黒字(7/31)
◆ 推進委の強い求めに応じて渋々提出した、道路公団の路線ごとの収支データを見ると、東名高速は建設費1.5兆円に対してこれまでに稼いだ金は4兆円以上。
プール制でなければとっくに無料化されてトラック輸送の低コスト化に貢献していたはず。
もっともそうなると渋滞は今より激しくなるのだろうが、第二東名計画が早まった可能性もある。
ちょっと意外だったのは東北道や九州道が黒字だと言うこと。
帰省シーズンには渋滞が起きる東北道だが、普段は交通量も少なくて走りやすい道である。
これでも黒字になるのだ。
九州道は数度しか走った事がないが、東北道の比ではないほど空いている。
もっとも北側の方はそれなりの混雑をしているのだが、長崎への分岐以降鹿児島方面行きはガラガラだ。
それでも黒字になるのである。
えびのあたりのトンネル掘りには、相当な期間と莫大な金がかかったと聞いている。
でも黒字になる。
◆ 赤字の筆頭がアクアラインなのは想像に難くないが、北海道路線も赤字額が膨らんでいる。
九州が黒字なのに何故北海道が赤字なのか。
北海道は一般道でもそこそこの平均速度が維持出来る。
私が北海道に行ったのはずいぶん前の話だから、今は交通事情が変わっているかも知れないが、およそ日本の道を走っているとは思えないほど快適で、ノンストップで走れる。
制限速度は60Km/hだったろうか。それが街中にはいると急に40Km/hになったりするのだが、このあたりに気を付ければ快適に走れる。
急ぐ用事で多少でも平均速度が高い方が良ければ金を払って高速道路を走るのだろうが、急ぐ用事がなければ下道でも不便を感じないのかも知れない。
◆ 道路族は"住民が求めているから高速道路を造る"と言うが、その求められて作ったはずの高速道路は誰も使ってくれない。
それだったら、街中をバイパスするだけの無料の道路を造った方が余程住民のためだと思う。
所がそれでは族議員のファミリー企業に金が落ちない事になってしまう。
直接の知り合いではない某人物は道路公団関係の企業に就職した。
事務所はマンションの一室で、そこには事務の女性が一人いるだけ。
誰が部長で誰が課長で、社長が何という名前かも良く解らない。
仕事と言えば、たまに現場を見に行ったり孫請けを訪問したりするだけで非常に暇なのだそうだ。
それでも人並み以上の給料が貰えるのは、会社が大黒字だからだとか。
受注した工事は金額を半分にして孫請けに丸投げする。
これを繰り返しているだけで年間数億円の売り上げが確保されているのだそうだ。
◆ 高速道路計画推進議員連盟、この長ったらしい名前を略すと「議員の利益を守る会」になるが(ウソ)、自民党を中心とした240人もの議員が結集して赤字高速道路建設に意欲を燃やしているという。
どうやら道路公団が民営化されて、自分たちの利益が圧迫されるような事があれば第二道路公団的な法人を作るか、さもなければ100%税金によって赤字路線を建設するのだという。
税金で道路を造るだけ作り、作った後は自治体に押しつけ、押しつけられた自治体だって誰も通らない不要道路の整備などに金を出せるはずが無く、やがてアスファルトの下から草が生えてくる…こんな道路は日本中にいくらでもある。
それでもまだ同じ事を繰り返したいのが速道路計画推進議員連盟のメンバー各位だ。
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