アタッシュケースにアンテナを付ける


仕事用にアタッシュケースを使用している。
以前はソフトな素材の物を愛用していたが、混雑する電車などでの移動を考えてアタッシュケースに変えたわけだ。
都内へ出掛けるときには大抵電車を使用する。
運ぶ荷物が多いときは車を使うが、そうでない場合には時間の正確な電車に限るというわけだ。
仕事で出掛ける先には書類や,或いはサンプルなどの機械を持ち込むことがある。
ソフト素材のカバンを持ち歩いていた頃、満員電車で書類はシワになり,機械を壊して(ケースにヒビが入った)事があったのだ。
その後革製のカバンを使うようになったが、殺人的混雑の電車を使わなくてはいけない時間帯だとカバンの中身が気になって仕方ない。
まさか客先に「電車が混んでいるから行けません」とは言えないし、そんな事を言おうものなら「じゃあ今後二度と来なくて良いです」とか言われるに決まっている。
そこでハードアタッシュケースの登場だ。
コイツは丈夫で安心なのだが、革製のアタッシュは外径寸法の割に内容積が小さい。
しかも結構な重さがある。
ある程度大型のものだと合成樹脂製の物もあるが、毎日持って歩くには大きすぎる感じ。
今回手に入れたのはアルミ製のアタッシュだ。
強化プラスチック製の,非常に軽い物も有って迷ったのだが、少々寸法が大きかったので諦めた。


金属製というと重そうだが、同寸法の革製より軽いくらいに仕上がっている。
また、若干小型品になるがこのシリーズの半分の重さ,ってのもあった。
金属製のアタッシュケースで困るのは携帯電話の電波が入って来にくいこと。
実験してみると、コイツのシールド効果はなかなか高く,十分電界の強いところでも圏外ぎりぎりになってしまう。
そこでアタッシュケース内外を中継するための仕組みを考えた。
仕組みと言っても難しいことはない。
アタッシュケースの外と内側それぞれにアンテナを付けて、それを同軸ケーブルで結ぶだけだ。
アンテナだが、ファームのバグで実用に耐えなかったD201Hyperをバラして逆F型アンテナとホイップアンテナをもぎ取った。
接地面(アタッシュの外側)に付けるには逆F型がよろしい。
ホイップアンテナは金属面が近くにあると多大な影響を受けてしまう。
そこで逆F型アンテナをアタッシュに付けてみた。


白い合成樹脂の上に金蒸着(メッキ)でアンテナが作られている。
手前の緑に見える部分は集中定数回路で作られたマッチングセクション(らしい)これを黒く塗れば目立たないが、黒いアタッシュに金色の物体じゃ趣味悪すぎ。
最近のホンダ車の金のエンブレムに匹敵するカッコ悪さだ。
アンテナ部分の拡大がこれ

この手のアンテナに塗装すると特性は多かれ少なかれ変化する。
ネットワークアナライザで再チューニングすれば良いが、ソレも面倒だし..だったらホイップアンテナにしようかな,って訳で取り付けてみたのが下の写真だ。


遠くから見ると少々格好悪く,近くから見るととても格好悪い..アンテナの下の部分にはマッチングセクションがついている。
ちなみにラジアルは張っていないが、ケースがアルミなのでネジを立てれば済むことである。
内部はとりあえず仮設と言うことで、こんな風になっている。


電話入れの近くに逆F型アンテナを転がしてあるに過ぎない。
実はこの様なアンテナ中継の場合、内部のアンテナを出来るだけ携帯電話に近づけた方が効果がある。
この手の方式は自動車用のガラスを介した方式で携帯電話用として売られているが、あれの効果は疑問である。
もっとも携帯電話に張るシールみたいな感度アップグッズも有るわけで、信じる人は救われる商法,なのかも。
さてコイツの効果のほどだが、とりあえず圏外になることはなくなった。
携帯電話をナマでポケットに入れておくよりかなり電界強度は弱まるとは思うが、金属ケースの中に入っていて着信することを考えれば良いのでは無かろうか?