イリジウムプラグ


イリジウムプラグをテストする機会を得た。
書いたのは約1年前である。
イリジウムプラグ(DENSO IRIDIUM TOUGH)も2万キロの使用となり、ここで一度外してみる事にした。
それは、若干アイドル時の振動が増えてきたような気がしたからである。
まずは写真を見ていただこう。


焼け具合はさほど悪くないと思う。
普通に走っていれば2000rpmを超える事は余り無く、しかも平均時速20Km以下という渋滞路の走行後取り外したものだ。
このプラグには接地電極側にプラチナか何かが貼ってあり、長寿命化されているはずだ。
確かに接地電極中央部に何かは見える。
接地電極全体にちりばめられたようになっているものは、中心電極の蒸発カスだろうか。
触ってみると、少しざらっとした感じがする。
中心電極が摩耗して細くなったり、あるいは短くなっているかと言われると、何とも言えない。
少なくともギャップが極端に開いているという事はない。
接地電極のエッジは充分に丸くなっているが、放電点が接地電極に貼り付けられたプラチナチップらしきものであると仮定するならば関係はないのだが、だったら何故接地電極の角が丸くなっているのだという話になる。
比較のために、8,000Km使用時の写真を見ていただこう。

これにはハッキリと接地電極側のプラチナチップが写っている。
(上の写真で、接地電極の一部が盛り上がっているように見えるのがそれ)しかし2万キロ走行後のプラグを見ると、明らかにこの部分が痛んでいるのだ。
8,000Kmの写真では、チップが貼ってある部分がエッジになっている事に注目して頂きたい。
放電ってヤツは角が好きなのである。
だからこそイリジウムを使用してまで、細い中心電極としているのだ。
もっともカソード側になる中心電極より、接地電極の方が要求特性が甘い事は事実なのだが。
低回転型で排気量あたりの出力も小さなエンジンでも2万キロ使用でこの通りなので、より爆発圧力の大きなエンジンでは寿命は短くなるのでは無かろうか。
このプラグの代わりに取り付けたのは、イリジウムに交換する前に使用していたノーマルプラグである。
交換によってコールドスタートからしばらくの間のアイドル振動が減ったような気もするが、気がするレベルである。