験結果が悪くなる。

◆ クラウンセダンのテストでも台車の減速度合いで-1.92ポイントと、最低評価である-2.00ポイント近くまで減点を食らっている。特に車両重量の重い車においてはクラッシャブルゾーンの拡大が必要となるので、今後各メーカ共にシャーシなどの設計強度を変更して対処するのではないかと思う。

◆ 欧州では2020年からテストが行われているので、現時点ではどの車両もそこそこの安全性を確保していると思う。日本では2023年の開始なので、非輸出モデルでは特に試験成績が厳しいものになると予想される。JNCAPのテストを見るとクラウンはちょっとおかしな動きをする。どうおかしいのか説明は出来ないのだが、サスペンションが柔らかくてストロークが長いとこうなるのかな?ねじれたような上下動みたいな感じで、後方から見ると衝突時に後輪のサスペンションリンクが外れている?ようにも見える。

◆ MPDB試験は車両重量が軽いと台車に与えるインパクトは小さくなる。ヤリス位の車重であればヤリスが受ける衝撃と、台車に与える衝撃が同等になる。台車に与えるインパクトが小さければこの部分での減点は避けられるが、その分自車が受ける衝撃が多くなる。台車と試験車両は50km/hで50%オフセット衝突なので、衝撃は結構大きくなる。従来の固定バリアに対するオフセット衝突よりも、トータルでの速度は速いが相手が変形してくれる(押し戻されてくれる)ので、その点では固定バリアよりも衝撃度合いは小さくなる。

◆ JNCAPの試験映像はYoutubeにも上げられているが、"JNCAP" "MPDB"とやっても上手く検索はされない。検索されないと言うよりも全然関係のない動画がずらりと出てくる。国交省でもMPDBと表現しているのだが、正式には新オフセット前面衝突試験というのかな?もしかしたら違う名称があるのかも。検索結果はそのときどきで異なるようなので、上手く検索出来たらラッキー位の気持ちでいないとイライラすることになってしまう。

◆ 軽量な車両ではMPDB試験が好成績になるかというと、一概にそうとも言えない。クラウンで評価を落としたのはOLC項、つまり台車に与える減速度の微分値で、試験車両の車重に影響を受ける。では軽量なスズキのフロンクスはと言うとOLC項での減点は少ないが、SD項で大きく減点されている。SDとは台車に与える不均一な変形で、台車に何かが突き刺さったりすると減点になる。これは車両の設計そのものの問題で、フロンクスは-1.36点と大きく減点されたが、シビックは減点ゼロで済んでいる。衝突時に車両全体を変形させるような設計が必要なのだ。


ミニ四駆(9/17)
◆ 決められたコースでタイムを競うミニ四駆のレースがある。ほぼ改造自由なので様々なマシンが登場する。モータを複数個搭載したものだとか、可変ウイングだとか、ダウンフォース用のファンを搭載したものもある。

◆ こうしたレースが行われると、その車両にケチを付けるというか「俺だったらこうやる」みたいなオッサン(かな?)が口を挟むというかコメントを始める。自称空力の専門家だったり、自称ミニ四駆歴30年だったりするわけで、だったら自分でマシンを作ってレースに出れば良いのに。

◆ 立派なことは言うけれど自分では速いマシンは作れないという、どの世界にもいる連中である。本人に言わせれば「作ろうと思えばいくらでも作れるんだけどね、俺が(大会に)出たら優勝するに決まっているから、あえて出ないだけだよ」みたいな、嫌われ者の典型みたいな人、いや、人たちかな、複数居るみたいだし。

◆ 速いマシンは軽量でハイパワーで、コースから飛び出さないものだ。口で言うのは簡単だが全長約20mのコースを1.5秒位で走るのだから凄い。速度を上げていくと立体交差の所でコース外に飛び出してしまうので、メカニカルブレーキを使ったり空力ブレーキを駆使したりする。しかしブレーキが利きすぎればタイムは落ちるわけで、綿密な計算とテストが必要になる。

◆ 速いマシンは3Dプリンタで製造されているのだが、軽量化と高強度のための設計だとか部材だとかも検討される。モータを定格電圧以上でドライブする例もあり、モータの発熱によってシャーシが溶けてしまうこともあるそうだ。

◆ バッテリーはNi-MHやLi-ionが使われるが、コースを2周程度出来れば良いのでかなり過酷な使い方になる。走行中はホイルスピンしっぱなしで走るマシンもあるそうだが、ギヤ比だとかタイヤの径や材質もタイムに及ぼす影響は少なくはない。

◆ ほぼレギュレーションのないレースはユニークなマシンも出てくるので面白い。ミニ四駆にはデフギアはついていないのだが、コーナリング時ってタイヤはほぼ浮いた状態なのだろうか。高速撮影の出来るカメラでないと解析できないかも。

◆ 何事にしても同じなのだが興味のない人から見れば、速いマシンを作ってどうなるのみたいな感じかも知れない。鉄道模型に興味のない人が鉄道模型を見ても何も思わないように、小さな自動車的なものを速く走らせて何が面白いのかと言われるかも。でもまあ、それが趣味というか物事に熱中する本質みたいなものだと思う。

◆ ミニ四駆とは全然違うのだが、自動運転だとか状況判断みたいなAIの研究者も様々なトライで性能を上げようと頑張る。凄く大雑把になるが状況を学習して判断力を制御した方が良い状況と、パターンマッチで判断する制御の方が良好な結果を得やすい状態があって、それがどういう時にどうなるとそうなるかだけを研究している人もいる。

◆ 高速な計算機があれば答えが出るのも早いと思うが、アマチュアがいじれる範囲のCPUなりGPUでAI系の開発というか研究をするのは大変だ。自動運転はルールベースAIと言うヤツが使われているそうだが、これは自動運転には不向きだと言われ始めているとか。中国企業の開発した方式が今後主流になっていくとか何とかと言われる。


偽広告氾濫(9/16)
◆ 著名人の写真を勝手に使った投資系広告が問題化したが、今は違った方向に行っているという。いわゆる投資詐欺はモロに詐欺な訳だが、偽商品を売りつける通販詐欺は一応品物は送られてくる。

◆ 誰が見てもインチキだろうと分かるものでは扇風機(1秒で20℃温度を下げると謳われている)とか、省エネのエアコンと謳われたUSB電源のクーラとかがある。ジョーク商品として300円で売られているというのならまだしも、1万円近い値段で売られていて、それに引っかかる人がいるというのだからそれも凄い。

◆ インチキかどうか分からないものとしては照明器具だとか鍋やフライパンがある。一流メーカの名前を無断使用していて、動画もそれっぽく作られているので騙される人が多いそうだ。ただし良く見れば日本語がおかしかったりする。届いた品物は宣伝とは大違いで、中国発送・取説は中国語のみだとか。

◆ 一時期はXやInstagramで広告が出されていたが、今はYoutubeだそうだ。Googleは詐欺サイトや詐欺広告に甘いので、広告料が入ってくれば何でもOKだ。詐欺サイトは詐欺なのだから利益率が凄く高く、高い広告料を払うことが出来る。高い広告料を払ってくれれば良いお客様なので、それが詐欺だろうが何だろうがGoogleには関係ない。

◆ 偽広告プラットフォーマのMETAを相手に裁判を起こしていた人もいた。集団訴訟的なものもあり民法の注意義務に違反しているとして総額4億円を超える賠償請求となっていた。メタはメディアに対して「コメントしない」としていたが、裁判はどうなったのだろうか。

◆ メタは結構悪徳系で、今までにも様々な問題を起こしている。メタによれば詐欺広告撲滅のためにあらゆる努力を怠っていないそうだが、まあ言うだけなら何とでもってヤツだ。Googleにしても同じだろうから、法規制をかけるしかないと思う。少なくとも国内のちゃんとしたおかしな広告であればJAROがチェックしてくれるが、広告主が誰かさえ分からない広告ではどうにもならない。

◆ 偽広告や詐欺サイトで一番利益を得るのは広告主だから、広告主の罪が最も重い。しかし広告主が特定できない場合、あるいはプラットフォーマが情報を公開しない場合はプラットフォーマが責任を負うようにすれば良い。詐欺SMSなども同様で、受信したSMSのspamチェックが出来るのだから送信データもチェックすれば良い。大量送信者の排除など一部事業者では行っているが、それを行おうが行うまいが罪には問われない。しかしサービス事業者が責任を負わされるとなれば、詐欺SMS送信者はすぐに排除されるだろう。

◆ どのくらいの被害に対してどの程度の責任を負わせるかなど難しいところは沢山あるのだが、少なくとも詐欺被害が申告され、それが確認出来てからも(プラットフォーマなり事業者が)対応しなかった場合は、制裁の対象でも良いのではないだろうか。METAなど偽広告や詐欺広告を申告したところで掲載をやめない。著名人の写真を使うとか名前を使うなど、そのものズバリなのだから自動チェックで監視できるはずなのに。

◆ 広告ではないがAIによるインチキ動画も氾濫している。様々な分野でインチキAI動画が作られているし、AI動画を作る側は「ウチで製作したAI動画は、AIチェックに引っかかりません」と宣伝している。こうした動画が氾濫し、有用な動画が奥に引っ込んでしまうのはGoogle検索と同じ流れかな。


工賃はどのくらいなのか?(9/15)
◆ ミニの故障の一つとして、小さなバネが折れるトラブルがある。シフトがパーキングに入っていることを検出するためのマグネットとリードスイッチがあるのだが、そのマグネットを可動させるバネが折れてしまう。純正部品で直そうとするとシフト周りのアセンブリ交換となり、OEM品で8万円位、純正だとその2倍位のパーツ価格になる。

◆ しかし社外パーツとしてバネだけが売られていて、価格は100円以下だ。これを交換すると修理が完了するのだが当然工数がかかる。元々分解修理が想定されていない場所なのだが、ネジを外していくとバラバラに出来る。パーツのアセンブリ交換にしてもセンターコンソール周りを外す必要があるので工数がかかり、更にバネを交換するには細かな作業が必要だ。

◆ 整備工場Kはアセンブリ交換での修理費用が25万円位、バネのみの交換であればその半額で修理が可能だとしている。整備工場Gではバネだけの交換であれば、アセンブリ交換の1/3の費用で済むと案内している。整備工場Cでは、工数が多いので余り価格は変わらないが少し安く出来るという。Eモータースではバネだけの交換は3.5万円で可能なので、OEM品を使った修理費用の1/4で出来ると書いている。A整備工場は"対策品の日本製強化スプリング使用"を謳い、修理費用は5.5万円だ。

◆ 整備工場Kは当初はバネだけの交換を公にしていなかったのだが、DIYでバネだけを交換して直す人が増え、その情報が既知となったのでバネだけ交換を正式に?行うようにしたと語っている。バネの交換には特殊な技術が必要だとして高い工賃を取るところが多かったのだが、その内容が知れてきたことによって工賃は適正化された感じかな。

◆ アセンブリ交換でもバネ交換でもセンタコンソールを外すところまでは変わらず、その後シフト部分を分解してバネを交換するのに5分程度の時間がかかる。この5分の工賃をいくらに設定するかが各整備工場の価格の差になっている。作業の難易度が高ければ付加価値料金として良い商売になったのだと思うのだが、DIYでも出来る程度の作業なので値崩れしたわけだ。

◆ このバネの破損による故障でディーラに持っていくと、ディーラによっては安く修理をしてくれるところを教えてくれるそうだ。ディーラではアセンブリ交換しか出来ないので、20万円以上の費用がかかってしまう。しかし金属バネが折れるなんて、どんな品質なんだという感じだ。プラスチックパーツが壊れるのなら分かるが、金属バネだからねぇ。

◆ このバネの問題以外でも社外品のパーツを使うと安価に修理出来る場所はある。純正品だとアセンブリ交換になってしまうものが、個別の部品が購入できるからだ。

◆ アセンブリ交換の場合は組み立てられた状態で部品を購入するわけだが、個別の部品を交換するときにはその部品の脱着作業になる。個別部品にはガスケットなども付属してくるので交換は簡単なのだが、ポルシェやフェラーリのそうした修理では、多くの工場で液状ガスケットを塗りまくる。

◆ 純正部品を取り付けるときも、クランクシャフトのシールにも液状ガスケットを塗る。そうしないと水やオイルが漏れるからと言う事なのと、そこから水やオイルが漏れて再修理になると工賃が凄くかかるというのが理由らしい。ディーラで組むときには純正パーツを使ってマニュアル通りに組むのだが、整備工場とか専門店と呼ばれるところでは液状ガスケットを使うところが多い。


エンジンオイルと塩基価の話(9/14)
◆ エンジンオイルには様々な性能の指標がある訳だが、その中に塩基価がある。塩基価とは何だという話になるが、アルカリ度とでも言えば良いだろうか。厳密には酸性成分を中和するの必要なアルカリ成分添加剤の量となるのかな。

◆ OQS(オイル品質センサ)の中にはpHを測っているものもあるが、pHの変化が塩基価(TBN)によって変わってくる。TBNが高い=アルカリ成分が多ければ、エンジンオイルが酸性に傾きにくくなる。エンジンオイルの中には燃料中の硫黄分、オイル自身の硫黄分などが溶け込んで酸性になろうとするのだが、それをエンジンオイルのアルカリ系添加剤が中和しようと頑張っている。

◆ エンジンオイルが酸性に傾くと金属の腐食などが起きるし、酸性成分を中和することによって清浄分散作用が維持できる。従って(イコールではないが)TBNの高いオイルの方が清浄分散作用が強いと言える。TBNの数値は普通のオイルであればデータシートで公開されている。

◆ TBNは高い方が良いのだが、オイルの特性上TBNの数値を上げようとすると他の性能が下がってきてしまう。ライフサイクルが短くても潤滑性能に重点を置いたようなオイル、レース用のものなどはTBNが低い傾向だ。オイルの潤滑性能や粘度にシビアなバイクのレースでは、TBNが3以下のオイルも使われる。1レースごとに交換する事を考えれば、TBNよりも潤滑性能を優先したくなるわけだ。

◆ ACEAの基準ではA3/B4でTBNが10以上、A5/B5で8以上、A7/B7で5以上となる。現在市販されているロングライフのオイルではTBNが10前後ではないかと思う。清浄分散作用に優れたものでは12を超えているものもある。各自動車メーカでも基準値を決めていて、それに合致したものを認証オイルとしている。

◆ 今は各メーカ共にデータを公表している。他のメーカからオイルを買ってきて売っているOEMやODMのオイル屋さんに関しては、詳細なデータを一般公開していないところがある。ただ基本的には(メーカに要求すれば)データシートは見せて貰えるはずだ。まあそこまで見たければの話だけれど。

◆ レースをやっている人やショップでは様々なオイルの詳細なデータを比較し、更にそれをレースで使ってみて善し悪しを判断したりする。エンジンによって油温も油圧も違うので、どのメーカの何が良いとは一概には決められないそうだ。通常使用に関してはレースとは条件も求めるものも違ってくるので、レースで成績が良かったからストリートユースでもそれが良いとは言い切れない。

◆ 今の合成油などはかなり良くなっている筈だが、昔は油温を上げてしまうと添加剤の成分が分解したりして性能が落ちると言われた。小排気量バイクのレースではオイルによる抵抗や摺動・摩擦抵抗がタイムに直結するので、オイルの銘柄やそのオイルの使い方というか管理の仕方などもシビアなわけだ。

◆ 市販のオイルはより長寿命化に向かっているという話がある。欧州の環境問題云々が元になっているのだと思うが、オイルメーカもロングライフ化の研究を重ねているのだとか。その一方では直噴エンジンが一般的となり、PM問題やオイルへのガソリンの混入が問題になる。直噴エンジンはPMが多くオイルが汚れやすい。また筒内噴射時にクランクケースに吹き抜けるガソリン量もポート噴射エンジンより多いそうで、ディーゼルエンジン同様とまでは行かないもののオイルは汚れやすい傾向らしい。


ウォッシャ液(9/13)
◆ ウォッシャ液は余り使わないのだが、それでも年に1リットル位は使うかな。ウォッシャ液など中性洗剤を少し混ぜておけば良いなんて話もあるのだが、私の場合は洗浄力云々よりも凍結防止に意味がある。

◆ ここは冬場は氷点下まで気温が下がるので、凍結温度の低いウォッシャ液を入れておかないと凍ってしまう。凍結してウォッシャ液が出なくなるのは、このあたりでは余り困らない(冬は雨が少ないのでウインドゥが汚れない)が、凍結するとプラスチック部のジョイントが割れる恐れがある。柔軟性のあるプラスチックそれ自体が割れることは余りないと思うが、劣化して固くなっているとか、ポンプの部分などはヒビが入ったりしやすい。

◆ ホースが割れることは余りないと思うが、古くなって固くなったビニル系のホースだと割れるかも知れない。そんな訳で市販のウォッシャ液を使っていて、今はガラコの撥水云々ってヤツかな。能書きによれば2倍希釈で凍結温度は-20℃だそうだ。

◆ 撥水成分はシリコンで界面活性剤とアルコールで出来ている。アルコール濃度は50%と書かれている。成分的には各社似たようなものというか、あえて特別な成分を入れる必要もない。しかしながら他社のウォッシャ液と混ぜるなみたいに言っているところもあって、古いものは全部抜いて入れ替えましょうと営業されちゃう。

◆ 古いものを抜いて水洗いして中を綺麗にしてから入れかるのも良いとは思うが、普通は継ぎ足して入れちゃう。良くあるのが継ぎ足しを水道水だけで行うもので、徐々にアルコール濃度が下がるので凍結温度が上がってくる。で、ウォッシャを使おうとしたら水が出なくて、タンクを見たら空になっていて、そこでまた水を入れるのだがすぐに空になってしまう。チェックしたら配管やタンクにヒビが入っていた、というパターンである。

◆ リアウインドゥにワイパーがついている車だとウォッシャ機能もついていると思うが、配管が長いので漏れたり詰まったりするとチェックが面倒だ。車検の時はリアワイパーは関係ないのでチェックはされないが、漏れがあると結局はウォッシャタンクが空になる。

◆ 日本製の車はウォッシャタンクが見える場所に付けられていることが多い印象なのだが、FF車だと違うかな。ミニはフロントバンパーの付け根あたりにタンクがあるので、水を入れるパイプの上の方しか見えていない。

◆ フェラーリ348のブレーキフルードのリザーバタンクに(ガソリンスタンドで)ウォッシャ液を入れられた人がいたが、輸入車は密閉系の冷却水路の場合が多いので(キャップで判別しにくく)間違えることがある。キャップを見れば図示してあるので間違いようはないのだが、先入観があると思い込みが起きる。

◆ 凍り付いたフロントガラスに湯をかけるとガラスが割れるみたいな話があるが、私はその方法でガラスを割ったことはない。昔住んでいた所が家の北側に駐車スペースがあり、青空駐車だったこともあってフロントガラスには霜が降りたのだった。なので、朝起きたらまず湯を沸かし、出かける準備をしている間に湯の温度が上がり、それをバシャッとフロントガラスにかけて出発した。湯の温度が低いとすぐまた氷になってしまうので、ガラスが温まる位の湯温が必要だった。


水平対向6気筒エンジン(9/12)
◆ 水平対向6気筒エンジンはポルシェや過去にはスバルも作っていた。これってどうやって組み立てるのだろうと不思議に思っていた。水平対向以外のエンジンの場合は、シリンダブロックの上から、ピストンとコンロッドを予め組んだものを入れ、コンロッドの大端部をクランクシャフトに組み付ける。

◆ 水平対向エンジンの場合はクランクシャフトが左右のシリンダブロックの中間にあるので、そもそもコンロッド大端部のボルトを締めることが出来ない。水平対向ではないが日産の可変圧縮比エンジンだったかなぁ、コンロッドの横に圧縮比可変用のシャフトがあるので大端部が水平に割れているのではなく、傾いて割れていたような気がする。

◆ これと同じようにというかもっと極端に、コンロッドに止めるためのボルトを普通のエンジンとは90度違った向きにすれば、クランクケースのオイルパン側から締められるかな?変な方向に大端部を割るとバランス的にダメかな。

◆ ポルシェの空冷エンジンはシリンダブロックが個別にあるので、ピストンを組んでからシリンダブロックをかぶせることが出来そうだ。しかし水冷エンジンではそうは行かない。で、エンジンを組むときには最初にクランクシャフトにコンロッドを組み付けておいて、あとからピストンを入れる。

◆ 片側の3気筒分は普通のエンジンを組むときと同じ手法で大端部、コンロッドキャップのネジを締められるのだが、残りの3気筒はそうは行かない。そこで最初にクランクシャフトを組み付けた状態で左右のシリンダを結合し、あとからピストンを入れて組み立てるしか出来ない。

◆ ピストンを後から入れるわけだが、この状態ではピストンとコンロッドの小端部を結合させることが出来ない。つまりピストンピンが入れられないので、シリンダブロックにサービスホールが開けられている。その穴からピストンピンを入れるのだが、これが結構大変だ。

◆ 最初にサービスホールから一番遠いシリンダのピストンピンを組むのだが、棒の先にピストンピンをくっつけて、それをそっと押し込んでいってピストンとコンロッドを結合させる。ピストンとコンロッドの位置は予め合わせ、コンロッドが傾かないように、そっとピストンピンを入れる。そしてそのあとでピストンピンが抜けないように、又々長い棒の先にサークリップを付けてピストンにパチッとはめる。

◆ 工場での生産工程では自動機が使われるだろうから、ものすごく難しい話ではないのかも知れない。しかしオーバホールして手で組むとなったら結構大変な作業だ。これを3個のピストン全てで行うのだから、組み立て性が良いとか悪いなんて話ではない感じがする。

◆ ピストンピンが落ちてしまう事は(寸法的に)ないと思うが、サークリップが上手く入らずに落としてしまったら、それを拾うのは大変そうだ。コンロッドが傾いたら一度ピストンを抜いてやり直さなければいけないが、ピストンを下から押す事が出来ない訳だから、デントリペアの道具みたいなものでホットボンドでくっつけて引っ張るとか、吸盤で引っ張るとかしなければいけない。

◆ ポルシェのエンジンは油圧低下(オイルがシリンダブロック内部で漏れる)やシリンダの傷の発生などがあって、オーバホールが必要な場合がある。しかしこのコストが凄く高いのは、部品代もあるが工数がかかることにもある。


エネルギ密度より安全性?(9/11)
◆ リチウム系バッテリーでは比較的安全性が高いとされるLiFePO4の使用が増えている。EV用としても使われているし、モバイルバッテリー用としても使われる。モバイルバッテリーと言えば昔はモバブと略されていて、モバの次のブな何だ?と思ったものだった。その理由はこちらに記事があるが、ブースターの略なのだそうだ。ちなみに今はモバとかモババと略されているようだが、モババは言いにくいので単にモバになったとか。

◆ LiFePO4(リン酸鉄)系は安全性が比較的高いとは言っても燃えないわけではない。またエネルギ密度が低いのでEV用と考えると車重が重くなってしまう。それでも燃えるよりは良いでしょというのがFeLiPO4派の言い分である。

◆ エネルギ密度の低さを我慢するならナトリウムイオンの方が良いんじゃないのと、ナトリウムイオン電池の研究ではかなり進んでいる中国メーカが製品化をしている。ナトリウムイオン電池も燃えないわけではないが、正帰還的に燃えかたが激しくなるLi-ionバッテリより安全性が高いという。

◆ 急速充電や低温特性も良好(LiFePO4は高温特性が良好)なので寒冷地での使用にも問題が少ないと言われる。ナトリウムイオンバッテリーに関しては、今後研究の余地があるとのことで様々な特性改善の期待が出来る。リチウムを使わないことで資源枯渇の問題からも逃れることが出来るのだが、製造コストはどうなのだろう。

◆ 製造ラインというか製造工程はLi-ionバッテリー同様だと言われているのだが、より高性能化を目指すとすれば製造方法などは変わってくるはずだ。Li-ionバッテリーはリサイクル性が悪いので、資源の問題が出てくる。ナトリウムイオンバッテリーが同様にリサイクルできないとしても、資源が豊富であれば不安は少なくなる。

◆ 廃タイヤもリサイクルが難しく、殆どは燃料として使われているとのこと。ゴム製品やプラスチックの混合物用にも使われるが、非常に利益率が低いので日本では再生困難とまで言われる。結局廃タイヤは燃料にするのが一番となっているので、Li-ionバッテリーも燃料として使ったら良いのに。爆発的に良く燃えるのだから、燃やし方によっては役に立つかも知れない。

◆ と言う話はともかくとして、ナトリウムイオンバッテリーが長寿命で急速充放電可能だとすればEV用としては見込みがある。問題は重く大きくなってしまう事なのだが、こればかりは仕方がない。

◆ バッテリー容量が少ないのならプラグインハイブリッド(PHV)にすれば良いという意見もあるが、日産のe-Powerを見て分かるようにPHVはエネルギ利用のロスが多くて得な部分が少ない。バッテリー容量が大きければまだしも、レンジエクステンダを使って走るのはお得ではない。

◆ EV熱も冷めているのでEV用のバッテリー開発も各社スローダウンではないのかな。出来るとか出来たとか言っているトヨタやソフトバンクの固体電池は一体どこに行ってしまったのだろう。トヨタの予定では来年発売予定のEVに全固体電池が搭載される事になっていたはずだ。トヨタには経産省から補助金が出ているのかな。電池で補助金を貰い、水素で補助金を貰い、消費税の還付で愛知県の税務収支をマイナスにし、いやはや凄いことになっている。


後席中央は危険なのか?(9/10)
◆ リアシートの乗員安全性が評価されるようになってから、リアシート或いは2列目シート用のシートベルトにもプリテンショナやフォースリミッタが付けられるようになった。ただし全ての車に付けられているわけではなく、例えばフロンクスやセレナ、アルファードには付けられていない。プリテンショナがなくても安全性が確保できるのか?或いはコストやその他の問題で付けられなかったのかは分からない。

◆ 安全性能試験で評価されない後席中央だと、国産車でプリテンショナが付けられている車は皆無になる。安全性能試験で評価されないのなら不要だとの考え方だと思う。メーカ独自の安全性評価があれば別だが、そうでない場合は安全基準がないから安全性の追求ができないとなりそうだ。

◆ 欧州車の場合は評価されるかどうかよりも安全かどうかが設計基準になる場合が多く、ボルボもBENZもBMWもプリテンショナを装備している車がある。ただ全てのモデルに装着されているかどうかは分からない。BENZやボルボの事故解析だとか安全性基準の話は有名なのだが、だからといって安全性評価テストで満点が取れるわけではないところが難しい部分でもある。

◆ ボルボに関しては後席中央シートのベルトのリコールがあり、それでプリテンショナの存在を知ったという人もいる。ボルボの3列シート車では3列目のシートベルトにもプリテンショナが付いているそうで、どこに着座するかによって安全性に差を付けないみたいな考え方があるのだろう。

◆ 国産車は2列目シートでさえプリテンショナを装備していない車があるので、3列目シートにプリテンショナを装備している車は皆無だ。今は標準装備になっているが、法規が変わる以前のハイエースは後席のシートベルトすらオプション扱いだった。今時シートベルトがオプションなの?とカタログを見返した覚えがある。

◆ シートベルトプリテンショナがない場合の事故時の重症化率は、プリテンショナがある場合に比較して2倍程度になるとのことだ。この事から前席での安全評価で高得点を取るために、前席にはプリテンショナが付けられている。従ってメーカでもプリテンショナの有効性は理解しているわけだが、コストがかかることから省く方向になっている。

◆ 定員乗車をしない限り後席中央に人が乗る機会は多くないと思うが、後席中央に人を乗せている場合は普段に増して安全運転に心がけた方が良い。後席中央は狭いので子供を乗せるケースがあると思うが、出来れば避けたいところである。

◆ 逆走による衝突とかの事故も報道されるのだが、逆走事故って昔からあったのだろうか。報道される事故が重大事故だからと言うことはあるにしても、激しい事故が増えている感じがする。自動車の安全性は年々高まっているのだが、重大事故が増えれば当然のことながら死傷者も出る。

◆ もう一つはトラックによる事故で、これも近年ニュースになることが多い。多くは追突事故になり、重大事故になってしまう。渋滞の列の最後尾に付いたら車間距離を開けてステアリングを切っておくという人がいて、当時はそこまで心配することがあるのかと笑って話を聞いたものだった。しかし追突事故が度々報道されると、そうした自衛手段も必要なのかなと思ったりする。


中華部品の闇(9/9)
◆ 中華製OEMメーカは存在しないのではないかと思うのだが、OEMメーカの製造が中国で行われているものはあるはずだ。中華製も設計や品質管理が出来ていれば一定の信頼性を持つようになった。レーザ加工などの分野、その加工機などは中国が独占しているような感じすらある。

◆ 問題はノーブランド品やコピー品だ。日本の自動車メーカ用としてはトヨタや日産のマークの入った偽物だとか、JAPANと書かれたものが出回っている。これが本物かどうかを見分けるのは難しく、信頼できる部品商から買う位しかないのが現状だ。

◆ 中華ものに関しては、メーカ名までそっくりコピーして何が悪い的な感じがする。日本にはあまり入ってきていないようだが、欧米では日本メーカのロゴを入れた偽物が安価に売られているとのことである。

◆ 壊れても差し支えない部品なら良いと言うか、寿命が短くても安い方が良いと言うのであれば社外品を使うのも選択肢の一つだ。しかし偽物となると、使う側は高信頼性を期待する。ブレーキパーツや駆動系パーツだと安全性に直結するだけに注意が必要だ。

◆ ブレーキパッドの摩擦材が剥がれる話は以前に書いたが、安価な中華製のディスクロータは、ちょっとハードな使い方をするとクラックが入ってしまうとの記事があった。通常使用でも歪みがでたりして、ブレーキをかけると振動が出るなど低品質だという。

◆ 部品ではないが偽ヘルメットの話題もあった。ARAIやSHOEIの偽物はAmazonなどでも売られているそうで、普通の人にはそれが本物かどうかの見分けが付かない位のコピー度だとか。重さを本物と比較するとか、塗装の状態を見るとか、内部の材質を比べるなどしないと分からないそうで、バイク用品の販売店でも真贋判定には慎重になるとのことだ。

◆ 現状では信頼できる販売店で買うしかないと言われていて、販売店に関しても仕入れたものが本物なのか偽物なのかは分かっていないのではないかと言われる。様々な商品を扱っているネットショップ、それこそペット用品から自動車部品まで揃えているところがあるが、そうしたところがどこから仕入れているのか?正規代理店から仕入れているのかなど分からない。

◆ 今はあるかどうか分からないが、昔はエンジンオイルの偽物もあった。メーカ純正のオイル缶を回収してきて、それにノーブランドのオイルを詰めてパッケージして売ってしまうと言うもの。これは日本人が日本国内でやっていたことらしく、ブローカみたいな人が安価に(整備工場に)売り歩いていたらしい。

◆ 電子部品も偽物があるし、コピーものもある。似たような半導体に日本の部品番号を付けて売ってしまうもので、特性を測るとオリジナルとの違いが分かる。中華的には、オリジナルより性能が良いのに文句があるのかみたいな感じかな。

◆ コピーものの話ではないのだが、ポルシェのパーツは30年前の車のものでも手に入るのだそうだ。30年前のパーツが保管されているのではなくて、定期的に製造されているらしい。メカニカルパーツは追加製造が出来るとして、電子機器はどうなのだろう。部品自体が供給されなくなると製造が出来なくなる。オリジナルのLSIなどは1回の生産量が数万個程度必要だし、そもそも当時の配線ルールでは作れない(製造装置が既にない)。


トランスミッション(9/8)
◆ 海外ではDCTが、日本ではCVTとステップATが好まれる傾向だ。DCTは登場以来時が経って進化を繰り返した訳だが、進化と共に構造が複雑になり重量が増してきた感は否めない。そもそもステップATよりも軽量コンパクトで動力伝達効率が良いことが売りだったのだが、結局は色々と複雑になってきてしまった。

◆ 一部ではDCTよりステップATの方が良いのではないかと言われ、トルクコンバータを廃したものならトランスミッションサイズもコストも動力伝達効率も、DCTとさほど違わないと言われる。ステップATは歴史が長いだけに安定した機構や設計法が確立されていて、十分な信頼性を持っている。

◆ 多段多機能DCTとステップATが余り違わないのなら、トータルとしてステップATにメリットがあると言われ、逆に小型軽量化を進めるのであれば変速段数の少ないステップATやシングルクラッチのアクチュエータシフトの方がお得なのだとか。

◆ DCTは奇数段と偶数段のギアユニットそれぞれに、エンジンとトランスミッション間のクラッチを持っている。1速に入っているときに偶数段目のユニットは2速にギアを接続してクラッチを解放した状態で待機する。シフトアップの歳には1速側のクラッチを徐々に解放しながら、2速側のクラッチを徐々にエンゲージさせる。これによりシフトショックを抑えた変速が可能になる。

◆ ギアユニットは2つしかないので、例えば3速がセレクトされているときに、次にシフトアップされるのか、シフトダウンされるのかの判断が求められる。コントロールユニットはエンジン回転数やエンジンの負荷、走行速度などから、次に2速が選択されるのか?4速が選択されるのかを予測する。

◆ 予測が当たれば短時間でシフトが完了するが、予測が外れた場合はギアシフトの行程から行うのでシフトに少し時間がかかる。このあたりのシフト時間のばらつきが気に入らないという人もいるのだが、予測が外れた場合だからといって、シフトにものすごく時間がかかるわけではない。

◆ ステップATの場合は単にギアシフトするだけ(常時噛み合いなので実際にはクラッチの断続だけ)なので、シフトアップもシフトダウンもほぼ同じ時間で完了する。ただしそのシフト時間はDCTよりも遅めなので、極限性能を求めると不満が出てくる。

◆ 現在欧州車は小型車でもハイパフォーマンスカーでもDCTが使われているが、もしかすると小型車はステップATに戻るかも知れないとみる人もいる。DCTはハイパフォーマンスカーなどコストを余り気にしない車用として存在し続けるのではないかと。

◆ CVTは小型軽量低コストという事で軽自動車を中心に今後も使われると思う。横置きFF軽自動車の場合はエンジンとトランスミッションの幅を狭くすることが必要なので、構造の簡単なCVTが使いやすい。当初のCVTはメカニカルクラッチを使ったが、半クラッチによるクラッチ板摩耗やジャダー、CVTの変速比が大きく取れないことによるトルクなどの問題があった。そこで今はトルクコンバータが使われているのだが、再びメカニカルクラッチが使われるようになると、更なる小型軽量化が実現することになる。ただ変速比を大きくするのは簡単ではないので、低速トルクをアシストするモータを付ける方が今風かな。


アイディアだけがあれば良い(9/7)
◆ 生成AIの進化は著しいものがあり、知識データベースとして様々な分野の役に立っている。それぞれの分野によってどのAIが最適なのかは異なると思うが、CopilotもGROKも同じような感じではある。Geminiは構文の理解が今ひとつというか、このあたりはGoogle検索同様で、若干知識の足りないAI的なイメージだ。

◆ AIに何かの答えを要求するときに、その質問がAIにどの程度理解されるかが重要になる。質問には既知のことなどを書いておかないと、結構回りくどく面倒になるがそれは質問者の責任だ。

◆ 知識データベースがあると人間は覚える事をかなり少なく出来る。暗記しなければいけない事などは不要になる。円周率もアボガドロ数もデータベースが覚えていてくれている。野球選手のヒットの数も、偉人の誕生日も、聞けば答えてくれる。

◆ 人間が生成AIに的確な指示を与えると、人間は単純な作業から解放される。亀の甲より年の功も、もしかしたら昔話になるかも知れない。しかし生成AIも無から有を作ることは得意ではない。既存の知識の集大成は出来たとしても、それはあくまでも既存のものの延長であって未知の開拓ではない。

◆ 物理学的或いは化学的な可能性や限界を計算することは出来ても、新たな発見を導き出すのは相当難しそうだ。勿論これは人間にとっても難しいことではある。商品開発においてもシミュレーションやコスト計算は出来るだろうが、ヒット商品は考え出してくれない。

◆ AIが答えを出せるようなことはAIにやらせればいい話なので、それらのAIの答えなりをベースにしながら新しいものを生んでいくのがこれからの人間の役目になるのかも。AIに何かを作らせるための情報、例えば何かの製品であればその製品のコンセプトだとか仕様を人間が考えれば、あとはAIが設計から製造指示から品質管理工程まで、全て作ってくれるだろう。

◆ 購買部門のAIは各社に見積もりを要求し、見積もりを要求されたメーカのAIがそれに回答する。"今回は急ぎなので超特急でお願いしますよ"なんて要求に営業マンが困ることもないだろうし、もしかしたらAI同氏のネゴで超特急工程が入れられるかも知れない。

◆ 業務や分野によっては可能性の推定もAIが行って、あのメーカはいつも納期が送れるから製造工程に余裕を見ておこうみたいな、メーカごとの納期遅れ率が数値化されたりして。

◆ 株の自動売買などでも同じように、何かのアクシデントがあると自動機能は役に立たなくなる。人間なら対処できることでも、非常事態用の知識と経験がないAIでは緊急停止してしまうかも知れない。それこそ半導体不足の時の混乱のようなことが、何かをきっかけに拡大してしまう。

◆ 製品仕様でもソフトウエアの仕様でも同じだが、正常時の処理は余り難しいものではない。しかし異常時の処理は、どんな異常が起きるか?起きないのか?起きる確率はどのくらいなのかを考えなければいけないので難しいしトラブルになりやすい。異常とは何かと言えば、それは設計者が想定していない事なのだ。想定されている異常は想定されているのだから、それは正常動作の一部である。


好きな芸能人みたいな…(9/6)
◆ 以前に書いたことがあるかも知れないが、私は好きな芸能人はいない。なのでファンの気持ちが理解できない。理屈の上では分かるので否定するつもりはないが、私にはそんな気持ちは無いのである。

◆ 芸能人ばかりではなく、収集家の人の気持ちも同じなのかと思ったりする。ポケモンカードを集めるみたいな、集めて何になるのかは分からないが収集家は集める。集めることに情熱を燃やすのか、集まったことに喜びを感じるのかは人それぞれかも知れない。

◆ 色々と問題を起こす撮り鉄はどうなのだろうか。良い写真を撮りたいという気持ちは理解が出来るし、それは絵を描くとか曲を作るのと同じような創造の世界かも知れない。絵を描いたり曲を作ったり写真を普通に撮ることが静だとすると、迷惑系撮り鉄は動なのかな。

◆ 芸能人のファンはその芸能人のグッズを集めたり写真を集めたりする。それで満足感が得られたりするのだと思うのだが、その辺りが私には理解しがたいところなのだ。だから何なの?なんて言うと怒られそうだし、好きな人を応援する気持ちだ、野球のファンやサッカーのファンと同じだよと言われるかも。いや、私の場合はそうした全てのファン心理が上手く理解できない。

◆ だってファンになって応援したからと言ってその人がどうにかなるわけではないし、まして自分に関わることなどあり得ない。これが候補者に投票するというのだと結果があるのでまた違ってくる。結果と言えばCDを買って投票するみたいなのがあったっけ。AKBの選抜総選挙投票券欲しさに沢山のCDを買い、投票券だけ抜き取ってCDは捨ててしまう。好きな人のCDを捨てちゃうの?
◆ 投票した人に沢山の票が入れば投票された人は喜ぶわけだし、人気が高まって有名度も上がるかも知れない。それで投票した人は満足感が得られるのかな、オレが投票したんだゼ!みたいな。この場合は結果があるから投票する気持ちも分かる。CDを捨てちゃう気持ちはちょっと…だけど。

◆ 犬が好きとか猫が好き、異性が好きというのはファン心理とは全く違う。ファン心理的に他人に興味を抱けば、下手をするとストーカーになってしまう。相互の関係性が保たれてこそ愛だ恋だ提灯だという話になる。

◆ 対象が人間ではなく地域であったり機械であったり、或いは特定の企業や団体の場合もある。こうなるとちょっとばかり宗教チックになってくるのだが、ファン心理の究極的なものが宗教への傾倒だろうか。それは一般のと言うか普通の信仰心を持った人とは少し違っていて、もっともっと激しい何かがある。

◆ 機械、昔だったらオーディオ機器だとか、今だったらスマートフォンとかかな、特定のモデルやメーカに陶酔する的な気持ちを持つ人もいる。でも相手が機械で、それが古くなると信仰心をさっさと変えちゃったりして。車だと一部EVをこよなく愛すみたいな人もいるのだが、良いよ凄いよ最高だよと言いながら必ずしもその車に乗っていないみたいな。

◆ 私なんか飽きっぽいから、私はこれが好きだなんて宣言することは恥を予言するみたいなもので、あの時はこう言ったけど今はこうだよなんて言い出すことになってしまいそうだ。まあ宣言するほど特定のものに熱中するような事がないから分からないんだけど。


ロボット掃除機(9/5)
◆ ウチではRoombaを使っている。ジャンクで買って来たRoomba e5がジャンクではなかった話は以前にBlogに書いた。これにより調子の悪いものや多少傷んだものをリプレイスすることになった。e5はスマートフォンから操作や設定を行うのだが、これが不安定で困る。

◆ iRobot側のクラウドが死んでしまうと何も出来なくなるし、その場合でも障害報告が出ないので何が悪いのかが分からない。最初は設定不良だと思って何度も再起動したり、再設定したりしたのだが、結局はクラウド側の不具合だったようだ。

◆ スケジュール機能も動いたり動かなかったりで、今はアレクサから起動することにしている。ウチは猫の毛が落ちるのでそれを吸い込んで貰う必要があり、Roombaがないと掃除の手間が増えてしまう。ネコの毛以外はネコの爪とぎの破片だとか猫砂が落ちている位で、いわゆる普通のゴミなどは殆どない。

◆ 絨毯の上でも以前はRoombaを使っていたのだが、毛足の長い絨毯の上では走行できないし、毛の長さにセンサが反応して(障害物だと思って)止まってしまう。仕方がないので普通の掃除機を使うのだが、窓を開ける機会の多い部屋では土埃みたいなものも多少は落ちている。

◆ 毎日動作させるとバッテリーの寿命は4年位で、連続稼働時間が短くなるとそろそろ寿命だ。バッテリーはサードパーティ製を買っているが、e5以外はNi-MHなので中華製でも良いかな。e5はLi-ionになったので、電池が駄目になったら何かを買わなくては。毎日充電されるものなので中華製は今ひとつ心配ではあるが、純正品は7,700円と高い。中華製だとその半額位で買うことが出来る。

◆ Roombaの設定では1日に1回しかタイマ起動が出来ない。猫の毛は早々散らかるものではないのだが、猫同士が戦ったりすると毛が舞う事もある。なのでリビング(普段ネコはリビングにいる)では2台のRoombaを動かしている。e5はアレクサから起動をかければ何度でも動かせるので1台で良いのだが、複数台を動かした方がトータルとしてのダストボックス容量が増えるので、ルンバに溜まったゴミを捨てる回数が減る。

◆ 外部からの制御が出来る点ではWiFi対応モデルの方が便利だが、動作の不安定さがどうにも気になる。Roombaに関しては(中古が)安いから我慢するみたいに思うしかない。消耗品類もサードパーティ製があるのでコストがかからない。全て純正品を買わなければいけないとなると、ランニングコストが高くなってしまう。

◆ Roomba本体も安いものを買えば良くて、モデルによる清掃能力の差は余り感じない。e5はハードオフで3千円で買ってきたもので、ジャンク表記だったが動作に問題はなかった。その後ヤフオクでも(同じような価格で)1台買っているが、送料を入れるとちょっと高いかな。

◆ Roombaの600シリーズだと1円とか500円とかで買えるし800シリーズでも千円とか3千円位ではないだろうか。グレーのゴムローラのタイプは床や絨毯に対する攻撃性が、回転ブラシタイプよりも大きい。緑のローラのタイプはグレーのローラのものより床を叩かなくなっている気がする。

◆ スマートフォンから操作したいのであれば900番台とかiシリーズ以降になるのかな。自動ゴミ回収ステーション付きは手間がかからないが、結構デカいので邪魔なんだなぁ。


エアバッグの形状は重要(9/4)
◆ 海外における衝突試験は時を経るごとに厳しくなっている。スモールオーバラップ試験では従来のオフセット衝突の40%ラップから25%となり、車両の破壊はより進むことになる。

◆ 2009年頃だと思うのだが、BENZのCクラスはこのテストで最低評価となった。BENZは毎年のように改善とテストを繰り返したが、最高評価を得たのは2015年頃だったと思う。このテストの厳しさというか対応の難しさはダミー人形の身長にもあった。

◆ 助手席側スモールラップテストでは男性ダミーを使うのだが、40%オーバラップテストでは女性ダミーが使われる。この身長の差によって、男性ダミーでは好成績を残したものの女性ダミーでは評価が下がる結果となった。これは男性ダミーへの衝撃度を小さくするために大きめのエアバッグを使った事によるもので、女性ダミーの場合はエアバッグによって頭部が押されてしまう事態となった。

◆ 衝突試験対策のための安全装備と言ってしまえばそれまでなのだが、車両の設計時点からの見直しがないと厳しいものがあるわけだ。SLはオープンカーなのでシートベルトはシートに内蔵されている。このシートベルトは乗員の身長によって引き出し部分の高さが変えられる設計になっているのだが、これも衝突安全性を確保するためのものだったのだろう。

◆ 将来的には乗員の身長や体重をセンシングしてシートベルトやエアバッグを制御するなんて事が行われるのかも知れない。体重50kgの小柄な女性と、体重90kgの大柄な男性に対するシートベルト張力やエアバッグ形状が、同じで満足な結果が出るとは思えない。

◆ クラッシャブルゾーンにしてもフル乗員時と一名乗車時では変化するだろうし、貨物車にあっては積載量でも変化するはずだ。特に車重の軽い軽自動車では乗員数の影響が多く出ると思われる。

◆ 軽自動車も安全基準は満たしているわけだが、自車よりも重い車との衝突では変形量が大きくなる。変形量を小さくしようとすると乗員への衝撃が増えてしまうので、解決策はクラッシャブルゾーンの拡大しかない。軽自動車規格の変更による大型化は、より安全な車両を作るためのものだったはずだ。しかし決められた車体寸法の中で最大の車室容積を得ようとした結果、他車との衝突時における衝撃吸収力が余り大きく向上しなかったわけだ。

◆ 小さい車ほど衝突試験を厳しくしなければならないとはよく言われることなのだが、実際には中々難しい。軽自動車のキャビン部分を丈夫にして変形を抑制しながら、衝突時の衝撃を軽減するためには(現在より)20cmくらいクラッシャブルゾーンを拡大する必要があると言っている人もいる。

◆ 春頃だったと思うがGT-R(かな)に追突された軽自動車の乗員重傷事故があった。GT-Rも前部が壊れたが、追突された軽自動車は大きく損傷した。この場合は追突なのだが速度差が50km/h程度と推測されるので、衝撃もかなり大きかったわけだ。追突された側が軽自動車ではなく大型トラックであれば乗員の怪我は少なかったわけで、車重と強度が全てみたいな話になる。

◆ 現在は前面と側面衝突試験は行われているが、後方からの衝突試験(人員に対する安全性を目的としたもの)は行われていない。追突に対する安全性を言い始めると、ワンボックスカーやハッチバック車の後部座席は結構厳しいことになる筈だ。


AZのエンジンオイル(9/3)
◆ AZは様々な潤滑剤を製造しているメーカなのだが、エンジンオイルにも近年力を入れている。○○専用オイルみたいな分類で旧車用だとか水平対向エンジン用だとか、ハイブリッド車用みたいな分類もある。

◆ チムケンテストでエンジンオイルの性能を評価できるか否かは議論の分かれるところではあるのだが、AZのオイルは全般的にチムケンテストの成績は優秀だと言える。ただし実使用による劣化は多めで、使い古しのエンジンオイルのチムケンテストの成績は余り良くはない。

◆ 初期性能に重点を置いて開発されたもので、いわゆる継続使用時の性能だとかロングライフ性能などが犠牲にされている。ロングライフとは謳われていないので、数千kmで交換していくのが良いのだろう。テストによっては3,000km位で明確に性能が落ちるという結果も出ている。

◆ 継続使用でもチムケンテストの成績が殆ど変化しないものにカストロールのEdgeがある。初期性能ではAZのオイルに負けるのだが、1,000km使用後だとEdgeの方が成績が良くなり、Edgeは1.6万km(1万マイル)使用後でも余り性能が落ちていない。

◆ 以前にも書いたがカストロールは現地生産しているものが多く、厳密には生産地で特性が異なっている。イタリア仕様はチムケンテストの成績が良くないのだが、ランボルギーニで指定オイルにされていることから、極圧摩擦係数以外のどこかの性能が高められているのだと思われる。

◆ AZは初回限定特価的に安価で販売している。CEB-002はグループIII(VHVI,鉱物油を精製して得られるもの)ベースで20リットル缶が約9.8千円、CEB-002はグループIII/グループIV(PAO,α−オレフィンから作られる合成油)混合で20リットルが約1.4万円、CER-998はグループIV/グループV(エステルベースなど、グループIIIでもIVでもない合成油)混合で同約3万円だ。カストロールEDGEはグループIIIとグループIVの混合で、グループIIIをベースにしてグループIVオイルを添加している的なニュアンスだ。MOTUL8100はグループIVをベースにしてグループV(エステル)を添加している。

◆ エステルは他の添加剤との相性が余り良くない部分もあり、エステルを取るか既存添加剤を取るかみたいな難しさがある。チムケンテストでの成績が優秀なロイヤルパープルもグループIVベースで、低粘度でも高粘度オイルに匹敵する極圧性能を発揮する。少なくともチムケンテストの結果を見る限り、0W-20でも10W-40同等の潤滑性能を有している。また焦げ付き性のテストでも特段劣った部分がないが、値段は高めである。

◆ 安価なオイルをこまめに交換という事であればAZの各シリーズは良いかもしれない。勿論ロングライフのエンジンオイルをこまめに交換した方が(特性の変化が少ないという点で)良いのかも知れないが、特性の良い部分だけを使う(劣化する前に交換してしまう)のであれば良いのかな。もっとも交換サイクルによっては高いオイルと安いオイルに差が付きにくくはなる。オイルは捨てるのも手間なので、どのくらい使ったら交換するかは悩ましいところだ。

◆ 20リットル/1万円だと高価格オイルの1/3位の価格なのだが、トヨタや日産の鉱物油或いは部分合成油が同価格帯になる。AZ的にはそうした鉱物油ベースのオイルよりも高性能で同価格ですよと言うのが売りだと思う。少し古めの車にお乗りの方(メーカアプルーバルは取得していないようなので)はAZのオイルを試してみても良いかも。


Youtube雑感(9/2)
◆ 今のところは週に1本ペースで動画を作っているが、やがてインターバルが空くことになると思っている。動画の場合はカメラを録画モードにして作業をすればそれで済む。静止画の場合はカメラを持ってきて写真を撮らないといけないのだが、作業や実験が何日かに渡るとか、時間が連続しないような場合は動画を作るのが面倒だ。

◆ 連続作業は動画記録が楽なのだが、楽だからと言って週に1本の動画を作っていくのも大変だ。職業Youtuberの場合は動画がカネになるのだから仕事として頑張らなければいけないわけだが、私の場合はそうではないので余り頑張らなくて良いかな。

◆ 職業Youtuberだと車が壊れるのを楽しみにしながら車に乗っている、などと話している。整備ネタが降って来ないかな、みたいなものだ。でも大抵の故障はすぐに直ってしまうわけで、なので時間の稼げるレストアに走るというのが一般的だ。

◆ レストアではなく毎週何かアクセサリを付けたり、燃費グッズを付けたりしている人もいるが、それにしたってやがてはやる事がなくなる。化学系とか観察系の人はアイディアさえあれば何とかなる。とは言っても化学系となると実験材料のコストだとか設備のコストも大変なんじゃないのかな。

◆ 星を観察する系の人は何百万円もかけて望遠鏡を買うみたいな、2ヶ月分の収益が吹っ飛びましたみたいな話をしていた。勿論それが投資となって更に金を生めばいいわけだが、思ったほど再生数が伸びなかったとなったら悲しいだろう。自動車整備系にしてもどの車の整備が人気なのかなど、細かく分析するんだろうな。

◆ 仕事は何でも大変ではあるが、人気商売みたいな所もあるので商売っ気のある人でないと多くの金は稼げないような気がする。自分のやりたい整備をやるのではなく、あくまでも再生数の伸びる作業をしなければいけない。趣味を仕事にしてしまうのも同じようなもので、仕事になった途端に趣味ではなくなる。今まで好きだった事が、責任という圧力によって嫌いにさせられてしまう。

◆ 月収100万円以上あったYoutuber氏がアカウントを抹消されたのだそうだ。理由はよく分からないが、規約違反だから消すよとだけ連絡が来たという。AIのフェイク動画チャネルなど消されもしないのに、何で俺が消されるんだと嘆いていた。

◆ 迷自動車系とか化学や物理実験系は、広告単価は高いが再生数が伸びない。エンタメ系はその逆だが、ゲーム配信やアニメ系は比較的広告単価が高く再生数も伸びるのだそうだ。ゲーム系など自動車系動画の10倍の再生数が当たり前という感じなのだから凄い。

◆ 各分野で中華AI動画が氾濫している。自動車系でも色々出てきていて、日本人の作るチャネルも増加傾向だとか。これらの嘘動画がお勧めに出てくる秘密は不明だが、チャネル増加数もその動画の数もものすごい事になっている。一つの動画の再生数は少なくても、毎日数本のペースで動画が作れるのだから、ちりも積もればである。

◆ ゲームアプリの広告同様、今後動画広告の品質も落ちていくのではないだろうか。Google的にも高値で広告枠を買うクライアントを優先するわけで、詐欺広告は稼ぎの額が違う訳だから高い広告代を払うことが出来る。倫理だとか道徳なんて概念があれば別だが、売り上げ確保という事になれば悪い広告を優先していくしかない。


ディーゼルは悪者なのか?(9/1)
◆ かつて日本でも同じ事があった。国はメーカとの癒着があるので排ガスの強化に消極的だった。昭和51年(だったかな)規制の時点でもトヨタは排ガス規制強化に猛反対をした。トヨタが反対すれば排ガス規制強化は行われないだろうと思っていたのか?トヨタは低公害エンジンの開発を行わなかった。しかし排ガス規制の強化は行われ、トヨタはホンダや日産の技術を買わざるを得なくなったのだった。

◆ ディーゼル排ガス規制強化に国は消極的だった。業界団体が票と金をくれるわけだから、自民党がその業界の反対している事を推進するには抵抗がある。しかしそうした抵抗のなかった当時の石原都知事は東京都での独自排ガス規制強化に踏み切ったのだった。これによって高公害ディーゼル車は都内に入れなくなった。

◆ これと同じような事がイタリアでも行われようとしている。かつては燃費が良いから地球環境に優しいのだと言われて大量のディーゼルエンジン搭載車が販売された。しかし実際にはNOxやPM問題が深刻化し、すると政府はディーゼルエンジンは高公害だと意見を変えた。

◆ 日本でも最近は古い車に乗り続ける人が増えたが、海外では10年以上前の車に乗り続けるのは当たり前である。イタリアでは20年前の車を使っている人が自動車所有者の1/4にも達すると言われる。そんな現状でありながらも2011年以前に製造されたディーゼルエンジン搭載車が特定の都市を走れなくなる。

◆ 完全に通行が禁止されるのではなく、大気汚染の激しい期間の(主に)日中には通行が出来ず、通行した場合には罰則が科される。これはイタリアがと言うよりもEU規制に準じた策だとのことだ。散々ディーゼルは良いよと言っておいて、今更何事かと言っても欧州議会は聞く耳は持たない。

◆ イタリアには200万台規模の高公害ディーゼルエンジン搭載車、とは言ってもユーロ5規制車なので黒煙モクモクと言う事はないはずだが、そうした車が存在していると言われる。こうした車の所有者はいずれにしても車を買い換えるか、あるいは規制時間の通行を諦めるかの選択になりそうだ。

◆ こうした段階的な規制や年ごとの規制はイギリスやフランスでも過去に行われた。地域によって規制の内容は異なると思うのだが、Tチャージと称される科料を払えば車を使っても良いよ、みたいな規制もあった。別にお金を払ったからと言って排ガスが綺麗になるわけではないのだが、代替促進策という事だろう。

◆ ディーゼルエンジンの場合はPMフィルタで黒煙を集塵するのだが、それを燃やす事が必要になる。燃やさないとフィルタが詰まってしまうからで、しかし燃やせば炭酸ガスが排出される。これを以てしてもディーゼルエンジンが効率的なのか?いささか疑問だ。

◆ 欧州の排ガス規制強化に合わせて日本でも排ガス規制が強化されれば、ディーゼルエンジン搭載車は更に減少するだろう。結局の所日本でもディーゼル車優遇があったから売れたわけで、そうでなかったらこれほどまでにディーセルエンジン搭載乗用車は増えていなかったはずだ。

◆ また日本の場合は税金の関係でガソリンよりも軽油の方が安い。元値としては軽油の方が高いのだが、このあたりも業界団体との癒着的政策という事なのかな。