外貨預金(3/11)
◆ 外貨預金や定期預金を持っている人も少なくはないだろう。低金利の続く日本の銀行に預けておいても金利は付かない。だったら為替リスクがあっても外貨で預金したいと思うわけだ。特にこの円高なのだから、さらに円高が進むリスクも当面は少ないと考えられる。そんな客をアテにしてか国内銀行でも外貨定期などを扱うところが増えてきており、手数料や金利の競争みたいな感じがしないでもない。日本の銀行で外貨預金をする場合、その銀行で外貨に両替して入出金を行う事になる。
従って往復分の手数料が必ず発生する。たとえば東京スター銀行では往復で1.5円(USD,EUR)の手数料を取られる。
◆ 外貨預金はレバレッジ1倍の為替取引と同じである。
特に国内銀行に預けた場合は現地通貨で引き出せないケースもあるので余計に差は少ない。レバレッジ1倍の取引は通常よりも手数料は高いが、それでも銀行経由よりは安い。またレバレッジ10倍にして預け入れ(外貨を買う)金額を1/10にしても良い。ただし為替取引では定期預金の概念はない。定期にしたければ外貨預金しかないのだ。では金利差はどうだろうか。東京スター銀行の南アフリカランドの1年定期は金利が25%(税引き後20%,10万円に付き手数料が往復約4,000円必要なので、実質金利は16%程度か)だ。FX会社のスワップ金利はまちまちなのだが、1万通貨で20円程度、つまり約10万円で20円の金利が付く事になるから0.02%になる。ただしこれは一日あたりの金利なので、年利とすると20円×365=7,300円(7.5%)となる。FXの場合でも金利分の再投資は不可能ではないが面倒なので複利ではないという事で。さらにスター銀行などの場合は両替手数料が差し引かれるので実質金利はもう少し低くなる。
◆ では1万南アフリカランドを買うのにいくらかかるかというと、銀行の場合はそのまま約10万円、FXの場合はレバレッジを効かせると5千円くらい。あとの9万5千円は証拠金として手を付けずにいる事になる。じゃあレバレッジをフルに効かせて資金の10万円で全部南アフリカランド円を買ったらというと、金利は毎日約400円、年間14.6万円にもなる。いくら動きが鈍い通貨とは言っても、さすがにこれではリスクが高すぎるだろう。南アフリカランドは11円〜12円あたりをウロウロなのだが、円高が進んだときには10円を割った事もある。上記で10万円分、つまり20万南アフリカランドを買うと、1円の値動きで20万円の為替差損が出る。と言う事で為替変動分を吸収したいと思えば5万通貨程度が安全だろう。これだと年間利息が36,500円で定期よりは良いかな(リスクは大きい)という感じ。為替の場合は期限がないので、差益が出るまで持ち続ける事は勿論可能だ。いわゆる高金利通貨で金利を稼ぐ運用をしている方も少なくはなく、通常は決済時に金利の支払いが行われるのだが、それを随時(?)としているFX業者もあると聞く。
◆ ただ安全性という点で行くと海外口座に現地通貨預金という話になるだろう。日本の銀行経由の外貨預金にしても日本の業者でFXにしても、(FX業者は信託なので安全と言えばそうなのだが)日本が駄目になったときの保証はない。
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