試験装置(3/17)
◆ 環境試験装置の類には面白いものがある。いや、動物実験用だから面白いと言っては語弊があるか。
例えばタバコの害を調べるための装置。タバコを自動的に吸引して煙を集め、動物に吸わせるってヤツ。タバコも連続して燃焼させると実際に人間が吸ったときよりNOxなどが多く発生するため、ドラム状の所に何十本ものタバコを装着して、順番に吸引していくような構造になっていた。
同じくエンジンの排ガスによる実験装置もあった。小型のディーゼルエンジンが内蔵されていて、その排ガスを動物に吸わせるというもの。NOxや黒煙量は調整可能になっている。
面白いのはこれらの装置の「試験後の排ガスはフィルター等で浄化後装置外に排出されます」と注意書きがあることだ。試験装置の数百倍とか数千倍の排ガスを出すトラックは大気開放だぜ。
◆ そのトラックにも黒煙フィルタ装着が行われようとしている。が、目に見える黒煙を防止した所で発ガン物質は取れないのだ!との意見がある。もちろんNOxも取れない。
ディーゼル排気は見た目が汚いから、まだわかりやすいという話もあって、これが無色のガスでありながら人体に非常に有害だとなると見えないだけに恐ろしいと言うこと。
そんな事はメーカにしても解っていることらしいが、現在の黒煙測定方法では無色(に近い)物質までは検知出来ないと言う所を逆手に取るらしい。
◆ 現在の多くのガソリンエンジンは十分な排ガス浄化装置或いは能力を備えている。従ってディーゼル車の後ろをガソリン車が走れば(炭酸ガスは増えるが)ディーゼル排気を浄化してくれる。黒煙などは再燃焼され、NOxもガソリン車の排ガスと一緒に触媒で浄化されるのだそうだ。
まあ、これによって発ガン物質がどうなるのか迄は解らない。もしかしたら、またまた何かの形に変化して、より有害なものになったりして。
炭酸ガスやNOx排出量ではジェットエンジンも相当なものだという。でもあれは代替機関が無いから仕方ないか。電気で飛行機が飛ぶようになるのは相当先だろうしね。
◆ ガソリンエンジンは電気モータが取って代わる日が来るに違いない。あと20年もしたらガソリンエンジン車は相当減っているかも。でもディーゼルだけはトラック協会の陰謀で、今と変わらぬレベルの(いや、排ガス規制は強化されるだろうから、今よりはマシか)公害を排出しながら走っているかもね。
|