FC(10/16)
◆ 燃料電池(FC)車の開発が盛んである。欧州を中心に5年後くらいにはFC車が登場するらしい。
日本でも研究は行われているし、ホンダ辺りは「FCこそ次世代車の中心になる」と言っているエンジニアもいる。FCでも水素搭載型やアルコール改質型、ガソリン改質型など様々だがガソリン改質器は(今のところ)1000℃前後の温度でないとうまく動作しないようだ。と言ってもFC自体も余り低温では動作しないから、1000℃が高温ではあるけれど実現不可能な温度ではないような気もする。
◆ 対するアルコール改質器の方はずっと低温で動作する。改質に必要な水も燃料電池から得られるので、こちらが本命かも知れない。
アルコール給油スタンドにしても現在の設備の変更や改造で行ける可能性が高いから、一斉にアルコール改質型FC搭載車に移行するならインフラ整備も出来ない話ではない。
燃料としての価格の問題もあるだろうが、化石燃料を使うよりアルコールの方が良いかも。
◆ 液体燃料を改質器で水素と炭素に分けるのならば、その水素で内燃機関を動かそうと言うアイディアもある。これで一体何が得なのかというと水素エンジンなら有害排出ガスが非常に少なくできる可能性が高いと言うことなのだ。水素と空気の反応なので窒素酸化物は仕方ないとしても、硫黄分も炭化水素も排出されない。何も液体燃料をわざわざ水素にする必要も無いと思うのだが、来るべきウルトラ低公害車には必要と言うことだろうか。
FC車全盛になっても「チューニング」するヤツは居るんだろうな。ちょっと面白そうである。
◆ 知人が車を買い換えるためにディーラ巡りをしているという。子供もいるし普段は奥さんの買い物用として使われるから、小型のワンボックス辺りを狙っているようだ。
で、目星をつけた車を見るために某ディーラに行った。展示車両は例によってプライバシーガラス仕様だったそうだ。彼の家の駐車場は暗い(特に照明がなければ普通は暗い)ので、奥さんがバックで駐車場に入れるには後方視界を確保したい。
で、ディーラに普通のガラスの仕様はないのかと尋ねたら「ありません」と言われたそうだ。
◆ ディーラは「最近の高級車は全てプライバシーガラス仕様です。それに合わせてクーラの設計なども行われていますから、普通のガラスにすると夏は暑くてたまりませんよ」と説明する。
彼は「子供も乗るし、室内は明るい方が良いし夜は後ろが見にくいではないか」と反論したが、「ではサンルーフを付けたら如何でしょう?皆さんプライバシーガラスを好まれるんですが...」で、話にならないと言っていた。
ディーラの言う「最近の高級車...」に関しても、ベンツやBMWやセルシオはそんなガラスは付いていないでしょ、プライバシーガラスなんて低価格車の象徴みたいなものじゃないですか!と言えば、「そのクラスのお客様はご自分で必ずフィルムを貼るんです。ただしこれにはかなりの金額がかかりますよ」と。
◆ サスガに彼も「このディーラでは絶対車を買わない」と怒って帰ってきたそうだ。で、この話を誰かにしたくて私の家の電話が鳴ったというわけ。
彼の言う「低価格車の象徴」には笑ったが、そう言われてみれば軽自動車から中クラスのワンボックスや乗用車まで黒ガラスが使われている。
黒ガラスは種類にもよるが、赤外線透過率は決して低くはない。赤外線透過率を下げようとすれば、それこそ高価格車が使っているような金属粉入りガラスでも使わなければいけない。
フィルムにしても色が濃いからと言って赤外線透過率が低いわけではなく、価格は高いがほぼ透明なフィルムでも赤外線透過率が低いものもある。(ヤナセ扱いである)
◆ 彼としてはフィルムを貼りたくなったらフィルムを貼ればいいことで、何もはめ殺しの窓が最初から真っ黒でなくても良いじゃないか。と言う。黒ガラスでも慣れれば不便は感じないと思うよ、と言ってはみたが、「だってフロントガラスや運転席と助手席は明るいのに、後部が暗いんじゃ後ろに子供を乗せたら嫌がるよ」と。
そんな車が増えるから最近の子供は閉鎖的で挨拶すら出来ないんだ、と、彼の怒りはおさまらないようであった..
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