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MPDB試験とは何なのか?(3/29)
◆ MPDB試験とは昨年度から日本でも開始された車対車の衝突試験だ。概要としては(日本では)被衝突車両を1200kgの車重相当として、これを50km/hで50%オフセット衝突させる。欧州では1400kg相当のものを衝突させるのだが、小型車の多い日本では基準が多少異なる。

◆ 双方が50km/hの速度で正面衝突なので、100km/hで壁にぶつかるのと同じなのか?と思うかも知れないが、衝突相手の損傷状態が評価される点で壁への激突とは意味合いが違ってくる。

◆ 50%オフセット衝突なのでこの部分に関しては特段難しいところはない。しかし衝突相手に与えるダメージが評価されるため、車重が2tを大きく超える大型車やEVなどの評価が厳しくなる。

◆ 例えばクラウンやアルファードは車両重量が2.4t〜2.7t、ランドクルーザーでは3tを超えるために今後設計の見直しが発生するかも知れない。クラウンに関しては比較的クラッシャブルゾーンを大きく取れるためか、安全性能試験場問題は起きていないそうだ。

◆ 以前にも書いたがBENZは従来から、車重の重い車ほどクラッシャブルゾーンを大きく取る設計を行っている。小型車と衝突した時に衝撃を大型車がより多く吸収することで、小型車のダメージを軽減しようとするものだ。MPDB試験ではこのような考え方を取り入れ、対車衝突の場合の安全性を高めようとする。

◆ 昨今珍しくなくなった逆走による事故が、まさしくこの車同士のオフセット正面衝突になる。衝突速度50km/h同士は一般路で逆走車に気づいて急ブレーキを踏めばこれ以下になりうるだろうが、高速道路で逆走車自身が減速しなければより高い速度での衝突となる。

◆ 従来の衝突試験は一定の固さを持った動かないものに対しての衝突テストで、衝突した車両側の評価が行われた。これに対してMPDB試験では相手へのダメージも考えなければならないので、クラッシャブルゾーンの少ない車は厳しい。

◆ 軽自動車など自重の軽い車の場合は、相手より自分の方が壊れる割合が大きいので、相手の損傷分まで考える必要割合が少なくなる。BYDのATTO3もテスラのモデル3も車両総重量が2tを超えるので、それなりの安全設計が必要だ。EVに関してはモーターがコンパクトに作れるので、その分クラッシャブルゾーンを大きく出来る。

◆ 今後登場するであろうワンボックスEVでは、荷室容量を最大にするために余計なスペースは設けたくない筈で、設計が難しくなる。軽自動車のワンボックスでも同様で、限られた寸法の中で最大の車室容積を得るため、様々な工夫がされる。日産サクラは軽自動車としては重い1.3tと言うこともあり、これも衝突安全性のための工夫が要りそうだ。

◆ 衝突安全性などを追求していくと、どうしても車は大きく重くなってしまう。こうした事から軽自動車の規格は何度か変更を受けている。ボディサイズに関しては現行の大きさでもさほど問題はないと思う。ただ車重の増加とそれに伴う動力性能のバランスには改善の余地があるのではないだろうか。排気量制限はそのままで64馬力のリミットを外せば、例えばエンジン+モータで動力性能を上げた車も市販が出来るようになる。

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