熱帯魚用品使用感など
■ 水槽
前面ガラスが「コの字」型のものを使用している。
40cmが1つと60cmが1つ。
この辺りは見栄えと好みと値段で選べばいいと思う。
ただし曲面ガラス使用のものだと、ガラスに引っかけるタイプのフィルタや角が丸くなっていない照明器具を取り付けたときにピッタリ合わない。
置き場所と予算が許すなら大きな水槽の方が水質変化が少ない(水の容量が多い)ので楽だ。
40cm水槽は60cm水槽の2倍の早さで水質が変化する。
(水槽立ち上げ時など)75cm水槽で奥行きの広いものは90cm水槽より内容量が多い。
水草レイアウトなどでは奥行き寸法のある方が立体感が出て美しく決まる。
■ ヒータ
水槽セットに付いてくるものは温度固定型や、ヒータとセンサが一体になったものが多い。
ヒータの寿命は1〜2年と言われているので、コスト的に考えるとサーモ別体型が良いと思う。
一体式だとヒータが壊れただけで全てを買い換える必要が出てくる。
ちなみにサーモセンサ部は専用ICとトライアックで構成された純電子式だ。
ここで壊れやすいとすれば水中に設置するサーミスタセンサ部かな?別体型ならヒータカバーを付けても温度誤差は表れない。
水底を好むような魚や貝を入れるときにはヒータカバーは必須である。
サーモコントローラは回転形ダイアルのものが使いやすい。
スライドボリュームのものは温度調整が意外に決まらない。
サーモスタット(電子式調温器)の不良もあるらしいので、2組のサーモ&ヒータを入れておくのが良いかも知れない。
冬場にヒータが故障したら数時間で魚は全滅する。
■ フィルタ
エーハイム2222は四角い形のパワーフィルタだ。
淡水魚水槽で60cm辺りまでならこれが良いと思う。
予算が許せば1ランク上を勧める。
濾過能力はありすぎて困ることはないのだ。
濾過材もセットになったものを売っているので、これ一つ買ってくればとりあえずは使える。
濾過材などは交換時期までに好みのものに交換する手もある。
フィルタの掃除自体は楽だ。
濾過材の入ったトレイに取っ手が付いているし、ホースやモータ部もワンタッチで外せる。
コツを掴めば「呼び水」無しで再起動できる。
フィルタ内を掃除して水が入っていない状態で、吸水側のコックを開ける。
ある程度水が入ったらホースユニットを軽く抜いて(水が出るほどは抜かない)エアーを抜く。
エアがほぼ抜けた状態で電源を入れて排水側コックを開ければ再起動OKだ。
なお、掃除するときには吸水側から水を抜くと、フィルタ内の汚れはそこから排出されてくる。
テトラワンタッチフィルタは40cm水槽で使用しているが、設置が簡単で安価なのが最大のメリットだ。
上部フィルタのように水槽内に邪魔なパイプが露出しない点もいい。
濾過材がカートリッジタイプで使い捨て(1ヶ月は保つらしい)なので、底に付着したバクテリアも捨ててしまうことになるのが気になる点である。
そこで私はカートリッジフィルタの排水側に別の濾過材(ウール(マット状のヤツ)を入れている。
濾過能力は高い方だと思う。
特に新品のフィルタカートリッジに交換した直後など、目で見て分かるほど水がキレイになる。
欠点は音がうるさいこと。
少なくとも水中モータタイプの上部フィルタよりはうるさい。
ちなみにエーハイム外部フィルタはほとんど無音である。
スポンジフィルタは稚魚が吸い込まれないメリットがある。
能書きによると生物濾過能力も高いらしい。
私は上部濾過層の吸水口にスポンジフィルタを使っていたことがあったが、毎週掃除しないと目詰まりするのが欠点か。
なおエアリフト型のスポンジフィルタも40cm水槽でサブ的に使っているが、エアリフトは音がうるさい。
メリットは安価なことかな?上部フィルタは水槽セットに付属してきたものを1週間くらい使ったことがある。
濾過材交換などのメンテナンスは楽だが水槽内へのパイプ等が目障りだ。
上部濾過層は空気に触れる面積が大きいので好気性バクテリアのためには良いらしい。
逆に炭酸ガス添加水槽では炭酸ガスが逃げやすいと言われているが、水槽の上面からもかなり炭酸ガスは逃げているはずだからこの量に対してどの程度を逃げやすいと言うのか不明である。
60cm水槽のフィルタをエーハイム2426に変えた。
2222は40cm水槽に取り付けたので、こちらの水は非常に良く澄んでいる。
2426はヒータ付きなので水槽のヒータと共に二重化している。
どちらかが故障してもこれで大丈夫だ。
ちなみに2426の買値は2.5万円弱だった。
が、60Hz仕様だったため(関西方面から通販で購入)ワーナーランバードに送って50Hzに改造していただく。
ちなみにこれは無料だ。
60cm水槽に2426でもオーバキャパシティという感じはしない。
シャワーパイプは改造して水槽の水流を考えた。
ちなみに40cm水槽に付けた2222はシャワーパイプのエンドキャップに4mm程の穴を開けただけである。
水槽の基本セットと言えば濾過フィルタと水槽そのものとヒータである。
これだけあれば魚や水草を飼育できる。
化学的添加剤などを買うのならフィルタに金を掛けた方が余程マシだ。
90cm以上の水槽なら2222を2つ使用するなどが良いと思う。
フィルタを2系統にすることでフィルタ掃除による水槽環境の変化を押さえられるし、どちらかが故障した場合でも被害が少なくて済む。
■ 濾過材
色々な種類のものが市販されているが、性能的にはどれも大差ないと思う。
最も安くあげたければ粒の大きめの砂利を入れただけでも機能する。
有害成分が含まれていなければ100円のスポンジを切り刻んで入れておいても良い。
メンテナンスの容易性と信頼性?で選ぶならフィルタメーカ純正品が良いと思う。
シポラックスは工業用濾過装置でも使用されているもので、嫌気性バクテリアによる硝酸塩分解が話題になっているが、これを使うと水質が酸性に偏りやすい。
(製造時に使用した薬品が残っているため)このため、買ってきたら1〜2ヶ月水に浸けてそれらを抜くか、化学処理を行う必要がある。
何かと話題の麦飯石だが、ショップによっては原石を売っているところがある。
これは市販のメーカ製濾過材より安価なので(水がキレイになる云々は別として)使えるかも。
なお麦飯石は多孔質であるとのことだ。
■ 照明
60cm水槽は20W×2×2の4本としている。
20W×2は水槽セットに付いて来たものを、電球型蛍光灯の内部基板を使用してインバータ改造している。
また外部フィルタへの給排水パイプを通すために、側面を加工して水槽奥側に設置している。
手前側はインバータタイプの2灯用だ。
常時4灯点灯だと明るすぎるので、タイマによってそれぞれ時間を制御している。
手持ち器具を生かそうとすれば、違うメーカのものが水槽上に並ぶことになる。
従って見栄え優先なら最初から20W3灯或いは4灯式を購入すべきだろう。
ただし常時4灯点灯では明るすぎるかも知れない。
40cm水槽は水槽セットに付いてきた10W1灯を前側に、別途購入した8W×2灯を後ろ側にしている。
これは全部同時に点灯だ。
8W×2は蛍光管がオフセットして付いているタイプなので、中央部のみ明るくなってしまう。
照明器具を選ぶときには蛍光管の長さと水槽の横幅が同じものを選ぶべきである。
■ 蛍光灯
魚が綺麗に見えるPG2,水草が綺麗に見えるPG3やPG5がある。
60cm水槽は手前からPG2,12000K,PG3,PG3の順だ。
後方のPG3×2のみを点灯している場合、魚(特にネオンテトラ)の発色は美しくはない。
しかし木化石の陰や流木などの陰が前面方向に出来るので、陰に入った状態としてみればそれもまた面白い。
コントラストは強めに見える。
もちろん全点灯の場合には手前に来た魚はPG2で綺麗に発色する。
60cm水槽('99/1/23)
60cm水槽('99/2/6)
60cm水槽('99/2/13)
60cm水槽('99/2/27)
レイアウトはそれこそ各自の好みだが、ローチ(写真左下の黄色い生物)は狭い隙間を好むので、それらが得られるように,グラーミィも夜間には水流のないところにじっとしているので、それを考えてあげよう。
(グロッソスティグマを掘り返しちゃうんだよなあ)水流は上部のパイプから前方へと、木化石下に向かって(ここにヒータがある)水流を作っているが、写真を見て分かるとおりパイプは邪魔である。
このパイプを水槽底部近くに設置して、上向きの水流を作る方が良いかも知れない。
水流は水槽全体の水が適度に対流するようにすれば底砂にゴミが溜まるのを防げる。
このレイアウトで最もゴミが溜まるのはウイローモスの上である。
水交換の際にはこの辺りをかき回して大きなゴミを排水パイプで引っぱり出すと共に、細かなゴミをパワーフィルタに吸い込ませる。
ゴミが散乱して水が濁るが、1時間ほどでキレイになる。
ここで水流が弱いとゴミは底砂に落ちることになる。
写真左側の木化石の後ろはアンブリア(生長が早い)とメキシカン・バーレン(生長は早い)が植えてある。
良く育つので1株ずつ買えば十分である。
右側の方には(分かりにくいが)流木が2本置いてあり、その下には隙間が作ってある。
(石を台にして斜めに設置)この下に水流のない空間が出来るわけで、グラーミィはここで休んでいる。
流木にはお決まりのウイローモスを付着させている。
さらにアヌビアス・ナナで飾る。
コイツは生長が遅いのでトリミングの手間はさほどではない。
炭酸ガス供給で酸素の泡を沢山付ける。
なお水が合わないと葉が溶けて葉脈だけになってしまうが、新芽(水中葉)が出るまで我慢することだ。
前方にはリシアを巻いた石と発達途中のグロッソスティグマが植えてあるが、グロッソスティグマが伸びてきて前方を覆い隠す日が待ち遠しい。
最右側には前方にヘアーグラス,その奥にミズヒマワリだが、ミズヒマワリは生長がきわめて早い上に炭酸ガス供給水槽では茎がヒョロ長くなるので余り適しているとは言えない。
センターにはアヌビアス・ナナと、その後ろに葉の赤っぽい水草(名前忘れた)を数株、これは茎の途中からやたらと根が出てきて目障りだ。
最後部にはバリスネリア(の仲間)とアヌビアス(だとおもう)細長い葉に白い線が入ったものを使っている。
一般的にアヌビアスの仲間は生長が遅いようだ。
40cm水槽は手前からPG2,PG5,PG2の順だ。
奥側のPG2はPG3に交換したいところだが、10WのPG3はなかなか見かけない。
水槽後ろ側には背の高い水草を配するはずだから、これに合わせればPG3を選択するのが正しい。
なお手前に8W×2を付けているのは、これを後ろ側に持っていくと水槽左右の水草が中央部に傾きながら(明るい方を目指して)成長するのがイヤだからである。
40cm水槽('99/2/7)ワンタッチフィルタのみ
40cm水槽('99/2/13)ワンタッチフィルタ+スポンジフィルタ
40cm水槽('99/2/27)エーハイム2222
こちらは60cm水槽で伸びすぎたミズヒマワリだらけになっている。
中央に流木、その下に石が入れてあり、コリドラスの隠れ家に丁度良い。
前方にはアンブリアとマツモが、その左側にアヌビアス・グラキリスを置いているが、理由は前方が寂しいから。
60cm水槽の方でリシアやグロッソスティグマが繁殖したら移す予定だ。
■ これは趣味の問題なのだが、水槽維持に役立つものを少々
コリドラスは水底に沈んだ餌を食べてくれる。
普通の魚は沈んだ餌は食べないので、コイツを入れておくと水底が綺麗に保たれる。
コリドラスにも色々な種類があるが、小型のものを5匹ほど入れておくのがよいのではないだろうか?なお、ナマズ系は丈夫で飼いやすい。
クーリーローチなどのドジョウ系も水底の餌を食べてくれる。
ニョロニョロと愛嬌ある動きをし、水草の隙間や砂の中に半分埋まったような餌も掘り返してくれるので何匹か入れておくと面白い。
コリドラスもローチもかなり大食いである。
他にもグラーミィの仲間は水底の餌を食べてくれるが、コリドラスにはかなわない。
グラーミィも丈夫で飼いやすい。
オトシンクルスは水草や水草に付いたコケを食べてくれる。
60cm水槽に10匹ほど入れておくと、細かな水草の葉に付いたコケも見る見る綺麗になる。
沢山入れた方がコケ取り能力は高くなるのは当然だが、水槽内をチョロチョロ動き回る姿が気になるかも。
オトシンクルスも丈夫な部類にはいると思うが、コリドラスほどではないので水槽が安定してきてコケが増えてきたら入れると良いだろう。
なおコイツは糸状のコケ(藻)は食べてくれない。
茶色いコケが一番の好物のようだ。
緑色の固いコケは食べてはくれるが速度は遅い。
ヤマトヌマエビもコケ取りとしての人気が高い。
コケが無くなると水草を食べはじめるのが欠点だが、大抵のコケは食べてくれる。
ただしガラス面に付いたヤツは食べない。
(足場がないので食べられない?)水質には敏感で、元々が日本に住むエビなので高温にも弱い。
水槽の水温を24℃程度にしてならすのが良いと思う。
ガラス面に付着したコケを食べてくれるのはオトシンクルスとイシマキ貝だ。
貝はガラスに張り付いて見栄えを悪くするが、掃除しにくい吸盤(キスゴム)や給排水パイプなどのコケも食べてくれるので入れておいて損はない。
これらコケ取り系を入れるときにはヒータカバーを忘れずに。
■ 炭酸ガス関係
ジャレコの拡散器を使っているが、その後ミキサー(外部拡散器)に変更した。
最初に買った拡散器はミキサーの中に入れてある。
水槽内に拡散器を入れると炭酸ガスの細かい気泡が邪魔なのだ。
拡散器を買う場合でもジャレコのものよりADAのガラス製の方をお勧めする。
価格はさほど変わらずに見栄えと耐久性にすぐれるのがその理由。
その他ボンベ関係はこちらで紹介したとおりだ。
60cm水槽で10秒間/4泡の設定で、炭酸ガス濃度は20mg/lである。
もちろん水草や水温やフィルタの形式によってもこれは異なる。
水草から酸素の気泡を沢山出したければ40mg/l程度まで増やした方が良い。
この量でもエビは死ななかった。
なおミキサーを使わない場合には、溶解率が下がるので20mg/lを維持するには1秒/1泡程度が必要だと思う。
水草用炭酸ガスボンベは高価であり、ADAのものは独自仕様なので他メーカのレギュレータなどが使えない。
見栄えを気にしないなら「工業用ガス屋」さんで小型ボンベを入手するのが良いだろう。
小型ボンベは買い取り、大型ボンベはレンタルになるが小型ボンベでも2〜3年は楽に供給できるはずである。
ちなみにボンベは2万円くらい,中身は5千円以下である。
液化炭酸ガスボンベの圧力は40〜50Kg/cm2にもなるので、酸素用レギュレータで圧力を落とす。
これは大型ホームセンターなどで入手できて1万円くらいだ。
電磁弁はCKD扱いで2〜3千円,イニシャルコストはかかるがランニングコストはかからない。
■ ケミカル系
熱帯魚用ケミカル製品は星の数ほどある。
中にはとっても怪しげなものもあって、「これを入れれば2ヶ月水交換不要」なんてのも。
ま、市場活性化のため入れたければどうぞ,って感じである。
熱帯魚関係ケミカルは一般的に高価である。
肥料などは液肥はハイポネックス開花用(園芸肥料)を薄めて使用し、底砂に埋めるタイプはジャレコのスティック状のものを使用している。
液肥は水草用のものも出ているが、これらには「肥料」とは書いてない。
肥料と表示すると成分表示が義務づけられ、これを行うと高く売れない(家庭園芸肥料と同じだから)のが原因かな?液肥は与えすぎると水槽崩壊を招く。
最初に与えるときには換水予定日の2〜3日前に、規定量の1/3程度を目安にしてみればいいと思う。
これでコケが生えてきたら換水して次から量を減らす。
分量に関しては水草の養分要求量などによって一概に言えないが、ハイポネックス開花用を4〜5倍に薄めて毎日2〜3ccって所だろうか?肥料はやりすぎるくらいならやらない方がマシ、と思っておいて間違いない。
コケ予防に木酢液を使用している。
これに関してはこちらのサイトがオリジナルなので紹介にとどめたい。
木酢液や液肥の自動添加として、病院などで使う「点滴セット」が良いのではないかと思っている。
今のところ使ってみたことはないのでうまく行くかどうかは不明..バクテリアの基も60cm水槽立ち上げ時に使用した。
粉末のものは価格は安いが水が1〜2日間は濁る。
それにフィルタにも多量に粉が引っかかるので余りお勧めしない。
液体のもの(BIOCOM78だったかな?)は多少高価で毎日少しずつ添加するタイプだ。
効き目の方は良くわからないが、60cm水槽が11日ほどで安定した事を思うと効果があったのかも知れない。
これらは水槽立ち上げ時に使っても良いかも知れないが、その後は使うべきではない。
バクテリアはその環境に適合したものが繁殖するわけで、外部から色々入れるのはデメリットが目立つ。
麦飯石(麦飯石水溶液と言うべきか)は熱帯魚屋でサンプルをいくつかもらった。
水がキレイになるそうで、熱狂的ファンが居ることから効果はあるとは思う。
が、微細な石の破片は水中モータ系のシャフトに悪そう..麦飯石溶液は濾過が十分機能していない所に入れても効果は少ない。
濾過が十分機能していて細かなゴミが目立つ場合にこれを入れると、麦飯石が細かなゴミを取り込んでフィルタに引っかかるためか、水が澄んでくる。
これ以外にも微粒ゴミを吸着して大きくしてフィルタに引っかける化学的ものもあるが、これらはフィルタの目詰まりを早くするらしい。
(当たり前と言えば当たり前)
■ 工具など
ガラス製の蓋を加工するためにガラス切りはあった方が良い。
ガラス屋さんで切って貰っても良いが、ガラス切りなど千円程度で入手できる。
これがあればコーナのカットなど好きなように出来る。
ガラス切りを使う場合、一度切ったところを二度切りするとガラス切りが痛んでしまう。
一度「シューッ」とスジを付けたら、ポンと叩いてパキッと割ることだ。