原付(6/15)
◆ 先日4輪原付が走っている姿を見た。速度は45km/h程度出ていて、結構頑張るなと思った。おそらくは全開走行なのだと思うのだが、この速度であれば極端な迷惑になることはないものの法には反している。
そもそも4輪原付にどんな意味があるのかとも思ってしまう。確かに諸費用の点で軽自動車よりずっとお得には違いないのだが、ならば3輪では?いけないのか。価格だって例えばジャイロキャノピーは50万円くらいするが普通に乗れるというか4輪ほど特殊ではない。これ、結構乗っている人も居る。駅前の駐輪場の月極コーナにも2台ほどが止まっているのだが邪魔だ。車幅の最大値こそ2種原付程度なのだが、幅広の部分が多いために隣に止めた単車を引っ張り出せなくなる。お願いだから私の隣に止めないでくれと言いたいのだが、月極エリアと言っても場所が決められているわけではないので仕方がない。私が置く場所をずらすと、又その隣に止められたりして嫌がらせかと言いたくなる。
◆ 4輪原付を考えると走行抵抗と車重があるのでエンジンパワーが欲しくなる。排気量を増大させずにパワーを上げるなら過給だ。CVTなら常用回転数レンジもほぼ決まっているので理屈的にそう難しいことはないだろう。
小型のタービンにしろコンプレッサがあるかという問題はあるが、模型用ジェットエンジンをターボ代わりに使ったり出来たら面白そうだ。どのくらいの空気量が要るかなのだが、まず燃料の方から考えてみる。計算式は省略、熱効率もそう高くないものとしておくと20馬力のエンジンは毎分100cc以上の燃料量が必要になるので75g程度か。空気はこれの約15倍の重さが必要なので約1.2kg,体積は1立方メートル近くにもなる。電動過給器みたいなものは古くからあるのだが効果はあるのだろうか。たとえば0.2kg/cm2の過給圧を20馬力出力時に得ようとすると1kW程度のパワーが必要になる。エンジンで駆動するならまだしも、モータでこの出力を得るには結構大きなものが必要になる。4馬力ならその1/5で済むから200W程度のモータになる訳で、ラジコン用が使えないことはない。200Wとなると電流もそれなりで、効率100%としても13Vで15Aも食う。8馬力対応ならばその2倍で400W、この手も水冷のモータならば小型のラジコン用がある。ファンの部分は軸流だと圧力を上げにくいので遠心コンプレッサが良いのかな。あるいは軸流の多段構成という手もある。いずれにしても結構大げさなものになるので機械仕掛けの方が良いかも。だったらモータで直接駆動力を得た方が良いと思うかも知れないが、排気量で区分が決まっているのでそれはボアアップと同じ事になってしまう。
◆ ずっと以前に単車用のターボキットを発売しているところがあった。アクセル開度に対するトルクの出方のリニアリティの問題で、凄く運転しにくいものになったそうだ。CVTなら良かったのかも知れないが通常のトランスミッションでターボラグの後に急激にトルクが上がればさぞかし危険な乗り物になっただろうと思う。ターボの場合は発熱体をどこに設置するかとかオイルラインをどうするか(オイルパンより下に設置すると面倒)など、狭いスペースに押し込む工夫も必要になる。スクータのようにスペースがあれば色々小細工も出来ようが、当時はビッグスクータ市場は開拓されていなかったと思う。結局単車用ターボキットは余り数が売れないまま廃盤となった。
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