車の売り方(6/10)
◆ 自動車メーカたるもの,売れるモノは何でも売るという商法が一般的だ。
今は廃れたクロカン4WDブームの時,実はメーカでも危険性を認識していた(らしい)グリルガードをディーラオプションで取り付けて売っていた。三菱なんか純正装着なんだからたまらない。ディーラオプションにするには訳があって、それの危険性が指摘されても「ユーザが好きで付けているのだからメーカに責任はない」(トヨタ)と逃げるためだ。
◆ エコだかエゴだか知らないが、低公害車を宣伝材料にしながらも高公害ディーゼルを売っている。
高強度ボディーやエアバッグの安全装備を強調しながら対人安全性を無視したグリルガードも売っている。これが自動車メーカのポリシーなのかも知れない。
ちょっと例は違うが、ホンダは米国での排ガス規制違反で400億円近い出費を強いられることになった。LEVを宣伝しているホンダが,である。
◆ 最近の流行と言えばローダウン仕様だろうか。ホンダが始めたこの仕様,三菱も追従したようだ。
車高を下げて困るのは輸出するときの船積みだという。傾斜の強いスロープで下回りやフロントスカートを擦ってしまうのだそうだ。このため、スプリングの間にスペーサ(簡単に取り外せる)を入れるなどして船積み用の車高を確保しているメーカもある。
◆ メーカ純正シャコタン仕様の細部を見たことがないのだが、シャコタンにしてもストロークの確保できるショックアブソーバなどを使うのだろうか?単にバネを短くしただけ,じゃあメーカ純正シャコタンとしてはお粗末だろう。
車高を下げればアライメントも狂う。サスペンションの方式によっては、リンクやアームの設計を変更する必要もあるはずだが、そのあたりはどうなっているのか?
◆ 車高を下げることのメリット,メーカではスタイリングをあげているが、操縦性に対する貢献度も大きいはずだ。フツーの人は操縦性を求めて車高を下げるのではないだろうか?いや、そんな硬派は居ないのかな?メーカが操縦性向上をうたわないのは、それらの車がワンボックスタイプだからかも。(ホンダ)この手の車に操縦性を求めてはいけない(笑)下手すると横転しちゃうし。
◆ ワンボックスやオフロード指向の強い車は、一般的には柔らかめのサスペンションを使う。
それに加えて日本人はソフトな乗り心地が好きと来ているから、これはもうサスを固くする訳にはいかない。で、このままローダウンにするとサスペンションストロークが足りなくなる。
フルバンプ時の突き上げ防止にバンプラバーの材質を変えたり,程度はするだろうが、伸び側のストローク不足は悪路やコーナリング時の接地性悪化となって現れる。
◆ やはりシャコタンには低重心+高バネレートで姿勢変化を押さえないと高いコーナリングパワーは得られない。あ、そうか,シャコタンはスタイリングのためだったっけ..余談だがスタイルの良さを宣伝文句にしているアコードワゴン,今日は実物を見る機会があったが私には古くさいデザインにしか見えなかった。リアハッチの傾斜とボンネットの短さがアンバランスで、いかにもセダンに後ろを継ぎ足しましたよ,って感じ。
◆ いずれラインナップから消えるのかも。車種整理は日産が打ち出していたが、トヨタも不人気車種の製造を中止するそうだ。カムリやカリーナEDをはじめとする数車種がこれに当たるそうだが、トヨタの不人気車は月間千台近くも売れている。日産で月間千台売れたら中堅になるのでは?モデルがさほど古くないのに、レパードは月に20台ほどしか売れていないしね。
地震予知(6/9)
◆ 気象庁管轄の地震予知研究班が「地震予知は不可能である」との結論を出したのは記憶に新しいが、今井電気と言う会社が地震予知装置なる物を発表した。
地震予知の仕組みだが、電波の異常伝達を捉えて地震警報を発する仕組み。地殻変動によって電離層が形成されることは民間の研究でも明らかになりつつあるが、同装置はVLF〜UHFまでの電波を高感度受信機とアンテナで捉えて警報を発するという。
◆ 民間の研究者によると、都市部のようなノイズの多い所で電波観測による地震予知は難しいと言うが、同社ではノイズを効果的に除去して震度4以上,震源地からの距離200Km以内の地震発生を効果的に捉えることが出来ると、具体的数値をあげている。
同装置のお値段は12万8千円〜59万円と、決して安くない。果たしてこの装置の予知能力はどの程度の信頼性なのだろうか?
◆ 電波を使った地震予知は主に山間部など、外来雑音の少ないところで実験されている。
この分野では大槻教授が有名らしいが、検索エンジンからのリンクは外れたままになっている。
地震予知などに興味のある方はこちらから各サイトに回ってみるのも面白いかも知れない。
◆ 東京近郊では遠方のVHF局の電波を受信することは出来ない。通常は電離層反射がないため、電波は地球の曲率による陰の部分に到達しないからだ。
所が主に夏に発生するスポラディックE層と言う一時的な電離層が形成されると、それに反射した電波は数百キロ離れた地点に到達する。
◆ 電離層ほどではないが、航空機による電波の反射などでも一時的に遠方の電波が受信されることはさほど珍しい現象ではない。常時電波を出している,主に放送局の信号を指向性アンテナと感度の高い受信機,受信電界強度を記録するログ装置と組み合わせると、これらの反射を掴むことが出来る。
◆ そして地震が発生する,或いは地震発生の前には、地殻変動によって一時的に電離層が形成されて遠方の電波が受信できる。しかし電離層の形成された場所を特定するのは困難が伴う。
どこで反射してきたものなのか?その電離層形成地域が測定地域と離れているほど、アンテナの仰角は水平に近くなり位置分解能が低下する。
◆ このため日本各地の研究者が情報を交換して、地震発生地域を特定するというネットワークが出来ているとTV番組は紹介していた。
地震予知研究は、この電磁波伝搬を利用したものの他にも地中の抵抗を測定する方法もあるようだ。しかしながら都市部に於いては雑音レベルが高すぎ,自動車の通行や地下鉄,地上の鉄道による影響で測定値の信頼性は上がらないらしい。
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