Nicon COLL SHOT600 を試す


これまでF&Fのページ作成にはコダックのDC-20を使用してきた。
これは小型軽量で電池の保ちも抜群(100枚以上は軽く撮れる)で重宝していたのだが、近接撮影の多いF&Fとしては、液晶モニタ付きのデジカメが欲しいと思っていた。
DC-20は接写が余り得意でない固定焦点であり、光学ファインダーと実写の位置ズレも気になる。
私がデジカメに求めるものは、小型軽量で扱い易いこと。
もちろん画質が良いに越したことはないが、所詮デジカメであって銀塩写真にかなうわけはない。
むしろデジカメの手軽さや機動性を重視したいと考えているわけだ。
そこに登場したのが松下のOEMでニコンブランドで発売開始されたCOOL PIX600だ。
発売開始時期が1ヶ月も延期された(松下のものは予定通りに発売された模様)が、XGA(1024x768)解像度で小型とあって購入に踏み切った。
購入に当たって最後まで迷ったのはキヤノンのPowerShot A5だ。
価格も解像度もほぼ同じ,寸法はキヤノンの方が大きいが、ストロボ内蔵(ニコンは脱着式が付属)でニコンのものより軽い。
比較の結果ニコンを選んだのは1.キヤノンは2CR5型リチウム一次電池が電源であり、ランニングコストが嵩む。
2.キャノンのオートフォーカスは動作が遅い。
(2秒程か?)3.画像圧縮率が高い。
(ブロックノイズが多いのではないか?)と言うわけだが、ニコンの欠点もある。
1.液晶モニタの画像更新速度や画像セーブ時間がキャノンより遅い。
2.重い。
リチウム単三実装時の実測で250グラム,DC-20の丁度2倍だ!3.レンズ部分がボディーより出ている。
キヤノンは引っ込む。
なお、両社ともレンズ焦点距離は5mm,これは35mmカメラ換算で36mmの広角である。
レンズの明るさはF2.5対F2.8でキャノンの方がわずかに明るい。
CCDサイズは両方とも1/2.7インチで同一,CCDサイズが小さいために、レンズはわずかでも明るい方が有利なのは言うまでも無い。


さてCOOL PIX600をDC-20で撮ってみよう

これがDC-20のフルサイズ画像だ。
タバコの箱の反射は「意識的」と言っておこう。
同じ距離からCOOL PIX600で写すとこんな感じになる。


DC-20より広角なのが分かるだろう。
ちなみに画像は1/2に縮小している。
CCD感度を見るために夜の住宅街を撮ってみた。
肉眼では家屋が確認できるが、感度が高いD
-20でもやはり暗い。


街灯のボケ方,色が赤方向にずれているのが確認できる。
ほぼ同じ角度からCOOL PIX600で撮るとこうなる。


画像は1/2に縮小しているが、元の画像を見てもにじみは少ない。
感度自体はDC-20に及ばないのは一目瞭然と言ったところ。
CCDサイズを変えずに画素数を増やせば、画素あたりの光量は低下する(画素面積が小さくなるから)これを補うために明るいレンズや補色系フィルタを使うわけだが、補色系フィルタは色再現性が悪いと言われている。
このため、色補正を電気的に行うなどの苦労があるわけだ。
(COO+ PIX600は原色系フィルタを使用している)ちなみに色の具合やフォーカスなど、2インチポリシリコンTFT液晶では確認は難しい。
拡大モードを使えば多少はマシだがマクロ撮影以外では光学ファインダーのみでも十分用が足りる。
何しろ液晶モニタを使いながらの撮影だと、単三アルカリ電池2本で30枚程度(標準の8MBフラッシュカードでは30枚しか撮れない,ちなみに512x384解像度では100枚撮れる)で電池が危なくなってくる。
単三アルカリ電池はお徳用10本パックが800円以下だからまだ良いが、キヤノンの使う2CR5は安売りでも800円は超える。
バックライト付き液晶や高速画像処理は多くの電力を必要とするのだ。
ちなみに消費電力は3.3W(カタログ値)となっている。
DC-20も2.7Wの消費電力とカタログに記されているが、これはメカニカルシャッタが動作するときの最大値である。
COOL PIX600には単三型リチウム電池が付属している。
これを使用すると液晶動作時で連続1時間,液晶を消せば2時間ほど保つと言うことだ。
購入後アルカリ単三(サービスで10本貰った)を使っているが、取り説には「アルカリ電池使用時は液晶モニタをオフにして下さい」と書いてある。
アルカリ単三は内部インピーダンスがニカドやNi-MHより高いのだろうか?専用のニカドを使うと液晶使用の連続動作時間は40分だそうだ。
ちなみに撮影データをメモリに書き込む処理時間は、キヤノンが5秒程度,ニコンは画像が明るければ同程度か少し速いが、暗い画像の場合はだいぶ遅く12秒ほどを要する。
(XGA解像度の場合)ちなみに解像度の低いDC-20は7秒ほど(暗い場合,明るい絵ではもっと速い)だ。


リブレットの画面を撮影してみた。
DC-20は少々寄り過ぎの感もあるし、この明るさだと解放絞りとなるため深度が浅くなる。
解放絞りになるのはCOOL PIX600も同じ。
DC-20はかなりボケている,が、F&Fの他のページでもこの程度のボケ写真は平気で使っていたりする(笑)

これでも光学ファインダーを覗きながらリブレットの画面が中央に来るように努力した(つもり),一方のCOOL PIX600ではこうなる

この写真を見て分かるとおり、画像周辺部がかなり暗くなっている。
収差に関しては広角レンズの為なのか?或いはレンズ特性が悪いのか定かではない。
と言うのも、もっと距離を離すと画面の歪みが少なくなるからだ。
十分明るい屋外で近接撮影を試みてみた。
被写体までの距離は15cm程である。




終わりかけたサツキと、まだ早いアジサイだ。
色再現性に関してだが、若干青寄り(サツキの花びらが紫がかっている)な気がする。
最後になったが昼間(と言って曇天下)の絵を見ていただこう。
最初はDC-20での画像だ。
全体的にカラーが弱い、地味な感じである。


COOL PIX600で撮ると下の写真のようになる。
(512x384モード)

COOL PIX600(1024x768)で撮ったものを半分に縮小したのが下の写真。
縮小するときに一度jpegを展開しているため、実際の画質は512x384モードより悪化しているはずだ。


XGA(1024x768)解像度のファインモードの縮小前を見たい方はこちら
参考までにSONYのDigital Mavicaで撮ったものが下の写真だ。


色合い的にはDC-20が地味な感じ,一般に画面で見る場合にはハイコントラストでカラーが強い方が見栄えが良い。
こうして比較してみるとDC-20は暖色寄りのカラーになっているのかな?と思う。
実はDC-20の絵になれているので、他のデジカメの写真が緑っぽい気がするのだが..COOL PIX600の画面周辺部の暗さだが、屋外の明るさがあればさほど目立たなくなる。
おそらく絞りがF11側に切り替わっているのだろう。
(解放とF11の2段切り替え)JPEG圧縮率はキヤノンより低いとは言うものの、DC-20の画像(TIFF)を画像処理ソフトでJPE
圧縮する場合よりファイルサイズは小さくなっている。
上の写真で512x384モードの時は57Kバイト,1024x768モードの時で214Kバイトだ。