過去の雑記置き場

無線用IC(3/31)

◆ CPUが数百MHzで動く時代である。400MHzと言えば立派なUHFであり、ハイパワーのバスドライバICにアンテナを付ければ電波として出ていく。振幅が5Vp-pあったとして50Ωをドライブできれば100mW以上の出力である。400MHzで100mWあれば、アンテナにもよるだろうがかなりの距離で通信が出来るはずだ。
送信側は良いとして、受信側はシングルチップICが少ない。ページャ用のダイレクトコンバージョン受信ICは以前から存在したが、ディジタルレベルの信号を扱うICと比較するとリニアICは難しい面が多い。

◆ しかし小型化を進める上ではIC化が必須な訳で、例えばPHSや携帯電話のIF用ICでは250MHz辺りからのダウンコンバータを含めた部分がワンチップで構成されている。
これにデータ処理(ま、簡単なモデムですな)を加えて、完全にワンチップでアンテナをつないで電源を加えれば400MHz或いは900MHz帯のデータ受信機が出来上がるなんてICが出現した。

◆ 一般に受信部には低NF(ローノイズ)設計が必要とされ、かといって化合物(GaAsなど)を使用するとIC化しにくくなってしまう。が、最近ではバイポーラでもこの程度の周波数なら実用レベルのNFの回路がIC内に組めるようになったのだ。
この手のICの用途は無線リモコン装置だろう。赤外線リモコンに比較してエネルギ利用効率が高い(消費電力が少ない)事と、周波数を変えれば複数装置が同時に使用できることで、簡易リモコン用としての需要は多いのだ。このICは4800bps迄の対応となっているが、リモコン装置ならこれで充分だろう。

◆ もう少し周波数が高くなるとICの集積度も下がってくる。その中でも比較的内部が込み入っているのがGPS用のシングルチップダウンコンバータだろうか。
コイツは1575MHzの信号を直接入力し、15.42MHzのIFが出力される。外部にはVCO用のL/C共振回路とSAWフィルタを取り付ければいい。この手のICがGPS受信機の小型化に一役買っている訳なのだ。

◆ こうして高周波部品もIC化が進むことで、専門の高周波技術者を使わずに高周波回路設計が出来るというメリットが生まれる。必要なのは実装技術や配置技術である。低速度ロジックのように線がつながっていれば動くってモンじゃないので、最低限でもストリップラインの計算くらいは出来ないとダメなのだが、それもCADに任せれば出来ちゃうのかな?最近は。

◆ 良くある話が「デバイスメーカの評価ボードでは動作するのに、実機に実装すると特性が出ない」って事だ。デバイスメーカの評価ボードはデカップリングもインピーダンスマッチングも理想的に出来ているのだが、実機ではなかなかそうは行かない。入出力も50Ωの測定器レベルにマッチングさせられることは希で、フィルタなどが入れば非通過帯域での反射特性などはどうなるか分からない。
某メーカのICを評価したときもそうだった。確かにメーカの評価ボードではカタログスペックを満足する特性が出るのだが、出力にフィルタを入れると特性がガタガタになっちゃう。

◆ このデバイスは何度か試作が繰り返されたようだが、最初の評価から世の中に出回るまでには1年以上を要した。設計者はミスマッチによる特性劣化を考慮していなかったのだろうか?これなど「システムを知らずにデバイスを設計した」例である。メーカではデバイス部門と機器部門が離れているのが普通で、デバイス屋さんはシステムのことを知らないでICを作る。そのICの前後に何が接続されるのか分からないまま、単にアンプであれば整合された状態ので仕様を満たすアンプが出来るだけなのだ。



最近の話題から(3/30)

◆ 画像処理技術の発達は目を見張るものがあるが、TV画像の処理技術も年々進歩している。
TVってヤツは以外にディテールが見えないもので、スタジオに行ったことのある方ならお解りだと思うが、画面で見るよりずっと汚いところである。
照明のムラや壁のシミなども充分目視できるくらいあるし、女優と呼ばれる人たちは触ったらパキッと取れそうなほどの化粧に身を固めている。

◆ しかし、これがカメラを通してみると全然ボロが見えない。のだが、そこに更に画像処理技術を加えるというわけだ。TVが高画質化放送の道を進むのとは反対に、衣装の小さなシミや顔のシワなどを画像処理技術を使用して押さえ込んでしまう技術が発表されている。
原理的にはローパスフィルタなのだが、全ての信号をローパスフィルタに通すと縞模様などがボケて見えることになる。そこで縞模様などのように色調変化の激しい信号はフィルタリングを行わず、シミやシワなどの色調変化の激しくない部分にのみフィルタをかけると言うことをディジタル処理で行う。
これで女子アナの寿命も10年は延びるという感じだろうか?

◆ CMでも話題のcdmaOneだが、関東地方でのサービスインも間近だ。一方のIMT-2000は標準化作業がうまく行かず、複数方式でスタートしそうな気配である。一方ではcdma2000(cdmaOneの上位)とW-CDMAを組み合わせた方式も模索するなど、まだまだ方向性がハッキリしない。
そのIMT2000は2GHz帯を使用することになっているが、これに加えて3GHz帯での周波数割り当ての話もある。現在の高周波技術からすれば3GHzなど驚くような周波数ではない。が、電力利用効率の面では周波数の上昇と共に不利になってくることは確かである。

◆ 周波数上昇に伴う伝播特性にも注意を払わなければならず、基地局設置やセル設計にも従来以上の技術が要求されることになるだろう。特に開発途上の都市部などでは高層ビルが建設されるたびに、伝達や反射の状態が変わり、いや、その為のCDMA方式なのだろうが、果たしてどの程度うまく制御できるものか? 現時点でも高層ビル街などの特に上階では、多数の基地局からの電波が受かるために無用なハンドオーバが繰り返されて満足に使えないと言う状況が発生している。

◆ それにしてもcdmaOneは魅力的だな。64Kbpsのデータサービスも間近だし、何と言っても音質が普通なのが良い。(決して、絶対的に音が良いわけではない。PHSと比較すれば、圧縮された音であることには誰でも気づくだろうが、PDCの音質が劣悪なのでそれに比べれば雲泥の差だ)私はDoCoMoの携帯を使っているので、cdmaOneに変えると電話番号が変わってしまう。DoCoMoのW-CDMAは2001年サービスインは無理そうな気配だしなあ..



EGR(3/29)

◆ EGRってのは排気ガスを吸気に戻す還流装置(回路)の事だ。そもそもは排ガス対策の過渡期に、排気ガス中のNOxを低下させるために使われ始めた。排気ガスの一部を吸気に混ぜることで(排気ガスは燃えないから)燃焼温度が下がってNOx抑制につながるのだ。
排ガス対策が一段落した頃にはEGRを使用しないエンジンもあった。が、最近ではまたEGRが見直されている。

◆ EGRを使用することによって見かけの充填効率を上げ、スロットル開度を大きくしてポンピングロスを減らし燃費をよく使用という試みだ。この理論によると排気ガスと言う、一種の不活性状態のガスを混ぜることによって吸気が希釈され、希薄燃焼状態と同じ事が作り出せるらしい。
希薄燃焼になれば出力は低下するのでスロットルを多く開ける。これがポンピングロスの低減につながるというわけだ。

◆ このEGRによる希薄燃焼度合いがどの程度かは定かではないが、層状燃焼エンジンに匹敵するとは思えない。一方で層状燃焼エンジン(気筒内直接燃料噴射)のような、高圧燃料ポンプを駆動するためのパワーは必要ないわけだし、エンジン本体の変更も最小限で済むというメリットがある。
排気ガスの成分は窒素と二酸化炭素が主だろうから、これで吸気を希釈してどの程度ちゃんと燃えるのだろうか?

◆ 排ガス対策時のEGRのイメージからすると、何となく出力低下の元みたいなイメージがある。で、昔の話になるがEGRをカットして何か変化があるのかな?なんて実験を行ったことがある。EGRバルブを駆動しているエアホースを抜けばEGRはカットできるわけで、この実験は簡単に行えたのだがドライバビリティを含む出力特性などに(乗って)分かるほどの変化はなかった。
触媒外しもやってみたが、これも目立った変化がなかった。最近の高出力車なら触媒の排気抵抗も大きいのかも知れないが、当時のエンジン出力じゃあ触媒の抵抗なんか関係なかったのかも知れない。



ハイビジョン中止(3/28)

◆ いよいよアナログハイビジョンがうち切られるようである。現在の放送衛星の寿命までがサービスの範囲で、それ以降にアナログハイビジョン用の放送衛星は打ち上げられない。
F&Fでも何度かお伝えしているが、ハイビジョンを止めたいのは郵政もNHKも意見が一致するところなのだが、両者ともそれを言い出せないと言うか、言い出せる立場にないと言うか、むしろ廃止を反対する立場でなければいけないのが辛いところだったようだ。

◆ ハイビジョンと言えば鳴り物入りで登場し、ベランダにでもなければ置けないような巨大な、しかも高価な受像器も話題になった。家電メーカもコストダウンに力を入れないわけではなかったが、デバイス開発コストなどを考えると(量が出ないから)オイシイ商売ではなかったようだ。
アナログハイビジョン廃止の話は2年以上前から出ていたが、主に家電メーカの廃止反対が強かった。

◆ 余り流行らずに消えていく技術は多い。NTTが行っている(現在でもサービスしている)キャプテンシステムは、画像伝送技術としては当時としても注目に値したが、出現時期が早すぎたというか1200bpsのモデムが高価だった時期に4800bps(下りだけ)の高速伝送は専用モデムの価格を上げてしまい、普及の足かせとなった。同じ事はTV電話にも言える。
他にもDCCやLカセットなど民間企業独自で商品化したものも含めると、メジャーになれずに消えて効く技術というのは意外に多い。

◆ DCCはアナログカセットテープと同規格のテープにディジタル録音するという、アナログカセットを生かした(と、思われた)製品だったが、これはDATより売れなかった。
同じような製品が最近も登場している。SONYはアナログ記録8mmビデオテープにDV録画を行う製品を出している。既存の8mmテープを有効に使うというのが製品化の理由のようだが、奇しくも松下のDCCと同じ道を行くのが面白い。

◆ PCの世界でもIEEE1394だUSBだと言っていて、最近になってUSBは普及してきたものの将来的にどうなるのか良くわからない。ただしPCの世界では数年前のものは(パフォーマンス的に)古くささが目立って、家電製品よりも代替サイクルが短いのが幸いしていると言う事情がある。
もしも枯れた技術であったなら、486時代のVLBUSはすぐには廃止できなかったかもしれない。
同じ事がISAにも言えるのだが、こちらの方は様々なカードが存在していて簡単に廃止できない事情がある。

◆ 最近でこそPCIのオーディオカードが安くなってきたが、バス帯域のさほど必要でないカードにまでPCI化が必要なのか?と疑問に感じる。バス規格の統一は結構なことではあるし、ISAブリッジが不要になることでコストダウンが図れるのかも知れない。が、PCIオンリーのマザーは余り人気がないと言うことだから、あと何年かはISAが生き続けることになると思う。

◆ 久々の携帯電話バラシは、D201とTH461の内部比較なのだ。
魚関係はこちらに追加しました。



続エアコン(3/27)

◆ 居間の低級騒音発生装置,俗に言うエアコンってヤツだが、ついにシロッコファンが交換された。
部品代金は9千円ほどで、出張費や修理費と合わせて2万円弱の出費となった。これで騒音はかなり低下し、そうだなあ..6dB程下がっただろうか。
エアコンを入れてもTVの音量を上げなくて済むようになった,と言えば分かっていただけるかな?

◆ エアコン本体に触れてみると、それでも振動は多い。横長のエアコンなのでファンの長さも長く、ベアリングは両端にしか付いていないのが原因かも。4気筒エンジンだって3ベアリングより5ベアリングの方が振動を低減しやすいでしょ。
この辺りは設計の根本の問題なのでこれ以上の改善は望めそうにない。願うは経年変化で振動増大の日がやってこないことばかりである。

◆ 同じ日立製でも寝室に付いている方は振動自体は少ない。ファンノイズは大きいが、これは流風設計がプアだからだろう。エアコンなんて「枯れた」商品と認識していたし、アクセサリ的機能の他はどのメーカでも機能的に違いはないと思っていた。が、三菱や富士通と比較すると随分違う。
フツーのメーカなら問題機種のデータが設計にフィードバックされるはずだから、現在の日立製は満足できる性能かも知れないけどね。

◆ 自動車用エアコンでもコンプレッサ振動などは各社で差がある。最近は欧州車でも日本製品が純正採用されていて、この分野での日本製品のシェアはかなりなものだ。一時期流行った可変容量コンプレッサやアキシャル型以外の(本当の)ロータリコンプレッサは欧州車には余り使われていない。
(国産車では使われているのかな?)ベーンロータリコンプレッサは、コンプレッサスタート時にベーンノイズが出るのが嫌われたのか?或いはガスが沢山必要なのが嫌がられたのだろうか?コストと信頼性と重量と..を考えると、昔ながらのアキシャルロータリコンプレッサが最良なのかも知れない。

◆ 以前にも書いたと思うが、ベーンロータリコンプレッサが出た当時、これを取り付けたくて自分でステーを作って長いVベルトを買って来た事がある。パワステ無しの車には取り付けキットがあったのだが、コンプレッサがパワステポンプと干渉するために、パワステ付きの車には取り付けられなかったのだ。
しかし冷房能力の強大さは他のクーラを寄せ付けなかったし、もちろん純正クーラよりもずっと強力だった。そこでパワステ無し用のキットを購入し、コンプレッサステーを近所の鉄工所(?)で1cm程の厚さの鉄板をガスで切って貰って、パワステポンプのベルトを長いものに交換して無理矢理付けた。

◆ コンプレッサは1馬力以上のパワーを消費するだろうから自作ステーによる取り付けに不安もあったが、特にトラブルが出るわけでもなく順調に稼働してくれた。おかげで真夏の渋滞の中でも涼しい思いが出来たのは良かったが、次に購入した車の純正エアコンの貧弱さが余計目立った次第。
コイツはコンデンサの冷却ファンを増設して凌いだんだけどね。

◆ 以前にも携帯電話を送っていただいた方から、再度ネタ?を送っていただいた。嬉しい限りである。



Wintel(3/26)

◆ Win98の「情報勝手に送っちゃう」問題が表面化したが、これはユーザの意志に関係なくインターネットに接続されていれば誰にでも機器固有の情報を読みとることが出来るらしい。
ホームページにちょっとした細工をしておくと、そこにアクセスしたWin98マシンの情報が引き出せるし、これを書き換えることも可能だとか。
MSはセキュリティに興味がないようで、これまでにも様々なセキュリティホールが見つかっているが、これがバグなのか仕様なのかは定かではない。

◆ 時を同じくしてPentium-IIIの固有ID問題も表面化した。デバイスごとにふられた番号を読みとることが出来るってヤツだ。これをうまく使うと、不正アクセスが発生したような場合でも簡単にマシンの特定が出来る。これもユーザに嫌われる機能の一つで、確かSONY以外のPCメーカはIDを読めなくする事を行っていたようである。
ネットワークが標準的に使用される現代では、それを通して様々な情報を見てみたくなるのが人情ってモンである。が、それが仕様化されているならまだしも、裏でやられるとなるとイヤなものだ。

◆ MSに関してはWordやExcelで作成したデータにも固有のIDを打っているらしい。怪文書が出回ったとしても、IDを見れば誰が作ったか一目で分かるという仕掛けなのだろうが、これも仕様が明記されているわけではないところが怖い。
WordやExcelですらIDを打ったりするのだから、MSにMSのアプリからmailを送ると匿名であったとしても(ユーザ登録していれば)身元がばれたりしてね。

◆ Win98の情報送信問題でMSは多くのハードウエア情報を集めたに違いない。もちろんコピー品のWin98を使っている人の情報も集まっているはずである。今のところは個人を特定するほどの情報にはなっていないかも知れないが、Win98+IEだと情報漏洩度はもうちょっと上がって、これにOutlookExpressが加わると更に危険度が増して、Windows2000にアップグレードしたときに全ての情報が手に入る仕組みかも知れない。

◆ 現時点で分かりそうな事は、ユーザのPC固有の情報と、Win98を使い始めた時期と、ユーザが住んでいるエリア(市外局番を入れるからね)とメールアドレスとパスワードとメーラに設定している名前位だろうか。もちろんこれらがWin98の仕様として全て送信されているわけではないと思うし、これをDisableにするためのパッチも公開されたそうだが、パッチを当てると「送信していない」と見せかけながら(今よりもっと)密かに「送信する」機能が追加されたりしてね。
いやいや、パッチをダウンロードする時点で個人情報が吸い取られているかも知れない。

◆ 企業や学校で使われるPCには管理の必要性があり、これを行うための仕様は必要だと思う。しかしMSだけが知っていてユーザが知らない仕様で、しかも情報を勝手に送信してしまうと言うのは納得できない。だから、って訳じゃないが私はWin95のままである。ビデオカードドライバの都合でOSR2.5に上げたが、それまでは初期版のWin95に最低限のパッチを当てて使っていた。
F&Fをご覧になられる方は余りIEを使っていないようだ。他のページのIE率と比較すると明確に数値が低い。
私はNetscape NavigatorTM Gold Version3.01Gold(正式名称の何と長ったらしいことか)の英語版を使っているが、Netscapeもこのバージョン辺りまでが安全なのだ。



バッテリ(3/25)

◆ 庭灯用に使っているバッテリは原付バイク用だ。これは昔ながらの鉛蓄電池で、密閉型でも何でもない。
1ヶ月ほど充放電を繰り返していると電解液が少々減っていることに気づく。最近の自動車用バッテリが軒並みメンテナンスフリーとなり、キャップを開けて電解液をのぞき込む事も蒸留水を補充することも無くなりつつあるのとは対照的だ。
原付バイク用バッテリは千円台で買えるわけだが、軽自動車用の12Vバッテリも同じくらいの値段で買えたりする。スケールメリットの偉大さのなせるワザか。

◆ 電解液が減ったままバッテリを使用していると、サルフェーション等が起きて宜しくない。が、蒸留水など持っていないので困った。蒸留水など蒸留すれば出来るわけだが、それも面倒なので今度ディスカウントショップに行ったら買ってくることにしよう。
もっとも単純な蒸留水などは殆ど売って無くて、「バッテリ強化剤」とか何とか能書きが付けられたものが並んでいるに違いないが。

◆ 3月23日の雑記に書いたとおり、庭灯の蛍光管の片側の電極が極度に摩耗して電極が蒸発していた件の続きである。その後色々実験してみると、消滅した方の電極側が明るく点灯することが分かった。
何故こうなるのか良くわからないが、摩耗した電極側だけを接続して点灯させると蛍光管の電極から中央部辺りまでが発光する。逆側の端子にだけ接続しても全く光らない。

◆ 回路を追ってみると、点灯する側の電極はインバータの出力で、点灯しない側はGNDに接続されている。
インバータの発振周波数は数十KHz(トランスの大きさから見て)だと思うのだが、この程度の周波数でも空間にたいして電位を持つに至るのだろうか?この現象からすると、インバータのトランスの二次側をフローティングにして蛍光管を接続すれば両側とも対等になるような気がする。が、トランスの絶縁とかその他の問題はあるんだろうな。

◆ こちらの回路図を見て分かるとおりAC点灯のインバータ回路も、片側はACラインの電位になっている。そう言えば普通のグロー点灯蛍光灯も片側だけ黒くなる。もしやこれもACの接地側とホット側の違いなのだろうか?AC点灯インバータでも商用電源直結側は端子が一つなのに対し、インバータの出力側はコンデンサを介してヒータの両側に電圧を加えている。
電気スタンドの蛍光灯の片側が黒くなってきたら、ACプラグをひっくり返して(接地側が反対になるように)使うと、今度は反対側が黒くなるのだろうか?



Linux(2)(3/24)

◆ Linuxの話の続き。どうやらPCメーカはLinuxに興味を示し始めたようである。IBMやCompacが投資したのが効いたのかどうか知らないが、日本のPCメーカもLinuxサポートを眼中に置き始めている。
JustSystemがLinux用のATOKを発表したのはそれほど驚かない。今までにもSolaris用などを古くから手がけていたからだ。
ATOKの前にはオムロンがワークステーション用のフリーの日本語変換ソフトを独自拡張して販売していた。(Wnn)

◆ 現時点でも商用ソフトやフリーで日本語変換ソフトは存在するし、日本語処理ソフトなどもWindowsより余程便利(でも、慣れるまでは使いにくいけどね)なものがある。
ワークステーション用ATOKはメーカ製日本語対応OSに付属する形で出荷されたから、それなりのマーケットはあったのかも知れない。最近ではWindows用のATOKも単体販売&大幅値引きで利益率は下がっているだろうから、高くは売れない(フリーソフトが沢山ある)Linuxに足を踏み入れても損はないのだろう。

◆ こうして周りが固まってくると雑誌などもそれを取り上げるようになる。一般週刊誌上でもLinuxの文字が見られるに至っては驚くというか何というか、不思議な感じである。
週刊誌では「Windowsのような不安定さはない」事を、Linuxの専門家とか言う人物の紹介と共に掲載されていた。そして「安い」事と「軽い」事が強調され、誰にでも使えるWindowsは女子供に任せて、時代を先取りするビジネスマンはLinuxなのだ,と締めくくる。

◆ おいおい、そこらの事務系ビジネスマンにLinux教えても仕方ないんじゃないの?いや、事務系だろうと技術系だろうとやる人はヤルけど、やらない人はやらないよ。
金のかからないOSってことで、この不況下に元手を使わずに新OSを体験できる,なんて気楽なモンじゃないと思うんだけどね。少なくとも現時点でのPCunixは。
で、ちょっとインストールしてみたらWindowsは起動しなくなっちゃって、何やら訳の分からないプロンプトと英語のメッセージに泣いて、結局Linuxなんて使えないジャン,てな事にならないとも限らない。

◆ きっと2年ほどすればLinuxも素人さんがインストールして使えるくらいまで一般化すると思うし、フツーの人はそれまで待つのが正解というもの。PCUnixに日本語インストーラが登場してからさほど時が経っていないし、素人さんが使うにはもっと自動化(適当化?)されないとダメかも。
WIndows3.1時代にもPC-9800ユーザがDOSでガンバッて、Windows95辺りから急速にWin化が始まって、自分の持っているPC-9800にWin95がインストールできないのを知って、NECがシェアを急激に落として、仕方ないからAT互換機を買って、そしたら周辺機器の安さに驚いて、BIOSが何であるかもやっと分かった頃にはWin98になって...と、こんなペースでLinuxは普及すべきなんじゃないかな?



壊れた庭灯(3/23)

◆ 庭灯が壊れた。いや、しばらく前から壊れていたのだが、原因を追及するに至っていなかったのだ。
そこで庭灯を外して各部の電圧を測ってみることにする。が、外観上の変化と言えば蛍光管の端の方が黒ずんでいることが分かる。蛍光管に加わる無負荷時の電圧を測ってみると(周波数が高いので正確ではないかも知れないが)170V前後で充分である。
試しに8W(ノーマルは4W)の蛍光管を接続してみるとちゃんと点灯する。

◆ これは蛍光管自体が壊れたと言うことだ。蛍光管のどこが壊れるのかを確かめるために、そっとガラスを割ってみた。

  上が無事な方の電極、下が蒸発してしまってガラス面にコーティングされた電極だ。上の無事な方も

  ちょっと触ると壊れそうな感じになっている。電極(ヒータ)を支える金属線も上のものに比較する

  と下の溶けてしまった方は細くなっているのが分かるだろう。

◆ 何故片側の電極が溶けてしまったのか。直流点灯ではないので、両側とも同等に劣化しても良さそう

  なものである。そう言えばインバータ蛍光灯は、片側はヒータの両端に電圧を加え、もう一方は片側

  だけを使っているのと関係があるのだろうか?

  いずれにしても数十時間で寿命を迎えたわけだから、これは電流の流しすぎ(明るく点けすぎ)に違

  いない。回路的には8Wの蛍光管も(ちょっと暗いけど)点灯させられるだけのパワーがあるのだ。

◆ さて、これをどう改造しようか。最も手っ取り早いのは蛍光管とインバータの間に抵抗を入れて電流

  を押さえることだ。が、これではたいして消費電流は減らない。出来れば多少暗くなったとしても消

  費電流を押さえる方向で改造したい。

  回路的には1石の自励発振器なので、余り電流をケチると発振がスタートしなくなるだろう。C-MOSの

  インバータか何かで発振させてドライブする手もあるが、これもちょっと面倒である。

  電源電圧を下げれば消費電流も減るが、単に抵抗を入れたのでは抵抗が消費する電力がもったいない。

  ここは回路を見直して、最も効率よく高圧を発生させながら低消費電力になるようにチューニングす

  るとしよう。



アナログオシロの消える日(3/22)

◆ 世の中ディジタル全盛である。オシロスコープもディジタル化が進んでいる。以前は高速オシロと言えばアナログタイプが主流で、これは高速A/Dコンバータやメモリが高価だったからだ。
このためサンプリングレートを上げられず、高速信号の観測にディジタルサンプリングオシロが使えなかったのである。
繰り返し正弦波のみであればナイキスト理論の通り、観測周波数の2倍以上でサンプリングしてx/sin(x)で近似すれば正弦波になる。

◆ しかしオシロで観測するのは正弦波だけではない。矩形波を観測するためにはもっと多くのサンプリング点が必要で、観測周波数の10倍〜20倍はないとダメである。
そこでロジック的処理でこれを補完するようなことも行う。サンプリングポイントを移動させながら何回も観測して、あたかも細かいサンプリングを行っているように見せるのだ。ただしこの機能が使えるのは繰り返し信号に限られる。

◆ こんな理由からアナログオシロを使う必然性があったわけだが、最近では8GS/S等という高速サンプリングが可能なモデルも現れた。これならば500MHzを観測したとしても16点もサンプリングできる。
今やディジタルオシロのサンプリングレートが1GS/Sを超えるのは当たり前で、カラー表示で100MHz帯域で2.5GS/SのディジタルオシロがハイエンドPC並の価格で買える時代なのだ。
ちょっと前なら大企業の研究開発セクションでしか拝めなかった、5GS/S級の多チャネルモデルでさえ150万円以下で買えるというのだから恐れ入ってしまう。

◆ 一般にディジタルオシロはメモリの書き換えに時間がかかる。そのため最初の掃引と次の掃引の間隔が広く、ともすると観測したい波形が掃引待機時間の中に埋もれてしまうことも多かった。
この点に関しても改良は進んでいて、長いメモリを分割しながらどんどん波形を取り込んでいく方法(メモリインタリーブみたいなもの)や、大容量の高速デュアルポートメモリを使うなどしている。
この機能が搭載されているとほとんどアナログオシロ的な観測が可能になる。周波数も位相も振幅もランダムなノイズ観測は従来のディジタルオシロでは不可能とされていたが、最近のモデルではこれも可能となっている。(3/20の記事参照)

◆ もっとも波形を拡大すればそれはディジタルオシロ特有のものになるわけだが、ここはデータ処理技術でFFT演算を行うなどでカバーしている。
アナログオシロの場合にはブラウン管に直接波形を表示させるため、100pS/Div.の分解能を得ようとすれば、水平掃引時間は1nS(10Div.として)である必要がある。1nSと言えば1GHzである。
いかに高輝度で高速なブラウン管を使用しても、1GHzで掃引する事は不可能に近い。(偏向方式は違うが、PC用の水平周波数と比較してみて欲しい)所がディジタルオシロの場合は、一旦メモリに取り込んだ波形を表示するため表示器はラスタスキャンのブラウン管でもLCDでもかまわない。高速化は入力アンプとA/Dコンバータからメモリ周りまでをチューニングすれば実現できるのだ。



エアコン(3/21)

◆ 先週購入したエアコンの取り付け作業が、雨の中昨日行われた。午後からやってきた取り付け屋さんは夕方までかかって2台のエアコンを設置していった。ディスカウントショップに支払った取り付け工事代が8千円だから、(たぶん)外注だと思われる取り付け屋さんに支払われるのは6〜7千円だろうか?このペースだと1日4〜5台の工事が限界だろう。
取り付けのためのキットも日立は別売りだったので、これも買わなくてはいけないから取り付け屋さんは儲かる商売では無さそうだ。少なくともシーズンオフはね。

◆ 玄関に取り付けた方は富士通ゼネラル製で定格2.2KW(最大2.6KW),台所の方は定格3.2KW(暖房4.6KW)である。台所の物が広さの割に高能力なのは、火を使うことと台所にいる時間が少ないために急速冷暖房を行った方が効率的と考えたからだ。
富士通の方は売値が安かったのだが、それでも能力連続可変型になっている。騒音も(日立製に比較すると)格段に静かで、特に能力を手動で下げた場合は一段と低騒音になる。
(能力連続可変型をインバータと称するようになったのはいつ頃からだろう?)日立製を購入したのが6年ほど前だから、低騒音設計の技術が進歩したと言うことだろうか?

◆ 一方の居間で使用している日立製だが、振動修理のため修理屋さんがやってきた。そのオジサン曰く「それほどうるさくないですけど..」と。おいおい、感覚壊れてんじゃないの?そのうちケースがビビり始めて、低級騒音の嵐となると「ネジを増し締めしましょうか」と来た。そこで三菱製の音を聞かせると、やっと振動が多いと言うことが分かった様子で「たぶんファンのバランスが悪いんでしょう」と分かり切ったお答え。
そこで、ファンというのは経年変化でバランスは崩れるんですか?と聞いたが、「何かの拍子でバランスが狂うこともあるかも知れませんね」とおっしゃる。
修理には2万円ほどかかると言うが、これは仕方ない。部品を注文して貰うことにした。
前回のインバータ部基板交換と今回の修理で、安い品を買ったつもりが高く付いてしまった。

◆ 殆ど送風機としてしか機能しなくなった古いエアコンだが、取り付け工事の前に自分で外しておいた。
たぶんガス抜けだろうと予想していたので、これを確かめるのが目的だ。バルブ付きの配管を取り外して確かめてみると、プシュッとも言わない。完全にガスが無くなっていた様子である。
不調に気が付いたのが昨年の夏だから、その後もガスは抜け続けていたのだろうか?ちなみにコイツの引き取り料は2千円で、粗大ゴミで出すより千円お得だった。
それにしても最近のエアコンは小型化が進んでいるものである。オマケに静電フィルタだとか脱臭フィルタだとか色々付いている。

◆ 機能的にもランドリーモードと称する、除湿と暖房を交互に行って洗濯物を乾かすモードとかが満載である。実用的機能としては三菱製も富士通製も消費電力低減モードがある。契約電力によってはフルパワー運転が出来ない場合の対策用だろう。
ちなみに三菱製はフルパワーで20A(カタログ)、富士通製は10Aと表示されていた。

◆ 魚関係はちょっとだけ追加しました。



電源ノイズ(3/20)

◆ Pentium-IIマザーの電源ノイズを観測してみた。電源に入れられた合計1万μFのケミコンのおかげか、リップルはさほど多くはない。むしろ目立つのはスイッチング電源のスイッチングノイズだ。

  この絵は4GS/Sのディジタルオシロの帯域を20MHzに制限して、スイッチングパルスノイズを軽減し、電圧

  変動を観測したものだ。Pentium-II/266MHzを動作させた状態でのリップルは31mVしかない。

  色が変わって見えるのはオシロのDPOモードを使用したためだ。

◆ ディジタルオシロのようなサンプリングタイプではノイズのように位相も振幅も周波数成分もランダムな

  波形は観測しにくい。そこで高速サンプリングを利用して1画面を表示する中のサンプリングポイントを

  増やし、その部分の電圧の出現回数を色分けして表示したのがこれなのだ。

  赤っぽい部分は出現回数の多いところであり、青い部分は最も少ないところだ。

  電源部の電解コンデンサを増やしたり減らしたりしたときの波形はVmagの4/15日発売号に掲載される予定。

  ちなみに現在発売中の号にも私の担当記事があるので、見かけたら立ち読みでもしてね。

◆ F&FのBBSでも若干話題になった某サイトの電源部のノイズ波形だが、同サイトによると時間軸が1pS

  /Div.になっていた。これをテクトロニクスに確認すると「そんなオシロは世の中に存在しない」(広報)

  との事だった。

  アナログオシロの場合にはブラウン管への書き込み速度が問題になり、500MHz以上のものは作れないだろ

  うと言う。帯域が500MHzとしても掃引速度は1GHz以上が必要だからだ。

  これに対してディジタルストレージオシロはラスタスキャンのブラウン管が使えるので、高速化はアナロ

  グオシロより容易だという。テクトロニクスのラインナップでは8GS/Sの物まである。

◆ ちなみに1pS/Divを実現して、前出サイトのような波形を見るためには少なくとも4TS/S以上のサンプリン

  グクロックが必要となり、現時点での最高モデルの500倍の速度のA/Dコンバータやメモリが必要となる。

  ノイズ解析の場合には繰り返し波形ではないので、いわゆるサンプリングオシロの類は利用できない。

  実は私が液体窒素冷却実験を行ったのも同サイトで「液体窒素冷却でPentium-IIが1.6GHz動作した」記事

  の実証を行うためだった。1.6GHz動作が可能かはこちらを見て判断いただきたい。



誰が助けるのか?(3/19)

◆ 日産とダイムラー・クライスラーの距離は遠くなったようである。日産の2.5兆円にものぼる有利子負債がネックになったとの報道もある。日産は他のメーカと交渉を開始しているらしいが、果たしてどうなる事やら。(日産がフランス国籍になるって事はないだろうけど、日産の求めるものとフランスのそれでは差が大きいような気がするなあ)株主総会でも「日産は21世紀まで存続できるのか」などと厳しい意見が飛んだそうだが、今までに何度も危機に直面したマツダとは規模が違うだけに再建の道が難しいのかも知れない。
余談だが日産とダイムラークライスラーとの破局?は新聞報道のかなり前から知られていたし、ルノーとの交渉準備も2月はじめには開始されていたようだ。

◆ 以前にも書いたが、日本政府は銀行は助けても日産は助けてくれない。銀行はどこに行っても同じ商品(銀行券)を扱っているし、独自商品と言いながらも違いは商品名くらいで性能(金利)などは似たり寄ったりだ。しかし日産車は日産にしか作れなくて、例えばトヨタのアルテッツァがガンダムスタイルだからと言って三菱車になり得ない(でも雰囲気あるけど)のと同じだ。
銀行並に1兆円ほど借り入れられれば日産は大いに助かるはずだ。雇用面でも経済波及効果でも、一つの銀行を助けるよりはメリットが大きいに違いない。

◆ こう書くと今にも日産が倒産するように感じられるかも知れないが、決してそんな事はない(と思う)。
しかし魅力的商品を開発するためには資金が必要であり、不景気の中にあって商品開発力が失われればメーカとして存続の危機がやってくる。
この状態になったのが三菱だ。パジェロ人気で新商品開発を怠ったのが裏目に出たのと、元々利益率が他メーカより低い(と、思う)事もあって経営状態は決して良くないはずだ。(各社の株価が参考になるかも)救いは規模が日産ほど大きくないと言うことだろう。小さなタービンは速度が落ちるのも早いが、充分な排気パワーを与えればすぐに加給を始める。大きなタービン(大きな会社)はターボラグも大きいのだ。
ファミリアの一発ヒットでマツダが立ち直った事を思い出して欲しい。

◆ その日産が最近力を入れているのはスポーティーモデルだろうか。とは言ってもワン卜ボックスカーにGTのエンブレムを付けたり、ハイウエイスターを名乗ったりというトンチンカンなスポーティーモデルではない。R-34GTRやシルビアなどをスポーツイメージで売ってきているのだ。
ワゴンブームの後にスポーツカーブームが来るとは考えにくいのだが、去年の始めに「今後はアメリカでスポーツカーが売れる」と予測していた人もあった。
アメリカでは相変わらずライトトラック(パジェロやランクルの類のアメリカ版)が売れていると言うが、アメリカという国土の大きさとアメリカ人の物理的大きさと好景気が売れ行きを支えているとも言えそうだ。

◆ アメリカでスポーティーカーが売れれば日本メーカもそれらを作らないわけには行かない。日本メーカにとってアメリカは主要マーケットなのだ。アメリカでスポーティーカー(スポーティーサルーン)が流行れば日本でも流行るかも知れない。
アルテッツァは対欧輸出を考えたFR車だと言うが、あのトヨタが小型FRを作ったくらいである。(個人的にはスタイルが気に入らないが、適当に面白いらしい,サスペンション限界が低くて。)



unix(3/18)

◆ Linuxの話のついでにunixのお話。最近のWindowsやMAC_OSから入った人は、コマンドラインでPCを操作する事が出来ないようだ。ロングファイルネーム全盛になって、確かにDOSプロンプトからコマンドを叩く事は減ったし不便にもなった。しかしWindowsの機能の中にはコマンドプロンプトからしか実行できないものも数多く存在する。GUI OSのくせにDOSコマンドが沢山あるのだ。これはWIndowsNTでも同じ事。
これらのコマンドの説明はほとんど無い。HELPを見ても書いてない。これは一体どういうことだろうか?

◆ unixは取っつきにくいOSである。様々なバージョンや多くの流れがあることにも原因があるが、元々がパーソナル用途の簡易OSではないのだから仕方ない。
DOSを操作していれば設定ファイルなどconfig.sysやautoexec.bat程度である。しかしunixには色々な設定ファイルがあって、何がどこにあって何をしているのか良くわからない。
しかしある程度なれてくるとWindowsよりも分かりやすい面もある。WindowsにはロクなHELPファイルがないが、unixには殆どのコマンドにオンラインマニュアルが付いてくる。
設定ファイルはASCIIコードになっているから、それを見て何をやっているのか分かる。Windowsのレジストリ的なものはほとんど無い。

◆ Windowsと比べたらunixに怒られそうだが、システムの安定性という点でパーソナル用OSとは一線を画する。
例えアプリが暴走しても、Windowsのようにシステムまでつき合ってクラッシュしてしまうことはほとんど無い。Windowsは例えNTでもシステムがおかしな動作を始めることは多い。
そしてMS製のアプリを入れれば、必ずと言って良いほどリブートを要求される。マルチユーザ/マルチタスクのunixは余程のことがない限りリブートする必要はない。
でもMS製のアプリを入れたら「root権限でインストールしインストール完了後リブートしてください」とか言われたりして。

◆ unixが普及するとすれば、WindowSysytem無しには考えられないだろう。Solarisはログイン画面からGUIがスタンダードになっているが、おそらくこういう形で一般に使われ始めるのではないかと思う。
設定もGUI経由で行えて、設定完了後は自動的にデーモンにHUPを送って設定を反映させてくれるって感じだ。ここまで行けば設定ファイルのディレクトリがどこにあろうとも、ユーザは直接それらに触れないで済む。分かっている人が設定を変えようとすれば、エディタを使って簡単に書き換えが出来る。
Windowsはレジストリに何を書くのか、いつ書くのか、アンインストールすると何が残って何が消えるのかも明確ではない。しかしunixならそんな事にはならない。

◆ 元々LinuxやFreeBSDなどのPCunixはフリーのOSであり、誰でも簡単に入手することが出来る。フリーだからと言ってバグフィックスが遅いかと言えば、そんな事はなくて商用ソフトよりも迅速なくらいだ。
ドライバ開発はカードメーカの仕様公開による所が大きいのだが、市場が大きくなればカードメーカもドライバ設計のための資料や専用ドライバを開発するに違いない。

◆ unixは電源投入からの立ち上がりが遅いイメージがあるが、Windowsが大きく重くなっている今となっては遅いとは言えないと思う。事実FreeBSDなどでカーネルを最適化していればWindows95より早く立ち上げることが出来るし、NTよりは絶対に早く立ち上がりシャットダウンもできる。電源を切る場合でも(Windows98は早くなったが)Windows95よりは早いのではないだろうか?unixがパーソナルOSとして使われるまでには様々な改善点があるとは思うし、それによる変更がコマンドラインでの使いにくさにつながったのではunixに将来はない。
OS部分はあくまでも軽いCUIで、GUIで使いたい人はOSの上でGUIシェルを動かすスタイル,丁度Eindows3.1の感じがよいのではないだろうか。



Linux(3/17)

◆ 全国紙でも取り上げられるほど有名になったLinux,先週にはIBMやコンパックが出資するというニュースもあった。大手PCメーカもWindowsの将来に不安を感じ始めたと言うことだろうか。
Microsoft大好き派に言わせると「あなただって文句を言いながらWindowsを使っているではないか,もしWindowsが無かったら今のPCは無かったんだよ」と。
しかしWindowsが無ければOS2がシェアを伸ばしていただろうし、OS2が無ければ他のメーカの他のGUIOSが幅を利かせていたに違いない。

◆ Windowsのあり方自体に賛成は出来ないが、同一プラットフォームが世界中で使われるようになった点では評価せざるを得まい。例えば日本ではPC-9800シリーズがあったわけで、もしかしてWindowsが無ければ未だに世界標準からかけ離れたPCを使っていたのかも知れない。
PC-9800がMACの用になれたかというと、少なくとも日本ではそうできたかも知れないし事実DOSの世界ではそうだったのだが、MACが世界中で売れていたのに対してPC-9800は日本だけである。
単一メーカの単一OSを使うというメリットは、機器拡張時のトラブル低減などの効果はある。反対に競争相手のない世界では高値安定となるのが普通だ。

◆ 「同じ時代は長くは続かない」と言われるように、PC-9800シリーズもすでに姿を消した。PC-9800専用のソフトやハードを作っていたメーカも瀕死の重傷である。
今や世界中のソフトメーカは何らかの形でWindowsに関わっていて、ワークステーションベースのソフトを作っていたメーカでさえWindows版を廉価で売り始めているほどだ。

  「しかし売れているものは売れなくなる時期が来る」のは当然のことで、これに泣いたN○vellや○ustSystemなんて会社もある。

◆ 他人のふんどしで商売していると言ってはヘンだが、Windowsに頼り切る形で商売している企業にとってはWindowsが売れなくなる日が怖いに違いない。
おそらくそれは急激にやってきて、PC-9800がシェアを落とし始めて2年で廃機種になったように訪れるだろう。そこでLinuxにも手を出しておこうという動きなのだ。
経済は正帰還だから、何かをきっかけにどこかのゲインが上昇するとやがて発振する。どこかのゲインが下がり始めると急激に振幅が失われる。
Linuxに投資を始めた企業はWindowsの次に出てくると思われるOSに手を打ったつもりなのだろうが、それらの動きが意図せずともWindowsのゲインを下げ始めているのかも知れない。



更に拡大,デジカメ市場(3/16)

◆ 先週に引き続きデジカメのお話である。PCのアクセサリー的な感じで登場したデジカメだが、「デジカメ」と言う固有名詞となるほど市場は大きくなり、年間成長率もPC関連機器としては大きいのだそうだ。
モデルチェンジサイクル,と言うか、画素数拡大サイクルが早くて設計期間の短縮が求められる中、PCメーカも家電メーカも光学機器メーカも参入している。
今や年間1千億円を超える市場に発展しているし、年賀状シーズンにはカラープリンタをも引っ張る形で売れると言うから凄い。

◆ 各社のトップモデルは200万画素クラスに移行し、1年前の100万画素モデルより安かったりするから驚く。まさにCPUのクロックがグングン上がっていた時のようである。
最新モデルの画質を見るならこちらのサイトが良いと思うが、専用線接続でないと(画面サイズが大きいので)苦しいかも。同サイトの絵を見ると、画素数云々より画像圧縮などの処理技術の違いも分かる。
いや、画像処理が分かるほど高解像度になったと言うことだろうか。

◆ ホームページ作成用には200×400程度の分解能があれば充分である。逆に接写時の被写界深度とか感度の方が重要になってくる。基板や機器内部の絵を撮ろうとすれば暗い部分も多くなるし、暗いから絞りが空いて深度が浅くなるしレンズ解像度が下がる。ストロボを使うと反射が出るし、部品の陰になった部分が余計に見にくくなったりする。
ピントの具合は内蔵LCDパネルでは解像度が低くて確認が難しい。オートフォーカスがどこを狙ってフォーカシングしているのかも良くわからない。

◆ ハンディービデオカメラのLCDファインダもそうだが、結局の所良くできた光学ファインダにはかなわないと言った感じだ。
F&FではDC-20(コダックの光学ファインダのみのヤツ)とCOOLPIX600(松下のOEMでニコンが売っている)を使っているが、画質面で勝るCOOLPIXも感度が悪いので暗いところを撮るときは苦労している。
画素数の多いモデルは1画素辺りのCCD面積が小さくなるので必然的に暗くなる。レンズを明るくすればコストがかかるので、CCDのアンプ増幅度を上げる。そうするとCCDのノイズが目立ってくる。

◆ 今のところは画素数競争的なイメージが強いが、3CCDモデルなんかが登場してくると面白いかも。
ディジタルビデオカメラでも3CCDモデルは見て分かるくらい画質が良いが、その代わり値段が高くて寸法も大きい。デジカメも1眼レフ並の大きさだと手軽さという面がスポイルされるから、何とかコンパクトカメラサイズで高画質モデルを実現して欲しいものである。ちなみに1眼レフタイプのデジカメアダプタ的モノは600万画素クラスに突入している。CCDサイズが35mmフィルムと同じと言うから、レンズ性能も35mmフィルム用がそのまま発揮される。これだけ大きなCCDが一体いくらするのか気になるし、これだけ大きければ感度も悪くはないだろう。



エアコン(3/15)

◆ エアコンを買い換えた。キッチンに付けてあるものが、たぶんガスが抜けているのだと思うが機能しなくなっている。引っ越しを経験し13年以上使った品なので、修理せずに買い換えることにした。
我が家では三菱製が故障もなく稼働している。ま、今回はそのうちの一台が壊れた訳なのだが、引っ越しの時の取り外しや再取り付けも自分でやったのと、壊れた方は古いタイプでパイプにガスが充填されていてバルブが付いているモノだったので、付け外しの時にガスが抜けたかも。対する日立製は信頼性に難アリだ。居間のものはインバータ故障+振動過大,寝室ものは室外機の(仕様だと思うけど)騒音過大で、居間のものも寝室のものも室内機のファン騒音は大きい。
そこでキッチン用には三菱製を,玄関(水槽冷却と犬冷却用)には富士通製を選んだ。
富士通製,大丈夫かな?とも思ったが、同じ価格レンジで日立製を買うのはやめておいた。ちなみに電力節約度合い?では日立製が良いとは販売店の話。

◆ 三菱製は昨年のモデルで、いわゆる現品処分対象品だ。定価の6割引近かったから良しとしよう。
このクラスになると単三200V仕様が多くなるが、電気工事が面倒なので100V品を選んだ。
富士通製の方は昨年モデルの処分として広告掲載したら思った以上の売れ行きだったとかで、今年のモデルも沢山仕入れて同価格で売っているとは販売員の言葉。でも先週には3.98万円だったような気がするのだが.. ちなみに買値は4.9万円だった。
空気清浄機能とかのアクセサリはどうでも良いから、基本機能のシッカリした安価な製品ってのは無いのだろうか? 付加機能で競争しているとアジア製品に負ける日も近いと思うけどね。

◆ これまでの取り付けは自分でやっていたのだが、今回はシーズンオフで工事費用も安かったので販売店に任せることにする。玄関の方は新規取り付けなので自分でやるには面倒だ。(ホールソーは持っているんだけどね)今週の土曜には取り付け工事が行われる。果たして腕前の程は??これで今年の夏は犬も(実家に)避暑に行かなくて済みそうだ。水槽の方も煮魚が出来ずに済むと思う。
犬もそろそろ高齢(7歳)なのと暑さには弱い犬種なので、真夏には食欲が落ちてしまう。
水槽冷却用には水槽専用のクーラなるものもあって実売価格は3万円以下だが、水槽だけ冷やすと結露で周りが水だらけになるし、水槽クーラの排気熱で部屋は暖房されることになる。

◆ この水槽用クーラ、どの位の温度まで冷えるのか分からないがCPUの冷却用として使えないかな?なんて思っている。ポンプ内蔵型もあるので、簡易冷却なら水枕さえ用意すればそのままOKではないか。
結露の問題があるので室温以下に水温を冷やすと面倒なのだが、室温程度の水でペルチェ冷却用としては良いかも知れない。
ちなみに水槽用冷却器は圧縮型冷凍機なので、音と排気熱の問題はつきまとうけどね。

◆ 日立と言えば、赤字転落で厳しい状態のようだ。横浜には日立関係の事業所が多いのだが、昨日は朝から広報車が出ていた。たぶんリストラに反対する労組ではないかと思うのだが、「景気の良い頃には資金隠しを行って給料を上げず、不景気になったら首切りするとは何事か」と声を張り上げていた。
資金隠し云々は別として、日本の企業は資金を蓄えておくことが難しい(事業益にかかる税負担が大きい)ので、景気によって事業内容や給与や賞与が変動する事は多い。

◆ 不景気になれば実質給与が下がって飲屋街も閑散とする訳で、それを「景気の良い頃には沢山飲みに来たじゃないか」と言っても始まらない。
首を切られる立場の人は安泰ではいられないだろうが、それでも会社が消滅するよりはマシ,と言うのが経営陣の言い分だろう。
でも役員報酬は景気に左右されなかったりしてね。



地域振興券(3/14)

◆ 横浜市でも地域振興券が配られ始めた。早速これを貰いに近くの中学校に出向く。免許証かパスポートで本人確認が行われ、台帳と葉書を照らし合わせてチェックされて券を貰う。
台帳のチェックは地区ごとに分かれているようだから、中学校に来ているのは付近の人ばかりではないようだ。

◆ ディスカウントショップに行ってみると「地域振興券使えます。お釣りは出ませんのでご注意ください」と張り紙があった。千円以下の物を買うと販売店の利益になる仕組みだが、名目上は換金対策と言うことだろう。
住宅ローン等々があるからかも知れないが、私は借金するのが好きではない。振興券も借金に違いないわけで、これを返す頃には金利で2倍くらいになっちゃってるのでは?と思うと良い気分ではない。

◆ 中小企業の倒産件数が減ったから景気は底だというニュースがあったが、倒産すべき所が倒産してしまって一段落,って見方もあるし、拡大された融資枠の中で借り入れを行った企業は今年の年末頃には元本の返済が始まるので、その頃には再び倒産件数が増えると見る向きもある。
ばらまき的に金を使ってどの程度の意味があるのだろうか? 振興券を印刷する印刷所だけは儲かったと思うけどね。

◆ マイクロソフトが分割されると言うニュースが昨日の夕刊に出ていた。例の独禁法裁判の行方次第では分割しなければならなくなるわけだが、それを見越してのことかも知れない。
OS部門やアプリ部門など4つに分かれるらしいが、NTTの分割と同じく名前が変わるだけかも知れないけどね。アプリ部門が分割されるとunix用のWordとかExcelなんてのが出てくるのだろうか?「インストールはroot権限で行ってください」とか、「インストールが成功しました,リブートします」なんて不吉なメッセージが出てきたら笑える。

◆ 一方のIntelは組込用マイコンに力を入れるらしい。今や世の中の大抵の物にはマイクロプロセッサが入っていて、それは子供用のオモチャにしても同じ事。
ハードロジックで組むよりCOB(Chip On Board)で小さなプロセッサを実装した方が安い時代なのだ。
家電製品でも16Bitワンチップマイコンが搭載され、液晶表示器が付いていれば専用の4Bitマイコンが使われる。この分野では日本製製品のシェアが大きく、携帯電話などでは三菱と日立製プロセッサが使われている場合が多い。

◆ プリンタなどの高速グラフィック処理が必要になるとRISCプロセッサが組み込まれる。CISCより命令効率は悪いが、実行速度的にはメリットがある。この分野でも日立やNEC(MIPS)やARMなどが良く使われている。組み込みマイコンは決して高く売れる商品ではなく、x86プロセッサに比較すると利益率は相当悪いと思われる。が、そのx86プロセッサもシェア低下で苦しいIntelだから、生きる道をx86プロセッサ以外に見出そうとしているのかも知れない。

◆ お魚関係はここここを更新しました。



PS2(3/13)

◆ DCに対向するかのように発表されたPS2の設計構想だが、PlayStationのシェアを死守するために東芝と半導体工場まで立ち上げると言うことらしい。
ゲーム機の世界でもスペック至上主義というか、CPUのクロックがどうのとか、グラフィクスチップの性能が云々とか、挙げ句の果てにはチップ内のバス幅まで競争しているが、一部のスペックマニアを除く大部分のゲーム機ユーザにとっては、そんなことはどうでも良いのでは無かろうか?

◆ 確かに演算性能の高いCPUと描画性能の高いグラフィクスチップはソフト開発を容易にし、高品質な絵を見せることが出来る。ソフト開発者は演算ルーチンの最適化作業から解放され、本来のゲーム機能やストーリ開発に専念できる。そういう意味でCPUパワーはあるに越したことはない。が、それを宣伝文句(?)にする事に意味があるようなマニアックな市場なのだろうか?これが専門誌(紙)に載るのならまだしも、一般新聞にまで2560Bitとか出ているのだから。で、新聞ではビットの解説も乗せているわけで、たぶんSONYから「強い」掲載要望があったに違いない。
PS2の開発が遅れるとは言わないが、この手の「開発しますよ〜」って話で思い出すのはN64だ。

◆ ソフトが先かハードが先かという事はあるが、一般市場では「ソフトが先」で、「ソフトを作らせるためにハードが先」と言う考え方のようだ。
つまり魅力的なソフトをプレイしてみたいがために、それに対応するハードを買うというわけだ。
その時点でハード性能などどうでもいい。64ビットだろうが128ビットだろうが、目的のゲームさえ動いてくれれば文句無い。

◆ 我が家のPSも何本かのソフトをそろえて遊んでいるが、その頻度は(今の時期は)少ない。
関東地方の冬場は雨が少ないから、子供は外で遊ぶことが多くなる。室内にいるときでも絵を描いたり人形で遊んだり、或いはビデオを見たりしている。
おそらく6月頃になって梅雨に入ればPSに火が入ることも多くなるとは思うが、それでも「毎日何時間も」って具合にはなりそうもない。少なくともウチではね。

◆ PCでのゲームなど私もやらないことはない(って、最近はやらないけど)のだが、長時間やり続ける程のマニアではない。でも世の中にはマニアというか何というか、何日も寝ないでゲームをやり続けるような人がいることも事実で、もしかするとそういう人たちには「強化されたスペック」は魅力的に映るのかも。
これはハイエンドPCと同じかも知れない。PCの場合はゲーム機器ほど市場が広くはないが、それでも300MHzよりは400MHzが良くて、500MHzならもっと良い,って事になる。実際に使えば分かるが、400MHzと500MHzの違いは普通は体感できない。



放電管(3/12)

◆ キセノンランプを使用したヘッドライト装着車も増えているが、最近ではワンチップのDC-DCコンバータデバイスが登場している。たぶんトランス程度は必要なのではないかと思うが、そのドライバFETも含めてワンチップ(要ヒートシンク)になっている。
放電管は放電開始時に高い電圧を必要とする。自動車用ランプだと数十KVではないかと思うが、一度放電が開始された後は数百ボルトで定電流放電させる。

◆ 蛍光体を使わないタイプの放電管は、出力される光のスペクトラム設計が蛍光体を使用するものより楽なのだそうだ。おそらく充填されるガス(ハロゲン化合物)の種類や分量によって決まるのだろう。
自動車用ヘッドライトの放電管は青っぽい感じに見えるが、これは雨天時の視認性に問題がある。そこで出来るだけ長波長側も出そうという努力を行っているようだ。
キセノン管は家庭用(?)としても売られている。発光効率が高いために高輝度を必要とする広いリビングや庭の照明、或いは店舗の照明用などが主な設置場所になる。

◆ この場合でも点灯させるための回路が必要で、水銀灯の点灯装置と同じ感じだ。これら電球の寿命は蛍光灯と同じくらいの6千〜1万時間,価格は100Wクラスで1万円ほどの定価が付いている。
点灯させるためのコンバータはランプより値段が高く、1〜3万円ほどする。内部はスイッチング電源のような感じで、最初に点灯させるための高圧発生と放電を持続させるための定電流回路からなる。
自動車用と比較すると大電力(自動車用は30W程度)を必要とするので、コンバータ自体の寸法も大きい。

◆ 発光効率の点ではナトリウムランプ(トンネルなどに付いているオレンジ色のヤツ)が高く、故にトンネルでも使われているわけだが、これは発光スペクトラムの問題で一般にしよう出来るシロモノではない。
オマケに交流点灯では蛍光灯などより明確に点滅する(パルス的に発光する)ので目にも悪いかも。
トンネルの照明としても、色再現性が悪すぎると言うことで見直す方向にあるようだ。通常の太陽光スペクトラムの中で見ている景色や色と大幅に違う環境に突然おかれた場合に、判断力低下などの影響があるというのがその理由。
「ナトリウム灯を水銀灯に変えたため電気代が上がりました。だから高速道路通行量を値上げします。」なんて事にならなければいいけど。



デジカメ(3/11)

◆ 200万画素クラスのデジカメも各社から発表されている。つい2年ほど前には1眼レフタイプの報道用デジカメが、乗用車が買えるほどの価格だったのが想像できないほどだ。
今年の後半には300万画素か、或いは400万画素時代に突入するのかも知れない。半導体技術の進歩は市場の大きさに比例して進化速度が速くなる。
これで低消費電力化が進んでくれれば言うことはないのだが、相変わらずマンガン電池では動作しないようなモデルばかりである。

◆ このクラスになるとCCDも1/2インチか、それに近いサイズになっている。200万画素級のCCDが1/3インチサイズに突入すると、より大きな画素数のものが開発されると言う具合だろうか?このページで何度もお伝えしているとおり、CCDの分解能が上がればレンズ性能もそれなりのものが要求される。レンズが自社生産できる光学機器メーカなら(金を掛ければ)分解能の高いレンズも出来ようが、家電或いは電子機器メーカだとここがネックになるかも知れない。

◆ レンズの設計とそれに伴う計算の複雑さは大変なものらしい。今でこそ計算機を使って設計できるから良いが、電卓もなかった時代には光学機器メーカのOL達が手回し計算機で何週間も掛けて計算し続けたそうだ。おそらく民生用機器における計算の複雑さ(あるいは時間を要する仕事として)は他に類を見なかったのではないだろうか?そしてそれが非球面レンズともなれば、計算の複雑さに加えて加工技術も要求される。それでも高画質を求めて非球面レンズや人口蛍石を使ったものが作られていたのだから凄い。
(最近では使い捨てカメラにも非球面レンズが使われている)

◆ 以前にも書いた通りこうした精密技術では世界一とまで言われる日本の加工技術なのだが、レンズ単体性能で見ると世界一とは言えないようだ。
今でこそ可視光線では見えない微細配線の世界が当たり前になってきたが、LSIの配線幅が2ミクロン程度の時代でも国産レンズの性能が気になると言われていた。
LSI製造装置や検査装置などで高コントラストを得ようとすると国産レンズでは不可能なレベルになってしまう。

◆ もう随分前になるが、LEDチップの光学自動検査装置を設計したことがある。1mm角にも満たない大きさのLEDチップをレンズを通したCCDカメラで見て検査するというものなのだが、このカメラの解像度が悪くて画像処理がうまく行かない。カメラ部分のアナログ回路などを散々いじってみたし、照明の明るさやスポット径なども色々いじった。
当時はレンズ性能云々などと言うことは全然頭になくて、日本では一流メーカの機器(レンズ)なのだからと信用していた。

◆ ある時、たまたま光学機器商社と打ち合わせをすることがあって色々聞いてみると、これらの用途に国産光学機器を使うのは価格的に厳しいときだけ、って事が分かった。
今では国産機器も進歩していると思うが、当時レンズを輸入物に変えたら驚くほど解像度とコストが上がった。



磁石な関係(3/10)

◆ 懲りもせずに磁石実験を行っている。とは言っても燃費節約とかそう言うことではない。磁石モノには水や空気を改善するとして製品化されているものがある。いわゆる「おいしい」空気や水を作るってヤツだ。
そこで40cm水槽にこれを付けてみることにした。製品化された磁石モノの能書きによると「有害物質を排除し...」とお決まりの文句が並んでいる。
取り付けたのはパワーフィルタの排水パイプだ。パイプ径が細いので反発力はかなり強力。ついでに夜間行っているエアレーションの、エアホースもにも磁力線を通した。生き物を実験対象にするのは本意ではないが、何らかの効果が出るのだろうか?ちなみに磁石を取り付けない状態のpH=7.1で、アンモニア濃度も亜硝酸濃度もほぼゼロである。エアレーションを行っている時点の溶存酸素濃度は8mg/lだった。水温は24℃なので、飽和溶存酸素量は8.6mg/l程度だろうか?導電抵抗は約50KΩで、これはテスターリードを一定の間隔に固定して測った値である。60cm水槽は80KΩで水道水は120KΩだった。(40cm水槽の水は汚れている訳ね)

◆ 水槽の水は魚たちが排出するアンモニアや餌の残りなどで日々変化している。従って余り日数をおいて再測定したのでは磁石効果は分からなくなる。パワーフィルタの流量は無負荷で500リットル/時間,負荷時でも350リットル/時間程だそうだから、水槽内の水が(単純計算で)全て循環するには10分もあれば充分と言うことになる。

◆ 磁石設置から24時間後、再測定してみることにする。
測定値はpH=7.0,アンモニア濃度、亜硝酸濃度共にゼロ、溶存酸素量8mg/l,導電抵抗62KΩだった。
ちなみに60cm水槽の導電抵抗も90KΩと上昇していたので、これに関してはテスターリードの間隔に誤差が出た恐れがある。pHの変化は水が汚れてきたことを示しているのかも知れない。
魚の様子も変わっていない。もっとも魚が「水がおいし〜い!」って言うわけでもないのだが。

◆ 結局水槽実験でも磁石の効果は分からなかった。いや、測定値に変化が出るほどの違いが出たら、それはそれで恐ろしいような気もする。
実験で気が付いたのだが、パワーフィルタの漏洩磁界は意外と強力だった。磁石を持ってパワーフィルタに近づくと、手に持つ磁石に50Hzの振動が伝わってくる。これはパワーフィルタから30cm程離れても感じる程なのだ。



遅れそうな気配,W-CDMA(3/9)

◆ 2000年だ、いやいや2001年サービスインだ、と言われていたNTTDoCoMoのW-CDMAだがITUでの標準化作業の遅れ(当初から予想されていたけどね)もあって、2002年のサービス開始も難しくなってきている。一方のcdmaOneはIDOが4月サービス開始で、初期加入者数は50万を見込んでいる模様だ。
新サービスへのユーザ移行に対して若干の不安があった(のかな?)IDOはインセンティブの水増しで拡販を行う。

◆ 携帯電話販売店は怪しいところが多い。例えばA事業者が加入者1人辺り3万円で、B事業者が3.1万円だったとする。販売店はB事業者の端末を売った方が儲かるので、例え通話品質が悪くても、サービスエリアが狭くても、極端な場合は客の住む地域がサービスエリア外でもB事業者の端末を売る。
ある時期にA事業者がインセンティブを3.3万円に上げたとする。販売店は自社顧客に片っ端から「事業者乗り換え」の電話をかけまくるという寸法だ。

◆ cdmaOne方式を使用する各社は「インセンティブもあるが、通話品質の高さがユーザに受け入れた結果」とよそ行きの言葉を使っているが、通話品質云々は使いはじめてから分かるものである。新システムともなれば、周りにも使っている人は少ないはずで、それが浸透するまでに数週間〜数ヶ月を要するのが普通だ。

◆ cdmaOneはPDC時代の経験を生かし、都市部などの人口集中エリアには多数の基地局を配備する等を行っている。基地局配備は簡単には行かないため、初期のシステム設計時点で加入者数とトラフィックを予測することが不可欠なのだ。cdmaOne勢はW-CDMAが始まるまでに、多数の加入者を獲得したい。そのためにも十分な初期投資を行ってトラフィック分散を行うというのだが..

◆ 人口過密地域で基地局数を増やすのは物理チャネルの不足もある。CDMA方式では通信物理チャネルという概念がない(性格には1バンドと呼ばれる帯域が、さらに3つに分かれている)ので、PDCのように3次混変調ひずみを考えることなく基地局辺りの収容ユーザ数を調整することが出来る。
しかし物理チャネル容量には限界があり、CDMAと言えどもPDCの何十倍もの(同一帯域で)ユーザを収容できるわけではない。



整備書(3/8)

◆ BBSの方でお教えいただき、整備書を扱っている所を訪ねてみた。そこは小さな店で、書棚に整備書が沢山並んでいる。オーナ(らしき人物)にR129(SLの型名)を告げ、整備マニュアルはないかと聞いたところ「個人で読めるような易しいものじゃないですよ」とのお答え。易しかろうが難しかろうが読むのはこちらの勝手である。で、とりあえず見せてもらえないかとお願いすると、「すごく分量があるからね,個人で理解できないですよ。それに整備するには工具や設備も必要だから」とおっしゃる。
どうやら売りたくない雰囲気なのだ。ドイツ語だろうが英語だろうが、知りたいものは調べるし図面は世界共通だろう。
そして「整備書は追補版がどんどん出てくるから、それらを全部手に入れないと分からないしね。」と言う。
だったら見せてくれたって良さそうなものだし、本屋に聞いても内容までは分からないだろうと思って自分で確かめるべく出かけていったのだ。挙げ句の果てには「ベンツはW124辺りまでしか無いよ」と来た。

◆ 「ツナギ」でも着てスパナの一丁でもぶら下げていけば話を聞いてくれるとでも言うのだろうか?それともインポータや大手整備業者の名刺でも見せないとダメなのか?とにかく不可解な店であった。
この手の店に行ってみる人は、勝手に整備書を見つけて黙ってレジに持っていくと良い。ちなみに北欧辺りには、これら整備書を扱う書店が多いという噂を聞くが私は発見に至っていない。

◆ 車検のついでに交換したバルブユニットだが、4つのバルブは2つが車高を上げるためのもので2つが車高を下げるためのもの。それがフロントとリアで合計4個の電磁バルブがあると言うことは分かった。
その他に(たぶん)車高の下降速度を調整すると思われるレギュレータのようなものも付いている。バルブはデューティー制御はされておらず、単なるON-OFFだった。
古い方の(外した)バルブは灯油で洗浄し口で息を吹き込んで通路を調べたわけだが、ある程度圧力がないと開かないヤツがあったり、ワンウエイになっているところがあったりと複雑なものだ。
このバルブユニットの他にバネ常数(窒素タンクへの油量を制御する)可変用とダンピングファクター可変用のユニットが各輪に付いている。こちらの方は未だ解析が出来ていない。

◆ そう言えばソアラやインフィニティに油圧アクティブサスペンション仕様車があったが、今でもあるのだろうか? 丁度F1でアクティブサスが流行った頃に発売された車達である。
油圧アクティブサスが数馬力のエンジンパワーを消費し、それが燃費悪化につながると言われていたっけ。
ソアラの油圧アクティブサス仕様車はコーナでも殆どロールしない。ロールしないから限界がどこにあるのか分からないし、ロールしないから限界はもっと上にあると錯覚してしまう。
借り物の車をスピンに至らしめるわけにはいかないので無理はしなかったが、広い場所があればどんな挙動を示すのか興味あるところだ。



掃除はしたけど(3/7)

◆ 昨日は久しぶりにVitaのWAX掛けを行った。Vitaも鉄粉でプチプチな感じだから、次回のWAX掛けの時には鉄粉除去もしないといけない。鉄粉除去はケミカル(鉄粉除去剤)をスプレーした上から粘土で取ると効率がいい。 ただし夏場はダメだ。鉄粉除去剤がすぐに蒸発してしまう。
WAXは相変わらずイオンコートを使っている。耐久性も合格レベルで実売価格も安く、1本買えば1年くらいは使い続けられるんじゃないかな?

◆ この他にもWAXテストで使用した、中途半端に使った固形や半練りなどがゴロゴロしている。そのうち溶剤が飛んで蓋を開けてみたらカピカピでヒビが入っていた..ってな事になりそうだ。
最も使わなかったのはインペリアルブライトマスターだ。一度テストに使用したきり、その耐久性の無さがイヤで使っていない。

◆ これから雨の日が増えるとガラス撥水剤も出番となるが、これはレインエックスに落ち着いている。
シリコン系のレインエックスよりテフロン系の方が耐久性はあるが、撥水性自体はシリコン製の方が良いようだ。これも上塗りを重ねていると初期撥水性が落ちるようなので、シーズン前には一度落として塗り直すと良い。撥水剤でワイパーがビビる車があるようだが、その場合にはモリブデン系でワイパーブレードに塗るヤツ(今でも売っているだろうか?)が効く。
平均走行速度の高い欧州車はワイパーが良くできていて、SLはぬえわKm/h以上でもちゃんとガラスを拭いてくれる。Vitaの方は100Km/h程度でしか試していないが、この速度なら問題ない。

◆ せっかく洗車しても、昨日は風が強かったのですでに砂埃が積もっている。塗れ雑巾で拭けばキレイになるが、ちょっと面倒だ。が、これで小雨でも降ろうものなら斑点になっっちゃうしね。
去年は雨の日が多く、一昨年は雨が少なかった。果たして今年はどうなのだろうか?雨が少なければ洗車の手間が無くて良いのだが、水不足が心配になる。ちょっと多く雨が降れば崖崩れなどの被害が出る。自然が強いのか自然に弱いのか分からないが、降雨量や平均気温のちょっとした変化でも農作物をはじめとした、生活環境に与える影響は大きい。

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バルブモニタ(3/6)

◆ SLのADS(アダプティブダンピングシステム)のバルブを車検の時に交換したのはこちらでお知らせしたとおりだが、そのバルブの動作を確認すべくモニタを取り付けた。
単に4つのバルブの通電状態を見るだけのLEDなのだが、外したバルブと合わせて動きを探っている。
どうやら4つのバルブは、車高を上げるものと下げるもの,それがフロントとリアで合計4個のようだ。
制御は停車中が多いが、走行中にも制御が行われる場合もある。まだ詳しくは調べていないけどね。

◆ このバルブの他にも各輪のバネ常数(に、あたるもの)とショックアブソーバの減衰力可変用バルブが付いているが、こちらの方はまだ手を着けていない。
車高調整は左右輪同時制御だ。ソアラのエアサスは後輪は両輪同時制御だが、フロントは左右独立していた。このため同一方向に連続旋回すると、徐々にロールが減ってくるし停車すると車体が傾いていたりする。電動エアポンプによる車高制御は時間がかかるのだ。

◆ エアサスは車高によってバネ常数が変化する。車高を上げるためにエアを入れると、エア室の圧力が高まってバネ常数が上がる。SLでも同じようなことは言えるのだがエアサスよりは変化が少ない。
エアサスはその特性がプログレッシブレートになっているので、サスの圧縮に伴ってバネ常数が上昇する。つまり無負荷の時が一番柔らかいわけだ。これは積載量が増えるほど(バネ上重量が増えるほど)同じ車高でもバネ常数が上がることになり、理にかなっている。

◆ 日産のエアサス仕様車では、サスペンション分のエア室の他にもエアタンクを取り付けて、より柔らかいバネを実現していた。別体エア室はコストアップになるが、サスペンションに付けられたエア室断面積を小さく出来るので金属バネ仕様車からの変更が簡単になるのかも知れない。

◆ エアサスで(メーカが)便利なのは、輸出時の船積み時に車高を簡単に上げられる点だそうだ。
船に乗せるときに車高の低い車はバネにスペーサ(バネが縮まないようにする)を取り付けて車高を稼ぐ。そうしないと段差を乗り越えるときに底面やオーバハング部を船に接触させてしまう恐れがあるそうだ。フェアレディーZなどはこの方法で輸出されていたらしい。



アメ車(3/5)

◆ 道路を挟んだ向かいの家に大きなアメ車がある。最初はノーマル然としていたのだが、いつの日かマフラーが変えられた。どうやら音の大きな車が好きらしくて、ご主人が乗っている(と思う)セドリックか何かのマフラーもボーボー言っている。
子供は3人くらい居るようで、その友達達はマフラーのついていないような原付(当然ナンバーは曲げてある)でウロついている。

◆ このアメ車が夜中に出ていったり戻ってきたりするのだが、これがうるさい。特に出ていくときはドロドロ、ボーボー吹かしながら暖気でもしているのだろうか?静かな住宅街でボーボー言わせるのはやめて欲しいものである。今度本人を見かけたら文句を言ってやろう。
迷惑な音を出していても出来るだけ迷惑にならないように、エンジンを掛けたらすぐ出発するとか戻ってきたらすぐエンジンを切れば我慢もするが、夜中に吹かされたらたまらない。

◆ 以前S30(フェアレディーZの古いヤツ)に乗っている人が居て、メカチューンでいい音出していた。
しかしある時から籠もったような排気音に変わった。前の音の方が良かったんじゃないの?と聞くと近所からクレームが来てメインマフラーの前に膨張管を入れたのだとか。そのおかげかアイドリング時の音は随分小さくなっていたが、高回転時の抜けの良い音もなくなっていた。
同乗すると室内でも(それまでには余り感じなかった)籠もったような音と振動が増えて、長距離乗っていると耳鳴り的状態になってしまう。

◆ 高負荷高回転だとキャブの吸気音の方が勝っているが、高速などで定速走行していると籠もり音が気になる。その後その車は何度かチューンを重ねたが、S30はメインマフラーが取り付け場所の関係で大きくできない為に、常にマフラー問題には悩まされていたようだ。
チューンが進んでパワーが出てくるとクラッチが保たなかったりデフが壊れたり、ミッションから音が出始めたりの金食い虫だったが、車検切れで廃車になるまで随分距離を乗ったようだ。



マザー色々(3/4)

◆ 色々なマザーをテストした。最近はBIOSでFSBをセットできるものが増えて便利である。が、起動しない程までFSBを上げてセットしてしまうとC-MOSをクリアしないと回復しないものが多い。
起動しないとデフォルト値を自動ロードするものもある,と言うか、次の起動時に設定値を書き込むという感じなのだろうが、こちらの方が親切である。
FSBを色々いじくり回すときには、ケースのスイッチまでC-MOSクリア端子を引っぱり出してきた方が良い(笑)

◆ もう一つ最近のマザーの特徴は、やたら高い周波数まで設定できることだ。動くか動かないかは別として、100MHz以上が数MHzごとに設定できる。これならPLLを付けなくても良いかも。
ただしPentium-III/500MHz(パッケージにはPentium-IIと書いてある)はノーマル電圧+ノーマルファンで600MHz迄しか動かなかった。もちろんマザーによっても違うのだが、その違いが14MHzしかなかったのも意外だった。マザーによってもっと違うのかな?と思ったからだ。

◆ 600MHzまでしか動かなかったのがCPUの問題なのかメモリ関係の問題なのか定かではないが、CPUを冷やせば650MHz辺りまで動いたことを考えるとネックはCPUなのかな?ちなみに650MHz時はノーマル電圧だった。借り物CPUなので無茶できなかったのが悔やまれる。
Celeron系が5割以上のオーバクロックに耐えるのに、やはり基板上のL2はネックなのかな?と思った次第。
マザーのチップセットは殆どがIntel製だったが、同じチップセットを使ったマザーでもマザーを変えるとWindowsはドライバを組み直し始める。これが面倒でWindowsがますます嫌いになった。

◆ 比較的高クロックで動作したのはA-OpenのAX6BCなのだが、同じA-OpenのAX63は耐クロック性よりPCIバス速度の遅さが気になった。実験に使用したビデオカードで、大抵のマザーは3DBenchが333.3か500なのだがコイツは何故か166しか出ない。ビデオカードがPCIバスのものだったので、これと相性が悪いのかも知れないけど。
一時期人気があったASUSのP2Bだが、これが最近のP2BFよりPentium-IIIを高クロックで動かすことが出来た。もっともマザーボードは各社一枚なので製品間のバラツキとかロット間の性能差なんてのも十分考えられる。

◆ Slot1のCPUで倍率が可変出来て2倍速が使え、400MHz辺りまで動くものがあれば本当の意味でマザーボードの耐クロックアップ性テストが出来るのだが、最近のIntelCPUはクロック倍率が固定されていて面白くない。確かPentium-II/300MHz辺りまでは可変倍率じゃなかったかな?と思うので、これをお持ちの方は大切にした方が良いかも。
そうそう、PPGA Celeronでも可変倍率のものが一部に出回ったそうである。Intelお得意のES品だと思うが、これをお持ちの方はラッキーだ。



L2がネック?(3/3)

◆ Pentium-IIIだが、クロックアップの足かせとなっているのはL2Cacheのようだ。これをDisableにするとクロックアップ耐性が上がる。Pentium-IIIのL2はコア周波数の1/2で駆動されている。
CPUが700MHzで動いたとして、Cacheは350MHzだ。Celeronはコアと同一周波数でCacheが動いている。
こちらの方が条件は厳しいはずだがL2 Cacheの動作周波数限界は高い。

◆ 一般的にコアに内蔵したメモリは高速である。バスドライバなどの遅延原因が存在しないからだ。
Pentium-II/IIIでは基板上にCacheが乗っているから、CPU側にもCache側にもドライバ回路が必要になる。他にもチップ内に比較するととてつもなく長い配線という遅延線が必要だ。この辺りがPentium-II/IIIのクロックアップ耐性を引き下げているのかも知れない。
ちなみに700MHzを超えてL2 Cacheを動作させようとすると3nS前後のアクセスタイムを持つRAMが必要になると思う。

◆ これはSlot1とSocket370のCeleronでも言えること。Slot1のCeleronを700MHzで動かすにはかなり苦労するが、Socket370では複数の方が700MHz以上での動作報告を行っている。
Intelは来年後半にも1GHzオーバのCPUを発売したいとしているが、果たしてSlot1/2はどうなるのか?Slot1/Slot2共用マザーという物があるが、Slot2のコネクタの複雑さはかなりのものだ。しかもSlot2で増えた端子の殆どは電源とGNDなのだからもったいない。
コストとは無縁のサーバ用途,と言ってしまえばそれまでなのだが、コネクタの電源容量を増やすために端子を並列で使うというのは頭のいい方法ではない。

◆ リレーやコネクタやスイッチなどの接点物は、当然接触抵抗の少ないところに多くの電流が流れる。
これらの接触抵抗はミリオーム単位だが、CPUが30Wの電力を消費するとしたら電流は(Vcore=2Vとして)15Aである。接触抵抗が5mΩなら発生する電圧は75mVになり、Vcore電圧の4%近いドロップとなる。接触抵抗による発熱は1Wを超えるから、これが細い端子一本に集中すればコネクタは焼けるだろう。

◆ だから多数のピンを並列に使っている,のかも知れないが、接触抵抗が5mΩの端子と10mΩの端子があれば電流は接触抵抗の低い方に流れる。発熱は(たぶん)端子の接触抵抗を上げる働きがあるから、やがて5mΩの接触抵抗の端子は10mΩの抵抗を持つようになって他の端子にも電流が流れる,のかも知れない。余談だが普通の銅箔の厚さのプリント基板の場合、線幅1mmで1A流せると言われている。

◆ Socket構造でも接触抵抗は発生するが、片側(CPU側)がピンなのでソケット構造の工夫で接触抵抗を下げやすい。接触抵抗を下げるためには強い力でCPUのピンとソケットコンタクトを接触させる必要があり、これだとCPUがソケットから抜け無くなっちゃうのでZIFが使用されている。
Slot1もZIF構造(出来るか?)にすれば接触抵抗を下げることは可能だと思う。



S2000(3/2)

◆ いよいよ来月にはホンダのS2000が発表されるらしい。2000ccのNAでは最高の250PSを発揮するというのも、いかにもホンダって感じだ。1000cc辺り125PSは自動車用量産エンジンとしてはハイチューンで、可変バルタイ&リフトが無ければかなり乗りにくい(低速トルクに乏しい)エンジンになるに違いない。

◆ もっともNS-XにしてもVTECが付いているとはいえ、3000ccから280PSを絞り出すには苦労があったようだ。乗ったことのある人ならお解りだと思うが、5000r.p.m以下のトルクは決して太いとは言えない。4500r.p.m辺りからちょっとエンジン音が変わりはじめて、5000r.p.mを超える頃から元気さ倍増って感じになる。そこから先が元気に回るだけに低速トルクが余計貧弱に感じられるのかも知れない。

◆ おそらくS2000のエンジンではこの辺りも見直されていて、低回転から高回転まで段差のない加速感が得られるかも。ボディー剛性の点でも高いレベルになっているという発表だ。これもNS-Xでの失敗が生かされたのか?トラックブームが去って若者たちの興味を惹く車がない中、S2000もおもしろさ具合と価格のバランスが良ければ売れるかも知れない。

◆ ホンダと言えばロールセンターを低く取ってロール剛性を下げたサスセッティングが得意だ。おそらくタックインなどのアクションを減らすために、ロールさせるセッティングかな?とも思うのだが、NS-Xでもその手法は同一だったりして???である。
ファミリーカーはロールするのにゴツゴツする,変なセッティングになっている。もしかすると今のモデルなら考え方が変わっているかも知れないけど。

◆ ロール剛性と操縦性,と言うより、操縦感のチューニングに力を入れているのはマツダだろうか?一時期は「テールスライドしやすいですよ〜」みたいなトボけたCMを流していたが、何が何でもグリップして限界を超えるとフッ飛んで行くようなセッティングより、ある程度ロールさせた上でズルズルッと滑るセッティングをしたのだとか。
この辺りは大事かも知れない。免許取り立ての若者が新車を買って、ハンドルさえ切れば曲がってくれると信じて飛ばしたら事故った..なんて話は良く聞く。

◆ 路面やタイヤや車体の状況を伝えにくい車こそイージーで高級車,みたいな考え方があるのかどうか知らないが、トヨタにしても(特に)ホンダにしてもウルトラ軽いパワステとか電気仕掛けで反力を付けたパワステなどでは、例え轍に入ろうが路面が凍結していようがステアリングを通すとその情報が20dB位減衰されてくる。



転勤の季節(3/1)

◆ 新社会人や転勤などでの引っ越しシーズンである。ここのところの不景気で思わぬ転勤になった方も多いだろう。不景気が幸いしてか引っ越しのコストも新居を借りるためのコストも下がってはいるが、引っ越しとなれば何かと大変である。
某大手企業でも春と秋には異動があり、日本国内のみならず海外の支社に出向や転勤を言い渡される場合がある。一時期は独身者がその対象になっていたようだが、最近では就学生が居ようといまいとお構いなしに辞令が出る。

◆ 景気の良い頃は転勤がイヤで会社を辞めていく人(転勤か退社かどちらかしか選べない)も居たが、さすがに今は辞める人は少ないのではないだろうか?同じ地域に数年以上勤めると転勤の可能性は低いと言われ、マンションや戸建てを購入する人も居たが、家を買ったとたんに転勤になった人もいる。景気の良い頃は家を貸して自分たちは転勤地マンションを借りて生活している人も居たし、家賃収入がローンの支払いを上回って儲けが出る,なんて話も良く聞いた。

◆ 不動産転がしじゃないが、転勤地でまたマンションを買ってちょっとしたマンションオーナって人も居たのだ。最初の住まいは会社から低金利融資が受けられて、2つめのマンションは銀行融資で買うってのがお決まりのパターンだ。
景気悪化に伴って金利はどんどん下がって、でも当時はまだ部屋の借り手があったから並のサラリーマンよりちょっとオイシイ気分になっていた人も多かったが、今はどうしているのだろうか?

◆ 引っ越すと電話番号も変わる。NTTの方は(必要もあるから)手続きを行うが、長距離電話会社への手続きを忘れてはいけない。長距離電話会社は電話番号のみで管理しているので、それまで使っていた番号が他人に渡っても請求は元の契約者の所に来る。番号に余裕があれば、旧番号がすぐには使われないからなかなか気がつかなくて、半年位したときに請求があったりして驚くのだ。
いや、もしかすると銀行自動引き落としか何かで気がつかずに他人様の電話料金を払い続けることになる。

◆ 久々にお料理コーナ更新,塩味たまごの第三弾だが、結果は..



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