AZのエンジンオイル(9/3)
◆ AZは様々な潤滑剤を製造しているメーカなのだが、エンジンオイルにも近年力を入れている。○○専用オイルみたいな分類で旧車用だとか水平対向エンジン用だとか、ハイブリッド車用みたいな分類もある。
◆ チムケンテストでエンジンオイルの性能を評価できるか否かは議論の分かれるところではあるのだが、AZのオイルは全般的にチムケンテストの成績は優秀だと言える。ただし実使用による劣化は多めで、使い古しのエンジンオイルのチムケンテストの成績は余り良くはない。
◆ 初期性能に重点を置いて開発されたもので、いわゆる継続使用時の性能だとかロングライフ性能などが犠牲にされている。ロングライフとは謳われていないので、数千kmで交換していくのが良いのだろう。テストによっては3,000km位で明確に性能が落ちるという結果も出ている。
◆ 継続使用でもチムケンテストの成績が殆ど変化しないものにカストロールのEdgeがある。初期性能ではAZのオイルに負けるのだが、1,000km使用後だとEdgeの方が成績が良くなり、Edgeは1.6万km(1万マイル)使用後でも余り性能が落ちていない。
◆ 以前にも書いたがカストロールは現地生産しているものが多く、厳密には生産地で特性が異なっている。イタリア仕様はチムケンテストの成績が良くないのだが、ランボルギーニで指定オイルにされていることから、極圧摩擦係数以外のどこかの性能が高められているのだと思われる。
◆ AZは初回限定特価的に安価で販売している。CEB-002はグループIII(VHVI,鉱物油を精製して得られるもの)ベースで20リットル缶が約9.8千円、CEB-002はグループIII/グループIV(PAO,α−オレフィンから作られる合成油)混合で20リットルが約1.4万円、CER-998はグループIV/グループV(エステルベースなど、グループIIIでもIVでもない合成油)混合で同約3万円だ。カストロールEDGEはグループIIIとグループIVの混合で、グループIIIをベースにしてグループIVオイルを添加している的なニュアンスだ。MOTUL8100はグループIVをベースにしてグループV(エステル)を添加している。
◆ エステルは他の添加剤との相性が余り良くない部分もあり、エステルを取るか既存添加剤を取るかみたいな難しさがある。チムケンテストでの成績が優秀なロイヤルパープルもグループIVベースで、低粘度でも高粘度オイルに匹敵する極圧性能を発揮する。少なくともチムケンテストの結果を見る限り、0W-20でも10W-40同等の潤滑性能を有している。また焦げ付き性のテストでも特段劣った部分がないが、値段は高めである。
◆ 安価なオイルをこまめに交換という事であればAZの各シリーズは良いかもしれない。勿論ロングライフのエンジンオイルをこまめに交換した方が(特性の変化が少ないという点で)良いのかも知れないが、特性の良い部分だけを使う(劣化する前に交換してしまう)のであれば良いのかな。もっとも交換サイクルによっては高いオイルと安いオイルに差が付きにくくはなる。オイルは捨てるのも手間なので、どのくらい使ったら交換するかは悩ましいところだ。
◆ 20リットル/1万円だと高価格オイルの1/3位の価格なのだが、トヨタや日産の鉱物油或いは部分合成油が同価格帯になる。AZ的にはそうした鉱物油ベースのオイルよりも高性能で同価格ですよと言うのが売りだと思う。少し古めの車にお乗りの方(メーカアプルーバルは取得していないようなので)はAZのオイルを試してみても良いかも。
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