IP電話(1/15)
◆ プロバイダ各社がサービスを開始しているIP電話。
昨年は050番号の付与も始まって、プロバイダのみならず有線通信事業者もこれに参入しようとし始めた。
所がこれ、従来の考え方の延長にあるIP電話というかインターネット電話は意外に使いにくい。
電話番号があった所で、この電話に着信させるには電話番号とIPアドレスの対応を取る必要があり(必ずしもそうではないが、多くの場合はIPアドレスで呼びたい)、DHCPを利用する現在の接続形態では難しい所がある。
もう一つは、専用電話機を必要としない事を売り文句にしたサービスの場合、PCを立ち上げていないと電話機能が使えない(当たり前)ということ。
ここで重要なのは、電話機よりPCの方がずっとずっと不安定だと言う事である。
また消費電力だってバカには出来ない。
◆ これらを解決したように見えるのがBBPhoneである。
専用電話機を利用すると共に、着信は従来通りのNTTの線を使うから電話番号は不変。
発信のみIP電話にして通話料を下げようというものだ。
何しろYBBを引くには加入者線が来ている必要があるわけで、これを利用させるという方法なのだが… だが考えれば解るように、IP電話を引きながら加入者電話の基本料金も払い続けなければいけないと言う無駄がある。
だからといって加入者電話共用型ではないADSL線を引こうとすると割高(と言うか、加入者電話の基本料金分がADSLの線代に乗ってくると思えばいい)になってメリットが薄れる。
◆ 電話とは全く別に線を引く場合は、ADSLより光を選びたくなるだろう。
その方がずっと安定だし、線自体の価格はさほど変わらないのだから。
このようなケースではBB Phone的なシステムは使いづらくなる。
つまりはBB Phoneやそれを追うようなサービスはADSL依存性が高いというわけだ。
しかしADSL普及率がめざましい現座、YBBは平均的顧客から毎月\3,700以上を集金しているという。
プロバイダ事業単独での売り上げは低いものの、複合的サービスで課金額をアップしているというわけだ。
◆ では、プロバイダの行うIP電話は本格的普及を見るのだろうか。
加入者電話自体の加入率が減っている現在、有線通信手段が二次的なものであると考えるならば普及するかも知れない。
一方で有線通信事業者が、現在の回線交換電話と見た目も使い心地も全く変わらぬIP電話サービスを開始したとすれば、多くの加入者は自然に(ココが大切)IP電話に移行するだろう。
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