スーパーイオンコート1と防汚ポリマーを試す
久々のワックステストである。
今回はスーパーイオンコート1と防汚ポリマーというもの。
これは1回分(1台分)の小容量パッケージがあったので、こういったテストには最適である。
もちろん通常のパッケージを買うよりは割高にはなるが、数あるワックスをちょっとだけ試してみるという用途にはピッタリではないだろうか。
スーパーイオンコート1はフッ素系樹脂+シリコン+ワックス+石油系溶剤となっていて、見た目は従来のイオンコートと余り変わらない。
名前の最後の"1"は12ヶ月持続性を示すらしいから、実使用時でも4ヶ月以上は保つのだろうか。
スーパーイオンコート1(長ったらしい名前だ)の色は従来のイオンコートより少し白っぽいかなとも思うが、溶剤の中にいかにもフッ素樹脂が入っているというような雰囲気の液体だ。
防汚ポリマーの方は2液混合硬化型である。
1液の内容は反応硬化製ポリマー+フッ素化合物+アルコール類+石油系溶剤で、2液目はシリコン系ポリマー+フッ素系ポリマー+硬化促進剤+石油系溶剤+香料となっている。
ポリマーというと太陽ポリマーを思い出すが、太陽ポリマーにはフッ素が入っていなかったと思う。
防汚ポリマーは強力な撥水性も謳っているので、その為のフッ素系樹脂なのかも知れない。
2液混合型というと扱いが面倒そうな印象もあるが、混合用のボトルも付属している(小容量パッケージは簡略化されている)ので、さほどでもない。
以前にも比較に出したチタンコート(現在は売られていない)は水分反応効果形だった。
そして、これも以前にテストした激艶クリアーも水分反応型か。
激艶クリアーも太陽ポリマー的なふき取りの面倒さがあって、確かにツヤ的には良いのだが作業は面倒な感が否めない。
もう一つ、この手のものは下地処理の出来不出来によって仕上がりが良くも悪くもなると言うことである。
一般的な固形ワックスなどでは多少下地が荒れていてもそれなりに仕上がるが、下地に敏感なものだとふき取り時にムラが出来たりする。
ただし、どんなワックスでも下地が完全でないと思ったようなツヤは得られない。
さて、テストはイオンコートと比較する形で行う事にした。
塗布の前に太陽ポリマーで使った時のアルコール系の汚れ&ワックス落としを使い、念のため極細目のコンパウンドで磨いた。
塗布はどれも簡単である。
何せ液体だし、粘度はどれも似たようなものである。
乾燥時間も似たり寄ったりだが、防汚ポリマーは(冬場は)日の当たる所で乾燥させろと指示がある。
塗布はボンネットを3つに分けて行った。
これはふき取り前の写真で、手前からスーパーイオンコート1、防汚ポリマー、イオンコートの順である。
※と書いておきながら写真を別のもので上書きしてしまったので消滅…
防汚ポリマーが他のものより白っぽくなっているのが解る。
ふき取りに関してだがイオンコート2種は似たようなもので、下地が出来ていればサッとふき取れる。
防汚ポリマーはポリマーと言うことで太陽ポリマー的なものを想像したが、意に反して極めて簡単にふき取る事が出来た。
もしかするとイオンコート2種より楽かも知れない。
ふき取った感じだが、イオンコートが最もツルッとした感じで仕上がる。
隣に塗った防汚ポリマーとの差は明確で、横方向に布を滑らせると防汚ポリマーの所で引っかかるような感触になる。
ツルツル感だと、イオンコート>スーパーイオンコート1>防汚ポリマーの順だ。
ふき取った後のツヤだが、防汚ポリマーがポリマー独特の深みのあるツヤを感じさせないでもない。
たぶん濃色車でテストすればツヤの違いが解ったのかも知れないが、残念ながらシルバーの塗色では明確な差は出なかった。
洗車傷なども付いていない状態なので、これの隠れ具合に関しても不明である。
ツヤの美しさという点ではザイモールが良いわけだが、果たしてこれとの違いが解るものか否か。
前の車(塗色はエメラルドブラック)にザイモールを塗りたくった(笑)時の写真がこれ。
02/02/16
ワックス塗布から2週間が経過した。
この間、融雪剤の撒かれた道路を走り3回の洗車を行った。
シャンプー洗車を行った後の写真だが、防汚ポリマーが若干水はじきが良いように感じる。
で、再び水をかける。
手前側からスーパーイオンコート1、防汚ポリマー、イオンコートの順だ。
水をかけているときも防汚ポリマーの部分の撥水性が良いように感じるのだが…
水を止めてみるとどれも余り違いがない…やはり2週間程度では違いが出ないのだろう。
4月20日1ヶ月後に様子を報告しようと思っていたのだが、各ワックス共に充分な耐久性を発揮してくれてレポートが遅くなってしまった。
今日で2ヶ月半(11週間)が経過したわけだが、この間は週に1回の洗車(シャンプー使用)高速道路走行で虫などが付着すればその都度洗車、雨は少なかったけれど皆無では無いという平均的な使用状態だったと思う。
まずは写真をご覧頂こう。
(輪郭強調してみました)
一目瞭然とはこのことで、イオンコートは完全に撥水性を失っている。
中央の防汚ポリマーもボンネット先端部分は既に撥水性を失っている。
水玉の大きさが写真では解りにくいが、スーパーイオンコート塗布部の方が水玉がコロッとしている感じだ。
水のかけ方を変えたりしながら撮った写真が下のもの。
少しは違いが分かるだろうか。
水をかけながらだとこんな感じ。
防汚ポリマーの部分はベッタリになってしまっているが、スーパーイオンコートの方は水をはじこうとする気配が?見られる。
ただし、防汚ポリマーとスーパーイオンコート1の差がすごくあるかと言えばそうでもない。
撥水耐久性では似たような傾向という所だろう。
公称耐久月数?は防汚ポリマーが9ヶ月でスーパーイオンコート1が12ヶ月だから、まあこんなものだろう。
たぶん撥水性を失うまで実験を続ければ、スーパーイオンコート1は4ヶ月〜5ヶ月の耐久性になると思われるし、防汚ポリマーでも4ヶ月は持つだろう。
ツヤの面ではSL銀色なので解りにくいが、A160(ソリッド赤)に塗った所防汚ポリマーは少し曇った感じになってしまった。
これが気に入らなくてザイモールを塗り直した位なので、防汚ポリマーはソリッドの濃色系にはマッチしないかも知れない。